山極寿一のレビュー一覧

  • 京大というジャングルでゴリラ学者が考えたこと
    大学における論点が明確にまとまっている。世界の大学事情もよく分かった。
    「京都大学の知を生かすために」に書かれた、西田哲学と今西自然学(霊長類学の始祖である今西錦司)の共通点、「あいだの論理」、四論(レンマ)、ハレの世界とケの世界、「見立て」などはとても興味深い。
    「古くて新しい思想」を利用して、世...続きを読む
  • 京大というジャングルでゴリラ学者が考えたこと
    「第5章 私の教育論」で著者が述べている"高い共感力を育む教育"は非常に重要な視点だと感じた.人間の子どもの危険な時期が、長い離乳期と不安定な思春期であり、その時期に適切な教育を受けれるように配慮することが、人間社会の形成に重要である との指摘は的を得ていると思う.示唆に富む提言や、苦労話も含めた広...続きを読む
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)
    霊長類学者山際寿一と作家小川洋子の対談集。山際さんは京都大学学長になる人を巻き込む言い方が出きる人だなと感じ入った。小川さんは対話する人のこれまでの経験や記憶のかけらをうまく言葉にさせる力がある人だなと思った。山際さんの人だけが持つ家族を結びつけるものを愛と叫ばせたのは、小川さんの力だなと思い、吉本...続きを読む
  • 「言葉」が暴走する時代の処世術
    博識な二人だが、対談なのでとても読みやすい。

    SNSが普及する今、コミュニケーションとは何なのか、幸せに生きるにはどう考えたらよいのか、といったことを考えさせてくれる。
  • 京大というジャングルでゴリラ学者が考えたこと
    京都大学総長を務めたゴリラ学者が、自身の経験や大学論、未来と学術の関係等について論じる。
    2004年に国立大学が法人化され、国の財政から切り離されて予算が不足したり教員の業務が増えたりといった弊害が生まれた。
    アフリカでのゴリラ研究のフィールドワークの体験談も面白い。アフリカの学生に学位を取得させる...続きを読む
  • 都市と野生の思考(インターナショナル新書)
    学問でも自分基礎修練の中で積み重ねてきたものをいちどチャラにするような視点を持つことが大事。回り道をしているようで、普通なら普通ならもったいないと思うところです。せっかく蓄積したものがあるのにそれを役立てず違う方向に行ってしまうなんて。けれどもあえてそうやってみる先にまったく違う世界がひらけてくる。...続きを読む
  • 京大総長、ゴリラから生き方を学ぶ
    アフリカでのゴリラ調査のフィールドワークを通して、対人関係の工夫を学ぶことができた。まず相手の文化や考えを理解することが、うまくやっていくために重要だった。
    味方をつくること=敵をつくること というのは新しい観点だった。

    ゴリラの生態も含めて、学ぶことが多い本だった。
  • スマホを捨てたい子どもたち 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方
    スマホを使うことが当たり前になっている今、役立つ内容だったと思いました。

    著作の後半部分はゴリラ研究者として、人間とは一定の距離を置いてゴリラと共に生活を送って研究を進めたからこそ言える内容なのかな、と感じました。
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講
    11のエリアの第一人者との対談。非常に為になった。個人的な関心の重みもあり、中でも、東浩紀氏、石川善樹氏、水野和夫氏、平野啓一郎氏、山極寿一氏のパートは示唆に富んだ内容であると感じた。
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講
    11人の識者へのインタビュー集。編者の好みなのか分野と言葉は違えど、思い描いている未来社会は似通っている人選のようにも思えます。気になる人物ばかりだったので問題ないですが。

    近代の強い個を持続できるほど人間は強くなく、場の関係性の上に柔らかい弱い個をなんとか保っているのが実情。そんな個人でも生きや...続きを読む
  • スマホを捨てたい子どもたち 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方
    人間とは、社会とは、考えさせられる内容が多かった。コロナ禍で対面での人との繋がりが弱まり、面と向かって話したりご飯を食べたりしにくくなっている。慣れてはきたもののどこか寂しいと思っていたわたしには共感できる内容が多かった。生物学的に人間は五感で世界を感じとっている、人間は互いに違うということを前提と...続きを読む
  • スマホを捨てたい子どもたち 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方
    心に残った部分(要約)
    ✔実際の五感で感じる世界ではなく言葉などのフィクションのフィルターを通して自然を眺めている。フィールドワークではあえて言葉に翻訳しないのが極意である。
    ✔「家族」を持つのは人間のみ。人間の社会性は、仲間と一緒に安全な場所で食べる「共食」から始まった。しかし今は効率性を求め「自...続きを読む
  • 都市と野生の思考(インターナショナル新書)
    対話が面白い、読みやすい
    ファストフードを食べる姿を見て、チンパンより孤独。そう言う意味では人類史は退化している
  • 虫とゴリラ
    独特の感性に基づいた2人の学者の対談であり、いろいろなキーワードを拾い上げることができる。

    言葉の「同じ」という機能、
    一体化、共感、共鳴、
    職場の机の石、
    歯車、一次中枢神経とピアノ
    モノを媒介にして変わった明治維新と戦後
    人間のつくるシステムには「界面」がない
    こぼれ落ちた現象、感性

    今後、...続きを読む
  • 虫とゴリラ
    独特の感性に基づいた2人の学者の対談であり、いろいろなキーワードを拾い上げることができる。

    言葉の「同じ」という機能、
    一体化、共感、共鳴、
    職場の机の石、
    歯車、一次中枢神経とピアノ
    モノを媒介にして変わった明治維新と戦後
    人間のつくるシステムには「界面」がない
    こぼれ落ちた現象、感性

    今後、...続きを読む
  • スマホを捨てたい子どもたち 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方
    山極先生の生き方にも触れることができました。どんな生い立ち中のか、研究テーマに向かう姿勢も分かりました。かつてNHKの「ようこそ先輩」で授業して下さった様子も思い出されました。今という時に、人間はどのように生きるべきなのかという視点を示唆してくれる本だと思いました。
  • 人類の起源、宗教の誕生
    山極先生4冊目。
    山極先生サイドからは人類の起源、小原先生サイドからは宗教の誕生をめぐるエピソードや考察が提示されて、現代社会が抱える諸問題を分析していくという構成。
    山極先生が豊富なフィールドワークをもとにお話されるエピソードは、ホント、毎回毎回面白い。けど、本書はこれまでに読んだ山極先生の本より...続きを読む
  • ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」
    とくに第一章は面白い。

    西洋人が自らを知るためにインディアンを定義することを目指したように、人類が自身を知るためにゴリラを調べる。

    比較対照があってこそ、そのものを理解できる。ということの意味を知ることができた。
  • 虫とゴリラ
    虫の専門家とゴリラの専門家の対談本。いかに人が自然を差し置いて自分勝手なモノの見方をしているかを考えさせられた。専門的な話を軸に、身近なテーマを幅広く扱っているため、とても読みやすく読み応えもある一冊であった。
  • 虫とゴリラ
    虫の専門家とゴリラの専門家の対談本。いかに人が自然を差し置いて自分勝手なモノの見方をしているかを考えさせられた。専門的な話を軸に、身近なテーマを幅広く扱っているため、とても読みやすく読み応えもある一冊であった。