山極寿一のレビュー一覧
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ネタバレ鳥の研究者、類人猿の研究者の対談。
鳥には文法を使いこなせるというのが、鳥大好きな私にはなんだか嬉しく思った…まるでファンタジーだけど、現実に鳥たちは会話をしている!!
人間が言葉を使いこなす前はどんなことで情報を伝えていたのか?というところから、現代は文脈を読む、想像するという能力が衰えている、とのこと。
映像作品でも主人公のナレーションなどで
全てを分かりやすく解説している、映像で見せてこちらに想像させることがなくなったと言う話から、
最近の小説の装丁で、人物の割と写実的なイラストものが多いのは、その方が登場人物を想像できるというのを
YouTubeで見たのを思い出した。
なるほど、、 -
Posted by ブクログ
ゴリラの研究をここまで愛を持ってされている話には興味深いものばかり。
人間が二足歩行を始めたことにより子育て方法が他の種と異なり、分裂した家族、今や核家族が当たり前となったのが分断の理由なのだということ。
コロナ禍の話も含めており、我々の暮らす現代の環境で怒りや闘争、争いが起きるのは繋がりが絶たれていることやスマホなど情報社会や産業が発達してきたからなのではないかということを改めて考えさせられる。
ゴリラを通して自然の生き方を目の当たりにしてきた筆者が感じる人間へのメッセージを感じる。
ゴリラの説明や生態については途中読むのが大変になってしまったのでサラリと読みたいところ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・鳥やゴリラも鳴き声という形で言語を使う。
→危険が近づいた時(敵によっても違う!)、餌を見つけた時、どこにいるか知らせる時
ex)手話を覚えたチンパンジーの実験も。追加で連れてこられたゴリラも手話を覚えて、捕まった時の様子を話した。ただしゴリラ同士はゴリラの言語で話してしまうけど……
・今までヨーロッパ的な価値観で人間を基準にして動物の差分を見ていたが、動物にできて人間にできないこともたくさんある。
→人間と動物という二項対立から離れて、言葉や人間の能力を考える
・言葉はなぜできたのか
→環境への適応。言語を使えた方が生き残り、子孫を残しやすい、
ex)頭の良いとされるカラスでも、鳴き -
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人間と近しい生き物である類人猿の行動を観察、把握し、それを人間の行動に当てはめて考えてみよう、という学問を基礎に書かれた本。多くの生物は生殖を行えなくなると死ぬが、人間だけそうなった後も長く生きる。それは老人が子供の育成などに一役買って来たからだ、というような内容が書かれている。
確かに人間は猿の一種ではあるので、なるほどそうなるのかと思うことが多かった。
共同体と家族のどちらかには属しておくべき、という話は私の老後の指針になりそう。
ただ、世代間のギャップを感じる内容も多く、この本で批判されている最近の人間の挙動は、私が老年期に入るころにはそれが当たり前の世界になっているはずなので、そう -
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ルー大柴の「ルー語」で鳥の文法を解き明かす話から、「テキスト文化」の恐ろしい強大さまで
ゴリラの研究の第一人者である山極寿一さんと、シジュウカラの言語研究で注目されている鈴木俊貴さんの対談形式の共著です。山極さんの著作『ゴリラに学ぶ男らしさ』は私の人生の中でもトップレベルに面白い本で、類人猿と人間のあいだの垣根がぼやける感覚を味わえる名著でした。この本では動物たちの生態やコミニュケーションから、人間の言語の根本をつかもうとする試みが行われています。この本の中で触れられている『アレックスと私』という本を以前読んだ時、鳥の言語感覚が想像以上に豊かなものだと知り、「動物の言語というものはけしてファ -
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少し前の本ですが、学びある。
動物の世界は必然性の世界であり、
アルゴリズムが支配する世界であり、
強いつながりの世界である。
それは友達を作りたいなと思ったら自分と趣味の合う人たちを探してオフ会をやる世界です。
人間が人間らしいと思っているものの多くは誤作動の結果起きている。
だから人間らしい感情は根拠づけたり設計したりするものではない。
人間のコミュニケーションには誤作動がすごく多くて、その誤作動こそが我々の自由や生きているという事実を支えている。
だから、それをなるべく潰していくというのはまずいと思います。
そうした誤作動をどうこれからの社会に組み込んでいくかという話になると思います -
Posted by ブクログ
昔、立花隆の「サル学の現在」を読んで、人類の先祖がチンパンジーのように残忍ではなく、ゴリラのように穏やかな性格だったら我々はもっと平和な歴史を刻んだだろうなと思っていた。どうやら、僕の考え違いだったようだ。山際先生は集団間の暴力の理由を言葉、死者の利用、共感性としている。ユヴァル・ノア・ハラリ「サンオピエンス全史」言う処の認知革命が原因なんだな。
山際先生の近親相姦のタブーの起原説に納得した。育てる経験が性的な関心を抑制する。そのインセスト・タブーがあるからこそ娘を他の家に差し出すことができる。また、類人猿のメスは親元を離れて繁殖するとある。
ここでレヴィ・ストロースの云う「女の交換」が発生