山極寿一のレビュー一覧

  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

    Posted by ブクログ


     SNSやAIの台頭により、危機に瀕しているヒトのコミュニケーション。解決へのヒントの一つが本書に書かれている。『現代社会が言語に依存することで、ヒトは非言語な情報を認知できなくなるかもしれない』
    今こそ、動物の言語研究に学び、他人の感情や気分といった、文字にならないものを大切にするべきなのだ。

    0
    2025年08月13日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

    Posted by ブクログ

    これはおもしろかった!!
    タイトルの動物たちは何をしゃべっているのか?から、人間の進化、文字を得たことによる弊害など、後半は更に興味深く、現代の社会ストレスにもちょっと納得してしまった。
    この本に出会わなければ知り得なかったコトを知って、"知る"ことってこんなにおもしろいんだな、と改めて思った。

    0
    2025年08月11日
  • 老いの思考法

    Posted by ブクログ

    これからの生き方は、複数の拠点を持つことという提案は目から鱗だった。ただ拠点を複数持つだけではたぶんダメで、そこにほんの小さなものでも人間との関係性が必要だということも理解。2拠点、あわよくば3拠点生活とか近い将来できないものかと遠くを見ながら考えてしまったのでありました。

    0
    2025年08月11日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

    Posted by ブクログ

    シジュウカラ語を理解する鈴木先生の最初の本。霊長類の研究を長年続けられている山極先生との対談で、ラジオや他の書籍では聞けない話があるかもと期待して読んだ。

    期待にそぐわず、さすが動物の研究をフィールドで続けている2人だからこそ生まれる、お互いの研究に対する疑問とその答えが面白かった。シジュウカラが騙しのテクニックを使うなど、初めて触れる知識が自分の世界を拡げていく感覚を味わえた。

    もう一度しっかり噛み締めながら読んで、新しい視点で野鳥の振る舞いを観察したい。

    0
    2025年08月01日
  • 老いの思考法

    Posted by ブクログ

    人間と近しい生き物である類人猿の行動を観察、把握し、それを人間の行動に当てはめて考えてみよう、という学問を基礎に書かれた本。多くの生物は生殖を行えなくなると死ぬが、人間だけそうなった後も長く生きる。それは老人が子供の育成などに一役買って来たからだ、というような内容が書かれている。

    確かに人間は猿の一種ではあるので、なるほどそうなるのかと思うことが多かった。
    共同体と家族のどちらかには属しておくべき、という話は私の老後の指針になりそう。

    ただ、世代間のギャップを感じる内容も多く、この本で批判されている最近の人間の挙動は、私が老年期に入るころにはそれが当たり前の世界になっているはずなので、そう

    0
    2025年07月23日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

    Posted by ブクログ

    ゴリラは20種類の鳴き方をもっている。
    シジュウカラもたくさん。
    だが鳥籠や動物園ではあまり鳴かない。
    危険もないし、ご飯もあるから。
    言葉を使える個体の方が使えない個体より上手く生存したからその遺伝子が集団内で広がり環境に適応した。
    人間にとっての単語はシンボル。単語の音と指し示すものの関係は完全に恣意的。例えばりんごと聞いて、赤くて甘酸っぱい果物と思い浮かべること。
    シジュウカラにとって意味を持つ鳴き声、つまり言語の起源は生存に直結する重大な情報のカテゴリー化。敵が来た。食べ物を見つけたなど。複数の5組み合わせる文法があることもわかっている。

    言葉を持たない音楽的なコミュニケーションや認

    0
    2025年07月23日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

    Posted by ブクログ

    ルー大柴の「ルー語」で鳥の文法を解き明かす話から、「テキスト文化」の恐ろしい強大さまで

    ゴリラの研究の第一人者である山極寿一さんと、シジュウカラの言語研究で注目されている鈴木俊貴さんの対談形式の共著です。山極さんの著作『ゴリラに学ぶ男らしさ』は私の人生の中でもトップレベルに面白い本で、類人猿と人間のあいだの垣根がぼやける感覚を味わえる名著でした。この本では動物たちの生態やコミニュケーションから、人間の言語の根本をつかもうとする試みが行われています。この本の中で触れられている『アレックスと私』という本を以前読んだ時、鳥の言語感覚が想像以上に豊かなものだと知り、「動物の言語というものはけしてファ

    0
    2025年06月08日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

    Posted by ブクログ

    『動物言語学』。こんな面白い学問分野があったとは!学生のうちに知っていたら進路が変わったかもしれません。
    けれど、研究者の方々が人生を捧げて解明したことを、素人にも面白さがわかるように噛み砕いて教えてくれる本をこうして読めるので十分幸せです。ただ、鈴木先生も対談の中でお話しされていましたが、自力で辿り着いた者しか知り得ない感動や興奮は格別なのでしょうね。

    0
    2025年06月05日
  • 京大変人講座

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    地球の教室は私の興味ある分野。基礎的部分を分かりやすく解説。経営の教室は衝撃的。鮨屋のおやじとの闘い。高級であればあるほどサービスは減る、なるほど。上下関係、したからのサービスは価値が低く感じられる、これもなるほど。お作法は不合理なもの。鮨屋のおやじの仏頂面には理由がある。このシリーズ面白い。

    0
    2025年06月02日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

    Posted by ブクログ

    シジュウカラの研究で有名な鈴木博士の名前が気になって手に取った本
    鳥の専門家と霊長類の専門家が「言葉」を軸に対談したものをまとめてあります。
    なにか一つのことに熱中した人どうしの会話はどうしてこんなに興味深いのか!

    特に興味深いと思った点を以下に箇条書き
    ・鳥や犬が知覚している世界は人間とは全く異なるものになるだろうということ
    (紫外線が見えたり、嗅覚がすごくするどかったり)
    ・利他的な行為が残ってきた理由とそれが原因で暴力や戦争が生まれているかもしれないということ
    ・人間の言葉はとても便利だけど、便利すぎて言語化した際に非言語情報が捨てられてしまっている。そのことで起きている問題について

    0
    2025年05月22日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ゆる言語学ラジオで紹介されていて、ようやく予約が回ってきた。読みやすく、これをきっかけに深く言語などを考えたり読んだりしたいなと思わせる…

    Part1 おしゃべりな動物たち

    Part2 動物たちの心
    動物の意識:
    山極「意識については哲学的な議論がたくさんありますが、私はシンプルに「自分が何をしているかわかっていること」と定義していいと思います。」
    鈴木「つまり、自意識ですね。…心の理論を保つためには、自意識に加えて共感能力が必要じゃないかって思っています。共感する相手がいなくても、自意識だけを保つことは可能だけれど、そこに共感する相手が現れて心の理論が進化したのではないかと」

    まとめ

    0
    2025年05月04日
  • 老いの思考法

    Posted by ブクログ

    ゴリラや猿と比較した人間の老いについて語る。甥はネガティブに語られがちであるが、仲裁力、ハブになる力等、老いてからでないと引き出せない魅力がある。ゴリラは老いると、食べられなくなり、緩やかに死ぬ。老いに怯えるのは人間だけなのかもしれない。

    0
    2025年04月22日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

    Posted by ブクログ

    新進気鋭のトリ博士の鈴木俊貴センセイ、
    ゴリラ研究のオーソリティの山極寿一センセイ、
    そのお二人の対談集、
    次から次へと学問とフィールドワークに
    裏打ちされた興味深いお話が満載 、
    お二人のご研究とお人柄の
    とんでもない幅広さの魅力が
    会話のはしばしに、
    人類が持つ叡智とはこう言うことなのだ!
    と実感させてもらえます

    0
    2025年04月03日
  • 京大変人講座

    Posted by ブクログ

    京大の変人教授たちがそれぞれに「変なテーマ」を取り扱い、独自の研究データから得た知見をもって、常識を疑う視点を持つことが重要だと示してくれる。

    『“変人”がいるから人類は繁栄してきた』という一節はとても興味深い。

    視野を広げ、視点を変えて、一般論やもっともらしい説に固執せずに柔軟な思考を保ち、ユーモアを忘れずに過ごしたいと思う。

    0
    2025年03月11日
  • 京大総長、ゴリラから生き方を学ぶ

    Posted by ブクログ

    過去は美化することも、灰色にすることもできない。誤魔化しのきかない自分というものに誇りを持って相手に接しないと、対等な話はできない。
    個の活動が増えた現代において、他者と生きてゆくための視点の持ち方に気付かされた。

    0
    2025年02月23日
  • 京大総長、ゴリラから生き方を学ぶ

    Posted by ブクログ

    学術会議前会長は、ゴリラの研究者だった。人付け・ゴリラと同じ行動をして、仲間と認めてもらい観察する。現地の人と仲良くなり、森を案内してもらう。同じゴリラの研究者のダイアン・フォッシーさんとの出会い、食事を共にする意義、ニホンザルとゴリラの違い、など興味深かった。

    0
    2024年10月04日
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講

    Posted by ブクログ

    少し前の本ですが、学びある。

    動物の世界は必然性の世界であり、
    アルゴリズムが支配する世界であり、
    強いつながりの世界である。
    それは友達を作りたいなと思ったら自分と趣味の合う人たちを探してオフ会をやる世界です。

    人間が人間らしいと思っているものの多くは誤作動の結果起きている。
    だから人間らしい感情は根拠づけたり設計したりするものではない。
    人間のコミュニケーションには誤作動がすごく多くて、その誤作動こそが我々の自由や生きているという事実を支えている。
    だから、それをなるべく潰していくというのはまずいと思います。
    そうした誤作動をどうこれからの社会に組み込んでいくかという話になると思います

    0
    2024年06月30日
  • 「サル化」する人間社会

    Posted by ブクログ

    ゴリラ等の生態と人間を比較している。比較対象があるから、人間社会で何が必要なのかがよくわかった。ゴリラのフェイストゥフェイスの関係性はとても理解できる。ゴリラは序列を作らないそうだ。
    面白い!

    0
    2024年06月20日
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    昔、立花隆の「サル学の現在」を読んで、人類の先祖がチンパンジーのように残忍ではなく、ゴリラのように穏やかな性格だったら我々はもっと平和な歴史を刻んだだろうなと思っていた。どうやら、僕の考え違いだったようだ。山際先生は集団間の暴力の理由を言葉、死者の利用、共感性としている。ユヴァル・ノア・ハラリ「サンオピエンス全史」言う処の認知革命が原因なんだな。

    山際先生の近親相姦のタブーの起原説に納得した。育てる経験が性的な関心を抑制する。そのインセスト・タブーがあるからこそ娘を他の家に差し出すことができる。また、類人猿のメスは親元を離れて繁殖するとある。
    ここでレヴィ・ストロースの云う「女の交換」が発生

    0
    2024年06月12日
  • ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」

    Posted by ブクログ

    ゴリラやチンパンジー、オラウータン、猿など様々な霊長類の生態を例にあげながら人間社会を見ていく構成で興味深く面白かった

    垣間見える思想がちょっと…という部分があった

    0
    2024年05月11日