山極寿一のレビュー一覧
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鳥類、特にシジュウカラを主に研究対象とする鳥類学者と霊長類(ゴリラを研究対象とする動物生態学者)の対談。動物たちも特有の言語を持ち、コミュニケーションを行っている。そして、動物たちのコミュニケーションは音声だけでなく、様々な手段で成り立っている。人間もかつては「ことばありき」の世界ではなくて、歌う事、踊る事などを中心に共感力を高めたうえで、ことばによるストーリーを持ったより高度なコミュニケーションを行うことができるようになった。しかし、現在のSNSなどのことば主体のコミュニケーションが優先となってくると、かえって人間本来が備えていたコミュニケーション能力が劣化していくことが危惧されている。
動 -
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ネタバレ京都大学の学生時代にゴリラの研究をすることになり、1人で外国に行って現地の民族と交流をしながらゴリラへの研究にたどり着くまで既に大変だったと言う。闇市でどうしても1人で歩かなければならないかったときにはその場で話しかけてきた一番悪そうなやつに一緒に歩いてもらって、身を守り、人を雇うにはお金を持っている感じを出さなければいけないが、身ぐるみ剥がされないためには、こいつは殺すには惜しいと思わせなければならないと言うのをなかなかさらっと言っていた。ときには、現地の民族のプライドを刺激して、ゴリラの研究に同行させる。最初は誰に対しても拒絶せず、悪い奴であろうと受け入れて、騙されたとしても、かえってこい
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古本で買った。集英社なのに新潮文庫と言う短冊が顔を覗かせていた。古本の醍醐味ですな。次はこの新潮社の本を買おう。
『僕には鳥の言葉がわかる』を読んだのなら、これを読まねば。いや、先に出版されたのはこっちの『動物たちは何をしゃべっているのか?』だから先に読むべきだったのか。どっちでも良いけど、とっつき易さから言うと『僕には〜』かな。
面白かった。動物の言葉やコミュニケーションについての話から、現代の人間社会の危うさにまで飛躍する。当然だけど、知の宝庫であるお2人が語る内容だから、知らなかったことがたっくさんあって、うんちく集めにも良い^_^。例えば、目に白目部分がある動物は珍しいとか。犬にも -
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鳥とゴリラの研究者の対談。
どういった言語を扱う動物なのかの話から発展し徐々に『コミュニケーション』の枠組の話にうつり変わる。
その種類とは音声であったり視線であったりジェスチャーであったり、はたまた同時に2つ以上を合わせて行ったり。五感も重要で聴覚や嗅覚などが優れている生き物はそれも併せて複雑なコミュニケーションをとるらしい。
ただただ言語にとどまることなく話が進む対談は興味深い生物の進化の話にも及び、進むにつれ文字や文を主体にしたネット社会が人間の陥る死角にも言及していたように思う。
普段の言動、また今ここに書いているような視覚での情報やスマホで読むニュースなど切り取りされたモノを -
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ゆる言語の水野さんが編集したということで手に取ってみた。
ゴリラと鳥の研究者視点で語られるヒトの言語の起源の考え方が興味深かった。
人間の母親が赤ん坊にかける歌のような言葉(インファント・ダイレクテッド・スピーチ)がヒトの言葉の起源の一つかもしれないというのは実体験として分かる気がする。子供が赤ちゃんの時には何かしら歌うように話しかけていたような覚えがある。言葉にならない音声とか鼻歌とか赤ちゃんと目を合わせながら視覚的なコミュニケーションを取っていたような気がする。
現代人が言葉に依存する社会になりすぎて忘れかけている文脈を理解する力、身体性を持って共感する力を取り戻すためには「音楽と踊り」= -
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ゴリラの研究をここまで愛を持ってされている話には興味深いものばかり。
人間が二足歩行を始めたことにより子育て方法が他の種と異なり、分裂した家族、今や核家族が当たり前となったのが分断の理由なのだということ。
コロナ禍の話も含めており、我々の暮らす現代の環境で怒りや闘争、争いが起きるのは繋がりが絶たれていることやスマホなど情報社会や産業が発達してきたからなのではないかということを改めて考えさせられる。
ゴリラを通して自然の生き方を目の当たりにしてきた筆者が感じる人間へのメッセージを感じる。
ゴリラの説明や生態については途中読むのが大変になってしまったのでサラリと読みたいところ。 -
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人間と近しい生き物である類人猿の行動を観察、把握し、それを人間の行動に当てはめて考えてみよう、という学問を基礎に書かれた本。多くの生物は生殖を行えなくなると死ぬが、人間だけそうなった後も長く生きる。それは老人が子供の育成などに一役買って来たからだ、というような内容が書かれている。
確かに人間は猿の一種ではあるので、なるほどそうなるのかと思うことが多かった。
共同体と家族のどちらかには属しておくべき、という話は私の老後の指針になりそう。
ただ、世代間のギャップを感じる内容も多く、この本で批判されている最近の人間の挙動は、私が老年期に入るころにはそれが当たり前の世界になっているはずなので、そう