原研哉の作品一覧
「原研哉」の「DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文」「これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
日本の未来について語ろうとすれば、誰もが微妙な表情を浮かべざるを得ない。産業が頭打ちになり、後発国に追い抜かれ、活路を見い出せない現代の日本に、希望はあるのか、と。しかし、それでもなお、他を上回るものがあるとすれば、それは日本の「美意識」ではないか。そしてそれはこの本のサブタイトル「未来」が示すように、日本の過去を振り返ることではない。そして、タイトルの言う「デザイン」の本質とは、消費者の欲望をルーズに具体化することではない。「潜在する可能性を可視化し、具体的な未来の道筋を照らし出していくこと、あるいは多くの人々と共有できるビジョンを明快に描き出すこと」(「まえがき」)なのだ。日本文化の伝統から、「未来素材」としての合成繊維の可能性までを縦断し、美意識への欲望が社会を新しくしていくビジョンを語る。この刺激と希望に満ちた一冊を知らずに済ますのはあまりに惜しい。著者の名を受験界に広めた評論 『白』 がそうであったように、原研哉の著作は、どの章からも、どの行からも、発見があり、驚きがある。そして、間然とするところのないその文体を経験することは、ひとつの濃密な交響曲を聴く趣ですらある。◆さらに言えば、デザイナーによる著作はその多くが刺激的だ。それはおそらく、色彩、造形、空間、音響などを意識するその職業が、論理だけに頼った思考とは異なり、感覚経験から直観された発見に満ちているからではないか。「思ってもいなかったことに気づかされる」ということ以上に、読書の本質的な喜びがあるだろうか。〈K〉
紫雲国語塾通信〈紫のゆかり〉2014年12月号掲載