【感想・ネタバレ】日本のデザイン――美意識がつくる未来のレビュー

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デザインは欲望。
希望というよりも欲望。

どりゃ
私にとって、正解はない
自分の主張や客観を語る。
どりゃのきっかけをくれた本。

正解がないんだから、出してみるしかない。
どりゃ

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2019年11月27日

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今後の日本のあり方、可能性を示した一冊。デザインという手仕事よりな発想ではなく、俯瞰的に、日本をどうプロデュースしていくかという観点から述べられている。
特に秀逸な前書きは日本という国の素晴らしさを再認識させてくれる。

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2016年03月23日

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資源が不足しているからこそ、日本は「美意識」という資源を手にした…というところから話は始まる。シンプルという美、そしてシンプルを先駆けしていた足利義政、繊細で丁寧で緻密で簡潔な日本のデザインなど、日本の美意識という観点から我々を勇気付けてくれる一冊。
様々な小話が盛り込まれているが、リノベーションに関する提案、世の中が丸と四角ばかりワケ、新素材を使った笑う車などまさに目からウロコの情報ばかりだ。

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2015年12月11日

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デザインの視点から、日本の未来の可能性を考察する。洗練された考えと言葉の選び方で、心地よい緊張感と勇気をもらった。

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2015年04月11日

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無印良品、愛知万博等を手がけたデザイナー、原研哉の本。

デザインするということは装飾的に着飾ったり、ものをお洒落にするということではない。
例えば「考え方」だってデザイン出来るし、するべきだ。
デザインするということの本質、核心に迫りながら今後の世界、そしてその中での日本の立ち位置や振る舞い方を提案している。

「デザイン」は日常の中に溢れている。
お勧めの一冊。

まえがきより引用。

「中国、そしてインドの台頭はもはや前提として受け入れよう。アジアの時代なのだ。僕らは高度成長の頃より、いつしかGDPを誇りに思うようになっていたが、そろそろ、その呪縛から逃れる時が来たようだ。GDPは人口の多い国に譲り渡し、日本は現代生活において、さらにそのずっと先を見つめたい。アジアの東の端というクールな位置から、異文化との濃密な接触や軋轢を経た後にのみ到達できる極まった洗練をめざさなくてはならない。

技術も生活も芸術も、その成長店の先端には、微細に打ち震えながら世界や未来を繊細に感知していく感受性が機能している。そこに目をこらすのだ。世界は美意識で競い合ってこそ豊かになる。」

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2014年02月20日

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日本の文化を踏まえ、日本人の強みを生かして、今後の世界における日本の立ち位置や進むべき道を説いた一冊。

「デザイン」とは単なるファッションの創造のみならず、生活を作り上げていくもの。

デザイナーの仕事とは建築も含め、色んな工業製品だけではなく、生活様式や社会生活まで「デザイン」すること。

改めてスゴイと思いました。

目から鱗です。



また原氏の文章がとても秀逸で説得力を伴うものであったことも驚きました。

物書きの人よりよっぽど綺麗な言葉を駆使し、時に熱を帯びた文章に感動を覚えます。



ポイントポイントをノートに控えましたが、少し目の前が開けた感じがあります。

これは繰り返し読んで自分の中にしっかりと植えつけたい本です。

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2013年04月05日

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シンプルという概念がいつ生じたのか。シンプルとエンプティネスの違い。その部分が特に勉強になった。
長い時間をかけて日本人が生み出し時に壊し受け継いできてくれた美意識や文化というかけがえのない、いくらシンガポールや他の国がお金をかけて買おうとしても決して買えないことを、この時代に生きる私たちも最大限に感じ受け継ぎ時に壊し新しく生み出して繋いでいきたい。お金では買えない生きるうえでの豊かさに気づいていきたいし伝えていきたいなぁ

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2019年05月01日

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日本を代表するデザイナーのひとりである原研哉による、岩波書店の月刊誌『図書』における「欲望のエデュケーション」という題名の連載(2009~2011年)をまとめたものである。
著者は、連載の題名「欲望のエデュケーション」について、「製品や環境は、人々の欲望という「土壌」からの「収穫物」である。よい製品や環境を生み出すにはよく肥えた土壌、すなわち高い欲望の水準を実現しなくてはならない。デザインとは、そのような欲望の根底に影響をあたえるものである・・・よく考えられたデザインに触れることによって覚醒がおこり、欲望に変化が生まれ、結果として消費のかたちや資源利用のかたち、さらには暮らしのかたちが変わっていく。そして豊饒で生きのいい欲望の土壌には、良質な「実」すなわち製品や環境が結実していくのである」という。
また、本書の題名については、「こうなりたいと意図することがデザインであり、その姿を仮想・構想することがデザインの役割である。潜在する可能性を可視化し、具体的な未来の道筋を照らし出していくこと、あるいは多くの人々と共有できるヴィジョンを明快に描き出すことこそ、デザインの本質なのである」と語る。
著者は、「ものの作り手にも、生み出されたものを喜ぶ受け手にも共有される感受性があってこそ、ものはその文化の中で育まれ成長する。まさに美意識こそものづくりを継続していくための不断の資源である」とした上で、日本の「美意識」の中心は、「繊細」、「丁寧」、「緻密」、「簡潔」を旨とし、簡素さや空白に価値を見出していく感受性にあると言い切る。
そして、今後、日本に求められるのは、西欧中心の既成の価値観において「評価される」ことではなく、日本発の価値観において「機能する」ことであり、日本が如何にして世界で「機能する」べきかについて、移動手段、家、観光、素材などについて具体的に語っている。
著者のいう“デザイン”の意義・価値に大いに共感するとともに、その未来について考えさせてもらった。
(2014年3月了)

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2016年01月11日

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武蔵野美大教授であり、日本を代表するデザイナー、原研哉さん。
”可能性は常に意外性の中にある” の言葉通り、原さんの斬新かつシンプルなアイディアにはほんとに驚かされます。
常に消費者目線でデザインを追求する原さんの考え方が沢山学べる一冊だと思います。

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2014年03月27日

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日本人の良さを取り入れたデザインは、世界に通用するし、もっと日本人らしさを前面に出して、世界に発信しようという強いモチベーションを感じるとても良い本だと思う。

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2013年12月11日

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ネタバレ

大好きなグラフィックデザイナー原研哉氏の著書。

【まえがきについて】
デザインとは欲望のエデュケーション。
この言葉の背景には、
製品や環境は人々の欲望という「土壌」からの「収穫物」であり、それを生み出すにはよく肥えた土壌が必要。
デザインとは欲望の根底に影響を与えるものであるという考え方があるとのこと。

そして、エデュケーションという言葉をあえて選んだのは、この言葉に、教育するという視点に加えて、潜在するものを開花させるというニュアンスが含まれているからだとも。

このくだりにより、エデュケーションという表現がデザインにぴったりであることが納得できます。

「潜在するものを開花させる」
これがデザイナーの仕事であると思いました。

形になってない欲望。目に見えていない欲望。
それらを表現し、日常に送り出すことがデザイナーの使命であると思いました。

まえがきからはまずそのように感じました。

・・・続く。

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2013年11月19日

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 本書は「デザイン」という切り口から日本の将来展望や未来構想を語ったものです。著者の原研哉氏は、武蔵野美術大学教授で、「無印良品」のボードメンバーでもあります。
 日本の強みのひとつを「美意識」に見つけ、そういった価値観を具現化するものとして「デザイン」を位置づけたり、「デザイン」とは物の本質を見極めていく技術であると定義づけたりと、本書で語られている著者のメッセージはとても興味深いものでした。
 日本の将来に対するポジティブな著者の姿勢は気持ちのいいものです。

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2013年06月18日

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ネタバレ

日本のデザインの可能性を感じられる本であった。

日本は工業製品の輸出国であったが、これからは変化を求められる時代。そんな時代にアジアでも島国という環境で独自に育った日本文化の中にあるデザインで勝負していける。

デザインとは作り出すことではなく環境の本質を考える生活の思想であるという言葉が印象的であった。

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2013年03月03日

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このデザイナーの周到な言葉づかいに感心。半分まで来たが、簡単に読み飛ばせない。一語、一文に含蓄がある。的確な言葉で精緻な文章を大胆にデザインしているような…。

最後まで楽しく読み進めることができたのは、どういう状況で、何が課題で、そのための仕事(「ことをつくる」デザイン)とは何かがわかりやすく述べられているからだ。ものづくりでも、人づくりでも、そのための「ことづくり」でも、創造力の根源に言葉があることを実感した。

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2013年03月06日

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日本のデザイン――美意識がつくる未来 (岩波新書)/ 原研哉


【ポイント】
3/全ての人が、丁寧に篤実に仕事をしている日本。
「繊細」「丁寧」「緻密」「簡潔」←海外にはない日本の感受性、価値観。

展示会「Japan Car」= 移動への欲望と未来
19/日本では車は、ステイタスでも、スタイルに酔いしれる対象でなくなりつつある。
20/車は普通の道具。求められるのは、機能と効率、それを過不足なく体現するデザイン。
21/欧州では、遅い車は、走りへの意欲や、敏捷性を放擲した「負け犬」。
 ダイハツの「タント」は、スピード感、精悍さは減少するが、暮しの道具としては日常になじむ。
33/日本のクルマがかわりはじめている。 →移動への欲望の形が変わり始めている。
42/シンプルとエンプティ(美意識の系譜) 柳宗理のやかん
44/人間は世界を四角くデザインしてきた。←自然中には四角はほとんどない。
51/人間の作り出すものは、プリミティブから複雑に向かう。
  現存する人類の文化遺産は複雑。 ex:青銅器 ←「強い力」を表現する。
54/物の表面を覆い尽くすその稠密性によって威を発する。
56/世界が力によって統治され、「力」がせめぎあって世界の流動性をつくった時代は、
 文化を象徴する人工物は力の象徴として示された。
57/近代市民社会が到来し、人間が等しく幸福に生きる権利を基礎とする社会になった。
58/物は「力」の表象である必要はなくなった。椅子は王の権力を表現する必要がなくなり、
  単に「座る」機能を満たせばよくなった。
  合理主義は、物と機能との関係を最短距離を志向する考え方。
84/富を所有するだけでは幸福になれない。手にしているものを適切に運用する文化の質に
  関与する知恵があって初めて人は充足し、幸せになれる。
116/観光 -文化の遺伝子-
その国独自のもてなしと食の饗応を基本とした宿泊施設で、西洋式の高級ホテルより
  高い対価を設定できるサービスの形式をもつ国は世界広しといえども日本をおいて
  他にない。
152/工業生産と豊かさを経由した日本は、一つ洗練の度合いを増した美意識の国、ホス
  ピタリティの国として、世界の人々を招きいれるビジョンを描かなくてはいけない。
162/瀬戸内国際芸術祭
  瀬戸内はアートゾーンとして急激に成長してきた。
  岡山の大原美術館、高松のイサムノグチ庭園美術館、丸亀の猪熊弦一郎現代美術館
165/未来素材 「こと」のデザインとして
166/人間の創造意欲を喚起する物質を、僕は「センスウェア/SENSEWARE」と呼ぶ。
  センスウェアとしての「人造繊維」
171/僕の仕事は、「もの」をつくるというより、「こと」をつくることであると普段から
  言い募っている。
172/「VOGUE」の編集には筋の通った原則があった。ファッションとは、人間の存在感の
  競いあいであり交感であるという暗黙の前提があった。
174/そういう雑誌を見るほどに、ファッションとは人生の芸術だというおもいがつのり、
  おしゃれであるよりも存在感のある人になりたいと思うようになる。

219/成長点:未来社会のデザイン
  現在の日本では、子供用のオムツよりも、大人用のオムツの生産量が多くなった。
222/女性は社会の中に相応のポジションを得て、賢く損のない人生を生きようとする。
  少子化の根は、育児にお金がかかるからという単純な理由にあるものではない。
  全ての人々が自由を享受する社会の趨勢に根をおろした現象である。
231/日本はようやく、自らの歴史と伝統が、世界の文脈で価値を生み出す稀有なソフト
  資源であることに気づきはじめている。

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2019年01月06日

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ネタバレ

建築もデザインも、仕事はおおむねコンペの連続であるから、これくらいではへこたれない。コンペに勝てなくても、全力で考えた思考の成果はアイデアの貯金として蓄積されていく。それがたまればたまるほど、クリエイターとしての潜在力や爆発力は増していくのである。

[車が嗜好品から当たり前のものになり、実用性を優先して設計された似たような四角いデザインばかりになるのについて]
これを寂しいと感じるか、ものに対するふさわしい認識が成熟したと見るかは難しいところだが、大事なことは、そこに他の文化圏にはないオリジナリティが生まれている点である。

日本の車でユニークなもので共通意見
ダイハツのタント

ガソリンエンジンから電気自動車
ドライブ系→モバイル系
行くという能動性・主体性、エンジンを制御するという運転の美学
→スムーズに移動するという合理性、トランスポートを最短、最少エネルギーで実現したい冷静な意欲

若者の一人用マシンや歩行を好むベクトルも

ドライブ/モバイル
都市/自然
パブリック/パーソナル

宗教や文学、神話ではなく
物の表面に偉容をなす細部を付与するための装飾紋様が動物化したと考えるべきである。

阿弥とは、やや乱暴にたとえるなら、優れた技能や目利きの名称を付す「拡張子」のようなものだ。

…長く使う構造体スケルトンと、可変性のある内装インフィルを分けて考え、良質なスケルトンを吟味して入手し、インフィルを自分の暮らしに合わせて徹底改修すればいいのである。

伝統的な工芸品の再興に対して
…問題の本質はいかに魅力的なものを生み出すかではなく、それらを魅力的に味わう暮らしをいかに再興できるかである。

スピーカーは音響空間へ
テレビは壁の中に埋まるか、より存在を主張するか
照明器具は天井化
環境は静かに人や身体と交感を始めるのだ。

石元泰博
モホリ・ナギ『ヴィジョン・イン・モーション』
ゲオルグ・ケペシュ『視覚言語』

働きアリと怠けるアリ

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2022年01月15日

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おもしろいと興味を持ってどんどん読み進められる部分と
退屈で眠たくて、全く進まないような部分があって
その差がものすごかったです

だけどデザインという概念を通して日本の未来を考える良い機会になったし
改めて日本のこれまで育んできた文化や未だ潜んでいるポテンシャルに誇りを持って、しかしおごることなく
未来に向かって進んでいきたいなという気持ちになりました

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2021年08月29日

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デザインという「モノ」だけでなく、何のためにという自分や相手の主体性に寄り添わないと、暮らしも文化も熟成しない。
西洋と日本のシンプルの違いがわかりやすかった。

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2021年06月09日

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世界はデザインで溢れている。紙が四角いのもボールが丸いのもデザインだ。四角いから省スペースにたくさん書けるし、丸いから転がっていく。デザインは人の行為の本質に寄り添う必要があるが、日本の生活に根付いたデザインを探っていく。

ダイハツの「タント」や日産の「キューブ」は、ヨーロッパの車と違い、四角いデザインだ。欧州ルーツの車は、空気抵抗を軽減するため、四方のウインドウは斜めに傾いている。したがって、タントやキューブは、遅そうに見える。しかし、空力特性を捨てることにより居住性が優先され、構造が安定するので前後のドアの間にある側面の支柱も不要になった。

現在、「シンプル」という言葉は、良い意味として捉えられているが、その概念が生まれたのは150年ほど前のことだという。シンプルを意識するためには、それとは逆の複雑さが存在しなければならない。昔から、物には権力の象徴という側面がある。椅子や青銅器、建築物にしても、所有者の権力や財力を示すために、きらびやかで複雑なデザインになっていった。しかし、近代社会の到来によって、価値の基準は、人が自由に生きることを基本に再編され、国は人々が生き生きと暮らすための仕組みを支えるサービスの一環となった。これによって、本来の機能を最短距離で発揮させようとする合理主義的な考え方が主流となり、デザインもシンプルなものが好まれるようになった。
日本の室町時代の書院造は、時代を先駆けてシンプルさを追求していたように映るが、筆者によれば、それはシンプルさとは違う「エンプティネス」(=空っぽ)だという。何もないことによって豊かな想像力が喚起される。そういう美しさだ。

他方で、現代の日本の家庭を見ると、(ボクも含め)ごちゃごちゃと物に溢れている家も多い。ものが少ないということは、それだけで美しい。もったいない精神を発揮するのではなく、エンプティネスを重視するのも良いかもしれない。

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2021年04月04日

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日本を代表するデザイナー・原研哉による日本のデザインの魅力・可能性に迫った一冊。

プロダクトやファッションから自動車、素材や観光業まで、カテゴリーを超えた話が200ページ強に詰まっていて、読み応えがあった。特に、日本には昔「阿弥」と呼ばれる茶道や華道、能から空間の演出まで手がけた、今でいうデザイナーのような人がいた、という話が面白かった。華美な装飾や複雑さがなく簡素さ、潔さ、モノの本質を突き詰めることを是とする美意識が日本人の中に宿っている、と言われている一方で、街の景観など俯瞰した時の美しさには鈍感だ、という話にはハッとさせられた。
 
今まで以上に文化や価値観が世界中から混ざり、人種や国籍以上に個性が問われる時代だからこそ、「日本人」や「日本の文化」という観点から日本特有のセンスについて改めて考えさせられた。

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2021年02月21日

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未来に向けて日本の在り方、可能性が明るく述べられているが、残念ながら本著が記されて10年経った今そこまで未来は明るくない

日本語は洗練されており、「白」同様文章構成は素晴らしい

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2021年01月31日

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日本のデザイン業界を牽引してきた原さんの書籍

日本人の簡素さやシンプルに関する歴史やご自身のイタリアでの展覧会のご経験などが記載されている。

デザインに関する歴史を学ぶ一冊/教科書的な位置づけに近い

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2020年11月28日

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デザインについてかかれた本だが、デザイン以外のことにも通じるものがあるように感じた。

デザインと一口にいっても、車・家・ファッションなど様々なものに触れており、時代の変化によるデザインの変化も紹介している。

具体的なイベントや、場所、素材などの紹介もあるので少しこういった専門分野に興味がある人にもおすすめできそう。

デザインとは、生活を作り上げていくものである。

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2020年03月05日

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総評
日本の未来が明るく描かれている。日本が持っている美意識という強みを生かして世の中に価値を与える構想が垣間見えてとても良かった。



美意識は、石油や鉄鉱石などの天然資源などと同様な資源なのである。日本人は兼ね備えている。

1 移動
車の存在価値のパラダイムシフトが起こっている。
おもしろい。

2 シンプルとエンプティ
四角は人間が生み出した人工的な形。優れたデザインは人の行為の普遍性を表象している。
文化は複雑から始まったのではないかという話が面白い。シンプルは合理主義。エンプティは何もないこと、見立ての創造力。空白にイメージを誘う。
日本の美意識。繊細、丁寧、緻密、簡潔。

3 家
日本の家はモノで溢れかっている原因の1つが、戦後からの復興、モノへの渇望であるというところから来ているという視点が面白い。
また、リノベーションでの内需拡大や家×テクノロジーの可能性の大きさは興味深い。
URのノウハウが中国マーケットで活かせるなら、面白い。

4 観光
日本の美意識が未来資源。
アマンリゾーツなどの先行事例から、日本のおもてなしは今後重要度が増すのであろう。ホテルや旅館で経験のデザインをしていくことが必要。国立公園の運用を考えるなど、日本に希望を見出している。瀬戸内国際芸術祭にも、関与しているとのこと。この芸術祭の背景もまた、興味深かった。

5 未来素材
世界で評価されるのではなく、機能するという主体性。日本の最先端技術を如何にして世界で機能させるかを考えてきた著者には敬服するばかり。TOKYO FIBERにおいても取り組みもとても興味深かった。最先端の繊維を世界でどのように機能させていくかがテーマになりそう。ファッション情報の流れに乗るということは、フランスとイタリアの残業の隆盛を加速させるとのこと。

6 成長点
東日本大震災直後の執筆ということもあり、震災復興についてである。復興を復元にしない。日本の課題を踏まえたうえで未来構想を練っていくことがたいせつとの示唆がある。

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2019年03月20日

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たまには普段と全く異なるジャンルも読んでみようということで買ってみた。。
最近イベント関係の仕事(といってもBtoBだが)にも携わるようになってきて、今まで全く関心のな
かった「デザイン」「美意識」を否が応でも意識せざるを得なくなった。
そういう意味では、「未来素材」の章は、デザインど素人の自分でも読みやすい内容だった。著者が
関わった、「TOKYO FIBER '09/SENSEWARE」は、日本のハイテク繊維を可視化するという趣旨で開催
された。本章でクリエイターたちの作品のいくつかを紹介しているが、技術とデザインが融合すると
はこういうことかと教えてくれた気がする。

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2021年08月08日

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原研哉氏のエッセイ連載をまとめたもの。
デザイン、ものづくりで日本を語るとき、表現はどうしても保守っぽい雰囲気になるんだな、と思った。
それとも、敢えて、国の文化方面にウケの良さそうなネタにしているのか。
それでも大陸や西洋のいい部分、参考になるところはきっちり紹介してあるし、日本礼賛部分も当然著者の広い経験と実績、深い知識に基づくもの。
日本の文化を守る、伝えるというのはこうあるべきと思った。

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2016年01月20日

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大阪出張時に購入。丁度デザイン思考に関する本を沢山読んでいた時期。途中で放置してしまった。こういうのは一気に読まないと入らないな。デザインは欲望を具現化する過程。←こんなこと書いていたかなぁ

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2015年01月13日

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デザイナーの言葉だな、としみじみ思う。どちらかというと無駄のない、洗練された日本語だ。言葉の選び方もハッとするものがある。

しかし、どこか物足りない。あくや癖がない。幕の内弁当的編集なのだ。「一冊を通して」何かを訴えようという本ではない。どこかお気に入りがあれば、というつくりで、未来への示唆はあちこちにあるが、骨が太くないのである。雑誌の連載をまとめたものとあって、合点がいった。

気になった示唆のいくつか
・住まいやオフィスの環境も、モビリティや通信文化の洗練も、医療や福祉の細やかさも、ホテルやリゾートの快適さも、美意識を資源とすることで、僕らは経済文化の新しいステージに立つことができるはず
・精度の高いボールが宇宙の原理を表象するように、優れたデザインは人の行為の普遍性を表象している。
・現代の日本人は、小さな美には敏感だが、巨大な醜さに鈍い
・抑制、尊厳、そして誇りといったような価値観こそデザインの本質に近い。
・ファッションとは衣服や装身具のことではなく、人間の存在感の競いであり交感である
・世界から評価されるのではなく、世界で機能するという主体性を持つ。

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2014年06月16日

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ネタバレ

原研哉さんは好きなアートディレクターの一人だ。
「HAPTIC」展等、非常に好奇心をくすぐられる美しいデザインに、10代の頃から憧れを抱いていた。
最近、研哉さんが携わった代官山Tサイトに行ってきた。ずっと行きたかったとこ。建設のサインやブランドロゴなどを担当している。居心地が良く、美しい空間だったな。
本著の中で語られてる「TOKYO FIBER」展が面白そうだな、と思った。見たかった。日産キューブの「笑うクルマ」が可愛かった。クラクションはいわば「威嚇」であるが、もしもクルマが「微笑」を表現出来るなら、街角は相当に和らぐはずだ、という考え。
考え方がスマートで、なるほど!と思わず微笑んでしまう、そんなデザインはやっぱ素晴らしい。

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2014年04月04日

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ネタバレ

デザインについて、車や家、素材など様々な視点から未来を描いたもの・

・富を所有するだけでは幸せになれない。
手にしているものを適切に運用する文化の質に関与する知恵があってはじめて人は充足し、幸せになれる。

・良質な旅館に泊まると、感受性の感度が数ランクあがったように感じる。それは空間への気配りが行きとどいているために安心して身も心も開放できるから。しつらいや調度の基本はものを少なく配すること。
何もない簡素な空間にあってこそ畳の目の織りなす面の美しさに目が向き、壁の漆喰の風情にそそられる。

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2013年01月26日

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