山極寿一のレビュー一覧

  • 京大変人講座

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    変人が多いと言われている京都大学で教鞭を執る先生方の本による授業。

    難しい所もあったが、具体例などを示して分かり易く伝えようとしてくれていた。卒業論文執筆前に読めば、論文構成のヒントが得られたのではないかと思った。

    個人的には2、3、4章が興味深かった。常識を疑う事が人生を豊かにする方法なのではないかと思った。

    全体を通して、(6章にも書かれていたが)一つの分野を極める事こそ学問であり、それにより力がつくのだと思った。続編も読みたい!

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    2019年07月03日
  • ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」

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    少し前の話ですが
    京大の学生寮「吉田寮」のことが
    いっとき話題になっていましたね
    その時に
    「学生諸君も もう少しゴリラらしく対応できれば
     いいのだけれど…」
    というニュアンスのコメントが
    山際寿一総長のお言葉として
    報じられていた記事を読みました
    それも
    どちらかといえば
    ーなんということを
     人間ならぬ
     ゴリラ並みに例えるとは
    という非難めいた調子で
    紹介されていたように覚えています

    むろん
    山際寿一さんの真意は
    気高く賢明で協調を重んじる
    尊敬すべきゴリラ諸君
    としておっしゃっているのですが…

    改めて、思うのは
    地球上で傲慢になってしまった
    我々ニンゲン、
    そしてニホンジン、

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    2019年10月04日
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講

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    多数のジャンルの話をまとめてくださっているので、自分の好奇心の幅が広げる、とても良い機会となりました。
    特に資本主義のお話や、アートのお話。デザインではなくアートというジャンルが私にとってはとても新鮮でした。改めて、勉強したくなりました。

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    2019年03月22日
  • ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」

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    久々に、目から鱗!
    そして、衝撃的な解釈で、涙が出てしまった。

    外国で暮らし、異文化を知る。
    それだけなら、自分自身にもある話だけど、
    筆者は、ゴリラの住む森で、ゴリラに受け入れてもらい、ゴリラと遊び、ゴリラに「友達」として認められるまでになった。
    そんなガチのフィールドワークの体験に基づき繰り広げられる洞察。
    比較対象が、人間の文明同士、人類の文明数千年をはるかに凌駕し、類人猿ができた数十万年前に及ぶから、圧倒的。

    まず、「父親」とは、社会に認められて初めてできるもの。動物界でオスが育児に参加する種は、ゴリラくらい。「父親」役のゴリラは、雌や子供の期待に応えるようにふるまう。
    ヒトは二足

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    2019年02月17日
  • 都市と野生の思考(インターナショナル新書)

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    この本は読んでいて気持ちが良い。先に読んだ本が「大学が新しい時代に応えられる人材を…」というような内容だったので余計にそう感じた。

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    2018年06月04日
  • 日本の人類学

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     人類学は京大と東大が両輪のごとく、それぞれの特徴を生かしつつ発展してきたとのことで、京大の山極(現総長)、東大の尾本両氏の対談が実に楽しい。尾本氏からすると人類学の学者が総長になるのは、いかにも京大らしく羨ましいとのこと。東大は分子人類学、遺伝子研究に、そして一方では京大は霊長類学に特色。霊長類学は本来は人類学と動物学の狭間の領域。今西錦司氏以来の伝統で、それが日本の人類学の権威になっていることに誇りを覚える。ルワンダの山奥で26年ぶりに出会った34歳のゴリラのタイタスが、山極氏を憶えていた!近づいてきてまじまじと見つめ、子供っぽい表情になったという!34歳は老年の域になるらしい。この実話は

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    2017年12月18日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

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    古本で買った。集英社なのに新潮文庫と言う短冊が顔を覗かせていた。古本の醍醐味ですな。次はこの新潮社の本を買おう。

    『僕には鳥の言葉がわかる』を読んだのなら、これを読まねば。いや、先に出版されたのはこっちの『動物たちは何をしゃべっているのか?』だから先に読むべきだったのか。どっちでも良いけど、とっつき易さから言うと『僕には〜』かな。

    面白かった。動物の言葉やコミュニケーションについての話から、現代の人間社会の危うさにまで飛躍する。当然だけど、知の宝庫であるお2人が語る内容だから、知らなかったことがたっくさんあって、うんちく集めにも良い^_^。例えば、目に白目部分がある動物は珍しいとか。犬にも

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    2025年12月21日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

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    鳥類の研究者と霊長類の研究者の対談で、お互いをリスペクトする姿勢や研究対象への熱意が伝わりとても面白い1冊だった。
    人間のコミュニケーションの本質やAI、SNSの何が危ういのか、という話にまで及んだのは興味深かった。

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    2025年12月05日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

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    鳥とゴリラの研究者の対談。

    どういった言語を扱う動物なのかの話から発展し徐々に『コミュニケーション』の枠組の話にうつり変わる。

    その種類とは音声であったり視線であったりジェスチャーであったり、はたまた同時に2つ以上を合わせて行ったり。五感も重要で聴覚や嗅覚などが優れている生き物はそれも併せて複雑なコミュニケーションをとるらしい。

    ただただ言語にとどまることなく話が進む対談は興味深い生物の進化の話にも及び、進むにつれ文字や文を主体にしたネット社会が人間の陥る死角にも言及していたように思う。

    普段の言動、また今ここに書いているような視覚での情報やスマホで読むニュースなど切り取りされたモノを

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    2025年11月25日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

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    ゆる言語の水野さんが編集したということで手に取ってみた。
    ゴリラと鳥の研究者視点で語られるヒトの言語の起源の考え方が興味深かった。
    人間の母親が赤ん坊にかける歌のような言葉(インファント・ダイレクテッド・スピーチ)がヒトの言葉の起源の一つかもしれないというのは実体験として分かる気がする。子供が赤ちゃんの時には何かしら歌うように話しかけていたような覚えがある。言葉にならない音声とか鼻歌とか赤ちゃんと目を合わせながら視覚的なコミュニケーションを取っていたような気がする。
    現代人が言葉に依存する社会になりすぎて忘れかけている文脈を理解する力、身体性を持って共感する力を取り戻すためには「音楽と踊り」=

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    2025年11月20日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

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    分野は違えど、知識のある人同士の対談が面白い。
    ずっと聴いてたいな。
    シジュウカラの文法、ゴリラのアイコンタクト

    踊る、歌うって、コミュニケーションの原始なんだなと思う。言葉が生まれる前ー

    人間ができることができてすごい、ではなく、人間が感知できないすごいことができてる、という考え方。

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    2025年10月28日
  • 都市と野生の思考(インターナショナル新書)

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    「たたかう」「にげる」。ロールプレイングゲームのコマンドのような選択肢を武器も道具も持たない原始社会で求められたら、人類はどうしていただろう。敵は猛獣だ。本書もそうだし、私もそうだと思ったが、とにかく工夫しながら「逃げる」しかなかったのではないか。

    この問いから考えていく時、人類が逃げ切れる確率はどうだったか。逃げ足の遅いヤツから食われていく。そうなると男女の身体機能差、大人と子供の身体能力差により、女性や子供が不利になりやすく、人類は世代継承できずに滅びてしまう。

    何もせず、ただただ駆けっこを続けていれば、子供の生存は運頼み。子の数を増やす必要が生じるが〈妊婦と子供〉のいずれかが犠牲にな

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    2025年10月26日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

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    途中だいぶ時間が空いてしまい前半の内容は記憶が曖昧。後半に関しては言語、特に文字の発達によって生じた非言語コミュニケーションの衰退によるデメリットが語られていた。文脈を捉えることより、書かれたテキストで全て説明しようとすること、その文字自体は詳細な部分を省いてしまうから、細かなニュアンスを伝えきれないこと、細部を語れない文字を文脈を無視して読み取ろうとするからコミュニケーションの齟齬からsnsで炎上が起こったりすることなど、、、
    非言語コミュニケーションを主体とする動物を追い続けている学者ならではの視点が面白かった

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    2025年10月19日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

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    対談形式で進んでいく。
    前半が特に良かった。
    鳥とゴリラの習性の紹介だけではなく人間の言語学のかじりみたいなものも話に入ってくる

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    2025年10月09日
  • スマホを捨てたい子どもたち 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方

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    私の好きな養老孟司も為末大も、そして著者も身体性が大事だと言っている。他者と信頼関係を築くには同じ時間、同じ場所にいて同調することが大事だと。
    普段からものすごく実感しています。

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    2025年10月04日
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)

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    ゴリラについて知りたいなって思って手にとった本。気がついたら人間の本来のあるべき姿、について考えさせられてた。自然に求めるのではなく、私たちが謙虚にならなくてはいけない。

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    2025年09月15日
  • 森の声、ゴリラの目 ~人類の本質を未来へつなぐ~(小学館新書)

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     人類の進化を森/類人猿/脳の大きさなどを交えて論じる。

     ゴリラ成分がもっとあっても良いと思う。ゴリラが登場するのは、本書の半ばを過ぎた辺りから。

     ゴリラ関連の記述はさすがに著者は詳しい。後半、がぜん光輝く印象。

     ゴリラが雄だけで群れを作り、同性愛を通じで群れを維持するケースがある、など長年にわたって同じゴリラを観察し続けなければでてこないエピソード。

     そのゴリラ目線で今の人間社会を観たら…というところ、もっと前半から前に出した方が良かったと思う。

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    2025年09月14日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

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    ネタバレ

    鳥の研究者、類人猿の研究者の対談。
    鳥には文法を使いこなせるというのが、鳥大好きな私にはなんだか嬉しく思った…まるでファンタジーだけど、現実に鳥たちは会話をしている!!

    人間が言葉を使いこなす前はどんなことで情報を伝えていたのか?というところから、現代は文脈を読む、想像するという能力が衰えている、とのこと。
    映像作品でも主人公のナレーションなどで
    全てを分かりやすく解説している、映像で見せてこちらに想像させることがなくなったと言う話から、
    最近の小説の装丁で、人物の割と写実的なイラストものが多いのは、その方が登場人物を想像できるというのを
    YouTubeで見たのを思い出した。

    なるほど、、

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    2025年09月11日
  • 争いばかりの人間たちへ

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    ゴリラの研究をここまで愛を持ってされている話には興味深いものばかり。
    人間が二足歩行を始めたことにより子育て方法が他の種と異なり、分裂した家族、今や核家族が当たり前となったのが分断の理由なのだということ。
    コロナ禍の話も含めており、我々の暮らす現代の環境で怒りや闘争、争いが起きるのは繋がりが絶たれていることやスマホなど情報社会や産業が発達してきたからなのではないかということを改めて考えさせられる。
    ゴリラを通して自然の生き方を目の当たりにしてきた筆者が感じる人間へのメッセージを感じる。
    ゴリラの説明や生態については途中読むのが大変になってしまったのでサラリと読みたいところ。

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    2025年09月02日
  • 日本の人類学

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    大学の先生の話は
    立派かもしれないけれども
    ちっとも面白くない
    そんな定説(?)をすっかり
    覆してくださる

    いやあ 人類学って
    こんなに 面白いんだ
    こんな 歴史を背負っていたんだ
    こんな 人たちが居たんだ

    「人類学」って 
    私たちの過去と
    私たちの未来と
    何より
    私たちの現在と
    ちゃんと つながっているんだ

    そんな 気持ちを
    持たせて もらいました
    この お二人の碩学の対談を
    企画された編集者さんに感謝です

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    2025年08月31日