山極寿一のレビュー一覧

  • 都市と野生の思考(インターナショナル新書)
    鷲田さんと山極さんの対話形式で進み、様々なテーマについてそれぞれの知識や経験から考え出された事を分かりやすくまとめてくれてあり、どれも面白かった。お二人のようにに開かれた専門家を目指したい。
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?
    すごい。全ページ面白いし、人に言いたくなるような話が満載の、鳥類研究者と霊長類研究者の対談。

    シジュウカラのさえずりには文法があって、相当複雑な状況を遠くの仲間に伝えることができる。ものの色や数などもかなり正しく認識し、伝え合っている。ゴリラは身体言語も含めてコミュニティのための親密な対話を行って...続きを読む
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?
    シジュウカラとゴリラ。それぞれの専門家が対話の中で披露する実例が面白い。
    シジュウカラの言語を調べるために行う工夫、例えば「警告+集合」を別の個体の鳴き声で聞かせてみる。すると、反応しない。または、「ヘビだ」という鳴き声に小枝を動かしてみる。すると、確認しに来る。つまり、ヘビをイメージしたということ...続きを読む
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?
    <目次>
    第1章  おしゃべりな動物たち
    第2章  動物たちの心
    第3章  言葉から見える、ヒトという動物
    第4章  暴走する言葉、置いてきぼりの身体

    <内容>
    気鋭の鳥類学者とゴリラ学の泰斗の対談。自分の興味は、シジュウガラの言葉、文法の話なのだったが、そんなことより(と言うより、鳥類学者の鈴木...続きを読む
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?
    ゴリラの山際さん、シジュウカラの鈴木さん。とても面白い内容!ヒトとして文脈を読む能力を養っていきたい。
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?
    ゴリラ研究で有名な山極さんと、シジュウカラの行動研究の鈴木俊貴さんとの対談本。
    ゴリラも鳥も好きな私は、何故惹かれるのかと思っていたが、人間よりシンプルなコミュニケーションに憧れを抱いているんだと思った。
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?
    ゴリラの集団と一緒に暮らし、ゴリラの社会や言葉と仕草でのコミュニケーションの取り方に詳しい山際寿一さんと、
    小鳥・特にシジュウカラが群衆する山の中に寝泊まりして、シジュウカラの多彩な鳴き声の意味を解明してきた鈴木俊貴さん。

    知能が高い霊長類と鳥類に詳しいお二人が、"言葉"という聴覚によるコミュニケ...続きを読む
  • 京大というジャングルでゴリラ学者が考えたこと
    京大総長、国大協会長、日本学術会議会長という三足のわらじを履いた“ゴリラ学者”山極寿一先生の新書(2021年11月発行)
    「国立大学法人化は失敗だった(p75)」
    と有馬朗人元文科大臣と同様に断言しているほか、
    ・大学設置基準の大綱化…「疑わしい」
    ・大学評価システム…「疑わしい」
    ・大学院重点化…...続きを読む
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?
    今まで見てこなかった知識が詰まっていて、色々と新しいことを知ることができました。

    また、対談形式で話が進むため、とても読みやすかったです。
  • スマホを捨てたい子どもたち 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方
    ゴリラの社会性はとてもおもしろい。組織の中で優劣をつけない、ボスは弱いものを助ける、対面による共感を大切にする、といった点などなど。人間にも共通点は多い。
    一方でサルの社会はボスが絶対で、勝ち組・負け組を決める。新自由主義的な世界観とも重なるように、これも人間に共通点はある。コロナで強まったような印...続きを読む
  • 「サル化」する人間社会
    サル、ゴリラ、チンパンジーとヒトの距離感と、なぜヒトがこのような社会を営むのかをつかむことができた。筆者の山極さんがゴリラへの愛情を込め、今西錦司さんから代々受け継がれる京大の霊長類学の系譜を丁寧にたどり、人間社会にメッセージを送る内容。幼少期のゴリラの遊びなどほんわかする話もあるし、ゴリラの同性愛...続きを読む
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)
    人間の独特の能力であるフィクションを駆使して世界の可能性を紡ぎ出す作家と、サルやゴリラを通して人間を理解しようとしている研究者。この対比は、巻末に紹介される両者の往復書簡にて、研究者側が表現したものだ。本著はまさに、霊長類が保有する物語や現前性について、それを比較探求する事で真理に触れんとする試み、...続きを読む
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)
    ゴリラを通して人間を推し量る良著だと思う。

    驚いたのは、ゴリラも同種の子どもを殺す行為をすることがあること。しかもそれは、ひょっとしたら人間がゴリラの生息地を追いやったことに起因するかもしれないこと。

    つくづく人間は何のために生きているのかと疑問に思う。自分たちだけさえよければいいという考えの、...続きを読む
  • ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」
    ゴリラ目線で人間社会を捉えると…。
    いろんな視点をもちながらも、泰然自若とした振る舞いはまさに学ぶべき点かも。
  • スマホを捨てたい子どもたち 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方
    次世代の人たちはぼくたちが滅びた後の世界を見る権利をもっていて、彼らが見る世界のためにぼくたちは義務を果たさなくてはいけない。そして若者たちも、自分たちの次の世代に対し、どういう責任をもって、どんな世界を渡したらいいのかを十分に考えなくてはいけません。(p169)

    スマホを使って頭だけで友だちとつ...続きを読む
  • 京大総長、ゴリラから生き方を学ぶ
    動物のルール、地域のルール、学校のルール。
    違いは色々あるけど、善悪を評価せず
    他者を知ろうと努力すること。
    人ならではの特性を活かす。
    リアルな体験。

    人ならではの苦しさもあるけど、
    人だからできる楽しさもある。
    四の五の言わずに、飛び込んでみよ。
  • ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」
    Audibleで聴いた。ゴリラからヒトの社会を考えるというのが斬新で大変面白い。確かに…と思うことばかりで、現代のヒト社会における「当たり前」がもたらしている生き辛さなどを違った観点で考えることができた。
    なお、同書のなかで、著者は「人間同士の生活が見える暮らし」の重要性を指摘していた。その際、自分...続きを読む
  • 人類は何を失いつつあるのか
    大まかに分けると前半4章が獲得していく過程、後半4章では逆に失った現状を話題として議論されている。人類や人間性の起源など獲得について語られた前半4章が特に面白かった。
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)
    ゴリラについて作家と霊長類学者が語り合う。言葉を持たない霊長類を研究するには、彼らの活動を言語化しなければならない。その過程でいろいろな発見がなされるわけであるが、作家の想像力と学者の観察力が出合い、ゴリラを介在して二人が見出したものを言語化していくのを読むのは有益であり、楽しい。
  • 人類は何を失いつつあるのか
    とてもおもしろかった。
    グローバリゼーションとグローバリズムのちがい(p186)や、「文化とは人が生きていくことを阻害するものへの対抗手段である」(p240)など、印象的でした。
    ほかにも、付箋をつけたよい言葉がたくさんあり、勉強になりました。