山極寿一のレビュー一覧

  • 森の声、ゴリラの目 ~人類の本質を未来へつなぐ~(小学館新書)

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    ジャングルの知性。

    山極先生は、ジャングルがすべての生物のコモンズ、だという。

    「ゴリラの社会で暮らしてみて私が感じた人間の本質とは、150人以下の小規模な社会で顔見知りの仲間とともに、自己犠牲の精神を発揮して助け合う能力であった。」

    けれど、定住化、技術の発展を通して、社会が急速に拡大し、人口も増大。
    大きくなった集団間で領土や所有権を競うようになった帰結が、争いの絶えない人間界となってしまった。

    この時期、平和を考えるうえでもとても大事な示唆を与えてくれる本です。

    ・・・

    ・言葉こそ文明、ではない。
    例えば、人間の脳はゴリラの3倍の大きさだけれども、この脳はだいたい40万年前に

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    2024年08月06日
  • ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」

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    霊長類研究者の山極先生が京都大学の総長時代に執筆された著書。
    ゴリラやチンパンジー、サルなどの生態と人間の生態を比較しながら、現代社会で我々が直面する様々な課題について言及しており、大変興味深い内容でした。
    今更後戻りはできないですが、グローバル化も進んで人間社会の規模が大きくなりすぎて生きづらくなっているんだろうなとゴリラの群れの話などを読んでいて感じました。
    「道徳は自分が属したい共同体があってこそ成り立つ。それがなければ、道徳は心に宿らないのである。道徳の低下は、現代の日本人が急速に孤独になったことを示している。」と書かれており印象に残りましたが、小中学校で「特別の教科」として位置づけら

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    2024年04月11日
  • スマホを捨てたい子どもたち 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方

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    絶対読むべき。これからの時代をどう生きていくのが幸福に繋がるのかを教えてくれた。
     スマホを使うのは最終手段であり、現実世界での人と人との繋がりを大切にするべきという筆者の主張は素晴らしいと思った。たしかに、人と人との繋がりは大切であり、誰とも話さずに1日過ごすのはストレスを感じるし、それが数日続くと心が荒んでくる。昔は便利な連絡手段が無いから直接対話をするしかなかった。しかし、そこで生まれる会話は実に貴重である。そういう意味では、メールやSNSが無かった昭和に生まれた人が「昔は良かった」というのは否定できないと感じた。だからこそ、昔の良い所と今の良い所を上手く融合させることが大事だと思う。そ

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    2023年09月15日
  • 京大変人講座

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    東大にはない気風がちょっと羨ましくなる。学問って、こういうものだよね、みたいな感じ。別に変人とは思わない

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    2023年05月07日
  • ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」

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    人間が明らかに変化してきていることを感じた。
    ある一面では進化であり、一方で退化でもあり、というのは個人的な感想である。
    人間にとって本当に大切なことを気づかせてもらえる1冊だが、現代社会において、実践可能な人や家庭の割合が気になるところ。

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    2023年05月05日
  • 人類は何を失いつつあるのか

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    とても面白かった。

    ゴリラを通して人類の成り立ちや人類の原点を探る山極寿一氏と、厳しい旅や探検を通して人間の文化の成り立ちや環境を通した特性によって人類とは何かを考える関野吉晴氏による対談形式で進められ、とても読みやすい。

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    2023年01月06日
  • 京大変人講座

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    ネタバレ

    "変人だよね"と言われることがむしろホメ言葉だという京大の先生たちが、常識を飛び越えたことで見えてくるものを熱く語った本。
    面白い!
    そして、変わり者、主流に馴染めないことを気にやんでいる人はこれを読めば元気をもらえる。

    大学に対して、競争的研究費をどれだけ取ったか、インパクトのある成果が出たか、といったことに目が行きがちな世知辛い世の中だけど、京大の伝統といおうか校風といおうか、変わった研究、変人養成を奨励する雰囲気を大事にしてほしい。

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    2022年12月03日
  • 人類は何を失いつつあるのか

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    20220911029

    人類を人類となし得たものは何か
    共感力、目標、負けない理論等々、今を自分を考えるきっかけとなる

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    2022年09月11日
  • 人類の起源、宗教の誕生

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    山極先生と小原先生の対談がメイン。
    狩の現場で獲物をそのまま食べずに仲間が持ち帰った食物を分けて食べるのはホモ・サピエンスだけらしい。仲間を信頼するという能力があるからこそできる行為なんだという山極先生の主張。
    それと、長期間グループを離脱していた仲間が帰ってきて受け入れることができるのもホモ・サピエンスだけなのだが、そこには不在者に対する倫理が存在する。現在の不在者、過去の不在者、未来の不在者の倫理という小原先生の考え方も大変示唆に富んでいて面白かった。
    宗教に対してステレオタイプな見方をするだけではなく、その意味を考える機会にもなるかと思う。

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    2022年08月13日
  • 京大変人講座

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    変人と言われて悩んだことがある人はこれを読むとポジティブになれます。変人こそが世界を変えると考え方も変わるかもです。本の内容も難しい内容はなく、日常生活の中にある疑問から発展するお話が多いので、非常に気軽に読むことができます。

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    2022年06月02日
  • 人類は何を失いつつあるのか

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    人間と人生を諦めない2人による《人間の本性》を探しに行く旅、という感じの一冊。
    哲学ではじれったい議論が必要な《本性》も、お二人の学問領域から見るだけで一気に近付けるのが魅力。
    どうしようもない時代になってしまった2020年代だからこそ、改めて《人間をやる》というところにフォーカスを当てて、楽しい人生を送りたい。

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    2022年05月23日
  • 都市と野生の思考(インターナショナル新書)

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    f.2025/7/13 (2025-041)
    f.2017/10/16
    p.2017/8/10

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    2025年08月12日
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)

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    生まれた時から、言葉が当たり前にある環境だから、言葉ですべての物事を定義してしまうこと自体の意味や、不可解さについて考えたことなかったな
    言葉遣いなど、言葉に達者な人でありたいなあとは思っていたけれど、そのマイナス面についてもあるのね、やっぱり物事って全て両面性がある。。当たり前って危険ね

    普段よく人間で(笑)話題になる恋愛、結婚、親子関係その他、人間も動物の一種と考えるとなんだか単純化された

    今は特に戦争について考えさせられることが多いから、争いのテーマの部分も納得しながら読みました

    共存、想像力は私にとって永遠のテーマ!

    戦争が存在する理由:言葉 死者 共感性 (トーテム 農耕社会

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    2022年03月14日
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)

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    タイトルや表紙からは、ゴリラの生態やコミュニケーションに関する本のように見えるかもしれないが、それに留まるものではない。

    言葉を使わないコミュニケーションを実践してきた山極氏。言葉で表せないものを言葉で伝えるという難題に常に取り組む小川氏。霊長類学者と小説家が、言葉という接点を通じて、人類の来し方行く末を考える対談である。

    人間はどういうわけで自然界から逸脱してきたのか。特に、人間が言葉を得たことの功罪について考えさせられる。

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    2022年01月10日
  • 虫とゴリラ

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    動物としての人間、日本人を考えたときに、当たり前だけど現代社会はとても不自然で、その不自然が歪みを生んでいるのは、誰しも感じるところはあると思う。そして、そんなときに自然の中にいる動物や虫たちのような生き物、或いは田舎の生活などから学ぶことがたくさんあるのだなあ、と思わされる対談。学んだからといって、すぐに変えられるわけではないのだけど、それでも不自然さに気がつくだけでも価値があるのではないか。

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    2021年12月08日
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)

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    非常に面白かった。
    ゴリラや他の霊長類との比較でヒトを知る、と要約してしまうとつまらないのだが、いろいろ考えさせられながら、ユーモアもありつつ叙情的な対談。

    言葉というのは、長い進化の歴史の中ではまだ新しいからどこか安っぽいんだとか

    樹上生活の哺乳類がコウモリとサルに分かれ、飛ぶ方を選ばなかったサルは、鳥になりたかったという思いがあり、同じ祖先から分かれた我々は、その思いを受け継いで、今も飛ぶことに憧れるのではないかとか

    家族、社会、性、様々なことについて。
    お二人の語り口も実にいい。

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    2021年11月10日
  • 京大変人講座

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    変わったこと(誰も手を出さないようなこと)を究める人がいるから、新たな発見・見方が生まれ、私たちの生活が色鮮やかになっているということを実感できる本でした。
    本書では6人の京大の先生が、私たちにも身近なテーマをすごく分かりやすく説明してくださっており、目から鱗の話も多かったです。
    個人的には、高級鮨店の板前の無愛想さが生むサービスとしての価値の話が面白かったです。
    お金になる研究に国は重点的に投資したいんでしょうが、京大には「何か変な研究やってるな」って言われるような面白い研究を続けてほしいなと思います。

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    2021年10月17日
  • 虫とゴリラ

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    お二人とも大学で教育に携わっていらっしゃったフィールドワーカーなので、やっぱり、教育に関する言葉がズシズシ響く。
    以外、一部引用。

    --心地よいものばかり求めていったら、ダメになると思います。……AIが分析したら、心地のいいものばかりつくる可能性がありますよね。(山極先生)
    --今のような環境に子どもを放り込んじゃうと……ようするにもう、「受け付けない人」ができちゃう。(養老先生)
    --学校って、何かを教わる場所だと、皆さん思っていませんかね。学習というのはようするに「自習」なんですよ。……自分が学ぶ以外に、学びはないんです。(養老先生)
    --学習というのは「自習」と「対話」だと思います。(

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    2021年02月14日
  • 京大変人講座

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    すべての章が勉強になったが、特に今の自分が気に入ったのは4章不便益関連図でした。ものづくりの参考になるかも。そういえば、最近上場したBALMUDAもこんな似たような発想なのかも。

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    2021年01月02日
  • 京大変人講座

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    目の付け所は変わっているけれど、内容はいたって真面目。第1章「地球の教室」でがっちり心を掴まれる。どの先生の研究も面白い。続刊も読みたい。なんでも持ち込み可のドイツ語のテストで知り合いのドイツ人を持ち込んだエピソードや「カスれるナビ」、電卓で「1.33」(「×」「=」「-」「2」「=」)*30回繰り返しによって機種間で発生する差は面白かった。

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    2020年10月12日