学び
・今自分はとんでもないぬるま湯にいる。常に外に目を向けて、次のムーブを考え続ける。甘んじない。
・勉強する。本を読む。とりあえず英語を無敵レベルにすること、ファイナンス学ぶ。
・社会のことをもっと学ぶ。ニュース、会社、有名な人、起業家、大企業の社長とか。もっと知る。
・哲学を学ぶ。
・自分について考え続ける。自分のミッション、やりたいことを考え続ける。
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以下抜粋メモ
憧れの大企業サラリーマンになってどれだけの収入が得られるのでしょうか。例えば、三菱商事の平均年収(2018年実績)は、1632万円です。単純計算で40年勤めたとして、生涯年収は6億円程度といったところです。平均的なサラリーマンの生収入
2億円の3倍に当たります。これは日本のベスト&ブライテストが得る年収として高いのか、低いのか。私は明らかに低いと思います。
元三菱商事で、オンラインフィットネスサービスのミラーフィットの創業者である黄
皓さんは商社時代をこう振り返ります。
「商社って社員をぬるま湯に浸からせるのが上手なんです。不満を生み出さない程度に負荷をかけて、条件を良くして心地よい環境を作る。忙しいから会社にコミットするし、商社の看板を背負っているプライドを持たせることもできる。だから会社へのロイヤルティーは基本高い。それが商社の人事マネジメントだと僕は思っていて。外に目を向けさせないのが会社側の考え方ですよね。でも一歩外に出てみると、たかだか1500万円の年収なんて自分で事業やっている人からしたら「鼻毛』みたいなもんです。それでドヤ顔してレストランで会計している商社パーソンを見ると片腹痛いわけですよ。まぁ、
(注12)
当時の僕のことなんですけど(笑)」
この指摘は、辛辣ですが鋭い。三菱商事に限らず、全ての日本の大企業に当てはまる話です。大企業のサラリーマンは、狭い世界で見ると、いい収入を得ているように見えますが、世界の文脈や、起業家・経営者の比較でみると、むしろ安い。自分を安売りし
すぎているように見えるのです。特に商社には優秀な人材がゴロゴロいますので。
だからこそ、世間では憧れの三菱商事のステータスを捨ててでも、起業したり、スタートアップに転職する三菱商事の社員が増えているわけです(最近は、スタートアップが求人すると、商社の若手が多数応募してきます)。
こうした有望人材の流出を防ぐためにも、今後は、大企業内でも、起業家のようなアップサイドを得られるスキームが増えてくるでしょう。第3章の「起業型キャリアの5
つのタイプ」で詳しく記しますが、大企業子会社社長として上場を成し遂げたり、新規事業をカーブアウトしたり、社内の出世のみならず、株式の形で財を成す人も徐々に出てくるはずです。
そういう、欲望や好奇心を満足させるために惜しみなく使えるだけのお金を手に入れる。それが、日々生きるうえで大事なのはいうまでもないことではないでしょうが」ミニマリズム全盛時代に、旺盛にお金を使うのは流行りません。とはいえ、そういう人が少ないからこそ、美意識のある散財ができることが、他の人にはない武器になるのです。脳や体や心に入れるものを最高のものにできれば、自然とアウトプットも高品質になる。良いインプットが、良いアウトプットを生むという「愉悦のサイクル」を生み出せると人生と仕事が一体化して楽しくなります。
クリエーターとして、ビジネスパーソンとして、太く長く生きたい人は、できるだけ早い時期に、インプットの自由を手に入れることをおすすめします。自分への投資は金融資産への投資よりも大きなリターンを生みます。毎年の複利効果を考えると、自由にインプットできる20代、30代、40代を過ごした人とそうでない人とでは、人生後半の知的資産に10倍、100倍の差がつくのです。
フロンティアに軽やかに打って出られるのは、金銭面で余裕のある大人か、時間のある若者です。すなわち、お金か時間のある人たちです。
私がいろんな人を見ていて、成功確率が最も高いと思うのは「大企業(外資でも日本企業でも)→スタートアップ幹部→自ら起業」というルートです。
自ら起業するまでの修業期間は人それぞれです。個人として「もう学ぶことは学んだな」と思った時に起業すればいいのですが、濃い経験を得るには、各キャリアを5年は経た方がいいとは思います。大企業5年、スタートアップ幹部5年で、32歳くらいで起業するというのが王道でしょうか(繰り返しですが、人それぞれですので、あくまで目安です)。私は41歳での起業となりましたが、もし20代から人生をやり直せるとしたら、このルートを選ぶと思います。
日本では、大企業の中で起業家となる「大企業イントレプレナー」の道がもっとも人気があるかもしれません。大きな組織の中で、組織内外のアントレプレナーたちと組みながら、改革を実現したり、新たな事業を作り出したりする。令和の「勝海舟」のような存在です。
大企業イントレプレナーの魅力は、何といっても、成功した時に社会へのインパクトがデカいことです。社内調整などが大変な分、会社のブランド、営業力、開発力など、巨大なリソースを使うことができます。
①社内新規事業に挑む
②スタートアップと共にジョイント
ベンチャーを創る
③スタートアップを買収し自ら経営を担う(自らの会社を大企業に買収してもらう)
④既存の子会社のトップに抜擢される
「今の大企業は本当に順番待ち。 50歳を超えないとチャンスがほとんど来ないので、諦めて30代でベンチャーに行ってしまったりします。だけれども、ここでデジタルがわかって、ベンチャーとコミュニケーションが取れて、大企業のリソースで、素早く意思決定できるようになれば、成功率は絶対に高い」
その根本理由は、「現代日本が、思想的・哲学的に考えて、議論して、表現する文化に乏しい」ことにあると思います。物事を抽象的に、根本的に考える力と習慣が弱いため、具体論を積み上げたパッチワークになりがちなのです。
欧米のエリート層は、高等教育において、アリストテレス、ルソー、ホッブス、トクヴィルといった政治思想の古典を必ず読まされます。サンデル教授の白熱講義のような感じで、哲学も叩き込まれます。「人は何のために生きるのか」「国は何のためにあるのか」といった根源論に慣れているのです(私も留学時に自分は何の基本もわかってなかったんだなと愕然としました)。
だからこそ、世界に通じる普遍性を持ちたい起業家ほど、思想・哲学・歴史を踏まえた上で、ミッション、ビジョンを練り上げなくてはいけません。