これは一部の「起業人」向けの本じゃない。令和の福沢諭吉が、あらゆる「企業人」に問いかけ、具体的な一歩まで誘う、快くて潔い「仕事のすゝめ」だ。
成功には大虎のように獰猛で、失敗には子鹿のように繊細な(故に学び続ける)佐々木紀彦だからこそ、産み落とせた一冊。
2016年当時、電通プランナーだった僕は、
...続きを読む東京モーターショーで恒例のTVCM等マス広告を緩めて、その予算を遣って、「イベント×配信の動画コンテンツ事業を立ち上げませんか?NPさんと組めれば、クルマに興味がないビジネスパーソンにも楽しんでもらえると思うんで!」という、ヤバめのアイデアを持って、佐々木さんと初対面した(話は逸れるが、後押ししてくれた電通の先輩たちに感謝!)。
話が終わる前に「いいですね。やりましょう!」と、斜め上の反応をもらった日のことを、今でも覚えている(たぶん佐々木さんは忘れてる)。
そんな出会い以降、今に至るまで、佐々木さんが繰り出す大胆なアイデアに数多く出くわしてきた。ともに大企業に提案を通すこともあった。
いつも感心させられたのは、一見恣意的な企画にも、血肉の通った分析データと、世界の類似ケースが必ずセットで提示されること。
これを「データや先行事例の奴隷になっている」と観るのは大誤読。彼は、世界を歴史を、自らの野望の踏み台にしているだけなのだ。なんてこった。まさに、ハングリー・アンド・ノーブル。