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東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた――。地中海に君臨した首都をめぐる、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争を、豊富な資料を駆使して描く、甘美でスリリングな歴史絵巻。
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Posted by ブクログ
さすがの塩野さんである。 日々を暮らす、様々な職、年齢、立場の人々が紡ぎ出して来た歴史を、こうした臨場感を持って世界史授業でも伝えたいのだよなぁ。
トルコ、東ビザンツ帝国、ギリシア、ジェノバ、ヴェネツィア、色々な立場の人たちを証言者として物語が進行していく。 現代にも続くキリスト教国どうしの連帯感というのは、これを読んで多少頭では理解できた。日本人にはない感覚だろうな。 それにしても東ビザンツ帝国の皇帝は人間味があり素敵だった。気品、気さくさ、...続きを読む温かさ、反目する国からも、この皇帝だけは敬意を持って迎えられていたようだ。 領土拡張のための戦争が当たり前の時代。兵士はただの駒。死んで悲しいとかはなく、ただ兵力が減ったと思われるだけ。何千年も続いてる、これは人間の本能なんだろうな。
高校生の頃に初めて読みました。 歴史に疎い私でも読みやすかったです。 読み終わったあと、都市の終わりと時代の転換点を目撃したような気持ちになり、少し切なくなった。
歴史の教科書なら、「1453年マホメッド二世、コンスタンティノープルを陥落させる」だけで終わりそうだけど、実はもちろん、それぞれの立場の人間が、いろんな思いや主義を持って、大騒ぎしていたんだなあ、って、しみじみ思った。面白かった。そして、またまた、この時代も、王様の愛人は美少年(^-^)
(イタリアルネサンスの原本) 塩野七生氏の著作は「国家の経営」がテーマ イタリア・ローマの歴史を描きながら、その目は「日本の国家経営=政治」がより良くなるようにとの未来へ向けられている コロナ禍にあって日本の国家経営が厳しく問われている 単なる批判ではなく、より良くする英知を集めよ 歴史は人物の評...続きを読む価を一変させる力を持っている コンスタンティノープルの陥落は マホメット二世を英雄に変えた 最後の皇帝は高貴 人は己以外の者のために、死を受け入れる覚悟が必要 ベネチアのガバナンス 国政を担う「貴族」 政治の権利と国難に向かう義務
再読 「やる夫の城塞都市物語」も合わせて再読 日本人にとってだけではあれ ローマ人の物語は三国志演義のように歴史的価値ある作品だと思うし 本作もその導入として意義ある一冊
東ローマ(キリスト)対オスマン帝国(イスラム)という世界的には屈指のドラマがこのコンスタンティノープルの陥落なんではなかろうか。 私としてはよく知らず、聞いたこともない話だったけど、面白かった。この辺の歴史について知りたいと思える小説でした。
気軽に読める分量で、書き方も展開のスピードも読みやすい。おもしろい。 地理や建物構造の説明がとてもいいし、キャラの数だけ目線があるので、ひとつの出来事も多角的に見れ、しかもいずれにも感情移入できる。で、最後に紹介される各キャラのその後が、その人の採点結果みたいで味わえる。そんなん運やんか...っての...続きを読むも多いけど。 若干気になったのは、トルコがエスニックでやや野蛮、西欧側が文明、という読後の印象。 トルコの兵士は装備がペラペラだけどスルタンへの恐怖により人海戦術みたいに押し寄せ、一方ビザンツ皇帝や海洋国家はキリスト教をベースに議論や協調する、ってなると、大砲はトルコが使ったにしても、なーんかトルコは未開みたいな印象になった。どれほど正しいのかなぁと疑問に感じるものの、検証する知識はない。
若きスルタン、マホメッド二世によるビザンツ帝国首都コンスタンティノープル征服のお話です。 コンスタンティノープルがイスタンブールとなってからも変わらないのが、西欧、東欧、アジアの通商交通の拠点であり、東ローマ世界における最重要都市であることです。 経済的要所に加えて、東方正教会の総本山でもあります。...続きを読む この都市の征服を実直に進めるトルコを止める力は、既にギリシア世界にもカトリック世界にもなかったのです。 斯くして、コンスタンティノープルはコンスタンティノス11世と共に滅びることになります。 その時代に翻弄される人々が生き生きと描かれた一冊。
著者作は初読。最近世界史に興味を持ち、「コンスタンティノープル攻めの山越えが面白い」と聞いて読み始めた。 序盤の「現場証人たち」という章でさまざまな人物が登場しやや混乱したが、次第に各々の思惑や事情が絡み合ってあの日あの時のコンスタンティノープルを目撃したことがわかってくる。著者の語り口は冷静でい...続きを読むて臨場感があり、当たり前なのだが「世界史上の一出来事」と捉えていた言葉の背景に、多くの人が関わってきたのだと想像できた。 オスマンのマホメット(メフメト)2世は父と違い、威厳と冷徹さと征服欲に満ちていたようだ。ビザンツ帝国1100年の歴史はガラタ側の山越え、金角湾喪失をきっかけに崩れた。 エピローグで「現場証人たち」が実在した人物だと知った。ラストの一文も良かった。また、イタリア史には疎いのだが今作で中世都市国家に興味を持てたので、『チェーザレ・ボルジア』など他の作品も読んでみたい。
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コンスタンティノープルの陥落
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