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資源のない日本は「人材」こそ「資源」とせよ! 古代ギリシア人やローマ人は「危機」という言葉に「甦生」の意味も合わせ持たせた――「知恵」を働かせる以外に日本の未来はない。 「長く歴史に親しんでつくづく考えるのは、民族は、興隆した後に必ず衰退を迎えるものであること。興隆と衰退の間に長い安定期を享受できた民族は、実にまれにしか存在しなかった」――古代ギリシア、古代ローマ、中世ルネサンスから日本を思う。 月刊「文藝春秋」の好評連載「日本人へ」第5弾。
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Posted by ブクログ
誰が国家を殺すのか 日本人へⅤ 著:塩野 七生 文春新書 1386 辛口のエッセイ、塩野七生が世界を見る目は、冷静で、まるで期待がない。 気になったことは以下です。 夏のローマ ・日本からは悪いニュースしか入ってこないので、日本からのニュースがないだけで安心する ・肉体の眼よりも心の眼でみるこ...続きを読むと ①短時間に何もかも見ようとはしないこと ②観光客が殺到する場所としない場所の違いは、ガイドブックが点数をつける重要度と比例関係にはない 監督には二種類ある ①選手たちを育てながら一年を通じてまあまあの成績を残す人 ②持ち駒を駆使することで勝ちを重ねていく人 歴史 智者は歴史から学び愚者は経験から学ぶ ということになっているのに、愚者はせめて経験からは学んでいるのに、智者も愚者もいっこうに歴史から学ばない、という現実を見ているトメランコリックにならざるを得ない 法とは2つある ①神が人間に与えたからには神聖にして犯してはならない法 ②ローマ法に代表されるもので、人間が人間のためにつくった法 日本人には多神教の国である なにしろ、八百万の神の国なので、人間と宗教の関係ならば、古代のローマに似た多神教の国である 日本の憲法は改憲が絶望的、変えることが出来ない法は、法ではない。神が人間に与えた、神聖にして犯さざる「信仰」になってしまう 自由のないところに、文化文明は絶対に生まれない 人類の歴史は、疫病の歴史といっていい 民主政は、民主主義を自認する人々によって壊される われらが日本には、カネもなければ、技術もない、だから、知恵を働かせるしかない 官僚とは、考えを打ち出しそれが決まれば実行に移す能力はあっても、やる、やりつづける、と決めるのはあくまでも政治家である 外交とは、血を流さない戦争である 自らに課せられた責務をもまっとうする、という生き方は何も女王にだけ課せられたことではない われわれ庶民でも、一人一人の内実は変わっても、まねすることが充分に可能な生き方だ 目次 読んでくださる方々へ Ⅰ ローマで給水制限? 男と女・イタリア版 総選挙を観戦して 絶滅確実種宣言 現代の亡霊たち 欧州の空をおおう雲 迷走するイタリア 他者との共生のむずかしさ 一作者の深読み? イタリア狂騒曲 夏のローマ 五十年昔の三十代が考えていたこと 民主政が「取り扱い注意」と思う理由 女が三割ならば若者も三割 Ⅱ 東北再訪 「廃炉」のプロを目指して 「民意」って何? 「寄りそう」だけで解決するのか 三千年後の「トロイの木馬」 「ノートルダム」哀歌 レオナルド没後五百年 夏のローマで思うこと 悪法と善法の別れ道 「最後の男」の常習犯 羽織を脱ぎ捨てて 読んでくれている人々に Ⅲ 危機を甦生に 本を読んでいた政治家 アパティアという名の先進国病 コロナウイルスで考えたこと 人(国)みな本性を現わす コロナウイルス散見記 発信力を早期に向上させるには? 私の「コロナ後」 壊れものにつき、取りあつかい注意 老いて読む、『君たちはどう生きるか』 失言の効用 東京とローマの間で Ⅳ 楽しきフェミニズムはいかが? ほんの小さな思い遣り ロックダウンはしなかったヴェネツィアの例 スーパー・マリオの登場 ワクチン・打ってきました 三十人のためにだけに 窮極のソフト・パワー「知恵」 勝てる男 国民を幸せにするスポーツ 外交とは、血を流さない戦争である Ⅴ ローマでの”大患” 後書きに代えてー二人の有名人の死を見ての感想 ISBN:9784166613861 出版社:文藝春秋 判型:新書 ページ数:312ページ 定価:950円(本体) 2022年11月20日第1刷発行
『ローマ人の物語』など地中海世界の歴史を、人に焦点を当てながら長く重厚に書を起こしてこられた方の時事エッセイです。 国を守るとはどういうことかを直言されていて、「寸鉄人を刺す」書だと感じました。
塩野七生せんせのエッセイ。淡々と時事について語られておりますが、非常に勉強になります。賢者は歴史に学ぶと申しますが、ローマの歴史に精通しているだけに、今の日本への提案には重みを感じます。せんせには是非首相になってもらいたいくらいです。 イタリア人って漫画『ヘタリア』のイメージどおりのおおらかさで人種...続きを読む差別の少ない国なんですね、今回のエッセイで初めて知りました。結果難民が押し寄せてえらいこっちゃになっているのもアレですが・・・ 読み始めたらあっと言う間で、終わってしまうのが惜しい、まだまだ話を聞きたい、できればどっかの新聞にでも毎日連載してくれんかなと、80歳過ぎとご高齢ですがこれからも素敵な話を聞かせてください。
2017年10月-2022年1月まで。変わらずの切れ味。ただ前半のコラムは悲観味が強く驚きがあった(これまでに比べるとだけど)。
塩野七生先生が文藝春秋に寄稿されているコラム集。高校の時の友達が塩野七生先生の大ファンで、ずーっと気になっていたのですが…とりあえずコラム集なら、と軽い気持ちで手を出してしまいました。 表紙のお写真の佇まいが、義母に似てるな~と思ったら…お人柄まで義母にそっくりでした(爆笑)。 なぜ、2000年...続きを読む前のローマ人にできることが、今のイタリア人にできないのかと、憤りつつも、イタリア人への愛が溢れていて微笑ましい!ギリシアやローマの歴史と今の政治を対比させた考察は感嘆させられっぱなし!巻末の爆笑入院記も抱腹絶倒!塩野七生先生、おきゃんな娘さんが、素敵に80歳になられたような方ですね♪素敵な年配のご婦人がいらっしゃると、我々後輩は勇気を頂けます。 塩野七生先生の歴史小説、ハマったらなかり深い沼のような気がするのだけど…やっぱり読んでみようか…。悩み中です。 === P.93 フィギュアスケートの2018年の世界選手権で2位になられた宇野選手に向けて、思わずテレビの前で叫んでしまったという一言が素晴らしいです。 “自分を追いつめていたのではいつまでたっても二位ですよ。一位になりたかったら、自分を解き放ってやることです” と。続けて、これは仕事であろうとまったく変わらないのだと。 “思いきって自分を解き放してしまう勇気の有る無しが、勝つか、それとも万年下位に甘んずるかを決める分岐点ではないか” と。
「桜を見る会」「原発事故」「憲法改正」云々、政治絡みのご提言も多い。中曽根元首相と面会していたり、月刊Hanadaを読んでいたりするのでわりと保守の人?今となっての地雷を踏んでいないかと序盤はハラハラ。が、頁を進め様子がわかると微笑ましくなってくる。1937年生まれ。御年85歳。ご高齢女子のお茶のみ...続きを読む相手をしてるつもりで読むと楽しく感じる。他愛もない言説を利用する政治勢力もなかろう。PCもスマホも頑に使わない女史相手に遠くイタリアからの原稿取り。編集者も大変だっただろう。読者としては面白ければそれでよい。
いつものように、イタリアで見たイタリアや日本の政治、社会がストレートに語られている。民主主義や国の軍備についても、生の状態を追うだけでなく、歴史から学べること、分かることという塩野さんらしい視点が効いていて面白いし、報道が繰り出すマンネリな批判よりある意味プラクティカル。 今回は旅のお供でキンドル版...続きを読む。旅しながら読むにもちょうどいい読みやすさだった。
国家のレベルで議論することが出来なくなった 塩野七生さんは最後の論壇者 「ローマ人の物語」最初の頃は日本の官僚が議論に来た→なぜ居なくなった 安倍・菅両氏は見事に日本の中枢から「人材」を一掃したモノだ 「人事パワー」
ローマ人の物語、ギリシア人の物語で有名な塩野氏のエッセイ集。 根底にあるのは、二千年前のローマ人に出来た事が、何故いま出来ないのか。 二千年前にかけられた橋がまだまだだいしなのに、何故50年前にかけられた橋が崩落するのかである。 民族は、興隆した後に必ずすいたいを迎えるものであるという。いまそのと...続きを読むきを迎えつつあるのだろうか。
文藝春秋に連載されている日本人へをまとめた新書の5冊目です。タイトルは「誰が国家を殺すのか」ですが、それに関係する内容が多かったと思います。「誰が」という問いは難しいですね。特定の個人ではないと思いますが、読みながら考える材料になっていると思いました。 塩野さんがこれまでおっしゃっていた内容と重複す...続きを読むるような内容もいくつかありましたが、立場が変わったこともあり、それらについて考えるのも、いろいろと違う要素や視点から考えますね。特に印象に残っているのは、「責任を取る」ということやリーダー像、そして現場体験を通じたカンの重要性ですね。普段からそういうことをあれこれ考えているからでしょうか。
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