【感想・ネタバレ】コンスタンティノープルの陥落のレビュー

あらすじ

東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた――。地中海に君臨した首都をめぐる、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争を、豊富な資料を駆使して描く、甘美でスリリングな歴史絵巻。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

トルコに行く予定があるので、読んでみました。歴史を物語として読むことができてすごく楽しめました。戦いはどのように進んでいくのだろうとワクワクドキドキ。
イスタンブールの地名も登場するので楽しい!
行く前にもう一度読みたい!

マホメッド2世と同い年!!

0
2025年10月16日

Posted by ブクログ

何度も重複して買い増していた「コンスタンティーノープルの陥落」を、やっと読んだ。
複数の登場人物の立ち位置で陥落までを追っていく。
マホメット2世の冷徹なまでの作戦実行でコンスタンティーノープルは落ちるのだが、ジェノバとヴェネチアとの確執や、正教とカトリックの合同騒ぎでまとまらない中、ビザンチンはよく戦った。
トルコが大型大砲を使用したことが、今まで鎧を身に纏い、馬に跨り剣を振り翳していた騎士の無力さを浮き彫りにした。また、マホメットの領土拡大の行動が、ジェノバの東の拠点を壊滅させ、それがきっかけとして、ジェノバの船乗りが西に目を向け、大航海時代が始まる。この戦いが、中世と近世を分つキーになっていることが、よくわかる。

0
2025年08月29日

Posted by ブクログ

東ローマ帝国の滅亡が西欧においていかなる意味をもたらしたか、が理解できる。同時に、戦争における白兵戦の重要性が薄れ、かわりに「大砲」という兵器がその後急速に普及するきっかけをもたらしたのがこのコンスタンティノープルにおける戦いであった

0
2025年06月15日

Posted by ブクログ

さすがの塩野さんである。
日々を暮らす、様々な職、年齢、立場の人々が紡ぎ出して来た歴史を、こうした臨場感を持って世界史授業でも伝えたいのだよなぁ。

0
2024年10月18日

Posted by ブクログ

トルコ、東ビザンツ帝国、ギリシア、ジェノバ、ヴェネツィア、色々な立場の人たちを証言者として物語が進行していく。
現代にも続くキリスト教国どうしの連帯感というのは、これを読んで多少頭では理解できた。日本人にはない感覚だろうな。
それにしても東ビザンツ帝国の皇帝は人間味があり素敵だった。気品、気さくさ、温かさ、反目する国からも、この皇帝だけは敬意を持って迎えられていたようだ。
領土拡張のための戦争が当たり前の時代。兵士はただの駒。死んで悲しいとかはなく、ただ兵力が減ったと思われるだけ。何千年も続いてる、これは人間の本能なんだろうな。

0
2024年08月19日

Posted by ブクログ

高校生の頃に初めて読みました。
歴史に疎い私でも読みやすかったです。
読み終わったあと、都市の終わりと時代の転換点を目撃したような気持ちになり、少し切なくなった。

0
2022年07月09日

Posted by ブクログ

歴史の教科書なら、「1453年マホメッド二世、コンスタンティノープルを陥落させる」だけで終わりそうだけど、実はもちろん、それぞれの立場の人間が、いろんな思いや主義を持って、大騒ぎしていたんだなあ、って、しみじみ思った。面白かった。そして、またまた、この時代も、王様の愛人は美少年(^-^)

0
2021年07月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

現イスタンブルであるコンスタンティノープルというビザンツ帝国の首都が、The magnificent(壮麗王)と呼ばれるスルタン、スレイマンによって、オスマン帝国の手中に落ちる様子を、ヴェネチアやジェノヴァ等含めそれぞれのリーダーのキャラクター等にも触れながらまとめられた歴史エッセイ。

塩野七生さんは、歴史的資料を集めて調べて、事実に基づきながらも生き生きと歴史を描いてくれる人だと思う。そして最もイタリアに詳しい方なので少しヨーロッパの目線が入ったトルコへの見方に触れられて個人的には新鮮で面白い。

ビザンツ皇帝とオスマン帝国皇帝の性格や戦略の違いなどが対照的に描かれていて、とても面白かった。本当にこうも違ったのだろうか?

また、蛇だが、現トルコ共和国は認めたくないのだろうとは思うが、宮廷内での男色などにも触れられていて、日本も含めどこでも昔から同性愛や同性での肉体関係はあるのだと興味深かった。

やはりイスタンブルには歴史とロマンがある。
トルコ旅行に行く人は読むと旧市街観光を倍楽しめるのでは。

0
2021年09月02日

Posted by ブクログ

(イタリアルネサンスの原本)
塩野七生氏の著作は「国家の経営」がテーマ
イタリア・ローマの歴史を描きながら、その目は「日本の国家経営=政治」がより良くなるようにとの未来へ向けられている
コロナ禍にあって日本の国家経営が厳しく問われている
単なる批判ではなく、より良くする英知を集めよ

歴史は人物の評価を一変させる力を持っている
コンスタンティノープルの陥落は
マホメット二世を英雄に変えた

最後の皇帝は高貴
人は己以外の者のために、死を受け入れる覚悟が必要

ベネチアのガバナンス
国政を担う「貴族」 政治の権利と国難に向かう義務

0
2021年05月09日

Posted by ブクログ

再読
「やる夫の城塞都市物語」も合わせて再読
日本人にとってだけではあれ
ローマ人の物語は三国志演義のように歴史的価値ある作品だと思うし
本作もその導入として意義ある一冊

0
2018年10月17日

Posted by ブクログ

それぞれの立場の要人たちの視点から描いたコンスタンティノープルの陥落。一つの大戦をここまでコンパクトに、かつ俯瞰的に描き切るのは見事。こんなふうに歴史を捉えられたら楽しいだろうな。
ヴェネツィア海の都の物語を読んでいたので繋がる部分もあり面白かった。

0
2025年11月18日

Posted by ブクログ

ビザンチン帝国の首都、コンスタンティノープルがトルコ帝国によって滅ぼされた当時の記録をもとに書かれた ノンフィクション本。
たくさん人が出てきて、それが ビザンティン帝国の人か トルコ帝国の人かビザンティン帝国を助けたベネチア人か中立を保ったジェノバ人かを理解するのが難しい。途中からメモをしながら読んだ。
これからイスタンブール(この本で言うと コンスタンティノープル)に行くので歴史を知りたいと思い、読み始めた。
ラストの陥落時に聖ソフィア大聖堂(今のアヤソフィア)で祈りを捧げる人がいたり、トルコ支配後に聖ソフィア大聖堂がモスクに改修されたりということが書かれていて、570年以上も前に歴史の大舞台となった場所に これから行けると思うとワクワクして、読んで良かったなと思いました。

0
2025年05月12日

Posted by ブクログ

著者作は初読。最近世界史に興味を持ち、「コンスタンティノープル攻めの山越えが面白い」と聞いて読み始めた。

序盤の「現場証人たち」という章でさまざまな人物が登場しやや混乱したが、次第に各々の思惑や事情が絡み合ってあの日あの時のコンスタンティノープルを目撃したことがわかってくる。著者の語り口は冷静でいて臨場感があり、当たり前なのだが「世界史上の一出来事」と捉えていた言葉の背景に、多くの人が関わってきたのだと想像できた。

オスマンのマホメット(メフメト)2世は父と違い、威厳と冷徹さと征服欲に満ちていたようだ。ビザンツ帝国1100年の歴史はガラタ側の山越え、金角湾喪失をきっかけに崩れた。

エピローグで「現場証人たち」が実在した人物だと知った。ラストの一文も良かった。また、イタリア史には疎いのだが今作で中世都市国家に興味を持てたので、『チェーザレ・ボルジア』など他の作品も読んでみたい。

0
2024年12月03日

Posted by ブクログ


読後すぐに思ったのは、家に帰ったらNetflixの「オスマン帝国」見ようという事です。
塩野七生さんの作品は資料の調査や地図・図面を掲載してくれているので分かり易さや理解度が抜群でとても面白いです。

0
2024年07月05日

Posted by ブクログ

登場人物が次々紹介されて覚えられない…諦めて読み進めたけど、主要人物はすぐ覚えられるし、誰か思い出せない人が時々出てきても、それほど支障はありません。
宗教や民族や帝国や文明…知識もないし理解できなくて苦手意識があったけど、登場人物のそれぞれの立場の感情がわかって面白く読めた。

0
2023年09月24日

Posted by ブクログ

Netflixでオスマン帝国を観て興味を持ち、文字でも読みたくてこちらを。世界史に疎い自分もこれは小説のようで楽々読み進められた。(国名や人名などの表記が若干異なるので少々戸惑ったがすぐ慣れた)

軍医、商人、側近、小姓、留学生、それぞれの視点からコンスタンティノープルが落ちていく様子を詳細に記録している。

歴史的な転換点となった出来事の中身もかなりドラマティック。単純に、オスマン帝国のマホメッド2世がビザンチン帝国の都・コンスタンティノープルを手にする物語と一言では言えないような、登場人物全員に敬意を払いたくなるような、そんな感じ。

本当に登場人物全員に感情移入してしまう。なかでもビザンチン帝国のコンスタンティヌス11世。建国から1,100年の歴史、歴代の偉人たちの想いを背負って(重すぎるよ!!!)、運命を受け入れる覚悟を決める場面が泣けてくる。人格者な彼についていく側近がいるのも分かる。カリスマ性があるし。散り方が潔く美しい。武士みたい。

それぞれの立場で役割を全うした全員に拍手。こうやって歴史は語り継がれるのね〜と分かった本。

0
2021年05月06日

Posted by ブクログ

コンスタンティノープルが陥落するまでを、修道士や商人、医師など、複数の現場にいた人たちの物語を合わせたお話。
臨場感があるのと、と歴史の勉強になる。

0
2020年10月06日

Posted by ブクログ

イスタンブール 旅行の前に、歴史を知ろうと思い手に取った小説。結果、一夏をどっぷり塩野七生小説に充てるほど、どハマりした。
時代背景をかなり緻密に調べた上のフィクション。
コンスタンティノープルがオスマン帝国に滅ぼされるまでの緊張した時代を描いたもの。
イスタンブール 旅行中、あぁ、この遺跡はあの時のか、、等感慨深い想いをした。

0
2020年08月14日

Posted by ブクログ

コンスタンティノープル陥落というと、マホメッド2世の勝利物語というイメージでしたが、これを読んでから、コンスタンティヌス11世と当時のヴェネツィア共和国により興味を持ちました。陥落後の主人公たちの人生に、ある程度のページが割かれていて、より悲哀が増し、作品を美しく魅せています。
イスタンブール行きたくなりました。
金角湾に鎖をかけるシーン…もっと詳しく書いて欲しかった。よくトルコ軍入って来なかったよなぁ。(笑)

0
2020年04月13日

Posted by ブクログ

人みなコンスタンティノープルへ
絶望的な状況の中でイタリア人達はコンスタンティノープルへ少数ながらも入る。
それは海洋国家というか島国の域を出ない日本人にはイマイチ分かりにくい感覚でしょう

0
2019年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

元々持っていた本を何年かぶりに再読。少々オスマン帝国の知識を仕入れた後に読んだ。
千年以上続いたものの、徐々に衰微してきたビザンチン帝国の最後の抵抗の物語。最後には、数に任せた強引なまでのオスマン帝国の攻略に屈する。
陥落後も生き延びた人物たちの文献を元にして、臨場感のある当時の攻防の様子が生々しく伝わってくる。

0
2019年06月16日

Posted by ブクログ

東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた――。地中海に君臨した首都をめぐる、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争を、豊富な資料を駆使して描く、甘美でスリリングな歴史絵巻。

栄華をほこったビザンチン帝国も衰退の一途をたどり、
残すはコンスタンティノープル周辺のみとなり、
コンスタンティヌス11世を試練が見舞う。
飛躍著しいトルコではマホメッド2世が勇躍し、
トルコ帝国の版図を一気に広げていく。
世界史の大事件であるンスタンティノープルの陥落を、
第三者をも含む色々な人々の視線で描いているのが面白い。
ただし、キリスト教的立場での描き方が主流であるので、
トルコ側(イスラム)からの目線の描き方がもっと欲しかった。

ゆっくりと衰退してきたビザンチン帝国ではあったが、
その滅亡の影にある当時の諸国事情などを顧みながら読むとさらに面白い。

0
2019年05月16日

Posted by ブクログ

当時のコンスタンティノープルを取り巻く環境、人々の雰囲気などがよく伝わる本でした。単純な時系列をたどった話や作者(又は歴史学者の)狭い認識のもとに構成された話とは違い、当時の多様な人々、文化、環境要素を読み取れる作りになっているので、その内容の生々しだを持って本を読み進めるに連れ当時の人々の感情をも味わった気持ちになりました。

0
2019年01月16日

Posted by ブクログ

現在に続く、イスラム教とキリスト教の争いの源流の一端を見た。オスマントルコによる祖国侵犯の過去は、今も欧州の国家バランスに少なからぬ影を落としているはず。

0
2018年11月04日

Posted by ブクログ

コンスタンティノープルを興したビザンチン帝国は、4Cに創立、5-6Cに全盛期を迎えたが、11Cには大幅にその支配圏を縮小、15Cにオスマントルコに攻められ陥落したという。
合戦が本格的になってからの記述はエキサイティング。

イスタンブールのメジャーな観光施設である、アヤ・ソフィアやトプカプ宮殿が歴史的にどれだけ意味をもったランドマークであるか、というのも感じることができた。あるいはまたイスタンブール(コンスタンティノープル)という地が、長らく反映してきた帝国の都であったということも理解した。しかしこの本を読んでかえって強く感じたのは、この「陥落」こそが、キリスト教とイスラム教との交戦の発端になっているということや、キリスト教とギリシア正教との「統一」をももたらしたということ。もっと言えば、陥落してもなお、東西の世界の「分け目」という役割を果たし続けているのだ、ということを感じることができたのである。トルコを旅する人には必読。

0
2021年06月11日

A

購入済み

面白かった

コンスタンティノープル、東ローマ、
日本人には馴染みのない題材ですが
面白く読めました。
おすすめはしませんが、読む価値はあると思います。

0
2023年02月10日

Posted by ブクログ

コンスタンティノープルの陥落と東ローマ帝国の滅亡を描いた歴史小説。
陥落までの短い期間を戦争映画のように描いた作品。
自分の好みではなかった。

0
2021年12月14日

Posted by ブクログ

再即位したムラト2世VSメフメト2世、ハリル・パシャに対抗するザガノス・パシャ、コンスタンティノープル攻略戦の背後で権謀するハリル・パシャ、苦難の末に完成し火を吹くウルバンの巨砲、艦隊の山越えの責任者の苦悩、自ら死地に赴くコンスタンティノス11世、等々の熱い戦史小説と勝手に思い込んで購入。
本書籍はそうではなく、当時の人々の記録を淡々と記述した物語です。

0
2021年08月12日

Posted by ブクログ

1000年続いたビザンツ帝国が滅びる時のことが書かれています。
歴史物が好きな方は面白いと思います。
コンスタンティノープルでのオスマン帝国とビザンツ帝国との決戦が描かれています。

0
2020年09月28日

Posted by ブクログ

東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた――。地中海に君臨した首都をめぐる、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争

0
2019年09月08日

Posted by ブクログ

東ローマ帝国の最後の戦いの物語。
現在のトルコのイスタンブールで、15世紀の当時の名前はコンスタンティノープル。
1000年続いた国の終焉であり、ローマ帝国の最後の残り火が本当に消えた瞬間なので、著者の感情もあってか寂しさがにじみ出ている。

複数人の現場にいた証人が残した記録を元にしているらしく、複数の視点から眺めた形式になっている。
導入部分は名前も覚えにくく正直読みづらいが、戦闘が始まる後半は生き生きと描かれており楽しく読めた。

ローマ人の物語を読んだ人におすすめです。

0
2019年08月02日

「歴史・時代」ランキング