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自分はいったい誰の末裔なのか? ヒデミネ流、ルーツ探しの旅が始まる。役所で戸籍にあたり、家紋を調べ、祖先の土地を訪れ、専門家や親戚縁者の話に耳を傾ける。自分似の遠戚と出会ったり、源氏や平氏、さらには天皇家とつながったり……。日本中を東奔西走、「歴史とは?」「過去とは?」「自分って何者?」と問い続ける、じわり感動のノンフィクション。小林秀雄賞受賞。
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Posted by ブクログ
季刊誌「考える人」連載中に前半だけ読み、今回文庫版で完読。 冒頭、名刺を交換しただけの中年の「縄文男」が、なれなれしく「お前、来週の水曜日、時間ある?」と囁きかけてくる。そこからファミリー・ヒストリーの旅が始まる。この中年男がだれかずっと気になっていたのだが、なんと、彼が文庫版の解説を書いていた! ...続きを読む現在の自分から見て、親が2人、その親の親が4人、そのまた親は8人というように、時間をさかのぼると、祖先はどんどん増えてゆく。逆に時間を下ると、ひとりの祖先から子孫が枝分かれし、これもどんどん増えてゆく。両者は相似の関係。著者がそれを実感するくだりがおもしろい。 キーワードは「佇む」。先祖がいた場所まで行って、佇んで考える(掲載誌「考える人」にぴったりだ)。これも自分探しの旅の一形態?
著者がほんの気まぐれのつもりで、ご先祖調査を始め、最終的に清和源氏に辿り着くというストーリー。 そもそも日本人は、系図を辿っていくと、先祖のどこかで源氏または平氏と繋がっているというから驚き。 自分の父と母にはそれぞれに父と母がいて、更にその上にも父と母がいて、と考えていくと、ねずみ算式にご先祖様...続きを読むの数は増えていき、10代前で1024人、30代前には10億7374万1824人になるというから、壮大なロマンとドラマの積み重ねの上に自分の誕生があると言える。 1人で生まれて、1人で生きているような気になってしまうが、膨大な数のご先祖様に支えられて、自分は生かされていることに感謝しかない。 「先祖孝行は、授かった命を大切にすること」 という著者の言葉が心に残った。
『ご先祖様はどちら様』との書名が示すように、著者のご先祖様をさぐる旅の顛末が書かれている。 語り口がゆるいので、読みやすく面白い。 旅の目的のご先祖様探しは、あっちこっちに出かけて行っても調査範囲の裾野が広がるばかりで、何一つ解決しないのだが、そんな著者を手助けする人々とのやり取りが興味深い。 ...続きを読む行った先々で、おらがご先祖様の自慢合戦のようなことが起きる。そして著者に協力的な人が多く、「なにくだらないことやってんだ」という態度の方がいない。誰もがご先祖さま探しに興味があるんだな〜、と実感する。それが自分のルーツ探しと重なるからか。 著者の迷走は果てしなく、当初はおじいさんが教育者だったところから始まるのに、戦国武将につながって平家の家系にたどりついたと思ったら、源氏の家系にもたどりつき、果ては天皇家にまでつながる。良く調べたのか?と批判する気も失せるほど、家系図というのはいいかげん。 家系図の専門家らしき人の、ちゃんとした家系図ほど怪しい、という言葉がとても印象的。誰か有名人に繋げようと思えば、そんな苦も無くできるようだ。 そういえば有名人に家系図をつなげる仕事を、かつて寺が収入源としてやっていた(幕末から明治にかけて)、といようなことを本で読んだ覚えがある。 旅の最後は清和天皇陵。言わずと知れた清和源氏の祖だが、そこが地元の人も行かないような目立たないところ。20数年のキャリアのタクシー運転手が「清和天皇陵に行く人を乗せたのはあなたで二人目」との発言が、ご先祖が誰かを証明することのはかなさを象徴しているようだった。 結論。ご先祖様は自己申告でお願いします。
著者が自分のルーツを探り、ご先祖様について調べていくという内容。 文中で世にはびこる家系図というものが、作者にとってかなり都合のいいように「繋がれている」というところが興味深かった。
<目次> 序章 俺たち縄文人 第1章 ご近所の古代 第2章 爆発する家系図 第3章 もやもやする神様 第4章 ご先祖はどちら様? 第5章 多すぎる「高橋」 第6章 たぎる血潮 第7章 家紋のお導き 第8章 とても遠い親戚 第9章 天皇家への道 終章 またね、元気でね <内...続きを読む容> 高橋家のいや奥様の市川家の家系を追いつつ(高橋家は3世代前で潰えた)、苗字、家系図の話や家紋の話、ついにはお墓の前で、どう拝むかまで。関係ない人の家の話かと思いきや、われわれの先祖への関わり方の指南で終わるという見事な着地をした作品となった。 自分的には、清和天皇陵の在り処や、「諱と実名(じつみょう)」の関係を、網野善彦の言で理解できた辺りが参考になった。
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ご先祖様はどちら様
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