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華やかなパリ社交界に暮す二人の娘に全財産を注ぎこみ屋根裏部屋で窮死するゴリオ爺さん。娘ゆえの自己犠牲に破滅する父親の悲劇。
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Posted by ブクログ
523P 昨今の過剰なフェミニズムにかき消されてる父性愛をテーマにした名作だと思う。こういうの今出たらいいのにと思う。 1835年にフランスで書かれたものだけど現在のアメリカのトランプ現象の根本を表してる。今のアメリカ社会は父性=キリストを求めた。 オノレ・ド・バルザック(Honoré de B...続きを読むalzac, 1799年 - 1850年)は、19世紀フランスの小説家であり、フランス文学を代表する作家の一人です。彼の膨大な作品群は、「人間喜劇(La Comédie humaine)」という総称のもと、19世紀フランス社会の全貌を描こうとした壮大な試みの一環として書かれました。バルザックの詳細な観察力と多面的なキャラクター描写は、リアリズム文学の礎を築きました。 特徴 1.「人間喜劇」構想 •全91作品(完成したのは約70作品)で構成される大規模なシリーズ。社会のあらゆる階層や職業を網羅し、同じ登場人物が複数の作品に繰り返し登場する仕組みを取り入れています。 •貴族、ブルジョワジー、聖職者、芸術家、犯罪者など、フランス革命後の激動の社会を反映した広範な人間模様が描かれています。 2.詳細なリアリズム •社会構造、経済、政治、文化を細かく描写し、登場人物の心理や行動を徹底的に分析。現実世界を忠実に再現しながらも、同時にドラマチックな物語性を追求しています。 3.登場人物の多様性 •バルザックの作品には2,000人以上の登場人物が存在し、それぞれが社会や時代を象徴する役割を果たしています。彼らは複雑な性格を持ち、現実世界の人間そのもののようなリアリティがあります。 4.金銭と権力のテーマ •社会の中での金銭と権力の役割、人間の欲望や野心が持つ破壊的な力が中心テーマとして描かれています。 代表作 1.『ゴリオ爺さん』 (Le Père Goriot, 1835) •バルザックの代表作で、「人間喜劇」の中心的な作品。貧しい老父ゴリオが娘たちのために全てを犠牲にする悲劇と、若者ラスタニャックの成長を通して、愛情と利己心、家族と社会の葛藤を描きます。 2.『谷間の百合』 (Le Lys dans la vallée, 1836) •高貴な女性と若い男の純愛を描いた作品。フランス田園の美しい描写とともに、精神的な愛の可能性と限界を探求しています。 3.『従妹ベット』 (La Cousine Bette, 1846) •嫉妬深い従妹ベットが引き起こす陰謀を中心に、欲望と権力の争いが描かれた作品。バルザック晩年の傑作。 4.『幻滅』 (Illusions perdues, 1837–1843) •地方出身の青年がパリで夢を追いながらも堕落していく物語。文学界や出版業界の内幕をリアルに描き、芸術家の苦悩をテーマにしています。 バルザックの意義 •リアリズム文学の先駆者 バルザックは、人間と社会を徹底的に解剖し、文学を通して「時代の鏡」となる作品を創造しました。彼の手法はフローベールやゾラなどの後世のリアリズム作家に大きな影響を与えました。 •作家としてのエネルギー 膨大な執筆量と、緻密なストーリーテリングは驚異的であり、彼の情熱的な仕事ぶりは文学史上でも際立っています。日夜コーヒーを飲みながら書き続ける姿は、伝説的なエピソードとして語られています。 バルザックの作品は膨大ですが、個々の物語は深く心を打つものが多く、初心者にも『ゴリオ爺さん』や『従妹ベット』などからの読書がおすすめです。
すごいもん読んだ…って感じです。個人と社会と欲望と仕組みが多重構造になってて、父を裏切る娘のシンプルな話なのに複雑で、、、クライマックスは読むのがしんどかったです。常に社会と自分に与える影響と大切な人、をしっかり見つめないと。
食べ物を与えるのではなく、食べ物の取り方を教えることこそが本人のためになり、愛であるなと改めて思った 甘やかしすぎてお互いに不幸になるなんて ゴリオ爺さん死の間際ではっきりそれがわかって絶望したんだろう 娘たちは悪いことをしたなど微塵も思わない 当たり前だったから あまりに哀しい 側から見てい...続きを読むたラスティニャックたちには可哀想に映っただろう 人間物語だった ゴリオさん、天国では幸せであれ
すごく考えさせられる。 たしかにゴリオ爺さんの娘たちへの献身は想像を絶している。しかし、最後はこれでいいのか、との疑問は拭えない。利己と虚栄にのみ生きるのが人間なのか。そんな身も蓋もない社会なのか。 主人公の学生が葛藤することにのみしか、微かな希望はない。
今年の正月読書はバルザックの「ゴリオ爺さん」。愛娘二人に金を注ぎ込み、自らは貧乏生活を続けついには惨めな死を迎えるゴリオ爺さん。お金があるあいだは、娘とその旦那達から歓迎と尊敬を受けていたが、ひとたびお金が尽きてしまえば、見向きもされなくなる。行き過ぎた親馬鹿が、悲劇的な結末を呼び寄せる。苦しみなが...続きを読むら死ぬのは娘たちのせいではなく、自分の父性愛を制御しきれないで自滅したせいだと、ゴリオ爺さんは死の直前に気づく。(神がその被造者に対して持つような父性愛?) ゴリオ爺さんの寂しい葬式は、グレートギャッツビーの主人公、ジェイ・ギャッツビーの葬式を思い出させる。 本作におけるもう一人の主人公は、学生ながらも華やかなパリの社交界に憧れ、いち早く出世を目論むウージェイヌ・ラスティニャックである。野心に溢れ社交界に飛び込む若者と言えば、スタンダール「赤と黒」のジュリヤン・ソレルが頭に浮かぶが、高貴な夫人を誘惑して出世を目論もうとするあたり、まるで瓜二つである。逆に言えば、当時から金も地位もない若者が社会でのし上がる方法は、それくらいしかない、ということだろう。 もう一人の個性的な登場人物は、社会に対して強烈な反抗思想を持つヴォートランである。アナキズムなのかニヒリズムなのか、明確な分類は困難であるが、ヴォートランの一貫して反社会的な思想は、田舎から家族の期待を背負って出てきた出世に燃えるラスティニャックが、ゴリオ爺さんの悲劇を目の当たりにし、きらびやかな世界が覆い隠す、偽善と虚栄の存在を知っていく中で、悪魔的な誘惑となり彼を板挟みの状態へと移行させる。そんな彼がヴォートランの逮捕やゴリオ爺さんの死を経験し、最終的に自らの今後の行動を決意したところで物語は終わる。世界の十大小説と呼ばれるのも納得の、圧巻の人間喜劇であった。
病的と言ってもよいぐらいの親バカなゴリオ爺さん。親の死に目にも顔を見せないふたりの娘たち。どのような過程を経て、そのような娘たちに育ったのか明らかではないが、最後に遺された金のロケットは彼女たちにも純粋な時代があったことを物語る。その彼女たちが虚栄に満ちたパリの社交界に入ることになって、家族の悲劇に...続きを読む拍車がかかったように思われる。ヴォケー夫人の下宿屋と社交界の間を行き来するラスティニャックが、まだどちらの世界の住人にもなり切れずに良心を何とか保っているのが少し救われた。さすが名作。
ライトノベルばかり読んでいても舌が麻痺しそうなのでまともな小説も読む と自然に書いてしまうが ライトノベルでないのにもライトノベル平均点に及ばない作品はいくらでもあるので 単に味付けの違いと思う 『マカロニほうれん荘』と『ドカベン』と『ブラックジャック』は同じ雑誌に掲載された 同じマンガ作品でも ま...続きを読むったく違うものなのと同じ でバルザックの人間喜劇は小説では手塚治虫作品みたいなものである 200年越しに読み継がれている名作だが 手塚治虫作品の最高峰が比べて劣っているわけではない けれど歌劇的な畳みかける膨大な台詞での心情吐露は 日本作品が容易に真似し得ない欧州文化の精華 いってみれば日本語で書かれた小説が一文一句の「ことば」へこだわり続ける限りは たどり着けない境地かもしれない
すごい小説というものは、確かに時代を超えて残る。例えば、『デイヴィッド・コパフィールド』『エマ』『ファウスト』『カラマーゾフの兄弟』。それらと同様の圧倒される感じを味わった。 「人間喜劇」の構想を得て、最初にスターシステムを導入して描いた作品だという。これが初の試みだったとは、どれだけの緻密なプ...続きを読むロットを用意して臨んだのかと驚く。主人公ゴリオの悲劇の性格ももちろん深いのだが、それ以上に、その後の作品にも繰り返し登場することになる主役級スター二人、ラスティニャックとヴォートランのキャラクターが素晴らしい。上昇志向、端麗な容姿、強い意志と感覚の鋭さという、魅力的なラスティニャックの視点で物語るというのは上手い。また、本編では半端な狂言回しといった退場のしかたになっているが、ヴォートランの謎めいた様子、世間に対する斜に構えた態度と裏腹な情熱、正体を暴かれた後の豪放なセリフなど、これも飛びぬけて豊かな造形だと思う。 ヴォートランについてはゲイであることがさらっと述べられているが、時代をかんがみると不思議に感じた。この時代、同性愛者が小説に登場することにはタブー感や異様の印象は無かったのだろうか?
ドラマは俗っぽいけど、確かな描写が感情をゆさぶるのはさすが。ヴォートランの逮捕の下りの描写がとても良かった。 そしてラストもかっこよい。
世間と言う真因はそのようなきらびやかな世界がどんなに偽善と妥協と搾取によって支えられているかを悟り、恐ろしくなる。ゴリオの爺さんもある種搾取される側の人生を堪能し、自らの幸福を他人に求めることで幸せを享受していたのだと思う。社交の場に乗り上げた途端、父親を恥ずかしく思うという娘たちの心情と、その成果...続きを読むを呪うという醜悪な非業の死もうまく描きあげられている。社交の場にありがちな心象風景を見事に描ききっている。何を持って生き甲斐とするか、人生をどう生きるべきなのか、世間とどう向き合うのか、色々と考えさせられる作品だ。
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ゴリオ爺さん
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オノレ・ド・バルザック
平岡篤頼
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