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  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    4.3
    1巻693円 (税込)
    好色な医師フリントの奴隷となった美少女、リンダ。卑劣な虐待に苦しむ彼女は決意した。自由を掴むため、他の白人男性の子を身籠ることを――。奴隷制の真実を知的な文章で綴った本書は、小説と誤認され一度は忘れ去られる。しかし126年後、実話と証明されるやいなや米国でベストセラーに。人間の残虐性に不屈の精神で抗い続け、現代を遥かに凌ぐ〈格差〉の闇を打ち破った究極の魂の物語。

ユーザーレビュー

  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    これが実話だと信じたくない、読み進めるのが辛かった。
    ふと某死刑囚の“きみはまだ試されていない”という言葉を思い出した。自分が奴隷だった場合、奴隷所有者だった場合、それぞれでどんな人間になっているだろうかなどをぐるぐる考えてしまって、とにかく疲れた。

    解説にある“人間力をつけるためにも、本書は必読だ”に強く同感する。

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    2025年11月06日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     本当の話だなんて? 19世紀、アメリカの奴隷制、黒人差別がどのように行われていたかこのような当事者の目で書かれたものを初めて読んだと思う。南部では白人に所有される黒人は逃亡して捕まれば鞭で打たれ殺されることもある、そして子供が生まれれば、その見た目ではなく母親の方の身分に分類され、奴隷の母親の子供は白人の主人の所有物となる、それが法律で決まっている。どんなに惨めか、どんなに理不尽だと思っても、法律で決まっているから、逆らえば社会全体が敵になる。
     その中でも奴隷制に反対し命懸けでリンダを助けてくれる白人も多くいた。置かれた立場により、自分さえ安全圏にいれば社会構造や権力にたてつかず従順にし、

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    2025年05月31日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    私も、偶然本屋さんで手に取り、読み止められなくなった一冊。確かに少女のころ、(同時代作家の)若草物語や小公女ではなくて、これを読んでいたら、現実の立ち位置をもっと理解していたかもしれない。思い通りにいかなくとも、夢砕けたとしても。

    (リンダの強さの下地は祖母のマーサにあり、そのマーサの立場にあるのだと思う)

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    2025年02月23日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    フィクションを読んでいるような気持ちになるほど、壮絶で波乱に満ちた内容だった。
    奴隷制の実態と「自分の人生を生きるとはどういうことか」を見せてくれた著者に感謝したい。
    物語調で『アンネの日記』より読み進めやすい。
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    読者よ、わたしの物語は自由で終わる。
    絶対に屈しない。自由を勝ち取るまでは――残酷な運命に立ち向かった少女の魂の記録。人間の残虐性と不屈の勇気を描く奇跡の実話!

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    2024年07月28日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    この本との出会いは、ほんの偶然、時間をつぶすためだったという訳者の堀越ゆき氏同様、私も、実家のある田舎の小さな小さな書店で、時間つぶしのために手に取ったことだった。
    翻訳本、それも北欧ミステリー好きなのに、その書店にはそれの類が無く、仕方なく、、、期待もなく、、、海外コーナーわずか十数冊の中から選んだ一冊だった。
    しかし、読み出したら止まらず一気読み。
    作家でもない一人の奴隷少女によって書かれた彼女の過酷な実体験を綴った本作は、アメリカの古典名作ベストセラー・ランキングで上位というから納得である。
    自由を得るために、彼女が選び自らに課した運命は、あまりにも悲痛なものであり、その痛みは想像を絶す

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    2024年03月26日

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