堀越ゆきのレビュー一覧

  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    この本との出会いは、ほんの偶然、時間をつぶすためだったという訳者の堀越ゆき氏同様、私も、実家のある田舎の小さな小さな書店で、時間つぶしのために手に取ったことだった。
    翻訳本、それも北欧ミステリー好きなのに、その書店にはそれの類が無く、仕方なく、、、期待もなく、、、海外コーナーわずか十数冊の中から選ん...続きを読む
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    アメリカのかつての奴隷制度の、人を人として扱わない惨さ。ノンフィクションであることが怖いくらい。

    体を伸ばすこともできない屋根裏部屋で7年間、死と隣り合わせで隠れて生活をしたり、北部に無事逃げてからも”持ち主”であるドクターフリントの追手から逃げながら生活をしたり、、
    その中でも生きることを諦めず...続きを読む
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    その時代時代にある「常識」や「正義」なんかは
    全然違うもので、今の基準で当時を裁くわけにはいかない。

    悪いものは悪いけどね。
    ホロコーストとか。

    名目上の奴隷制度はないけれど、
    人間みんな金の奴隷になってる現代社会。
    たとえ奴隷だとしても、リンダのように
    気高く、愛をたくさん抱えて生きていたいも...続きを読む
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    ・奴隷に人権はない。主人の命令に反することは犯罪
    ・人間的な主人は、めずらしく稀
    ・善意からはじまり誠意がこめられた約束も、守られるかどうかは状況次第

    聡明で強い意志を持った著者のおかげで、このように酷い現実を知ることができた。
    目を背けていたこと、無知だったことが恥ずかしい。

    この本に出会えた...続きを読む
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    これが、わずか200年前に起きていた事なんて。
    そして、今でも(ここまで暴力的なことは減ったとしても)かたちを変えてこの残酷な差別が横行しているなんて。
    まずは知ることから。
    フタをし、目を逸らさずに考え続けるを手放さないように。
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    事実は小説よりも奇なり
    まさにその通りの小説でした。
    人はそこまで残虐になれるのか。
    人はどんな残酷な目に遭おうと、志し次第で生きられる。
    主人公の信念、賢さ、洞察力に脱帽。
    ネットで主人公のお写真を拝見させて頂いたが、意思の強そうな目をしていた。
    内容が衝撃すぎて、感想を述べる言葉すら浮かばなかっ...続きを読む
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    130年以上前の奴隷だった女性の半生記。奴隷、という歴史の教科書の中の言葉が、なまなましい人の人生として息遣いを持った。
    自由になるための彼女の強靭な意志と行動力に心打たれる。
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    タイトルからしてキツイ内容を想像できるのですが、本当にきついです。
    最初から最後まで息つく暇もないほど、緊迫感と痛みを感じました。想像を絶する辛さです。

    人間に所有という概念がある世界。
    自分が自分のものでない存在。自分が何者かに支配され続ける人生、それが奴隷制度。

    当事者だけにしか、本当の辛さ...続きを読む
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    あまりに辛く、、衝撃的な内容でした。

    奴隷として生まれた少女リンダ・ブレント(ハリエット・アン・ジェイコブズ)が、自身の半生を綴ったノンフィクションストーリー。

    辛い境遇にいながらも、リンダは希望や信念、誇りを持ち続けた。
    そして守るべきものがリンダを更に強くした。

    リンダの生き方はとても心に...続きを読む
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    とにかく衝撃的。実際に奴隷少女だった著者が、本名だと捕まるのでペンネームで書いた実話。
    「小説は確かに面白い、でもフィクションよりも圧倒的に考えさせられる実話です」という本屋さんのポップに惹かれて買ったけど、本当に読んで良かった。
    当たり前に人間が売買され、モノとして扱われ、もし殺してしまっても罪に...続きを読む
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    積ん読本。
    奴隷制度とは、得に女性にとって何と苛酷で凄惨なものか。
    本書から150年経った今現在でも、差別と虐待は無くなっていない。
    茂木健一郎氏によれば、人間の脳は縄文時代から変わっていないそうだから、考え方も変わらないかもしれない。
    人間の恐ろしさを身に染みて読む。
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    アメリカの奴隷制度について私は概要は知っていても真実や現実を知らないのだと思い知らされた。奴隷には逃げ場がない。人権がない。奴隷の子もまた奴隷であり、商品になるのだと。リンダは生き延びた。相当な精神的、肉体的なダメージを負いながらも生き延びた。言葉にならない。
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

    衝撃

    奴隷の女として生まれたから、という理由だけで虐げられ逃げ続けないといけなかった少女の話。
    アメリカの奴隷制、南部と北部の関係性については学校で習って知っていましたが、このような小説は初めて読み衝撃でした。今の世界が実際どのような人種差別があるか実際のことろわかりませんが、少しでも平等になるよう祈るば...続きを読む
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

    課題図書にして欲しい

    夜寝る前に漫画の広告を気になって数話読み、本書に飛んで一気に読んだ。最初に思ったのは「ムラート」「母親に付帯する身分を引き継ぐ」この2点は高校の世界史で学んだが、本書を読むまで言葉の暗記でしかなかったと気づいたということだ。いかに白人男性にとって都合の良いことなのかへの気づき、その"都合の良さ"は現...続きを読む
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    日本にいると、多様性について考える機会は、与えられない限り、あまりないかもしれない。
    特にコロナ下においては、自ら情報を得ようとしないと日本社会特有の一般論での考え方に偏ってしまうこともある。

    そんな時に読んだ本で、今も根強く残る黒人差別問題の渦中で劣悪な環境で過ごした130年前の実体験を綴られた...続きを読む
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    奴隷制のあったアメリカで実際に奴隷として虐げられた黒人女性の手記。淡々と語られる奴隷所有者の仕打ち、また、南部州だけでなく北部州にもある社会全体の差別意識に心が痛めつけられる。奴隷という身分で産まれる中でも、男性以上に女性が人生で抱える不幸が大きいという主張は奴隷制度のない現代社会にも通じるところか...続きを読む
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    奴隷制について無知だったのが微知ぐらいになった気がする。今まで奴隷船の中の不清潔さとか、鞭ちのさとかばかり旨がいってたけど、この本は鞭打ちみたいな体罰的な苦痛よりも言葉とか女性ならではの苦痛が大きくて奴隷制の本当の闇の部分を見たように感じた。
    、読んでると勝手にフ
    ィクションだと思ってるけど、、ふと...続きを読む
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    パワーがすごい。
    奴隷制当事者の貴重な手記というだけでなく、真のウーマン・リブ文学である。

    J・F・イエリン教授や堀越ゆき氏に本書が発見されて本当に良かった。
    衝撃作であることは間違い無いが、当事者文学であるからこそ努めて冷静に描写されており、妙に感情を煽り立てるような書き方をしていないので、結構...続きを読む
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    これが本当に起こった出来事なのだと思うと…。主人公リンダの7年もの屋根裏での潜伏、あまりにも壮絶だ。肉体的にも精神的にも自分なら耐えられないと思う。南部から北部へ向かう船での描写が心に迫った。北部へ行くのは悲願だ。夕日や頬を撫でる風に喜びを感じる。だけど愛する家族や世話になった人々は今去ろうとしてい...続きを読む
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    奴隷制というものが有ったことは知ってる。
    でも、何にも判ってはいない。
    たくさんの人が読んだら良いと思った。