堀越ゆきのレビュー一覧

  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    これが本当に起こった出来事なのだと思うと…。主人公リンダの7年もの屋根裏での潜伏、あまりにも壮絶だ。肉体的にも精神的にも自分なら耐えられないと思う。南部から北部へ向かう船での描写が心に迫った。北部へ行くのは悲願だ。夕日や頬を撫でる風に喜びを感じる。だけど愛する家族や世話になった人々は今去ろうとしてい...続きを読む
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    奴隷制というものが有ったことは知ってる。
    でも、何にも判ってはいない。
    たくさんの人が読んだら良いと思った。
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    確かにこの内容だとフィクションだと判断するしてしまうのも分かるぐらい、しっかりとした内容だった。

    過去にこんな扱いを受けて来た事実、こんな扱いをした事実を受け止めて、今の問題に取り組んでいくためにクラシック上位にあると思うと改めてアメリカって凄いと思う。
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    本書が出版された当初、白人によるフィクションであると思われたのも致し方ない程、想像を絶する体験手記である。
    今よりもずっと差別と暴力が激しい時代に、奴隷と言う立場にありながら、信念を持って生きた女性の力強さを感じる。
    どんな時でも、自分の所有者は自分自身なのだ。
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    余りの惨さ、執拗さにおどろく。

    1800年代アメリカ南部の黒人少女が次から次へと降り掛かる困難を持ち前の忍耐力、運、人との繋がりを用いて乗り越えようとする話。
    人はどこまで残虐になれるのか、嫉妬深くなれるのか、執念深くなれるのか。
    どうしたらここまで堕ちることができるのかと驚く。
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    きっと次のページでは、良いことが起こるとずっと思いながら、最後まで来てしまった…

    理不尽…あり得ない…そう思わざるを得ないけれど、これが現実であったことは知っておくべき歴史なのだろう。
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    感想
    当たり前に尊厳はない。何も起こらない。今日も明日も希望はない。絶望もできない。淡々と繰り広げられる地獄。今はもうなくなったのか。
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    いただき本

    とても読みやすくしっかりとした翻訳。
    奴隷制の不条理と、悲しさ、そこに身をおかねばいかなかった人々の苦労は、私などには計り知れない。
    強い意思を持ち、思慮深く生き抜いた作者を思う。
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    250年前の出来事に胸が締め付けられるようだ。

     奴隷制がどのように運用されていたのか、所有者(雇用者ではなく)との関係性等、当事者の記録である本書から伝わってくる。

     少女を所有し意のままにしようとする所有者やその子供たち。嫉妬に苦しめられるその妻。意識のはけ口は残虐性や暴力なって奴隷を襲う。...続きを読む
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    南北戦争前のアメリカの暗い時代の話。この時代があって今がある。この事実に出会えて改めて考えさせられた。
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    奴隷制の奴隷女として生まれてきたことは不運であるが、暴力的な主人から逃れる策として他の白人の子を宿したり、主人のいかなる言葉にも否定したり、自己主張の強さとそれに伴う行動力が凄まじい。勿論、辛い日々が鍛えたのもあるだろうが、自由黒人である父の影響も強そうだ。
    主人が恐らく嘘であろう優しい言葉や、偽り...続きを読む
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    ノンフィクションと分かって読み始めたけど、読み進めるにつれてこんな残虐なことがリアルにあったと、想像するのは本当に難しかった
    白人が黒人を奴隷として所有する「当たり前」、奴隷は人としてではなく物として扱われる「当たり前」
    現代では考えられないような「当たり前」が数え切れないほど出てきたけど、それを「...続きを読む