堀越ゆきのレビュー一覧

  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

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    この本との出会いは、ほんの偶然、時間をつぶすためだったという訳者の堀越ゆき氏同様、私も、実家のある田舎の小さな小さな書店で、時間つぶしのために手に取ったことだった。
    翻訳本、それも北欧ミステリー好きなのに、その書店にはそれの類が無く、仕方なく、、、期待もなく、、、海外コーナーわずか十数冊の中から選んだ一冊だった。
    しかし、読み出したら止まらず一気読み。
    作家でもない一人の奴隷少女によって書かれた彼女の過酷な実体験を綴った本作は、アメリカの古典名作ベストセラー・ランキングで上位というから納得である。
    自由を得るために、彼女が選び自らに課した運命は、あまりにも悲痛なものであり、その痛みは想像を絶す

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    2024年03月26日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

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    アメリカのかつての奴隷制度の、人を人として扱わない惨さ。ノンフィクションであることが怖いくらい。

    体を伸ばすこともできない屋根裏部屋で7年間、死と隣り合わせで隠れて生活をしたり、北部に無事逃げてからも”持ち主”であるドクターフリントの追手から逃げながら生活をしたり、、
    その中でも生きることを諦めずに、また多くの人と助け合いながら自由を獲得する姿はかっこいいと思った。

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    2024年02月16日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

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    その時代時代にある「常識」や「正義」なんかは
    全然違うもので、今の基準で当時を裁くわけにはいかない。

    悪いものは悪いけどね。
    ホロコーストとか。

    名目上の奴隷制度はないけれど、
    人間みんな金の奴隷になってる現代社会。
    たとえ奴隷だとしても、リンダのように
    気高く、愛をたくさん抱えて生きていたいものだ。

    「夜と霧」くらい、
    読んだ方がいいかもしれない本。

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    2023年11月29日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

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    ・奴隷に人権はない。主人の命令に反することは犯罪
    ・人間的な主人は、めずらしく稀
    ・善意からはじまり誠意がこめられた約束も、守られるかどうかは状況次第

    聡明で強い意志を持った著者のおかげで、このように酷い現実を知ることができた。
    目を背けていたこと、無知だったことが恥ずかしい。

    この本に出会えたことに感謝したい。

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    2023年11月12日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

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    これが、わずか200年前に起きていた事なんて。
    そして、今でも(ここまで暴力的なことは減ったとしても)かたちを変えてこの残酷な差別が横行しているなんて。
    まずは知ることから。
    フタをし、目を逸らさずに考え続けるを手放さないように。

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    2023年09月29日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

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    事実は小説よりも奇なり
    まさにその通りの小説でした。
    人はそこまで残虐になれるのか。
    人はどんな残酷な目に遭おうと、志し次第で生きられる。
    主人公の信念、賢さ、洞察力に脱帽。
    ネットで主人公のお写真を拝見させて頂いたが、意思の強そうな目をしていた。
    内容が衝撃すぎて、感想を述べる言葉すら浮かばなかった。

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    2023年08月23日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

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    130年以上前の奴隷だった女性の半生記。奴隷、という歴史の教科書の中の言葉が、なまなましい人の人生として息遣いを持った。
    自由になるための彼女の強靭な意志と行動力に心打たれる。

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    2023年07月30日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

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    タイトルからしてキツイ内容を想像できるのですが、本当にきついです。
    最初から最後まで息つく暇もないほど、緊迫感と痛みを感じました。想像を絶する辛さです。

    人間に所有という概念がある世界。
    自分が自分のものでない存在。自分が何者かに支配され続ける人生、それが奴隷制度。

    当事者だけにしか、本当の辛さは分からない。
    私たちは想像することしかできないけれども、彼女の痛みは理解できるはず。

    この本を読んで、思ったこと。
    「自由」とは何か、よりも「自由でない」事とは何かを考えさせられました。

    自由でない状況とは、、、
    やりたいことができないということではなく
    イヤなものを「嫌だ」といえない状況なの

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    2023年07月26日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

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    あまりに辛く、、衝撃的な内容でした。

    奴隷として生まれた少女リンダ・ブレント(ハリエット・アン・ジェイコブズ)が、自身の半生を綴ったノンフィクションストーリー。

    辛い境遇にいながらも、リンダは希望や信念、誇りを持ち続けた。
    そして守るべきものがリンダを更に強くした。

    リンダの生き方はとても心に響いた。
    感動とはまた違う、これはどういう感情なのか今は言語化が難しいけど、リンダの生き方に大きな衝撃を受けたことは確か。

    リンダ・ブレントに畏敬の念を込めて。

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    2023年07月12日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

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    とにかく衝撃的。実際に奴隷少女だった著者が、本名だと捕まるのでペンネームで書いた実話。
    「小説は確かに面白い、でもフィクションよりも圧倒的に考えさせられる実話です」という本屋さんのポップに惹かれて買ったけど、本当に読んで良かった。
    当たり前に人間が売買され、モノとして扱われ、もし殺してしまっても罪に問われない恐ろしい制度。目を逸らしたくなる残酷さだけど、こういう暗黒の歴史を知るのは大切だと思う。読んで良かった。

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    2022年12月28日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

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    積ん読本。
    奴隷制度とは、得に女性にとって何と苛酷で凄惨なものか。
    本書から150年経った今現在でも、差別と虐待は無くなっていない。
    茂木健一郎氏によれば、人間の脳は縄文時代から変わっていないそうだから、考え方も変わらないかもしれない。
    人間の恐ろしさを身に染みて読む。

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    2022年06月20日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

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    ネタバレ

    アメリカの奴隷制度について私は概要は知っていても真実や現実を知らないのだと思い知らされた。奴隷には逃げ場がない。人権がない。奴隷の子もまた奴隷であり、商品になるのだと。リンダは生き延びた。相当な精神的、肉体的なダメージを負いながらも生き延びた。言葉にならない。

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    2022年04月02日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

    購入済み

    衝撃

    奴隷の女として生まれたから、という理由だけで虐げられ逃げ続けないといけなかった少女の話。
    アメリカの奴隷制、南部と北部の関係性については学校で習って知っていましたが、このような小説は初めて読み衝撃でした。今の世界が実際どのような人種差別があるか実際のことろわかりませんが、少しでも平等になるよう祈るばかりです。

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    2020年12月10日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

    ネタバレ 購入済み

    課題図書にして欲しい

    夜寝る前に漫画の広告を気になって数話読み、本書に飛んで一気に読んだ。最初に思ったのは「ムラート」「母親に付帯する身分を引き継ぐ」この2点は高校の世界史で学んだが、本書を読むまで言葉の暗記でしかなかったと気づいたということだ。いかに白人男性にとって都合の良いことなのかへの気づき、その"都合の良さ"は現代日本でも多く見られるという気づきである。訳者の言うように、もっと早くに会ったならやりたかった夢への後押しをしてくれたとも思う。しかしそれだけでなく、今も日々行なっている”女性らしさ、女性なんて"という固定観念と不自由さに対しての改善を求める個人の戦いへの後押しにもなる

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    2020年08月09日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

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    日本にいると、多様性について考える機会は、与えられない限り、あまりないかもしれない。
    特にコロナ下においては、自ら情報を得ようとしないと日本社会特有の一般論での考え方に偏ってしまうこともある。

    そんな時に読んだ本で、今も根強く残る黒人差別問題の渦中で劣悪な環境で過ごした130年前の実体験を綴られた本。理解できない言動、現実味のない情景、今も形を変えて残る差別問題を知ることの大切さを改めて感じた。

    知らない国の知らない人が、どこでどう生きて考えて希望を見出しているのか、そこから自分は何を得て考えて行動できるのか。

    日本が世間体や固定観念ではなく、多様性に寛容な社会になるには時間がかかると思

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    2021年12月18日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

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    アメリカが奴隷制度を廃止する前、南部アメリカで奴隷として生まれた少女の半生の実話。本人が北部に逃亡し、晴れて自由の身になったのちに自身で実話として出版したが、文章力の高さから白人が実話の体で書いたフィクションとしてあつかわれ、100年以上の時を経て実話と証明された数奇な本。

    筆者の人生も数奇で壮絶。
    美しい筆者は主人一家の主人に貞操を狙われ続け、執拗な嫌がらせを受ける。筆者が選んだ自分を守る道は、自分を支援してくれそうな別の白人男性の子供を身籠ること。二人の子を産んだ筆者は、子供をいずれ自由の身にするために自身の逃亡という道を選ぶ。しかし主人の筆者に対する執着はすざまじく、主人が亡くなるまで

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    2024年06月13日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

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    『鞭で打たれる痛みには耐えられる。でも人間を鞭で打つという考えには耐えられない』という箇所が印象的だった。
    初めて読む奴隷についての書物。だが考え直してみると、奴隷で読み書きができる人は少数だから、もしかしたら真っ当なのかもしれない。
    思っていたよりもずっと酷く、むごい。奴隷主によって奴隷への接し方、扱い方は様々だが、どのような思想、社会背景の中でも、良いことと悪いことの判断がつく教養のある人でありたいと改めて思った。
    人を売り買いし、「所有する」のは今では不思議な感覚だが、それが当たり前だった時代があるのが恐ろしい。
    弱者が卑怯なことをしても、他に責められる人はいない、いたとしてもその状況を

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    2024年05月24日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

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    奴隷制のあったアメリカで実際に奴隷として虐げられた黒人女性の手記。淡々と語られる奴隷所有者の仕打ち、また、南部州だけでなく北部州にもある社会全体の差別意識に心が痛めつけられる。奴隷という身分で産まれる中でも、男性以上に女性が人生で抱える不幸が大きいという主張は奴隷制度のない現代社会にも通じるところか。

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    2024年01月21日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

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    奴隷制について無知だったのが微知ぐらいになった気がする。今まで奴隷船の中の不清潔さとか、鞭ちのさとかばかり旨がいってたけど、この本は鞭打ちみたいな体罰的な苦痛よりも言葉とか女性ならではの苦痛が大きくて奴隷制の本当の闇の部分を見たように感じた。
    、読んでると勝手にフ
    ィクションだと思ってるけど、、ふとこれが本当の話だったと思い出してその度にこの作品の重要さを痛感した。多分、これはほんの一部だろうから
    もっと奴隷制について知識を深めたくなった

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    2024年01月04日
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)

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    パワーがすごい。
    奴隷制当事者の貴重な手記というだけでなく、真のウーマン・リブ文学である。

    J・F・イエリン教授や堀越ゆき氏に本書が発見されて本当に良かった。
    衝撃作であることは間違い無いが、当事者文学であるからこそ努めて冷静に描写されており、妙に感情を煽り立てるような書き方をしていないので、結構誰にでもおすすめできる本な気がする。

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    2023年11月16日