国内小説 - 切ない作品一覧

  • P+D BOOKS 曲り角
    3.0
    1巻770円 (税込)
    人生の曲り角を迎えた中高年を描く17篇。 ――世間というものはおそろしいな……庭をちょっと作り変えれば、どこかおかしいと思われるし、他愛のない絵を描けば変態扱いか……そういう自分たちの、どこが正常だと思ってやがるんだろう――  定年前後の男たちが、庭の作りかえや裸婦画、プラモデル作りなどに熱中するが、周囲にはまるで理解してもらえない悲哀を描いた「積み木あそび」、ナイフやフォークを持つときに相手が小指を立てていたという一事で見合いが流れてしまう「小指」、病気で倒れたお偉いさんのため、好物だという鰻を熱々の状態で届けたが、どんでん返しに遭う「鰻」などなど、中高年の悲喜劇17篇を収録した名作短篇集。
  • ファイア・サイン 女性消防士・高柳蘭の奮闘
    4.1
    横浜市消防局湊消防署に勤める任官2年目の消防士・高柳蘭。中区内で2ヶ月間で42件もの火災が発生し、そのうち16件は火災原因も明らかになっていないことから、警察は事件性を疑う。火災原因調査員の木場は、根拠の薄さから「事件」との見方に慎重になるが、ある人物の存在に気づき……。一方、民家の消火に当たった浜方隊は、殉職者を出してしまう。それを機に蘭に異変が起こって……。
  • ファイアマンの遺言
    3.2
    建設中のアパートに停めてあった車が何者かに放火された。消火活動中、突然の爆発で消防士の峯岸が殉職してしまう。夫を失った妊娠中の妻・亜希と近所の住人たちは消防団「夜回り隊」として真犯人探しに乗り出す。一方、峰岸が乗っていた車の買い取りを担当するディーラーの吉岡は、車中で遺書を発見した。そこには健文の秘めた決意が書かれていた……。ひとりの勇敢な消防士の死をめぐる、遺された者たちの葛藤と再生の物語。
  • ファイティング40、ママはチャンピオン
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    私が主宰する小劇団の女優でもある妻は、女ボクサーの役づくりでジムに通ううち、ボクシングにとり憑かれた。さらにジムの会長までが、奥さんは稀なる逸材、是非ともプロになどと言い出して……。時にユーモラスに、時にほろ苦く描き出す、その戦いの日々。喜怒哀楽の人生、夫婦と家族の絆をしみじみ味わい直す中篇小説。
  • ファイナル・ブルー 永遠
    4.4
    理由のない死に憧れを抱き、十六歳の誕生日に自ら命を絶つことを決めているホタル。 心を閉ざし、半年後のその日を待つ彼女の前に、シンジは現れた。 殺人さえ厭わない非合法組織「MEDA」に追われ、警察からもマークされる彼に、ホタルは戸惑いながら魅かれてゆく。 桜井亜美が切なくもリアルに描く、脆い十代の「性」と「生」の物語。
  • FINE DAYS
    3.6
    余命いくばくもない父から、三十五年前に別れた元恋人を捜すように頼まれた僕。彼らが住んでいたアパートで待っていたのは、若き日の父と恋人だった……。新世代の圧倒的共感を呼んだ、著者初の恋愛小説。
  • ファミリー
    3.0
    最愛の恋人を不慮の交通事故で亡くした傷心の弓子は、数か月後、上司の薦めで見合いをし、結婚した。優しい夫と、理想的とも思える仲の良い家族関係。彼女はとても幸せだった。だが、しばらくすると、少しずつ微妙な違和感を覚え始めた。家族間の円満さの裏側に異常を感じたのだ。そして、それは彼女の胸の中で次第に膨れ上がっていった……。怪奇サスペンス。〈書き下し〉
  • ファミリーポートレイト
    値引きあり
    3.9
    最初の記憶は五歳のとき。公営住宅の庭を眺めていたあたしにママが言った。「逃げるわよ」。母の名前はマコ、娘の名前はコマコ。老人ばかりが暮らす城塞都市や奇妙な風習の残る温泉街。逃亡生活の中でコマコは言葉を覚え、物語を知った。そして二人はいつまでも一緒だと信じていた。母娘の逃避行、その結末は。(講談社文庫)
  • 「ファミリーラブストーリー」
    3.3
    なぜ離婚したくないのだろう? 世間体? 妻への愛情? 子供の教育上良くないから? 妻から離婚を切り出され、仕事漬けだった隆介は、はじめて考えた。お茶の間に届けるファミリードラマの脚本を書きながら、妻の気持ちを変えられないかと悩む日々。世間の離婚についての考え方を取材し、考え、隆介が出した思いもよらない結論とは――
  • ファミリー・レス
    3.5
    「家族か、他人か、互いに好きなほうを選ぼうか」ふたつきに一度だけ会う父娘、妻の家族に興味を持てない夫。家族というには遠すぎて、他人と呼ぶには近すぎる――現代的な”家族”を切り取る珠玉の短編集。
  • ファミレス 上
    3.6
    1~2巻704円 (税込)
    中学校教師の宮本陽平は、子どもたちが家を出て、妻・美代子との初めての二人暮らしに困惑中。 ある日陽平は、美代子の署名入りの離婚届を見つけてしまう。彼女は離婚を考えているのか? 唯一の趣味である料理を通じた友人の一博と康文は、様子のおかしい陽平を心配するが、彼らの家庭も順風満帆ではなく……。 「人生とは、腹が減ることと、メシを食うことの繰り返し」。50歳前後の料理好きオヤジ3人を待っていた運命とは? ●2017年1月公開映画「恋妻家宮本」原作
  • ファラオの密室
    3.9
    第22回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞受賞作、文庫化です! 紀元前1300年代後半、古代エジプト。死んでミイラにされた神官のセティは、心臓に欠けがあるため冥界の審判を受けることができない。欠けた心臓を取り戻すために地上に舞い戻ったが、期限は3日。セティは、自分が死んだ事件を捜査しながら、密室状態のピラミッドから消失した先王のミイラの真相を追う!
  • ファンタスティックガール
    3.5
    残酷で、愛おしい、人生やりなおしメソッド。 韓国KBSでドラマ化、Netflixにて日本版同時配信された『こんにちは?私だよ!』の原作小説。 著者は、『ハイキングガール』『忍者ガールズ』『ハンターガール』とガールズ作品に定評がある、韓国で著名な人気小説家。 <本作あらすじ> 自信に満ちあふれた17歳の美少女が、10年後にタイムスリップし27歳となった自分に出会う。しかし、自分が思い描いていた理想像とはかけ離れた情けない姿になっていて・・・。 この10年に何があった? その10年は取り戻せる?  17歳と27歳のそれぞれの視点で交互に語られるリアルファンタジー。
  • ファントム・ケーブル
    3.7
    「ヒトゴロシ」。吉住にかかってきた電話。それは一方的な罵りだった。彼は身に覚えのない中傷に怒り、表示された番号に掛け直すのだが、それは使われていないものだった……。その電話がきっかけで吉住は一つの事件を思い出していた。自分が紡がなければならないもの、闇に魅入られてしまった者たちの物語のことを――。常識のように、現実を浸食していく異形の恐怖を描いた傑作短編集。
  • ファースト・エンジン
    3.8
    エンジンメーカーで超音速エンジンプロジェクトが始動。本庄たち開発チームの奮闘で、国産初のアフターバーナーエンジンは最終の燃焼試験を迎えた。だが、試験終了直前に爆発が生じ、若手技術者が死亡。本庄は左遷され、プロジェクトは中止となる。チームは爆発原因を突き止めようと独自の調査を……。数々の妨害工作を叡智で乗り越え、エンジン完成のため死力を尽くす誇り高き技術者たちの熱き闘い。
  • First Love
    4.1
    自分の感情を理解できない代わりに、それを美しいメロディーとして表現する才能を持った共感覚者・紅林璃星。 精神科医の桜澤朋巳と出会い、感情を取り戻す手術を決意した璃星は、その音楽の才能と引き換えに、人を愛することを知る。 だが、許された時間は僅か五ヶ月間だけだった……。 純粋ゆえに世界に受け入れられない少女が奏でる初恋の物語。
  • ファーストラヴ
    4.1
    夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。環菜は就職活動の最中で、その面接の帰りに凶行に及んだのだった。環菜の美貌も相まって、この事件はマスコミで大きく取り上げられた。なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか? 臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、環菜やその周辺の人々と面会を重ねることになる。そこから浮かび上がってくる、環菜の過去とは? 「家族」という名の迷宮を描く傑作長篇。 第159回直木賞受賞作。 ※この電子書籍は2018年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • fishy
    3.8
    結婚したばかりの男に思いを寄せる作家志望の美玖。編集者の弓子は不倫する夫を監視しながら自尊心を守ることに必死だ。インテリアデザイナーのユリは仕事も家庭も充実しているが、その生活は不透明で真偽を見通せない。刹那を愉(たの)しむ女たちの共感を超えた新たなつながり。
  • フィーバー5
    3.3
    スーパーキッズアイドルグループとして一世を風靡した「フィーバー5」。その後解散し、メンバーのうちミドリだけ大スターとなるが、他の四人はそれぞれ負け犬人生に絶望する毎日を送っていた。解散後二十年が経ったある日、「フィーバー5」へテレビ出演依頼が舞い込み、五人が久しぶりに集まることに。そこで四人の人生はミドリに陰で操られていたことが発覚する……。ミドリへの復讐を誓い、その場で暗殺計画を企てる四人。だが、事態は思わぬ方向へ――予測不可能な感動の終焉が待っている!!
  • フィールダー
    3.8
    総合出版社・立象社で社会派オピニオン小冊子を編集する橘泰介は、担当の著者・黒岩文子について、同期の週刊誌記者から不穏な報せを受ける。児童福祉の専門家でメディアへの露出も多い黒岩が、ある女児を「触った」らしいとの情報を追っているというのだ。時を同じくして橘宛てに届いたのは、黒岩本人からの長文メール。そこには、自身が疑惑を持たれるまでの経緯が記されていた。消息不明となった黒岩の捜索に奔走する橘を唯一癒すのが、四人一組で敵のモンスターを倒すスマホゲーム。その仮想空間には、橘がオンライン上でしか接触したことのない、ある「かけがえのない存在」がいて・・・・・・。誰かを「愛でる」行為の本質を暴く傑作長編!
  • 不意撃ち
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    「不意撃ち」。それは、運命の悪意か………人生の“予測不可能”な罠。人間存在を揺さぶる、至極の作品集。
  • 風雲伝 十兵衛の影
    3.0
    将軍の密命により、駿府を目指す十兵衛は、瀕死の男から砂糖菓子を託される。菓子を狙う刺客が次々と現れるが、十兵衛は駿府に辿り着く。そこでは将軍の弟・忠長が、側室と愛欲に耽る生活を送っていた。菓子は、その側室が忠長に献上しているものだったが、そこには、恐るべき幕府転覆の謀略が隠されていた――。青年剣士の姿を描く時代活劇!
  • 風雲に乗る
    3.0
    旅館の子だった鯛公介は、少年時代に家を大火で失って以来、父の死、南方戦線への従軍と苦労の多い青春期を過した。その中で公介が命をかけたのは“貧乏人のための信用販売”であった――。月賦販売という初の試みに果てしない苦難の道が続く……。冷たい経済社会の中で平凡な一人間がどのように生き得るかを描いた傑作!
  • 風神の手(新潮文庫)
    3.8
    1巻1,045円 (税込)
    あの日、風が吹かなければ、私は生まれてこなかった――。藤下歩実は母の奈津実とともに遺影専門の写真館・鏡影館を訪れた。病を抱えた母の撮影のために。そこに飾られた一枚の写真を目にして、母はひどく動揺した様子を見せる。小学五年生の男子二人組、入院中の高齢女性。川沿いの町に暮らす人々が発した幾重もの嘘が、思いもよらぬ場所へと流れ込み……。奇跡の本当の意味を知るミステリ。(解説・香山二三郎)
  • 風神雷神 Juppiter,Aeolus(上)
    4.4
    1~2巻1,699円 (税込)
    美術(アート)という名のタイムカプセルが、いま、開かれる――。日本が誇る名画『風神雷神図屏風』を軸に、海を越え、時代を超えて紡がれる奇跡の物語! 20××年秋、京都国立博物館研究員の望月彩のもとに、マカオ博物館の学芸員、レイモンド・ウォンと名乗る男が現れた。彼に導かれ、マカオを訪れた彩が目にしたものは、「風神雷神」が描かれた西洋絵画と、天正遣欧少年使節の一員・原マルティノの署名が残る古文書、そしてその中に記された「俵…屋…宗…達」の四文字だった――。織田信長への謁見、狩野永徳との出会い、宣教師ヴァリニャーノとの旅路……天才少年絵師・俵屋宗達が、イタリア・ルネサンスを体験する!? アートに満ちた壮大な冒険物語!
  • 風土
    3.0
    関東大震災と第二次大戦の勃発という二つの運命的な9月1日にはさまれた16年間を背景に、画家の桂と、彼が片時も忘れ得なかった昔の恋人・三枝夫人とのゆき違った愛の行方を追う。日本という特殊な風土に育った芸術家の愛と生の悲劇を主題に、世界史の動乱のさ中で芸術家が味わねばならなかった苦悩を描き、人生の深淵にせまる野心作。10年を費やし、著者の文学的出発をなす長編。
  • 風配図 WIND ROSE
    3.3
    1巻2,398円 (税込)
    第34回紫式部文学賞受賞 皆川博子 新たな代表作、誕生。 自らの道を求め交易商人を志した二人の少女の物語。 少年の日に夢見た「本物の文学」という幻に、今日、出逢ってしまいました。 パンドラの匣に残された最後の希望のような言葉の冒険。 ――穂村弘 記録に決して残らない「が、あったはず!」の歴史的瞬間。 虐げられし者たちが織り成す、魂の生存を賭けた「智」の連鎖。 時を超えて掘り出されるその昏き光彩、まさに圧巻! ――マライ・メントライン 1160年5月、バルト海交易の要衝ゴットランド島。 流れ着いた難破船の積荷をめぐり、生存者であるドイツ商人と島民の間で決闘裁判が行われることとなった。重傷を負った商人の代闘に立ったのは、15歳の少女ヘルガ。 義妹アグネが見守る中、裁判の幕が開き、運命が動き出す―― ドイツ商人が北へ進出し、ロシア・ノヴゴロドでは政争が頻発するなど動乱の時代を生きた人々を詩歌や戯曲形式も交えて紡ぐ、小説の新たな可能性を拓く傑作長篇!
  • 夫婦の一日
    3.8
    不幸に襲われたとき、心のよりどころになるものは何か。老いて死を間近に感じたとき、不安から救ってくれるものは何か。生涯をかけて厳しく宗教を追求してきた著者は、実人生の中で、傍らにいる妻の苦悩と哀しみを受け入れるために、信仰とは相反する行動に出た……。生身の人間だけが持ちうる愛と赦しの感情を描いた表題作ほか、心の光と闇の間で逡巡する人間の姿を描いた短編集。

    試し読み

    フォロー
  • 風味絶佳
    3.8
    作家生活20周年におくる、恋愛小説の最高傑作 「甘くとろけるもんは女の子だけじゃないんだから」。恋の妙味を描く珠玉の6篇。20年目のマイルストーン的作品集。谷崎賞受賞作 70歳の今も真っ赤なカマロを走らせるグランマは、ガスステイションで働く孫の志郎の、ままならない恋の行方を静かに見つめる。 ときに甘く、ときにほろ苦い、恋と人生の妙味が詰まった小説6粒。
  • 不運な女神
    3.5
    1巻559円 (税込)
    「いいことの数は決まっていて、誰かが余計に手にすれば、誰かがあぶれる」。駆落ち相手に逃げられたり、死んだ夫の連れ子と姑に手を焼いたり、20歳も年上の妻から奪った男をふたたび若い女に奪われたり、幸せな結婚を望んだのに一家三代でシングルマザーになってしまったり、元夫が新しい家族と隣のマンションに越してくることになったり……。男運に恵まれない8人のヒロインたちが、恋に翻弄されつつも、健気に何かを掴み取る姿を描いた連作短篇集。
  • フェアな関係
    3.9
    1巻1,683円 (税込)
    地元と東京、仕事とジェンダー、恋愛、セックス、結婚。この社会にいる女性たちの自我を描く兼桝綾、第一小説集。

    試し読み

    フォロー
  • フェイク広告の巨匠
    3.0
    1巻1,144円 (税込)
    中原昌也氏推薦「純文学=純愛じゃない! しかし……勝手にしやがれ!」海外の文芸誌で話題をさらった稀代の新人作家、衝撃のデビュー作!2年前、佐藤が働くアフィリエイト広告の会社に、ひとりの女性が入社した。本名、栗原ミニ子。通称、ミニ。売れない小説家のミニは、天性の才能とセンスで商品が飛ぶように売れる広告を書き、業界で「フェイク広告の巨匠」と呼ばれ、崇められるようになる。しかし、ミニの傷を知るうちに、許されない関係になっていって――。表題作をはじめとして、「愛」にまつわる痛みや孤独を、暴力的なまでに描きぬいた短編集。 ■目次 フェイク広告の巨匠 蛸やったら、 くらくらと美味しそうな黄色のイチョウ くたびれもうけ 新代田から

    試し読み

    フォロー
  • フェイス・ゼロ
    3.4
    内相紹介 ロボット学の表情工学(エクスプレツシヨン・エンジニアリング)を専攻する教授に、文楽の人形遣いであり人間国宝の吉田(よしだ)左衛門(さえもん)が依頼したのは、“無表情の表情”の首(かしら)の制作。 しかし、それはひとが目にしてはならない“顔(フエイス)”だったのだ――。 文楽を題材にしたSFミステリの表題作ほか、すべてがマニュアル化された巨大ハンバーガーチェーンの歯車が静かに狂いだす「メタロジカル・バーガー」など、 ジャンルの壁を超え、悠然と佇(たたず)む傑作短篇群がここに集結。全篇初収録。
  • 4TEEN
    3.9
    東京湾に浮かぶ月島。ぼくらは今日も自転車で、風よりも早くこの街を駆け抜ける。ナオト、ダイ、ジュン、テツロー、中学2年の同級生4人組。それぞれ悩みはあるけれど、一緒ならどこまでも行ける、もしかしたら空だって飛べるかもしれない――。友情、恋、性、暴力、病気、死。出会ったすべてを精一杯に受けとめて成長してゆく14歳の少年達を描いた爽快青春ストーリー。直木賞受賞作。
  • For You
    3.9
    最愛の叔母が急逝した。映画雑誌の編集者である朝美は、遺品整理で訪れた叔母の部屋で古びた日記帳を見つける。そこには80年代、高校生だった叔母の青春が描かれていた。読み進めていくうちに、朝美は叔母のある男の子への想いを知る。独身を貫き、「恋ならしている」そう言い続けた叔母の生涯を懸けた恋とは。涙なしには読めない、感動の純愛ミステリー。
  • 『深い河』創作日記
    4.0
    「この小説のために文字通り骨身をけずり、今日の痛みをしのがねばならなかったのか」。作者最後の長編小説であり、純文学の奇跡と今もなお絶賛される『深い河(ディープ・リバー)』は、壮絶で苛酷な闘病生活のなかから生み出された。1990年8月26日から1993年5月25日まで、小説と死を見つめ続けた感動の軌跡。(講談社文庫)
  • 深い深い夢の中
    4.0
    恋愛も就職もうまくいかない逸子の部屋に、突然従妹の美雨が転がり込んでくる。「殺し屋」に追われているという彼女のもとに、男たちが訪ねてくるが、その誰もが殺し屋とは思えない姿だった。戸惑う逸子はいつしか「本当の愛」を巡る大きな渦に巻き込まれていく……。毎日を愛するためのメッセージにあふれたラブストーリー。
  • 深く深く、砂に埋めて
    3.8
    聖女の謀略? 悪女の純真? これぞ究極の魔性の女!かつて一世を風靡した美貌の女優・野崎有利子。彼女に魅せられたエリートサラリーマンが、殺人と詐欺の容疑で逮捕された。やがて明らかになる男の転落と女の性(さが)。奔放に生きる有利子は悪女か、それとも聖女なのか? 悪女文学の傑作『マノン・レスコー』を下敷きに、女のあくなき愛と欲望を描く長編ロマンス。
  • 深爪
    3.8
    翻訳家のなつめは、人妻・吹雪と激しい恋に落ちる。吹雪の家で逢瀬を重ね、子供の昼寝の間に快楽をむさぼる日々。女同士の恋、家庭を壊すつもりなどなかったのに、会えば会うほど溺れてゆき、愛するがゆえに傷つけあわずにはいられない。一方、吹雪の夫・マツキヨは、幼い息子を守るため、そんな妻を受け入れ家庭を再生しようとするが――。一途で、不器用で、あたたかい、愛と赦しの物語。
  • 不完全燃焼、ベギーバギー、そして暴力の萌芽について
    4.0
    1巻550円 (税込)
    本当に怖いのは、自分では考えない普通の人たち。私は、その先に進む・・・・・。 母として、女として、命をつなぐ真理を描いた珠玉の短編小説集。 <目次> 雨の日と月曜日には 野菜組合の最後の女 深くて暗い水 三十分 不完全燃焼、ベビーバギー、そして暴力の萌芽について 日本に生まれて──Born in Japan──
  • 不機嫌な果実
    3.9
    「……クローゼットの中から極上の下着を選び出した時から、麻也子の不倫は始まっているのである。レースや絹に触れながら、麻也子は超能力者のように、今夜ベッドの中で行なわれるだろうことを予想する」。結婚6年目、夫の拒絶にささやかな復讐心をおぼえたヒロインは慎重な冒険──昔の男と逢う──に踏みだす。男女の虚実を醒めた視線で描き、反響を呼んだ話題作。石田ゆり子(TVドラマ)、南果歩(映画)主演の映像化も大ヒットした恋愛譚の新機軸。
  • 不機嫌な恋人
    4.0
    三条油小路に住む小侍従は、宮廷きっての美女、という噂。香を調合したり、染め物をしたり、ちょっとした縫物をしたり、というのがとても上手。蓄財の才に長け、女一人で生き抜くのにもそつはない。今、年下の恋人・二条の少将に首ったけ。男と恋が楽しみなのだ。少将は名うてのプレーボーイ。恋の冒険に明けても暮れてもうつつを抜かして倦むことを知らない。ほんの遊び心でかいま見た女(ひと)は、暗い妖しい情趣と愛らしい少女の雰囲気を合わせもつ子持ちの未亡人だったが……。恋、背信、心がわり。――揺れる大人の恋を美しい季節の移ろいとともに描く、王朝の長編恋愛小説。
  • 普及版 世界文学全集 第1期
    3.5
    1~2巻440円 (税込)
    悪の大統領フセイドーンや輝く顎の闘魂の神・アントニーが登場する「オデュッセイア」。思いもかけぬ次第で資産家となったごろつき男が始めた新事業、超デラックス結婚式場「水滸伝」の話。女子大生の卒業論文から読む「シェイクスピア傑作選」。世界の名著を大胆華麗にパスティーシュ。爆笑のうちに教養が身につく今世紀最後・最大の文学全集。
  • 福音の少年
    3.9
    16歳の明帆は同級生の藍子と付き合っている。だが二人はすれ違ってばかりで、明帆は藍子の幼なじみの少年・陽に近づいていく。ある日、藍子のアパートが火事で全焼し、藍子も焼死体で発見される。不可解さを感じ、真相を探る明帆と陽だが――。「死んでほしゅうない。おまえに生きていてほしい。おれは、おまえを失いたくないんや」友情でもなく、同情でもなく、仲間意識でもない。少年たちの絆と闇に迫る、著者渾身の物語!
  • 復縁は甘くひそやかに
    4.0
    仕事のため郊外の村に来ていたイーサンが滞在する宿屋に、馬車で怪我をしたという女性が飛び込んできた。彼女は七年前に親しくなりかけたもののひどい決裂のしかたをしたロッティだった。 当時のイーサンは急に子爵の地位と貧しい領地を継がされ、苦労していた。社交界にデビューしたばかりのロッティと出会い、接近したが、彼女の父親に財産狙いだと罵倒されて傷ついた彼は、知人に「あんな紙人形のお姫様は願い下げだ」と強がってみせた。その言葉が広まってゴシップとなり、彼女はいまだ独身。イーサンは昔の失言を心から詫びる。そして、どうしても意に染まない縁談を進められ悩んでいたロッティに、いったん自分と婚約したふりをして、頃合いを見て解消すればいいと言い出した。こうして偽の婚約を発表した二人だが……
  • 復讐
    3.8
    1巻1,408円 (税込)
    北九州の小さな町に赴任してきた教師・舞子。最初の登校日の朝、暗い目をした少年に出会う。教室では明るく優等生として振舞う彼をどうしても目で追ってしまう舞子。二人がそれぞれに抱えた闇が、夏祭りの夜、花火のように暴発する。映画『ふがいない僕は空を見た』の監督が放つ次なる代表作、緊迫サスペンス長編小説。
  • 復讐するは我にあり(上)
    3.8
    1~2巻660円 (税込)
    ここには、犯罪の出発から終結までの全てがある。昭和38年秋、福岡で起こった殺人事件の容疑者は、犯罪史上空前の捜査網をかいくぐり、詐欺と殺人を重ねながら、広島―静岡―東京―千葉―福島―北海道と逃げまわった。そして、78日間の逃避行の末、熊本で10歳の少女に正体を見破られて逮捕され、刑場に消えた。今村昌平監督・緒形拳主演で映画化された不朽の名作! 直木賞受賞作。<上下巻>
  • 不屈の達磨 社長の椅子は誰のもの
    4.1
    従業員5300人を擁する一部上場企業ジャパンテックパワー。日本の将来を背負って、再生可能エネルギーの送電施設を開発・運営する期待の企業は大きく揺れていた。株主総会を間近に控えたある日、社長が失踪。それに端を発した後継者争いが激化していく。混乱を極める会社に追い討ちをかけるように、中国系ファンドの介入も噂されはじめ……。社内派閥、恫喝、誘惑、陰謀、権謀術数、手練手管。保身と欲にかられた者たちが暗躍する権力闘争。一部上場企業の現役役員として現実を知り尽くす著者が圧倒的リアリティで描く経済エンターテインメント。文芸評論家・関口苑生氏絶賛、組織に働くすべての人の胸を打つ、人間ドラマの誕生!
  • 覆面作家
    3.3
    東京郊外の山間にある別荘に、行方不明だった推理作家・西田操が帰ってきた。西田は初めての小説『完全犯罪』で新人賞を獲得、謎めいた経歴ゆえ「覆面作家」と呼ばれていた。帰還早々、長編小説の執筆に没頭する西田だったが、周囲では怪現象が続発する。その先に待っていたものは――。劇中の小説と現実が錯綜、不可思議な世界に巻き込まれる折原ワールド全開の傑作。
  • 袋小路の男
    3.5
    高校の先輩、小田切孝に出会ったその時から、大谷日向子の思いは募っていった。大学に進学して、社会人になっても、指さえ触れることもなく、ただ思い続けた12年。それでも日向子の気持ちが、離れることはなかった。川端康成文学賞を受賞した表題作の他、「小田切孝の言い分」「アーリオ オーリオ」を収録。(講談社文庫)
  • 不幸な恋の終わらせかた
    4.0
    「カラダの、つきあい」略して「K2」を重ねてしまうあたしは、なぜ不幸な恋からぬけだせないのだろう? 本当の恋をもとめるすべての人に贈る、究極の恋愛小説!
  • 不在
    3.7
    長らく疎遠だった父が、死んだ。 遺言状には「明日香を除く親族は屋敷に立ち入らないこと」という不可解な言葉。 娘の明日香は戸惑いを覚えたが、医師であった父が最期まで守っていた洋館を、兄に代わり受け継ぐことを決める。 25年ぶりに足を踏み入れた生家には、自分の知らない父の痕跡がそこかしこに残っていた。 年下の恋人・冬馬と共に家財道具の処分を始めた明日香だったが、整理が進むにつれ、漫画家の仕事がぎくしゃくし始め、さらに俳優である冬馬との間にもすれ違いが生じるようになる。 次々に現れる奇妙な遺物に翻弄される明日香の目の前に、父と自分の娘と暮らしていたという女・妃美子が現れて……。 「家族」「男女」――安心できるけれど窮屈な、名付けられた関係性の中で、人はどう生きるのか。 家族をうしない、恋人をうしない、依るべきものをなくした世界で、人はどう生きるのか。 いま、最も注目されている作家・彩瀬まるが、愛による呪縛と、愛に囚われない生き方とを探る、野心的長篇小説。 解説:村山由佳
  • 不死鳥少年 アンディ・タケシの東京大空襲
    4.0
    1巻1,500円 (税込)
    父の国の大空襲から母を守り、炎の夜を生き延びろ! デビュー作『池袋ウエストゲートパーク』以来、少年少女のリアルを見つめてきた著者による新境地――。 〈アンダイング=不死身〉とあだ名をつけられた日系2世の少年、時田武14歳。母・君代と家族を率いて、炎そのものとなった街を駆ける。いま読まれるべき、3.10東京大空襲の物語。 ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
  • 不審者
    3.8
    家族4人で平穏に暮らす里佳子の前に突然現れた1人の客。夫の秀嗣が招いたその人物は、20年以上音信不通だった秀嗣の兄・優平だと名乗る。しかし姑は「息子はこんな顔じゃない」と主張。不信感を抱く里佳子だったが、優平は居候することに。その日から不可解な出来事が続き……。家庭を侵食する、この男は誰なのか。一つの悲劇をきっかけに、すべての景色が一転する。暴かれる家族の秘密と、衝撃の結末。『悪寒』『代償』の著者が放つ、驚愕のサスペンス&ミステリ。
  • 不信のとき(上)
    3.9
    1~2巻671~715円 (税込)
    大手商社の宣伝部に勤める浅井義雄は結婚して15年。だが、妻・道子との間に子供はなかった。過去二度も、浅井に浮気された経験を持つ道子は、夫の愛情をつなぎとめようと必死だった。そんな折、取引業者の小柳と銀座で飲み歩くうち、浅井はマチ子というホステスに誘われるまま一夜を共にした。それが自滅へ至る第一歩だとも知らずに――。男の浮気に対する女の非情な復讐を描いた問題作。
  • 富士覚醒
    3.7
    1巻1,100円 (税込)
    『死都日本』の石黒耀が描く、富士山噴火!富士山の地下で、怪しげな低周波地震が頻発。そしてついに噴火する富士山。被災地・御殿場市の住民を救うことはできるのか? クライシスノベル第3弾! (講談社文庫)
  • ふじこさん
    3.8
    離婚寸前の両親の間で自分がモノのように取り合いされることにうんざりしている小学生のリサ。別居中の父が住むマンションの最上階から下をのぞき、子供の自殺について考えをめぐらせることがもっぱらの趣味。ある日きまぐれに父の部屋を訪れると見覚えのない若い女の人が出迎えてくれて……。ほか二編。(講談社文庫)
  • 藤澤清造短篇集 一夜/刈入れ時/母を殺す 他
    3.5
    貧窮と性病、不遇と冷笑の中で自らの¨文士道¨を貫いて散った、藤澤清造。その玉石混交の作品を歿後弟子・西村賢太が厳選、校訂する。 貧窮と性病、不遇と冷笑の中で自らの¨文士道¨を貫いて書き、無念に散った無頼の私小説家・藤澤清造。その短くも不屈の活動期間に残した玉石混交の作品を、歿後弟子・西村賢太が厳選、校訂。商業誌初登板の、伸るか反るかの情熱が作の巧拙を超えて迫りくる「一夜」、抱腹絶倒の借金文学の傑作「刈入れ時」、故郷で危篤に陥った母の死を、貧ゆえに切望する「母を殺す」等、十三篇を収録。 新発見原稿「敵の取れるまで」を併録。
  • 藤壺
    3.2
    54帖からなる「源氏物語」には、題名しか伝わっていない"消えた一帖"があった!? 5歳年長の義母にして帝の妃・藤壺は、幼くて顔も覚えていない時に亡くなった生母・桐壺と瓜二つのように似ているという。切ない恋心をつのらせていく若き光源氏と藤壺の、許されぬ初めての逢瀬を、作家・瀬戸内寂聴が小説化。
  • 藤丸物産のごはん話 恋する天丼
    3.6
    藤丸物産の社員食堂で働く杏子は、二か月前に会った社員を探している。エレベーターホールでぶつかった時に優しくされ、ときめいてしまったのだ。ただ、コンタクトが外れていたせいで、顔をちゃんと見られなかった。手がかりは、「藤」の一文字。至近距離で視界に飛び込んできた社員証で、唯一認識できたのがそれだった。しかし、社員食堂は高い喫食率を誇るにもかかわらず、彼らしき社員はなかなか見つからなくて……。
  • 不自由な絆
    4.0
    中学高校の同級生だった洋美とリラは乳児の予防接種会場で偶然に再会。育児に悩む洋美にリラは手を貸し、二人は“ママ友”となった。やがて洋美の子・敏光とリラの子・光鳥は同じ幼稚園、小学校へと進むが、“問題児”の敏光の乱暴がひどくなり、その対象は光鳥に。リラはついにあることを決断する……。母親の無力感、悔しさ、葛藤を浮き彫りにする著者会心の長編!
  • 不自由な心
    3.6
    大手部品メーカーに勤務する野島は、パーティで、同僚の若い女性の結婚話を耳にし、動揺を隠せなかった。なぜなら当の女性とは、野島が不倫を続けている恵理だったからだ…。心のもどかしさを描く珠玉小説集。
  • ふたご
    3.9
    「お前の居場所は、俺が作るから。泣くな」 ピアノだけが友達の孤独な少女の夏子は、異彩の少年・月島と出会い、振り回され、傷付きながらもその側にいようとする。 やがて月島は唐突に「バンドをやる」と言い出した。 彼は、夏子の人生の破壊者でも創造者でもあった。 大切な人を大切にすることが、こんなに苦しいなんて--。 異彩の少年に導かれた孤独な少女。その苦悩の先に見つけた確かな光。 直木賞候補となった鮮烈なデビュー小説。 「生生しくて、切なくて、痛くて、何度も胸を揺さぶられた。この小説が好きだ。好きだ、と叫び出したくなる」 宮下奈都(解説より) 【藤崎彩織】 1986年大阪府生まれ。2010年、突如音楽シーンに現れ、圧倒的なポップセンスとキャッチーな存在感で「セカオワ現象」と呼ばれるほどの認知を得た四人組バンド「SEKAI NO OWARI」でピアノ演奏とライブ演出、作詞、作曲などを担当。研ぎ澄まされた感性を最大限に生かした演奏はデビュー以来絶大な支持を得ている。2017年に発売された初小説『ふたご』は直木賞の候補となるなど、大きな話題となった。他の著書に『読書間奏文』がある。 ※この電子書籍は2017年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 双子は驢馬に跨がって
    3.9
    1巻1,540円 (税込)
    「アメトーーク!」読書芸人特集・光浦靖子氏紹介でブレイク! 監禁される親子、救出に向かう双子と驢馬――独自の世界観で注目を集める気鋭が描く、荒唐無稽な冒険譚。
  • ふたたび蝉の声
    3.9
    1巻1,584円 (税込)
    いろいろあるけど、前に進もうと思う。 五十歳を目前に控えた進は、役者という職業を細々と続けながら、東京で暮らしている。最近ようやく順調に仕事が入るようになったが、娘と妻のいる家庭内では、どうにも居心地の悪さを感じるようになった。 ときどき、ふと漠然とした不安を感じることがある。これから自分たちはどうなっていくのか……。 故郷で一緒に育った姉、友人。老いていく父と母、そして今の家族、妻と娘。 進の人生に関わる様々な人がいる。そして、それぞれがひとりひとりの人生を生きている。でも、どこかで重なり、繋がり、そしてお互いの人生に何かのきっかけを与え続けていく――。 “人生は、長いようであっという間” 翻弄され、迷いながらも家族や人生と向き合い、懸命に生きる人々を描いた群像小説。 【著者より】 小説『ふたたび蝉の声』は54年間生きてきた自分の人生観、家族や友人等、いろいろな想いを込めて書いた群像劇です。知り合いの誰かと誰かを足して創った人物もいれば、まったくの想像で創った人物もいたり……。楽しみながら、噛み締めながら書きました。是非、ご一読ください。 内村光良
  • ふたたびの加奈子
    3.7
    五歳になる一人娘の加奈子を交通事故で亡くした桐原容子は、夫の信樹と〝加奈子の魂〟の三人で暮らしていた。容子は食事の時も、外出する時も、いつも〝加奈子の魂〟と一緒だった。だが、そんなある日、〝加奈子の魂〟は転生の場所を見つけたらしい。妊娠三ヶ月の主婦・野口正美の身体だ。容子は、ひたすら正美の出産を心待ちにするが、そこには意外な現実が待っていた……。愛する子を失った母親の深い悲しみと、魂の〈転生〉が驚くべき結末をもたらす、感涙必至の長編小説。
  • ふたり
    3.1
    1巻1,320円 (税込)
    臆病でマイナス思考、殻に閉じこもりがちな千絵。明朗で超ポジティブ、才気煥発な人気者のモス。同じ専門学校の寮で暮らす真逆な二人の少女は、実は思いもよらぬ間柄だった。やがてその“秘密”が人生の扉を開ける鍵となって、二人に大きな転機が――自分と社会の間で揺れ動くこころを描き、新鮮な感動を呼ぶ驚きの青春成長小説!
  • 二人がいた食卓
    3.5
    1巻1,562円 (税込)
    良かれと思ったことが、押しつけがましさに。理想を追い求めるあまり、頑なになる。相手への気遣いが、裏目に出る。一番わかってほしい相手に限って自分の努力が伝わらない……。そんな夫婦関係の迷宮に迷いこんだ泉と旺介、きっかけはまさか、食の好みの違い……! ドリア、生姜焼き、ハンバーグ、キッシュ……出てくる料理は、「食の検定」1級を持つ著者だからこそ表現できる、読むだけで美味しそうなものばかり。だからこそ、夫婦のすれ違いのきっかけとして、鋭く鮮やかな物悲しさを湛えています。 おいしさは恋で栄養は愛? 家族として、好きを越えた関係を築いていく覚悟を持てるのか。泉と旺介、二人の選択とは。
  • ふたりぐらし(新潮文庫)
    3.5
    元映写技師の夫・信好は、看護師の妻・紗弓と二人暮らし。映画脚本家の夢を追い続けて定職はなく、ほぼ妻の稼ぎで食べている。当の妻は、余裕のない生活で子供を望むこと、義母との距離、実母との確執など、家族の形に悩む日々だ。幸せになるために生涯を誓ったはずなのに、夫婦とは、結婚とは、一体何だろう。夫婦が夫婦になっていく“家族のはじまり”を、夫と妻交互の視点で描く連作短編集。(解説・友近)
  • ふたり、この夜と息をして
    4.0
    1巻1,650円 (税込)
    男子高校生の夕作まことは、顔にある痣を祖母から教わった化粧で隠して生活している。それがばれることを恐れ、誰にもかかわらずに過ごすことを望んでいた。ある日、新聞配達のアルバイトの帰りに、公園でクラスメイトの女子・槙野がタバコを吸っているところを目撃する。不良でもない槙野が何故……? 互いに“秘密”を抱えた二人は徐々に距離を近づけていくが――。第9回ポプラ社小説新人賞特別賞を受賞した感動の青春小説。
  • 二人静
    4.0
    困難を抱える男女が出会った。認知症の父親の世話と仕事に忙殺される町田周吾。他人との会話が困難な場面緘黙症の娘を女手一つで育てる乾あかり。介護施設での出会いを契機に二人は距離を縮めていく。しかし、彼らには幾多の苦難が待ち受けていた。真実の愛とは何かを問いかける第1回ツイッター文学賞受賞の傑作長編。
  • 二人の嘘
    3.8
    女性判事・片陵礼子の経歴には微塵の汚点もなかった。最高裁判事への道が拓けてもいた。そんな彼女はある男が気になって仕方ない。かつて彼女が懲役刑に処した元服役囚。近頃、裁判所の前に佇んでいるのだという。違和感を覚えた礼子は調べ始める。それによって二人の人生が宿命のように交錯することになるとも知らずに......。感涙のミステリー。
  • 二人の推理は夢見がち
    3.9
    早紀は泥酔して訪れたバーで、謎めいた男性・司と出会う。彼は眠っている間に触れた物の記憶を、夢に見ることができるというのだ。そんな中、郷里の祖父が亡くなり、それが連続殺人事件に発展。真相を探るべく司を伴い帰郷した早紀は、家族、友人らの秘密と、その真実の姿を目にすることになる。記憶と夢、現実を自在に行き来する特殊能力探偵コンビが謎ときに挑む。
  • ふたりの窓の外
    4.3
    1巻1,699円 (税込)
    自分を裏切った恋人ともうすぐ旅行に出かけるはずだった女、その恋人の代わりに旅に同行することを申し出た男。なぜか承諾してしまった女は、それまで見ず知らずだった男と春の宿で一夜を過ごすことになる――。春の宿、夏の墓参、秋のドライブ、そして冬の宿。火葬場での出会い以来、それぞれの季節に一度ずつしか会うことのなかったふたりの一年を四章仕立てで描いた、絵画のような恋愛小説。『眠れない夜にみる夢は』の著者の新境地的傑作。/【目次】1 花を摘まない/2 流れる浮雲/3 雨は道連れ/4 最初に触れる雪
  • ふたりみち
    4.1
    元ムード歌謡の歌手で、今は函館のスナックのママ野原ゆかりは、本州をめざし津軽海峡をフェリーで渡っていた。ある事情で抱えた借金返済のため、昔のつてを頼ってコンサートツアーと称したドサ回りの旅に出たのである。船内で偶然知り合った同じ名前の森川縁は、12歳なのになぜかゆかりの唄に興味を持ちついて来てしまう。彼女が母親と喧嘩して家出してきたことを知ったゆかりは、親に連絡させ最終目的の東京まで連れて行くことになる。しかし、彼女のコンサートは、行く先々でトラブルに遭いことごとく中止になってしまう。落ち込むゆかりを支える縁。2人のユカリは55歳の歳の差を超えて強いきずなで結ばれていく。そしてついに最後の会場、東京に到着する。ゆかりは、ここだけは絶対に唄い上げるつもりだった。そこにはゆかりの悲しい過去が刻まれていたのだ。 笑って笑って、そして……ラスト一行に思わず! エディット・ピアフの『愛の讃歌』に乗って描かれる人生の切なさ、すばらしさ。山本作品で一番泣ける作品です!
  • 二人目の私が夜歩く
    3.5
    1巻1,870円 (税込)
    この物語には、二人の「私」と、二つの「真実」がある。 結城真一郎氏絶賛! 読み始めて思った。「王道の辻堂作品だ」と。 読み終えて思った。「まんまと騙された」と。 昼と夜で、一つの身体を共有する茜と咲子。 しかし「昼」が終わりを告げたとき、予想だにしなかった「夜」の真相が明かされる――。
  • 補陀落渡海記 井上靖短篇名作集
    4.0
    熊野補陀落寺の代々の住職には、61歳の11月に観音浄土をめざし生きながら海に出て往生を願う渡海上人の慣わしがあった。周囲から追い詰められ、逃れられない。時を俟つ老いた住職金光坊の、死に向う恐怖と葛藤を記す表題作のほか「小磐梯」「グウドル氏の手套」「姨捨」「道」など、旺盛で多彩な創作活動を続けた著者が常に核としていた散文詩に隣接する人生の不可思議さ、奥深さを描く9篇。
  • 淵の王(新潮文庫)
    3.9
    中島さおりは“影”に憑依された幼児に襲いかかられる。堀江果歩のマンガには、描いた覚えがない黒髪の女が現れる。中村悟堂が移り住んだ西暁町の家の屋根裏部屋には、闇の穴が黒々と開いている。「俺は君を食べるし、今も食べてるよ」。真っ暗坊主――それはあなたの眼前にもきっと現れる。日常を浸食する魔、そして狂気。作家・舞城王太郎の集大成、恐ろしくて、切ない、傑作ホラー長篇。
  • 普通に青い東京の空を見上げた
    3.8
    自分の人生は自分が主役。本当に? 二流大学の三流学部を卒業した僕は、予期せず一流企業に入社を果たす。晴れて安泰と思いきや、時代遅れの激務に息も絶え絶え。「逃げたかったら逃げればいい」と他人は言うが、恋人が妊娠したことで、僕は退職届をひっこめざるを得なかった。この社会で足掻く大人たちを描く群像劇は、あなたに手向ける大きな花束になった。涙、笑い、励まし……。すべて詰まった、あなたの心を満たす物語。
  • 普通の子
    4.0
    佐久間美保は小学生の息子・晴翔と夫の三人暮らし。ある日、晴翔が小学校のベランダから転落して骨折してしまう事件が発生する。 転落した理由を尋ねるも、晴翔はかたくなに口を閉ざしたまま。 もしかして、わが子はいじめを受けていたのではないか……? そう思った美保は独自に真相を探ろうとするが、自身も小学生時代にあるいじめを「目撃」しており……? 衝撃のラストに震撼する、「いじめ」問題に切り込む意欲作!
  • 不束な君と素数な彼女
    3.3
    1巻1,463円 (税込)
    東京・新宿区の外れにある総合大学の機械工学科、別名「大久保男子鑑別所」に入学した「君」は、女子学生のあまりの少なさに、入学したばかりから、どこか歪んだ学生生活を謳歌している。ところが、2年生になった春、あまりに自分好みの可愛い女子が同じ学科に入学してきたことで、「君」の生活は大きく変わっていく――。
  • 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
    3.8
    「あたしは絶対、人とは違う。特別な人間なのだ」――。女優になるために上京していた姉・澄伽(すみか)が、両親の訃報を受けて故郷に戻ってきた。その日から澄伽による、妹・清深(きよみ)への復讐が始まる。高校時代、妹から受けた屈辱を晴らすために……。小説と演劇、2つの世界で活躍する著者が放つ、魂を震わす物語。
  • 船に乗れ! I 合奏と協奏
    4.2
    1~3巻660~715円 (税込)
    本屋大賞候補の音楽小説三部作、新装文庫版を電子化!  新生学園大学音楽科の創設者を祖父に持つ津島サトルは、プロのチェリストを目指し、一家の敷いたレールに乗っていたはずだった。しかし芸高に落ち、失意のまま新生学園大学付属高校に入学する。  サトルはそこで一流の音楽を奏でるため奮闘する同級生たちに出会う。フルートを奏でる美少年・伊藤慧とポニーテールの鮎川千佳。そして、見たこともない澄みきった目をしたヴァイオリン奏者、南枝里子。オーケストラの想像以上に過酷な練習は、彼らを戸惑わせる。夏休みのオーケストラ合宿、文化祭、南とピアノの北島先生とのトリオ結成と、一年は慌ただしく過ぎていくが……。  本屋大賞ノミネートの傑作青春音楽小説3部作が、人気漫画家・穂積さんの描き下ろしカバーイラストで新装文庫化!!
  • 不発弾
    3.6
    今度はあなたが、爆発させてみる? 退屈な日常から逃れられるきっかけなんて、どこにでも転がってる。デパート勤務の的場智明は、地味な売り場での仕事に耐える日々を過ごしていた。そんな折、息子や娘の、“秘密”を妻までが一緒になって隠していたことに気づく。たまりにたまった憂さをはらすために彼がとった行動とは……。表題作など、現代人の爆発寸前の心境を的確に捉え、見事な筆致で描く、秀逸短編集。(講談社文庫)
  • 不法愛妻家
    3.0
    イタリア人のファブリは、大阪生まれの和泉と出会い、恋に落ち結婚する。せっかちでドライな和泉と、どことなく要領が悪く、ロマンチストなファブリ。「大阪人vsイタリア人」とも言える二人は、惹かれ合ったり反発し合ったりしながら、日々を送り、やがて子供も生れる。爆笑の中で、夫婦、家族、日本を問う、新鮮な、書き下ろし長編。

    試し読み

    フォロー
  • 不毛地帯 第一巻
    4.5
    1~5巻1,045~1,155円 (税込)
    拷問、飢餓、強制労働――11年に及ぶ地獄のシベリア抑留から生還した壹岐正は、第2の人生を商社マンとして生きる事を決意する。「商戦」という新たな戦いに身を投じ、戦後日本の高度成長を陰に陽に担った男を活写する、記念碑的長編。

    試し読み

    フォロー
  • フュージョン
    4.1
    1巻1,155円 (税込)
    ダブルダッチと出会って、私は変わり始めた中2の夏休み、同級生がやっていたダブルダッチを目撃した朋花は、そのカッコよさに魅せられてチームに参加する。今人気のスポーツを題材にしたYA青春小説!
  • この冬、いなくなる君へ

    3.8
    文具会社で働く24歳の井久田菜摘は仕事もプライベートも充実せず、無気力になっていた。ある夜、ひとり会社で残業をしていると火事に巻き込まれ、意識を失ってしまう。はっと気づくと篤生と名乗る謎の男が立っており、「この冬、君は死ぬ」と告げられて――。ラストのどんでん返しに、衝撃と驚愕が待ち受ける!
  • 冬と瓦礫
    3.5
    1995年1月17日未明、阪神・淡路大震災が発生した。 神戸市内の高校から都内の大学に進学し、東京で働いていた青年は、早朝の電話に愕然とする。 かけてきたのは高校時代の友人で、故郷が巨大地震に見舞われたという。 慌ててテレビをつけると、画面には信じられない光景が映し出されていた。 被災地となった地元には、高齢の祖父母を含む家族や友人が住んでいる。 彼は、故郷・神戸に向かうことを決意した。 鉄道は途中までしか通じておらず、最後は水や食料を背負って十数キロを歩くことになる。 山本周五郎賞を受賞した作家が自らの体験をもとに、震災から30年を経て発表する初の現代小説。
  • 冬に子供が生まれる
    3.9
    1巻1,782円 (税込)
    著者七年ぶりの新作長編!直木賞受賞第一作! その年の七月、丸田君はスマホに奇妙なメッセージを受け取った。 現実に起こりうるはずのない言い掛かりのような予言で、彼にはまったく身におぼえがなかった。送信者名は不明、090から始まる電話番号だけが表示されている。 彼が目にしたのはこんな一文だった。 今年の冬、彼女はおまえの子供を産む これは未来の予言。 起こりうるはずのない未来の予言。 だがこれは、まったく身におぼえのない予言とは言い切れないかもしれない。 これまで三十八年の人生の、どの時代かの場面に、「彼女」と呼ぶにふさわしい人物がいるのかもしれない。 そもそも、だれが何の目的でこの予言めいたメッセージを送ってきたのか。 丸田君は、過去の記憶の断片がむこうから迫ってくるのを感じていた──。 三十年前にかわした密かな約束、 二十年前に山道で起きた事故、 不可解な最期を遂げた旧友…… 平凡な人生なんていったいどこにあるんだろう。 『月の満ち欠け』から七年、かつてない感情に心が打ち震える新たな代表作が誕生。読む者の人生までもさらけ出される、究極の直木賞受賞第一作!
  • 冬に咲く花のように生きたあなた
    3.8
    「明日死んでもいいくらい、後悔のない人生を送りたい」。 幼い頃から難病を抱え、限りある日々を大切に生きる会社員・赤月よすが。 「明日死んでもいいくらい、人生が楽しくない」。 いじめから逃れるために親友を裏切り、絶望の日々を過ごす中学生の少女・戸張柊子。  正反対の道を歩む2人は、ある事故をきっかけにお互いの心が入れ替わってしまう。 死にたがりの少女との出会いに運命を感じたよすがは、過去に自分が描いた一枚の絵が問題解決の鍵だと気づくが……。 「私が消えてしまう前に、私自身の希望を誰かに託したかったんだーー」 10万部突破『この空の上で、いつまでも君を待っている』の著者がどうしても書きたかった感動作!
  • 冬の運動会
    4.0
    厳格な祖父、口やかましい父が支配する、冷たく思いやりのない家庭を憎み、菊男は町の小さな靴屋に出入りするようになった。子供のいない靴屋夫婦と菊男の間に、いつしか奇妙な疑似親子関係が出来ていく。二つの家庭を行き来する菊男は、やがて父や祖父も同じような場所を持っている事に気付いた──。祖父、父、長男の三世代の男達と、彼らを支える女達の愛を描く異色長編シナリオ。

    試し読み

    フォロー
  • 冬の伽藍
    4.0
    煉獄の中で、私は天上の果実を口に含んでいた……。夫を事故で失った高森悠子は、薬剤師として勤めることになった軽井沢の診療所で医師・兵藤義彦と出会う。彼もまた、妻の美冬を自殺で亡くしていた。義彦に恋心を抱きながら、好色なその義父・英二郎の誘いを拒みきれない悠子。エロス匂い立つ、長編恋愛小説。
  • 冬の旅
    4.2
    【第二十四回伊藤整文学賞受賞作】妻の失踪を皮切りに、緒方の人生は転落の一途を辿った。失職、路上生活、強盗致死。そして二〇〇八年六月八日午前九時、緒方は五年の刑期を終え滋賀刑務所を出所する。自らの人生の意味を問い直すかのように大阪の街を彷徨い、やがて和歌山のとある村へと流れついた緒方。流浪の旅の末、彼が目にしたのは地獄か、それとも極楽か。
  • 冬の旅
    4.1
    1巻1,023円 (税込)
    美しく優しい母を、義兄修一郎が凌辱しようとした現場を目撃した行助は、誤って修一郎の腿を刺して少年院に送られる……。母への愛惜の念と義兄への復讐を胸に、孤独に満ちた少年院での生活を送る行助を中心に、社会復帰を希う非行少年たちの暖かい友情と苛烈な自己格闘を描き、強い意志と真率な感情、青春の夢と激情を抱いた若い魂にとって非行とは何かを問う力作長編。

    試し読み

    フォロー
  • 冬の旅人(上)
    3.5
    1~2巻880円 (税込)
    裕福な骨董商の家に育った少女・環は、幼いころに見た1枚の西洋画に心を奪われる。その運命の導くまま、聖像画を学ぶために、17歳で革命前夜の帝政露西亜へと留学するが、尼僧たちのいる窮屈な名門女学院を脱走、市中の貧民窟、そしてシベリアへと北の大地を彷徨(さまよ)い、絵筆をとりつづける。大河歴史ロマン。
  • 冬の花火
    4.0
    かつて著者が勤めた札幌医科大学病院に入院しながら、「短歌研究」第一回五十首詠募集の特選となり、颯爽と中央歌壇に現れた新星・中城ふみ子。歌集『乳房喪失』は大反響を呼び、昭和短歌史にその名を刻むが、すでに乳癌で両方の乳房を切除していた彼女は死の床にあった。それでも恋に堕ち、性の深みに堕ちてゆく。美貌と才能に恵まれ、短くも激しい生命を燃やして31歳で夭折した歌人の愛と生の遍歴。
  • 冬の光
    3.6
    四国遍路の帰路、冬の海に消えた父。 家族、男女関係の先に横たわる人間存在の危うさを炙り出した傑作長編。 企業戦士だけれど、子煩悩だった父。だが父は、二十年間ひとりの女性を愛し続けていた。 一度は夫の裏切りを許し、専業主婦として家庭を支えて生きてきた母は、父の退職後に発覚した事実に打ちのめされる。 それなりに安定した幸せな家庭を作ってくれた父が、四国の遍路を終えた時、冬の海に飛び込んだのは何故なのか。 家庭の外にもう一つの世界を持っていたその心中とは? 次女の碧は職場に休暇願いを出し、父の最後の旅を辿ろうと決めた。 日本の標準的で幸せな一人の企業戦士の、切なく普遍的な人間心理。 四国遍路のリアルな光景を辿るうち、読者も自身の人生、男と女の根源的関係に思いを馳せることになるに違いない。 変容し続ける作家・篠田節子の到達点。 解説・八重樫克彦
  • 芙蓉の人
    4.2
    日々の暮らしに欠かせない天気予報。明治期に、この予測をより正確なものにするべく命を懸けた夫妻がいた。野中到(いたる)・千代子夫妻――到は私財を投じて富士山頂に気象観測所をたて、前人未到の冬期観測を実施。「一人であれば、夫は必ず死ぬであろう」と考えた千代子は、夫を支えるため後を追って山頂に登るが……。世界遺産に登録された霊峰・富士山を舞台に、日本の未来のために初めて富士登山に挑んだ、実在の夫婦の感動物語! 2014年7月26日からNHK総合で連続ドラマ化(全6回)。
  • フラミンゴの家
    3.9
    町の下半身と揶揄される「さかえ通り商店街」で実家のスナックを手伝うバツイチ男・正人。元妻が入院したため、幼い頃に別れた反抗期の娘と暮らすことになり、同棲中の恋人も追い出したのだが、簡単に親子の距離は縮まらない――。家族の再生に悪戦苦闘するヘタレ男が涙と笑いを誘う、芥川賞作家の傑作長篇。

最近チェックした作品からのおすすめ