ふたりみち

ふたりみち

858円 (税込)

4pt

4.1

元ムード歌謡の歌手で、今は函館のスナックのママ野原ゆかりは、本州をめざし津軽海峡をフェリーで渡っていた。ある事情で抱えた借金返済のため、昔のつてを頼ってコンサートツアーと称したドサ回りの旅に出たのである。船内で偶然知り合った同じ名前の森川縁は、12歳なのになぜかゆかりの唄に興味を持ちついて来てしまう。彼女が母親と喧嘩して家出してきたことを知ったゆかりは、親に連絡させ最終目的の東京まで連れて行くことになる。しかし、彼女のコンサートは、行く先々でトラブルに遭いことごとく中止になってしまう。落ち込むゆかりを支える縁。2人のユカリは55歳の歳の差を超えて強いきずなで結ばれていく。そしてついに最後の会場、東京に到着する。ゆかりは、ここだけは絶対に唄い上げるつもりだった。そこにはゆかりの悲しい過去が刻まれていたのだ。
笑って笑って、そして……ラスト一行に思わず! エディット・ピアフの『愛の讃歌』に乗って描かれる人生の切なさ、すばらしさ。山本作品で一番泣ける作品です!

...続きを読む

ふたりみち のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年08月26日

    話すスピードに流れに自分に合っていると思う、純粋に好きなのね自分。出ると直ぐに読み始めるので、アヒルバスとは違う文体だったなあって言うのが感想ですね。どこが違うと言われると困るけど、シリアスな雰囲気がずーっと続くし、背中の帯と全然違う感覚的に、2人旅なんだけども、枠に当てはまらない、それが友達なんだ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2023年11月13日

    67歳と12歳のドタバタツアー!ふたりの旅の様子も楽しいし、ゆかりさんのこれまでの人生に感じ入りいい話でした。

    0

    Posted by ブクログ 2022年01月30日


    これぞまさしくリア充。そうだ、六十七歳だってリア充はできる。

    67歳の元ムード歌謡歌手ゆかりはドサ回りの旅の途中、12歳の家出少女縁(ゆかり)に出会う。公演は行く先々でトラブルに見舞われるが、それを乗り越えてふたりは強い絆で結ばれていく。
    .
    少し天然なおばちゃんって感じのゆかりにも実は辛い...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年04月06日

    67歳の元ムード歌謡歌手と、何故か彼女の歌に涙する12歳の家出少女。55歳の年の差を超え2人は強い絆で結ばれていく。笑って笑って、ラスト1行に涙する人生讃歌。極上のロードムービー小説。
    人生の日陰者が、人生最後のスポットライトを求めて全国ドサ回りの旅へ。トラブル続きは山本幸久ワールドのお約束だが、い...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年03月24日

    才能に恵まれたけど花開かず、一人娘を授かったけど二度失い、人生のあれやこれやを飲み込んで耐え忍んで生きてきたゆかりが67歳にして初めて運命に逆らう。相棒に12歳の家出少女を引き連れての復活ライブツアー…。

    シャンソンの調べと昭和のムード歌謡の香りがしっかりと絆をつないでいく、同窓会みたいな懐かしい...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年01月09日

    夢物語なのかな。
    読めば幸せな気になります。
    出来過ぎと感じるけど物語ならいいのかなと思います。
    現実は辛いですからね。

    0

    Posted by ブクログ 2021年01月07日

    偶然に次ぐ偶然...いつもなら「出来過ぎだろっ」って突っ込むところなのにちっとも嫌じゃない。いろんな出会いや別れがあって今がある。そう思える素敵な物語だった。東日本大震災を絡めた物語だけど温まりました。

    0

ふたりみち の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

角川文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

山本幸久 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す