無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
長らく疎遠だった父が、死んだ。
遺言状には「明日香を除く親族は屋敷に立ち入らないこと」という不可解な言葉。
娘の明日香は戸惑いを覚えたが、医師であった父が最期まで守っていた洋館を、兄に代わり受け継ぐことを決める。
25年ぶりに足を踏み入れた生家には、自分の知らない父の痕跡がそこかしこに残っていた。
年下の恋人・冬馬と共に家財道具の処分を始めた明日香だったが、整理が進むにつれ、漫画家の仕事がぎくしゃくし始め、さらに俳優である冬馬との間にもすれ違いが生じるようになる。
次々に現れる奇妙な遺物に翻弄される明日香の目の前に、父と自分の娘と暮らしていたという女・妃美子が現れて……。
「家族」「男女」――安心できるけれど窮屈な、名付けられた関係性の中で、人はどう生きるのか。
家族をうしない、恋人をうしない、依るべきものをなくした世界で、人はどう生きるのか。
いま、最も注目されている作家・彩瀬まるが、愛による呪縛と、愛に囚われない生き方とを探る、野心的長篇小説。
解説:村山由佳
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
思った以上に読みやすかったけど感想が難しくて、考えているうちに寝てしまっていた。
不在とは、今このいっとき「いない」ことであって、「ない」のとは違う。きっとどこかに「在る」と思うからこそ、人はそれを希求する。「不在」とはつまり、心が欲するものを探すための旅立ちのきっかけであり、道しるべでもある。
明日香はお父さんに愛されたかった。
でもお兄ちゃんには勝てなかった。
愛されたかった、1番になりたかったという思いを抱えたままそのまま大人になり、こじらせてしまった感があった。
でも不在なだけであって、今いないだけであって、明日香も愛されていたはずなんだよ。
元々愛されてないならまだしも、愛されていた記憶?があるから不在なことに対して悲しくなるのかな。
他者から承認されることだけが愛ではない。
それは愛に見せかけて、愛ではない。
たらればを言い出したらキリがないし、私の心が不在なこともある。楽しかったのに喪失感に襲われることがある。それはまさに不在なんだと思う。
でもそれは仕方がないことで、それも含めて私で。
普通じゃない人生だって、あなただけのもので、私だけのものだ。
Posted by ブクログ
彩瀬まる3作目
好きになれない主人公だけど、祖父に、父に愛されたかった感情と向き合うようになり感情的になってしまうのが読んでいて少し辛かった。
作中で、それ以上言ってはいけない、、それだけはやってはいけない、、と思いつつもそれらの行為で他人だけでなく自分を一番打ちのめしてしまう描写が印象的。
とうの昔だけれども、かつて欲しくて欲しくてたまらなかった父からの愛の不在に苦しめられる主人公を通して、
きっと誰にもある欠けた部分を無視できないもどかしさを思い出す作品。
この作者を書く他の作品でも感じた、明るいものではないけれど、心がほぐれていく救いなようなものを感じてよかった。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸