フェアな関係

兼桝綾

地元と東京、仕事とジェンダー、恋愛、セックス、結婚。この社会にいる女性たちの自我を描く兼桝綾、第一小説集。

• カテゴリ: 小説・文芸
• ジャンル: 小説 / 国内小説
• 出版社: タバブックス
• 電子版発売日: 2022年11月24日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 1MB

[ブクログ · ★★★★★]

めちゃくちゃ好きでした。
短編集。レスを抱える夫婦、父と娘、都会育ちの女の子と上京してきた私、元彼と元カノ...色んな2人の関係性をリアルな質感で味わえました。

様々な関係性がある中、出てくる語り手がそれぞれ自分にとって心地よい関係性を模索しているような感じがとても好きでした。どの話の語り手の描き方も、個人的には節々の思想に共感出来て良かったです。
どれもリアルな質感で、リアルだからこそまあるく綺麗にハッピーエンドではないけれど、どれもサッパリとした後味で読み心地が良かったです。

関係性はひとつとして同じものはなくて、それぞれの中でベストを見つけていくべき、と思っているので、そういう思想を持つ私にはすごくしっくりとくる小説でした。

今年一番好きな小説でした。著者さんの他の本が出るのも楽しみです。

[ブクログ · ★★★★★]

久しぶりに推したい作家に出会ったかも！と思うくらい面白かった。

特に好きだったのは「魔女の孫娘たち」「私より運命のひと」「スイミング・スクール」。
「スイミング・スクール」は、父と主人公の関係に、自分を重ねた部分があり、いつの間にか泣きながら読んでいた。

他の話でも、これは私の話？と思うようなシーンやセリフが多々あり、著者の兼桝さんは自分と感覚が近い方な気がしたので、ぜひ長編も読んでみたい！

[ブクログ · ★★★★★]

本音のさらに奥にあるできるだけ見せたくない部分にまでしっかりと手を延ばしキチンと観察し、文章として提示してくれている。それゆえそんなとこまで！！
感すらあり切なくもあり嬉しくもあり、そして苦しい
個人的にとっても大事な本当に素晴らしい一冊でした

[ブクログ · ★★★★☆]

表題の章が予想外の内容で惹かれた。フェアな関係であろうとルールを決めようとするのが、自分の経験と被った。片方が我慢する関係は避けたいという気持ちの落とし所なんだろうけど、少し自分には不思議に思ってたので奥さんに共感した。

[ブクログ · ★★★☆☆]

短編集。フェアな関係が一番よかったです。
そのひととの関係を長く続けたいと思うと、フェアであることを私も求めてしまいがちです。ただ、完全にフェアな関係はほぼ不可能で、特に気持ち等が絡んでくると苦しくなってしまいますよね。

[ブクログ · ★★★☆☆]

途切れ途切れ読んだ事もあって少し散漫な印象もあるがユニークなテーマ。
元カレ元カノ、夫婦、親子、友人同士のフェアな関係とは。

自分の身にあった事を文章に書こうなんて思わないタイプなのに、そういうのをいちいち良い感じにまとめて世界に発信したいタイプの人間の考えることは、想像してもわかんないよ。

[ブクログ · ★★★☆☆]

感想
言語化の限界。本音は全てを語らない。だから相手の行動から意図を汲み取ることしかできない。さよならはすべきタイミングでしないと引きずる。

[ブクログ · ★★★☆☆]

短編集。フェアな関係と私より運命のひとが印象的だった。
「私たちの気持ちが、丁度同じに、平にならされるなんてこと、あるはずないのに。」
夫婦に限らず本当にフェアな関係なんてあるのだろうか、と考えてしまった。