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Posted by ブクログ
桜庭一樹の物語の中で一番好きな物語だ。
眞子と駒子の親子はずっと旅を続けている。
駒子には戸籍がない。だから学校へも行けない。言葉を話すこともできない。
それでも駒子は幸せだった。
何故って、何よりも自分を必要としてくれる眞子がそばにいたから。
でも子どものままではいられない。
時が経てば駒子も成長する。大人になっていく。
文字を覚え、本の中にある世界を知り、物語に魅了される。
眞子だけを見ていた駒子は、もう存在しない。
求めているのは眞子だけではないのに。
駒子だって苦しいほどに眞子を求めていたのに。
眞子の心は揺らぎ、脅え、少しずつ疲弊していく。
突然の別れ、置いていかれた駒子。
切なくて、哀しくて、けれどどうしようもなく惹きつけられる。
そんな物語だった。
言葉を紡ぎだすというのは作業ではないんだな、とあらためて思った。
心の奥底にあるものがあふれるように言葉になっていく。
作家というのはそうして物語を作りだしていくのだろう。
どこか荒唐無稽で、なのにとてもリアルで。
きっと好きな人はとても好きで、受け入れられない人にとってはどうしようもない物語なのだろう。
人生はやり直せない。過去に戻ることもできない。
でも、過去を通り抜けてきた軌跡が未来を作る。
そして未来は不確定でだからこそ素晴らしいのだ。
Posted by ブクログ
完全な人間に物語など必要がない。でも完全な人間などいないから、誰にでも物語というものは必要…本当にそう思います。完全とまではいかなくても、真っ当な人も物語を必要としないよな、とも。このお話だと、真田みたいな。
圧倒されました。母と娘、お互いしかいないというのは悲劇だけれどとても幸福なのかもしれないです。
幸福から立ち直る…初めて接する言葉だけれどこの感覚はわかるので不思議。とても悲しいけれど、生き続けるには欠かせないです。
母と娘ってこうだな、と思いました。これが濃いか薄いかの違いで。ここまで描写出来るって凄いな。
眞子と駒子の頃と、駒子の余生と。息苦しいけれど、物語の力も感じられました。体力奪われる読書でした。
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