ファミリーポートレイト

ファミリーポートレイト

963円 (税込)

4pt

最初の記憶は五歳のとき。公営住宅の庭を眺めていたあたしにママが言った。「逃げるわよ」。母の名前はマコ、娘の名前はコマコ。老人ばかりが暮らす城塞都市や奇妙な風習の残る温泉街。逃亡生活の中でコマコは言葉を覚え、物語を知った。そして二人はいつまでも一緒だと信じていた。母娘の逃避行、その結末は。(講談社文庫)

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ファミリーポートレイト のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2018年06月25日

    続けて読むのではなく、1ヶ月か少なくとも1週間に一章ずつ読み進めて行くべき小説。
    前半と後半では全然違う小説だが、前半の奇想集のような地獄巡りと、後半の現実界での地獄巡りが対になり、孤独な主人公にとっての家族というものを様々な角度から浮かびあがらせる。

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    Posted by ブクログ 2017年03月21日

    桜庭一樹の物語の中で一番好きな物語だ。
    眞子と駒子の親子はずっと旅を続けている。
    駒子には戸籍がない。だから学校へも行けない。言葉を話すこともできない。
    それでも駒子は幸せだった。
    何故って、何よりも自分を必要としてくれる眞子がそばにいたから。
    でも子どものままではいられない。
    時が経てば駒子も成長...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年06月26日

    この本は好き嫌いがはっきり分かれるだろうな。感覚的にどこか共感できる人、恐らく女性にはたまらなく心の片隅に沁みる一冊になるだろう。ダメな人は全くついて行けないだろうし、読解ミスを引き起こすと思う。それほどアクの強い作品、私には心に突き刺さるトゲのような一冊になった。

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    Posted by ブクログ 2014年06月10日

    「幸福から、立ち直らなければいけない」という言葉を読んだとき、体を駆け巡る何かの正体が分かった。駒子の体を支配していたのは、愛による幸福の記憶だったのだと。

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    Posted by ブクログ 2013年12月15日

    個人的には著者さんといえば「少女感」という言葉が浮かんできます。これはそれを極限まで書ききってやろう!こんにゃろう!という気合いの詰まった1冊だと思いますん。
    変質的な愛と幸福に包まれた母との逃避行・その後の余生、その中で傷ついて絶望して、堕ちながさまよい続けた、主人公コマコの生き様から目が離せなか...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年04月26日

    暗い、とても暗いけど、前半と後半の対比、救い、成長、長い旅をしたような気持ちになった。
    コマコが幸せでありますように。

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    Posted by ブクログ 2022年02月24日

    完全な人間に物語など必要がない。でも完全な人間などいないから、誰にでも物語というものは必要…本当にそう思います。完全とまではいかなくても、真っ当な人も物語を必要としないよな、とも。このお話だと、真田みたいな。
    圧倒されました。母と娘、お互いしかいないというのは悲劇だけれどとても幸福なのかもしれないで...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年10月17日

    第一部の 旅 はそれぞれの町が現実に在りそうで、
    少しファンタジーな感じで、温泉街の風習とか
    豚の脚とか。
    コマコの夢なのかな?とも読めた
    第二部のバーでの一人語りにその旅の経験が形を変えて出てくると、コマコが実体験したことなんだと、マコとの濃さを改めて感じた。

    読み進めるのが苦しくて
    でも読みた...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年08月24日

    主人公はなにやら事件を起こしたらしい母親と逃避行をする。母親は主人公を虐待するが、主人公は母親を盲目的なまでに慕う。やがて逃避行は突然の終わりを告げ、主人公は一人で生きていくことななる・・。
    なんだか歪んだ母親と娘の関係。著者はそういう関係性を描くのがとっても上手いですね。主人公の数奇な人生はこの先...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年07月16日

    直木賞を受賞した『私の男』の次の作品に当たるのですね。

    第一部は母子の旅、第二部は自立を余儀なくされた娘のその後。圧巻の大部。
    これを書き上げるのはどれほど苦しい作業だったろうか、と思わずにいられない。
    読者としても、第二部を読み通すのはとても苦しかった。
    いっぽう第一部の、日常と異世界の境を軽々...続きを読む

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