無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
2007年に直木賞を受賞し、2014年6月に待望の映画化となった本作。
大地震で家族を失くした10歳の花を、25歳の淳悟が引き取り、やがて二人は二人だけの幾つもの「秘密」を重ねていく。
この物語は、主人公の花の結婚から、徐々に過去へと遡っていきます。
パズルのピースをはめるように、お互いを求め続け、「父と娘」を超えた感情が渦巻いていく。
親子・恋人・究極の愛・殺人・渇き・匂い・グロテスク…
私は読みながらそんな言葉を思い浮かべました。
決して明るい作品ではありませんが、冒頭の数ページで、作品の世界観にすっと引き込まれます。
人によって、違った感想を持つ作品だと思います。気になった方は是非。
Posted by ブクログ
独り身の男、淳悟とその養子である花の、禁断の恋を描いた恋愛小説、というとありがちなドロドロ話に聞こえてしまうが、その美麗な感情描写と比喩表現によって恐ろしく深くまで引き込まれる話。
物語の最初は花が結婚する場面から始まる。この時点では「結婚」というものの、父と娘の別れという側面が強調して描かれており、花自身もそれを望んでいる描写が多く記されている。
これが物語終盤になると、「最低で最高」な得体の知れない父親が実は脆い存在だったと分かる。
結局、最後まで淳悟がどういう人間で、なぜ花を引き取ったのか、そういうところまでは断片としてしかわからないのだけれど、淳悟が物語終盤で語った「自分と同じ血が流れてる、なのに女だ、と思うと、どうしてこんなにたまらない気持ちになるのかな」というセリフがすべてを表している気がした。豹変した母親を母親とも呼べないまま別れ、父親も海の底に沈み、そんな中で突如として血のつながりを感じる相手と出会い直したえもいえぬ感情、衝動。
冒頭では「血の繋がりなんて結局は色々な人との出会いで薄れていく」ということを言いながら、終盤では人間の帰属するべきところは血の繋がりであるという、不思議な内容の小説でした。
Posted by ブクログ
親愛と性愛の重なり合い、言語化されるのが躊躇われるような情緒を、これ程に巧みに表現できるのは凄い。
しっかりと気持ち悪いが、花の気持ちに理解できる部分が多いのも、また歯痒くて悲しくて苦しい。
時を経ていくにつれ、純真でただ愛しかった互いの存在が、共依存のような退廃した関係性になっていくのがキツくてたまらない。
「生きている意味とは」を、ふっと考えさせられる作品。当たり前に生きることは、こうにも難しいのか。
桜庭一樹さんは、心理描写、情景描写ともに文章があまりにも上手すぎる。冒頭フィジーのエメラルドの海が、読み進めるほどに「中身のないバカみたいな美しさ」の対比を効かせてくる。
ああ、ふたりが出会った時から、誰も知り合いのいない場所で、静かにふたりきりで暮らせていたらよかったのにと思う。同時に、子どもが永遠に自分の元にいることなんて有り得ないと、覚悟して育てる勇気がいることもね。
家族って、血って、呪いだ。
だが間違いなく、他に変えようのない愛しい感情を教えてくれるのも、家族であり血であるとも思う。
Posted by ブクログ
直木賞受賞作
『私の男は、ぬすんだ傘をゆっくりと広げながら、こちらに歩いてきた。‥‥傘盗人なのに、落ちぶれ貴族のようにどこか優雅だった』
40才になる腐野淳悟
結婚直前の養女、花
この2人には何かある
そう思わせる冒頭の文章
もうここから引き込まれていく
凄い話なのになんだか
美しささえ感じてしまう
以前「赤朽葉家の伝説」を読んで
すっかり好きになってしまった
桜庭一樹さん
でもこの小説はまた違った
魅力がある
最後まで謎があって
想像が止まらないのも良い
今後の2人がどうなるのかも
謎!
腐野 (くさりの)なんて名前も
ふざけてるし‥
『おまえが、濡れるといけないと思って。花』
このセリフにもう心は
持ってかれてます
過去に遡る技法で読者に明かされていく。二人とも重い罪を背負っており、いつしか濃密な情愛関係を築くことになるが、それは、決して、いやらしさもなく自然な形で描写されているのは、作者の筆力所以だろう。
本当に後味サイアクな作品です。
ここ最近で読んだ中で一番強烈な本です。舞台となっている千住や紋別の暗い町のイメージと相まって、とにかくいやな気持ちになります。救いがありません。でもそれがすごい好き!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。