私の男

私の男

733円 (税込)

3pt

私は腐野花(くさりの・はな)。着慣れない安いスーツを身に纏ってもどこか優雅で惨めで、落ちぶれた貴族のようなこの男の名は淳悟(じゅんご)。私の男、そして私の養父だ。突然、孤児となった十歳の私を、二十五歳の淳悟が引き取り、海のみえる小さな街で私たちは親子となった。物語は、アルバムを逆からめくるように、花の結婚から二人の過去へと遡ってゆく。空虚を抱え、愛に飢えた親子が冒した禁忌、許されない愛と性の日々を、圧倒的な筆力で描く直木賞受賞作。

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

私の男 のユーザーレビュー

2007年に直木賞を受賞し、2014年6月に待望の映画化となった本作。

大地震で家族を失くした10歳の花を、25歳の淳悟が引き取り、やがて二人は二人だけの幾つもの「秘密」を重ねていく。
この物語は、主人公の花の結婚から、徐々に過去へと遡っていきます。
パズルのピースをはめるように、お互いを求め続け、「父と娘」を超えた感情が渦巻いていく。

親子・恋人・究極の愛・殺人・渇き・匂い・グロテスク…

私は読みながらそんな言葉を思い浮かべました。
決して明るい作品ではありませんが、冒頭の数ページで、作品の世界観にすっと引き込まれます。
人によって、違った感想を持つ作品だと思います。気になった方は是非。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    親愛と性愛の重なり合い、言語化されるのが躊躇われるような情緒を、これ程に巧みに表現できるのは凄い。
    しっかりと気持ち悪いが、花の気持ちに理解できる部分が多いのも、また歯痒くて悲しくて苦しい。

    時を経ていくにつれ、純真でただ愛しかった互いの存在が、共依存のような退廃した関係性になっていくのがキツくて

    0
    2025年10月19日

    Posted by ブクログ

    直木賞受賞作

    『私の男は、ぬすんだ傘をゆっくりと広げながら、こちらに歩いてきた。‥‥傘盗人なのに、落ちぶれ貴族のようにどこか優雅だった』

    40才になる腐野淳悟
    結婚直前の養女、花
    この2人には何かある
    そう思わせる冒頭の文章
    もうここから引き込まれていく
    凄い話なのになんだか
    美しささえ感じてし

    0
    2025年10月05日

    Posted by ブクログ

    最っ高に気持ち悪いけど、創作だからこそできることなので私は大好きな小説。不穏、夏の湿度、冬の海の冷たさが文から伝わってくる。ひらがなが甘ったるさと嫌な湿度を助長してて日本語の妙を感じる。現代(結末)から過去(初まり)に遡るので、幼少期のはなが語り手である最終章は最後はああなっちゃうのにね...と泣き

    0
    2025年06月07日

    Posted by ブクログ

    直木賞受賞作。淳悟は花の養父。津波で孤児になった9歳の花を25歳だった淳悟が引き取り親子となった。花の結婚式から物語は遡る。愛に植えた二人の関係が切ない。長身で細身で目の下にしわがある煙草を吸う淳悟がある人のイメージでよけい感情移入してしまった。

    0
    2025年05月17日

    Posted by ブクログ

    最大の愛を解くと、共犯である。というところに落ち着くような作品だった。
    世間一般的な安心、安全、快適、健全というような生活が彼らにとって不健康で、退廃的な健康な生活を送っている様が美しかった。

    0
    2025年02月19日

    Posted by ブクログ

    桜庭一樹さん、ずっと読みたくて、ようやくこの作品で触れることができた。これが文章力、筆力というものかと圧倒された。何度も涙がこぼれた。素晴らしい作品。読む前はずっと男性だと勝手に思い込んでいたのだが、読んでてまさかこれを男性が書いてる?女性では、と思ってしまうような書き口が多々あり…。流石に女の方だ

    0
    2025年01月21日

    Posted by ブクログ

    すごかった。何かが違う何かが漂ってるような雰囲気が終始あった気がする。こんな愛の形が存在するのか、そう思わせてくれた小説だった。ずっと暗い雰囲気で私の好きなタイプの本だった。再読1年ぶりにした。1回目では理解できなかった表現が理解でき、またこの素晴らしい作品にどっぷり浸れた。花の感情はたくさん描かれ

    0
    2024年03月23日

    購入済み

    過去に遡る技法で読者に明かされていく。二人とも重い罪を背負っており、いつしか濃密な情愛関係を築くことになるが、それは、決して、いやらしさもなく自然な形で描写されているのは、作者の筆力所以だろう。

    0
    2020年09月26日

    購入済み

    本当に後味サイアクな作品です。

    ここ最近で読んだ中で一番強烈な本です。舞台となっている千住や紋別の暗い町のイメージと相まって、とにかくいやな気持ちになります。救いがありません。でもそれがすごい好き!

    0
    2018年02月26日

    Posted by ブクログ

    初めての桜庭一樹。かなり繊細ながら読みやすい文章を書く方だと思った。親子の関係性の逆転が非常に巧みで、読めば読むほど、この歪んだ関係性に吸い込まれていった。また津波に飲み込まれていく人々の描写はかなり印象に残る。過去のあらゆる残酷さとそれを覆い隠す程の禁忌は、まさに直木賞に相応しいと思った。

    0
    2025年11月22日

私の男 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

文春文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

桜庭一樹 のこれもおすすめ

私の男 に関連する特集・キャンペーン

同じジャンルの本を探す