"終活"がテーマのお話です。
妻に先立たれ、64歳で海上保安官の職を定年退職した楠木健太。
仕事一筋で生きてきた後、余生を考えるにあたり"終活"を手掛かりとして、自分の今後を考えるための活動を始めます。
"終活"について詳しく知ることができる一方、中盤の手続き的な話しがテキストを読んでいるようで少し退屈でした。
ただ、この冗長な中盤があるからこそ、終盤の楠木の死生観についての葛藤がとてもリアルに感じながら読むことができました。
主人公・楠木の人柄や、楠木の活動を誠実に支える姪の理沙、その婚約者のペッカなど、登場人物のコミュニケーションの様子は、とても自然体で読んでいて気持ちよかった。
一旦は読むのをやめてしまいましたが、最後まで読み切って良かったと思います。