ファーストラヴ

ファーストラヴ

781円 (税込)

3pt

夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。環菜は就職活動の最中で、その面接の帰りに凶行に及んだのだった。環菜の美貌も相まって、この事件はマスコミで大きく取り上げられた。なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか?
臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、環菜やその周辺の人々と面会を重ねることになる。そこから浮かび上がってくる、環菜の過去とは? 「家族」という名の迷宮を描く傑作長篇。

第159回直木賞受賞作。

※この電子書籍は2018年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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ファーストラヴ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月22日

    物語の完成度が高すぎてびっくり。
    本筋や伏線以外の細かなエピソードも全てどこかに繋がっていて全く隙がない。

    被告人の人生を考えるとやるせないしセンシティブな内容なのに、最後は明るい気持ちで読み終えられた。
    無駄が一切ない構成と、この内容でタイトルをファーストラブにするセンス、すごすぎるƪ(˘⌣˘)...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年12月14日

    以前に映画を観たことがあったので大まかな内容は覚えていたけど原作は今回初めて読んだ。
    幼少の沈黙を強いられ不健全な家庭環境から自分の気持ちを主張することなど思い付くことも出来なかった環菜。家族にすら抱えている苦悩や葛藤を理解してもらえなかった。むしろ環菜自身がおかしいのだと感じさせるように仕向けられ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年12月07日

    物語の語り手である臨床心理士が過去に弁護士と知り合ったときの話、弁護士の兄である夫との出会いの話をもう一度読み返したいと思う。話の中心には画家の父親を刺した女子大生がいて、彼女の殺害動機を仕事を通して探り、言葉を拾いあげるうちに、臨床心理士と弁護士の過去のわだかまりが自然となくなり、夫も安心している...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年04月06日

    これまで読んできた作品とは色が異なる。
    でも、この物語を構成する個々の思い出や物語は、やはりこの作者らしいもの、だと思っている。

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    Posted by ブクログ 2024年03月21日

    環菜の事件の真相が気になるのはもちろん、主人公サイドのストーリーにも強く惹かれ捲るページが止まらなかったです。

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    Posted by ブクログ 2024年03月18日

    2024/03/16
    父親を殺害した容疑で逮捕された女子大生。
    その事件を追う臨床心理士の主人公のお話。

    義理の弟で弁護士である迦葉(かしょう)との関係性が初めから気になっていたんだけれど、2人の過去の話はなぜか泣けて泣けてしかたなかった。
    お互いにしかわからない孤独があったはずなのに、その孤独ゆ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年02月12日

     島本理生さんの作品は初めて読みました。「ファーストラヴ」は、2018年の第159回直木賞受賞作品で、2021年には北川景子さん主演で映画化もされてますね。
     父親の刺殺容疑で逮捕されたアナウンサー志望の女子大生と、その事件を題材に書籍化を依頼された女性臨床心理士、容疑者を弁護する義弟の弁護士らが真...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年02月11日

    ラスト、自分の気持ちを解放した環菜と由紀の姿が印象的でした。
    心の闇って、少なからず皆抱えながら生きているのだろうと感じる作品でした。

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    Posted by ブクログ 2024年02月02日

    直木賞受賞作品とは知らずに読み始め、引き込まれてあっという間に読み切ってしまった。後味もスッキリしてて、好きな作品。
    由紀と迦葉の過去と我聞の伏線回収もきちんと解決してくれて、読者を裏切らなくて素敵。
    父親基準、母親基準で自らの意思を封印し、すべて自分の責任で収めないといけない、家庭環境に依存して、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年12月15日

    どこからが虐待なのか。
    どこまでがそうじゃないのか。
    子どもを育てていく上で、親であれば誰もが思い悩む事だと思う。

    虐待といっても十人十色で、
    心理的、教育的、性的、そして表に出にくく、子どもすらはっきりとは気づいていないが、時限爆弾のように子どもの心を蝕む親の無関心。

    臨床心理士の視点から描か...続きを読む

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