【感想・ネタバレ】ファーストラヴのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年05月11日

はぇ〜。はぇ〜。
気になってたものの恋愛系かなと思って何となく読み始めたけど全然違った。
心や過去がどんどん解かれていく感覚。他人の家庭環境は友達でも本当のことはわからないよなぁ難しい。由紀が芯を持っていて、人を救うために有名になりたいって、かっこよかった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月19日

2020年(発出2018年) 367ページ

第159回直木賞受賞作です。

アナウンサー志望の女子大生・聖山環菜が父親殺しの容疑で逮捕される。この事件を題材にノンフィクションの執筆を依頼された臨床心理士の真壁由紀が、国選弁護人の庵野迦葉とともに事件の真相に迫っていく、という小説です。
実は『ファー...続きを読むストラヴ』という題名だけの印象で恋愛小説と思い込み、積読状態にしていたこの本。なんでこんなにおもしろいのに今まで読まなかったのか!と思いました。キャッチコピーに『なぜ彼女は、父を殺さなければならなかったのか』とあるにもかかわらず、この文章も見ていなかったんですね。

小説を読み始め、主要登場人物がみな不安定さを感じさせるのに気づきました。環菜、由紀、迦葉ともにトラウマとなる過去を抱えています。そして由紀と迦葉の間には妙な緊張感があり、過去に口にはできないような関係があったと思わされます。それは由紀の夫・我聞にも秘密にしているような。
そして、物語の中で安心感を与えてくれる人物が、由紀の夫の我聞と担当編集者の辻です。物語の張り詰めたような緊張感が和らぐのです。2人とも誠実さが滲み出ているからでしょうか。

性的虐待や児童虐待、親子関係、家族関係をテーマにした重い物語でした。臨床心理士の目線から語る内容は私にはドンピシャでした。私は実務経験はありませんが心理学の資格を持っているからです。環菜の父親との関係、母親との関係、虚言癖、罪悪感、自傷癖、デッサンモデルをしていた過去、出会った大学生との関係、あらゆる角度から環菜の心理を分析していく過程にのめり込んで読みました。
裁判で、環菜の罪はどうなるのか? 由紀と迦葉の過去の関係とは? 最後は伏線がきれいに回収されて、環菜の心も救われました。

最近は直木賞受賞作品にはまって読んでいますが、芥川賞とは違って自分に合わないハズレという作品は今のところないですね。

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Posted by ブクログ 2024年03月22日

物語の完成度が高すぎてびっくり。
本筋や伏線以外の細かなエピソードも全てどこかに繋がっていて全く隙がない。

被告人の人生を考えるとやるせないしセンシティブな内容なのに、最後は明るい気持ちで読み終えられた。
無駄が一切ない構成と、この内容でタイトルをファーストラブにするセンス、すごすぎるƪ(˘⌣˘)...続きを読むʃ
映画で見ようかなーと思ってたけど小説にしてよかった。
今年読んだ本でダントツ1位です。
まだ2冊しか読んでないけど

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Posted by ブクログ 2023年12月14日

以前に映画を観たことがあったので大まかな内容は覚えていたけど原作は今回初めて読んだ。
幼少の沈黙を強いられ不健全な家庭環境から自分の気持ちを主張することなど思い付くことも出来なかった環菜。家族にすら抱えている苦悩や葛藤を理解してもらえなかった。むしろ環菜自身がおかしいのだと感じさせるように仕向けられ...続きを読むたことが彼女の人生を狂わせてしまったように思える。ネグレクトや暴力とは違う形の愛情の欠落。
親が子に与える影響は計り知れない。愛情を注がずに育てることの悍ましさをじわじわと感じさせられ子育ての難しさと愛情について考えさせられた。
ファーストラヴというタイトルがただ単に初恋という意味ではなく人生で一番最初に受ける愛だったんだなということに読んでいて改めて気付かされた。

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Posted by ブクログ 2023年12月07日

物語の語り手である臨床心理士が過去に弁護士と知り合ったときの話、弁護士の兄である夫との出会いの話をもう一度読み返したいと思う。話の中心には画家の父親を刺した女子大生がいて、彼女の殺害動機を仕事を通して探り、言葉を拾いあげるうちに、臨床心理士と弁護士の過去のわだかまりが自然となくなり、夫も安心している...続きを読むようだった。そこに行き着くまでの経緯が面白かった。彼女らと状況は違っても、家族関係に何かしら思うところがあると、自身の視点から感情を想像して読めた。

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Posted by ブクログ 2024年04月29日

映画を昔見たことがあり、この小説を読んだ上で再度映画を見た。キャストが、登場人物のイメージとピッタリ合っていて素晴らしいキャスティングだな‥と感じた。特に我聞さん!

当初考えていた事件?の内容が、ひっくり返されていき驚きだった。
こんな風に検事さんたちが環菜の心のうちに寄り添わなければ、裁判の結果...続きを読むは全然違っていたはず。表面から見るのではなく、寄り添ったりちゃんと見定めることが大事だな…難しいよなあ…と感じた。

そして、心は壊れてしまうと、簡単には治らない。心は大事にしなければ。。ほんとうに。

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Posted by ブクログ 2024年04月06日

これまで読んできた作品とは色が異なる。
でも、この物語を構成する個々の思い出や物語は、やはりこの作者らしいもの、だと思っている。

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Posted by ブクログ 2024年03月21日

環菜の事件の真相が気になるのはもちろん、主人公サイドのストーリーにも強く惹かれ捲るページが止まらなかったです。

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Posted by ブクログ 2024年03月18日

2024/03/16
父親を殺害した容疑で逮捕された女子大生。
その事件を追う臨床心理士の主人公のお話。

義理の弟で弁護士である迦葉(かしょう)との関係性が初めから気になっていたんだけれど、2人の過去の話はなぜか泣けて泣けてしかたなかった。
お互いにしかわからない孤独があったはずなのに、その孤独ゆ...続きを読むえに傷つけあってしまった2人。
なんとも悲しかったなぁ。

島本理生には珍しくサスペンスもの。
おもしろかったです!

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Posted by ブクログ 2024年02月15日

タイトルとあらすじだけ見ると、恋愛が絡んだミステリーなのかな?と思っていたけれど、想像以上に人間の心の複雑さや深い部分が多く描かれた作品でした。

性虐待に関しては、たまに流れてくるニュースを見て「そういう酷いことをする人がいるんだな」と認識していた程度で、被害者が受けた傷や、その後の心理状態等を深...続きを読むく想像をすることはありませんでした。
そのため、本を読むにあたり、いつもはしない想像をしながら読み進めていきました。

私も(性虐待では無いけれど)幼少期に辛い記憶があります。環奈が、言葉にしづらい気持ちを経験しても、「この環境が普通だった」と言うように、幼い頃は自分が嫌な気持ちになってもそれを言葉に変えてくれて、受け止めてくれる大人がいなければ、自分でもどういう気持ちなのかが客観視できないまま大人になります。
そして、その部分は昇華できないまま生き残り、自分の気持ちの不安定さに反映されていくのです。
その不安定さはなかなか厄介で、すぐ治るものでもありません。大人になってもです。

事件がきっかけで由紀や弁護士達と出会い、少しでも自分の気持ちを整理できることが出来たのだとしたら、
今現実に悩んでいる人も、そのような出会いがあって欲しいと願いました。

また、環奈と同じ経験をした由紀のように、我聞のような愛情を与えてくれる人に出会えるように、と。

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Posted by ブクログ 2024年02月12日

 島本理生さんの作品は初めて読みました。「ファーストラヴ」は、2018年の第159回直木賞受賞作品で、2021年には北川景子さん主演で映画化もされてますね。
 父親の刺殺容疑で逮捕されたアナウンサー志望の女子大生と、その事件を題材に書籍化を依頼された女性臨床心理士、容疑者を弁護する義弟の弁護士らが真...続きを読む相解明するまでの物語ということかな。
 前半まであまり動きがなく、臨床心理士と義弟の関係が伏せられていて、ちょっと退屈(失礼!)でしたが、後半一気に動き始めてからは、結末までそれこそ目が離せませんでした。
 現在世間を騒がせている芸能人の性加害事件ですが、真実は本人たちにしかわからないのに周りは推測で決めつけがちです。人間は二面性というよりは多面性があり、その時の環境や体調等の様々な要因によってコロコロ変わるものではないでしょうか?被害を訴えている方も、加害を否定している方も、自分の多面性の中の1つによって、事件になってしまったとも考えられます。もちろん私も自分の中の多面性は自覚しているつもりです。家庭での自分、職場での自分、誰も見ていない時の自分、誇れる自分、嫌な自分、これからの社会ではどうやって負の自分を抑えられるかが大切のように思います。本当に繊細な世の中になってきました。

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Posted by ブクログ 2024年02月11日

ラスト、自分の気持ちを解放した環菜と由紀の姿が印象的でした。
心の闇って、少なからず皆抱えながら生きているのだろうと感じる作品でした。

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Posted by ブクログ 2024年02月02日

直木賞受賞作品とは知らずに読み始め、引き込まれてあっという間に読み切ってしまった。後味もスッキリしてて、好きな作品。
由紀と迦葉の過去と我聞の伏線回収もきちんと解決してくれて、読者を裏切らなくて素敵。
父親基準、母親基準で自らの意思を封印し、すべて自分の責任で収めないといけない、家庭環境に依存して、...続きを読む正しい判断をできなくさせることができるんだなと、ある意味マインドコントロールの一種。こんな家庭がないことを祈りたいが、実際はどうなんだろう。

YOASOBIへの描き下ろしからこの作者に興味を持って正解でした。好き作者に追加します。
★4の理由は、現実の話をしてたかと思ったら、いきなり過去の回想の話に行く時があって、読み始めは戸惑ったから。

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Posted by ブクログ 2023年12月15日

どこからが虐待なのか。
どこまでがそうじゃないのか。
子どもを育てていく上で、親であれば誰もが思い悩む事だと思う。

虐待といっても十人十色で、
心理的、教育的、性的、そして表に出にくく、子どもすらはっきりとは気づいていないが、時限爆弾のように子どもの心を蝕む親の無関心。

臨床心理士の視点から描か...続きを読むれたこの物語は子育て中の私には重たく、それでいて今までの子育てを振り返り反省、そしてこれからの向き合い方をあらためて考えるきっかけをくれた。


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Posted by ブクログ 2023年12月08日

少し重い話でした。
子供に対しての接しかた、親に対しての接しかた、いくら血が繋がっていたり、過ごす時間が長くても結局のところ、根本的には他人であるが故に、尊敬、尊重を続けないとどこかズレた関係性になってしまうなと感じた。

年齢、性別など関係なく、どうしたら喜んでくれるか、幸せになってくれるかを1番...続きを読むに考えることが、重要なのかと、親になる身として非常に刺さった部分があった。

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Posted by ブクログ 2023年11月29日

何が性的虐待になるのか。一般の人には知られていない、子どもの時の耐えられない心の痛みと普通にはないシチュエーション。衝撃的な殺人事件から、同時並行に二人の女性の心に秘めた過去が絡み合っていく。

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Posted by ブクログ 2023年11月17日

物語の中での環奈の成長に感激でした、、、
タイトルの「ファーストラヴ」という意味とは?
恋愛小説ではなくミステリー小説に近い話で、夫婦関係や性的虐待についても描かれていて、考えさせられる内容。

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Posted by ブクログ 2023年11月11日

なっとくできる結末だった。

その結末が気になり、途中からは
いっき読みに近い感じで読み終わった。

他人からはこれおかしいと感じることがらも
家庭という閉鎖された中では普通なこととしている
ローカルルール的なものは、少なからずあると思う。

がしかし、度が過ぎるとこういう結果に
なるよという話かな...続きを読むと感じた。

また自分自身も
子供のころ親に言われた言葉が
今でも何かの判断基準になっていることもある
と気づいた。

人間心理
むずかしい

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Posted by ブクログ 2023年10月26日

アナウンサー志望の女子大生が実の父親を殺した。
インパクトのあるあらすじに興味を惹かれこの本を手に取りました。
主人公である精神科医の由紀という第三者の視点から面会や取材を通して事件の真相、環奈の家庭環境が明らかになっていくというストーリーの進行が読者にとっても分かりやすく面白かったです。
環奈の心...続きを読むや家庭環境は、読者によって感じ方が違うのではないかと思います。そこもまたこの本の良さだと思います

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Posted by ブクログ 2024年01月18日

幼少期に親から強いられた経験や歪んだ価値観というのは子どもの中で常識としてずっと生き続け、本人も気付かぬうちにその子の精神を蝕んでいくのだと思う。
一方で、環菜が経験してきた性虐待や性行為が彼女にとってどのような意味を持つものだったのか、どれほどの精神的苦痛だったのかを想像することは同性の私でも簡単...続きを読むではなくて、改めて他人の心情を推し量ることの難しさも感じた
環菜という人物を知れば知っていくほど、人間は一面を見ただけでは決して理解することのできない、本当に複雑な生き物だと思った

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購入済み

面白かった

2021年02月20日

映画になったので原作を読んでみたくて読んでみたが思った以上にページをめくるのが楽しかった。
すごく読みやすかった。

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Posted by ブクログ 2024年04月09日

うーん、読み終わって、希望を感じる反面、何か釈然としないものも感じる。モヤモヤする。
今回のテーマのような問題、事件は解決したとしても、どうしてもその当事者に闇を残してしまう。絶対に避けたいもの。
でも、人によっては「そんなことで」や「そんなのみたくない」という言葉や態度が、相手をどん底まで引きずり...続きを読む落とすかもしれないというのは、どちらの立場でも恐ろしすぎる。
できるだけ言葉や態度をきれいに心がけるというのは、大切だなと思った。その方がポジティブだし。

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Posted by ブクログ 2024年03月20日

恋愛小説と思って購入したら、全然違った。

心に闇を抱えた1人の女性が犯したとされる殺人事件を通して、真実を手繰り寄せる話と並行して、由紀と迦葉の話が縦軸になって展開してて、面白かった。

気付いたら1日で読み終わっていた。

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Posted by ブクログ 2024年03月10日

島本理生は恋愛小説の名手だと思っていただけに、性虐待をテーマに挙げた社会派な本作は、今まで読んだものとは少しテイストが違うように感じられた。

話のメインは、臨床心理士の真壁由紀が、父親を殺害した容疑で逮捕された女子大生・環菜と面会を重ね、これまでの生い立ちを紐解いていき、殺害動機を探るところにある...続きを読むが、それと並行して由紀自身の過去や弁護士の迦葉との関係性が少しずつ明らかになって行くところも読み応えがあった。直木賞を受賞したのも頷けるような見事な筆致だった。

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Posted by ブクログ 2024年03月03日

愛されて育つこと、子にとってどれだけ大事なのかを教えてくれる小説。心が幼い時に、無理やり大人になった心は、いずれ爆発するのだろう。トラウマを緩和していくことができるのも人。本人も加害者も気付いていない心の闇。寄り添うなんて難しいけれど、知ることはできるから。

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Posted by ブクログ 2024年02月08日

久しぶりの島本理生さん。
暗中模索の様なジリジリと痺れが切れそうな構成で、途中何度かリタイアしかけた。また場面切替に戸惑う箇所も複数あってしんどかった。

父親殺しの被告人である環菜と
臨床心理士の由紀
2人の主人公其々の過去と、抱えているトラウマが次第に明らかになって来る。

環菜については、幼い...続きを読む頃から事件に至るまで彼女の中に内在していった問題が、詳細な叙述で徐々に見えて来る一方、由紀については正直なところ漠然としたままだった。
法廷での論説シーンでも、随所に由紀の目線で読者を誘導している感じが垣間みえ苦手に感じた。

唯一の救いは、由紀の夫である我聞の人柄だった。
でも我聞が深い愛情で由紀を守って来たのに対して、秘密を何年も隠し続けた由紀には、最初から最後まであまり共感出来なかった。

『ファーストラヴ』
そのタイトルの意味も含めてメッセージ性が非常に強い作品だった。
読後も読み終わった!という達成感はなく、読者に問いかけ解釈を委ねているのだと思う。

扱うテーマが重いだけに慎重にならざるを得ないが、私は品のいいラストの纏まり方まで、解釈がなかなか追いつかなかった。
それよりも自分の言葉で語られなかった環菜母や迦葉の闇は、もっと深いんだろうなぁと陰鬱な気持ちになってしまった。
一方で、こういう問題が認知されていないものも含めて、実は物凄く多いのかもしれないと改めて考えさせられた。

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Posted by ブクログ 2024年02月01日

「動機はあなたがたが見つけてください」
このフレーズに惹かれて読み始めた。

父親を刺してしまった少女、環奈が自分のことを聞かれているのにうまく答えられない、周りのこと全てに対して自負の責任と言うシーンに共感した。
自他の境界線がないのだろう。それは周りが環奈に干渉しすぎているから。

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Posted by ブクログ 2023年11月12日

島本理生といえば恋愛小説のイメージがあったので「なぜ娘は父を殺さねばならなかったのか」という帯が気になって読んだ。主軸は事件の解明だが、主人公やその周りの人たち、そして容疑者の彼女とその周りの人たち、といった島本理生ならではの描写で関係性や恋愛、歪んだ嗜好、暗い過去が浮き彫りになり、最後まで引き込ま...続きを読むれた。

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Posted by ブクログ 2023年11月09日

ミステリー×島本理生は、これまで読んできたミステリーと違う感情移入の仕方が起こる。
一癖二癖ある登場人物、愛恋とひとくくりに出来ない感情、他人と自分の意識の差。これらが重なり合ったミステリー。

友人がこの本を面白い!っと絶賛していたが、きっと私と違う視点から【面白い】を抽出しているんだなあと改めて...続きを読む感じた。(本から得た学び)

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Posted by ブクログ 2023年10月24日

割りと時間をとられずに読めるけど、微妙なスッキリしない読後感もある。そういう意味からも、年に1冊くらいこんな作品を読むのも悪くないです。

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Posted by ブクログ 2023年10月19日

「動機はそちらで探してください」というあらすじに興味惹かれて購入、さくさく読めた
親からの愛を男性に求めるけど、男性からは純粋な愛ではなく性的な目を向けられるの悲しいな、小さな子供なのに
我聞さんかっこいい

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