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Posted by ブクログ
ねえこんな苦しいことある…??
軽い気持ちで読み始めたら、吐きそうなくらいしんどくて、私の2023年しんどい恋愛小説大賞ぶっちぎりの第一位です。
〈私〉と〈あなた〉のおはなし。
一緒に暮らす恋人がいる〈私〉と、奥さんがいる〈あなた〉のおはなし。それだけ。
登場人物はたくさん、母や父や職場の同僚やそれこそお互いのパートナーも出てくるけれど、みんな「その他の登場人物たち」だった。
ただ、〈私〉と〈あなた〉の恋のおはなし。
自分勝手でまっすぐでどうしようもない恋のお話。
ぼんやり霞のかかったような比喩表現にぎゅっと胸を掴まれて、また苦しくなる。
これは読むタイミング、精神状態を選ぶ作品だと思う。とりあえず、今日でよかった。
またいつか、読みたい。
*
”求められなければ気が休まらないくせに、いったん始まってしまうと、あとはもうおびえを抱いて朦朧としながら早く終わることばかり考えている、セックスという行為そのものはいつだって不透明で、ただその前後にある意味ばかりを必要としていた、それを打ち砕いたのはあなただった。”p5
”馬鹿らしいと思われるだろうし、子供だと呆れられるかもしれないけど、私はたとえ殴られたって、そばにいてほしい。それ以外に何も望まない。あなたを縛ることは、私にはできないから”p49
”帰りの新幹線の中で、また忙しさの周辺に先の見えない不安ばかりが覆う日常に戻るのかと思ったら気が遠くなり、私はまるで学校に行きたくない子供のように泣き続けて、あなたを困らせた。薬指にしかはまらない指輪は目立ちすぎて、きっと出番がないだろうと思った。”p126
“痛い、苦しい、淋しい、そのぜんぶを正当化できない息苦しさ。巨大な罪悪感を持ちきれなくて、あなたを責めた。自業自得だと思うほど飛び出す言葉は容赦なく、自分の内側から噴き出した毒がまわって病んでいく。”p132
Posted by ブクログ
なるほど低評価になっても仕方ない、万人受けするタイプの作品ではない。わたしには合ってた。おもしろかった。話の流れとしてはありがちかもしれないけど、ひとつひとつの紡がれる言葉が美しかった。
主人公の視点で繰り広げられる、「わたし」と「あなた」の苦しい恋愛。
西加奈子さんの解説を読んでとてもしっくり来たけど、主役であるはずの「わたし」と「あなた」の輪郭は常にぼやけていて、その他の登場人物のほうが線が濃い。でも、それこそが恋というものなんだろうなと思う。相手のことを考えて考えて、相手の存在があって初めて自分があるような、そういうものが本気の恋なのかもしれない。
だからこそ、恋が終わりを告げると途端に冷静にまわりを見れるようになる。
主人公の恋は常に苦しいけど、傍から見たらこういう女性は俗に言うメンヘラだ。自分とは考え方が違うけれど、どういう心理で恋愛をして、不安定な言動を取ってしまうのかが少しわかった。
とても似たような経験をしていた友人がいて、ずっと理解ができないと思っていたけど、恐らく本人も自分の考えていることをわかっていなかったんだろうな。だからこそ不安定だし、何より自分の中における自分の位置が低い。
どうしようもないけど、みんな幸せになって欲しいと祈るしかない。
Posted by ブクログ
家族に恵まれず、愛着形成がなされないまま大人になってしまった「私」。自分の手首を切り、自分を大切にしてくれない相手と付き合う。交際相手も脆いところを持ち、共依存しているような関係に。
愛してくれなかった母親はお金の無心をしてくるし、義理の父親は意識がない状態、交際相手は盗難を繰り返す。
そんな「私」がよりどころとした「あなた」。
だいぶ年上で、婚約者もいる。
それでも愛し合ってしまった...
という内容を考えると小説としてはありそうだなーという種類のものだけど、この小説はとにかく描写がすばらしい。
綺麗で透明な文章。ドロドロしてるのに清潔感さえ感じる。
最初の1ページから引き込まれてしまった。
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小説・文芸
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