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Posted by ブクログ
本棚にいて欲しい本が、また一冊増えた。
なんとも言えぬ空気感が、ただそこにあるふたりの温度感が、ひたすらに心地良い一冊だった。
劇的な"なにか"があるわけではない、けれど、すごく心が揺さぶられる瞬間が何度もあった。
春夏秋冬、四季ごとに一度会うだけの、一緒に旅をするだけの人。
普通、ではない、でもお互いにとっての普通が、普遍が、希望が、切望が、静かに流れていた気がする。
『ふたりの窓の外』というように、窓の外に見つめる物が、情景が、だんだんと少しずつ近づいていく様子が、丁寧に描かれているのが嬉しくも歯痒く、もどかしく美しい。
これからきっと、四季だったものが月になり日になり、一生になっていくんだろうふたりが、ページを進めるたびに愛おしくなった。
Posted by ブクログ
火葬場の喫煙所で偶然に出会った2人。
稀有な出会いから、季節ごとに1回の旅を経て、2人の関係性が少しずつ変化していく様子をゆっくりと追っていくお話です。
四季折々の風景や、2人の間に流れる穏やかで静かな時間の描写がきれいで、作品全体に漂う詩的でエモーショナルな雰囲気が個人的にとても好きでした。
作中随所に出てくる、「旅」や「時間」についての捉え方も素敵。
"いつもいる場所を離れたらもう旅なんだから、あとはなにもしなくてもいいんですよ"
"物語が時間の単位になることを、私はあの旅で初めて知った"
日常を離れて、静かな場所で特に予定を決めずに過ごす、そんな2人の旅に読みながらとても癒されました。
最終章で鳴宮さんが話す「もし雪に生まれ変わるとしたら」のエピソード、それを踏まえてのラストもなんとも印象的かつロマンチック。
クライマックスでの藤間さんの大胆な行動には驚きましたが、ハッピーエンドで良かったです。
ちなみに鳴宮さんと藤間さんの2人は、放送中のドラマの岡山天音さんと北香耶さんで想像したら自分の中で結構しっくりきていい感じでした。
SNSでたまたま知った作品でしたが、読んでみて、出会えてよかったなと思えた1冊でした。
深沢仁さん他の作品もまた読んでみたいです。
Posted by ブクログ
SNSで見掛けて気になり、手に取った作品。
装画もすごく好きで、今の時期に読むのにぴったりだと思った。
火葬場で出会い、ひょんなことから春夏秋冬…季節ごとに一度だけ一緒に旅をすることになった男女の一年間を描いた物語。
年齢を重ねてきたからなのか、恋愛小説で好きな作品に出会うことが減ってきたように思っていて…
でもこの作品はとても好きだった!
喪失を抱え、自分の人生なのにどこか投げやり。
そんな2人が一緒に旅をすることで、自分自身に対して、相手に対して、気持ちに変化が表れていく。
この関係を何と呼べばいいのか?
また次はあるのか?
一緒に過ごした季節を重ねるごとに、変わっていく2人の空気感や距離感…
近いようで遠く、もどかしい。
けれど、一年を通してゆっくりゆっくり育まれていく想い、関係がなんとも尊い…!
心理描写はもちろん、風景描写も素晴らしく、私も2人と旅をした気分になれた。
春のネモフィラ、夏の緑色の山々と紺色の海、秋のダムと紅葉、冬の雪…
私も季節を感じながら、あてのない旅をしてみたい。
読後、装画を見て思い出してはニヤリ。
キュンとしたい方、おすすめです♡
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小説・文芸
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