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三人は同じ日に出会い、恋に落ちた。俺は彼女に。彼女はあの男に。そして、あの男が恋をした相手は俺だった。なぜ俺なのか、とあの男に訊いてみた。健やかな馬鹿がタイプなのだという。それって悪口じゃないのか? それはともかく俺たちの一方通行の三角関係は、しかしそれほど時間を置くこともなく、べつのものへと姿を変えていった(「明日世界は終わらない」)。せつなかったり、さびしかったり、困ったりしている愛すべき人たちが、右往左往しながら新しい関係を築いてゆく珠玉の六編を収録する。新作を発表するごとに注目度が高まる俊英による、軽やかでメランコリックな作品集。/【目次】なにも傷つけないように、おやすみ/明日世界は終わらない/不自由な大人たち/家族の事情/砂が落ちきる/単行本版あとがき/【文庫版ボーナス・トラック】そしてゆっくりと眠る
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Posted by ブクログ
読み終わるのが惜しいと感じるほど素敵な小説だった。シリアスとユーモアの塩梅がすごく上手で、切ない話なのに重く感じず読後良い余韻が残った。
特に印象が強かったのは『明日世界は終わらない』
三角関係なのに、全員が大事な存在で、明るいのに切ない。「あの夜から昨日の夜までの全てが、すっぽり箱に入って自分の真ん中に閉まわれた」という物語の締めくくりの表現が好き。
『明日世界は終わらない』『砂がおちきる』この2つはタイトルのセンスも逸材だった。
『深沢仁』という名前から最初は男性作家と思っていたが、作品を読むうちに絶対女性だと思い調べたらビンゴ。
人物作りが上手くて、表現が繊細で綺麗な深沢仁さんが書く話がもっと読みたい。
次回作が出るのを期待して待ちます。
Posted by ブクログ
本編5話に文庫版ボーナストラック1話を加えた、6編からなる作品集です。
友情や恋愛といった既存の言葉だけではいい表せないような、脆くも尊い関係性が描かれており、読み終えた後はなんとも形容しがたい不思議な感情に包まれました。
非常に読みやすく、一気に物語の世界へ惹き込まれてしまいます。
タイトルにある通り、全編を通して「夜」が舞台となっています。友人や恋人と楽しく騒ぎながら過ごす夜もあれば、たったひとりで寂しさに震えながら更けるのを待つ夜もある。作品を通じて、人それぞれの多様な「夜の過ごし方」をそっと垣間見ているような感覚になりました。
決してすべてが分かりやすいハッピーエンドではありません。しかし、不器用ながらも必死に自分の答えを見つけようともがいている登場人物たちの姿を、静かに応援してくれるような優しさに満ちています。
まさに眠れない夜に読みたくなる一冊でした。
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小説・文芸
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