ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
5pt
あの日、風が吹かなければ、私は生まれてこなかった――。藤下歩実は母の奈津実とともに遺影専門の写真館・鏡影館を訪れた。病を抱えた母の撮影のために。そこに飾られた一枚の写真を目にして、母はひどく動揺した様子を見せる。小学五年生の男子二人組、入院中の高齢女性。川沿いの町に暮らす人々が発した幾重もの嘘が、思いもよらぬ場所へと流れ込み……。奇跡の本当の意味を知るミステリ。(解説・香山二三郎)
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
雷神を読んで、この作者の別作品も気になったので手に取りました。 雷神同様に、本書も読んでいてその情景を読者が想像しやすい作品です。とくに登場人物の息遣いが伝わってくる……というか、過剰な心理描写もないのでとても読みやすい一冊でした。 中身については風吹けば桶屋が儲かるというかバタフライエフェクトと...続きを読むいうか……。 ここに自分が存在する理由って、いろんな事象が重なっている結果なのだなと思わせられます。 そして終盤の伏線回収といいますか、答え合わせは美しいですね。ああなるほどな……と感じるばかりです。 良い作者見つけました、自分を褒めたい笑
めぐりあわせ あれがあったら、これがなかったら 考えてしまう でも過去違う選択をしていたら今の自分はきっといない 今生きてるんだから生きるしかない
「龍神の雨」「雷神」と合わせて神三部作と呼ばれている作品。だけど、中身の繋がりは特に無く、ただ神という文字が付く作品ってだけ。 中身は連作小説で、中身はどの話も"遺影専門の写真屋"にまつわる話。で、この遺影専門の写真屋さんっていうのが個人的にすごい好きな設定で、そのお店はその名...続きを読むの通り、利用者は生前に自身の遺影を撮りに来るわけやけど、撮影後大体どの人も最後の二枚でどちらにするか迷うんだとか。その時にお店から「もし迷われているようでしたらこちらがお決めいたしましょうか?」って提案して、選ばれなかった方をお店に並ばせてもらうんよ。だからお店は色んな方の遺影候補だった写真が並んでるわけやけど、物語の登場人物がその並んで遺影を見て「…この人は」みたいな感じで話に入ったりして、もうその感じがめっちゃくちゃ好きやった。 で、三篇+エピローグが収録されてるんやけど、話の繋がり方がすごい!もうお見事!そこも繋がるのね!って感じで、繋がりすぎてもうややこしく感じたところもあった!繋げすぎ!あほか! ほんで、最初の話「心中花」にめちゃくちゃロマンティックで素敵なところがあったんよね。別に「ほらっこれっロマンティックやろー?」って感じで書いてるわけではなくて、結構サラッと書かれてるんやけど、もう個人的に「キャー」って枕に顔をうずめながら足をバタバタさせたくなった。おじさんやけど。 ただ、話の中で「風はどこから吹くのか。風が吹く最初には何があるのか」みたいな疑問を解説するところがあるんやけど、そこがマジで意味わからんかった!意味わからんかったから是非読んでみて欲しい!意味わからんから!
どこかひとつでも縁が繋がらなければ、 生まれてこなかった。 良い縁も悪縁もひっくるめて、 出会いの連続と連鎖、様々な要素が重なり合って、 奇跡的に生まれてくる。 ひとつの命が生まれる奇跡。 ホラーではなく、命の物語。 道尾秀介作品の幅広さと人の温かさを感じました。
道尾秀介の長篇ミステリ作品『風神の手』を読みました。 『いけない』に続き、道尾秀介の作品です。 -----story------------- 遺影専門の写真館・鏡影館。 そこに飾られた一枚の写真が、絡まり合った嘘と誤解を解きほぐす。 幾重もの?が奇跡へと鮮やかに変貌する超絶技巧ミステリ。 あの...続きを読む日、風が吹かなければ、私は生まれてこなかった――。 藤下歩実は母の奈津実とともに遺影専門の写真館・鏡影館を訪れた。 病を抱えた母の撮影のために。 そこに飾られた一枚の写真を目にして、奈津実はひどく動揺した様子を見せる。 小学五年生の男子二人組、入院中の高齢女性。 川沿いの町に暮らす人々の幾重もの?が、思いもよらぬ場所へと流れ込み……。 奇跡の本当の意味を知るミステリ。 ----------------------- 2014年(平成26年)から2017年(平成29年)にかけて『朝日新聞夕刊』や朝日新聞出版が発行する季刊小説誌『小説トリッパー』に掲載された作品を収録して2018年(平成30年)に刊行された作品……神シリーズとか神三部作と呼ばれているシリーズの第2作、本シリーズは7年以上前に読んだ第1作の『龍神の雨』以来なので久し振りですね。 ■第一章 心中花 ■第二章 口笛鳥 ■第三章 無常風 ■エピローグ 待宵月 ■解説 香山二三郎 彼/彼女らの人生は重なり、つながる……隠された“因果律(めぐりあわせ)”の鍵を握るのは、一体誰なのか、、、 遺影専門の写真館「鏡影館」、その街を舞台に、男子小学生から死を目前に控えた老女まで、様々な人物たちの人生が交差していく……数十年にわたる歳月をミステリに結晶化する、技巧と世界観。 朝日新聞連載の「口笛鳥」を含む、道尾秀介にしか描けない、その集大成といえる傑作長編小説……読み進めるごとに出来事の〈意味〉が反転しながらつながっていき、数十年の歳月が流れていく、、、 ささいな嘘が、女子高校生と若き漁師の運命を変える――『心中花』 まめ&でっかち、小学5年生の2人が遭遇した“事件”――『口笛鳥』 自らの死を前に、彼女は許されざる“罪”を打ち明ける――『無常風』 各章の登場人物たちが運命にいざなわれて一堂に集う――『待宵月』 道尾秀介にしか描けない世界観の傑作ミステリ。 松明の火で鮎を網に追い込む火振り漁が有名な海辺の町……西取川を境にした、上上町(かみあげちょう)と下上町(しもあげちょう)を舞台に、遺影専門の写真館・鏡影館を訪れた人々の数奇な運命を綴った物語でした、、、 『第一章 心中花』では、漁師の父がケガを負い、跡を継ぐために帰ってきた青年・崎村源人と、高校生の中江間奈津実の切ない恋、奈津実の経営する中江間建設がある事件をきっかけに倒産し、一家が町を去るまでが描かれ、 『第二章 口笛鳥』では、小柄なまめ(茂下駄昴)と転校してきた大柄のでっかち(佐々原學)がカメラ店の万引き事件をきっかけに知り合い、子どもらしく他愛のない法螺話をしながら友情を深め、ささやかな冒険を繰り広げ、 『第三章 無常風』では、、崎村源人の息子・源哉と奈津実の娘・藤下歩美、そして中江間建設倒産後、護岸工事を引き継いだ野方建設社長・野方逸子が登場することで、新たな事実が判明、 『エピローグ 待宵月』では、物語を通じた謎が解き明かされ、全ての伏線が回収される……そんな展開でしたね。 物語を通じて"嘘"が重要な役割を果たしており、嘘や偶然といった日常の齟齬から生み出される悲喜劇が巧く描かれていたと思いました……幾多の嘘が見たこともない奇跡を呼び起こす物語でしたね、、、 物語のワンシーン、ワンシーンに、懐かしい気持ちを感じながら読めたことが印象的でした……切ない恋心や子ども同士のわたいのない嘘 等、自分にも心当たりがあって、登場人物に感情移入しながら読めたからなんでしょうね。 悲しい過去をもつ人々が数奇な巡り合わせに翻弄される物語……愉しめました。
風神とか雷神、鬼とかいう題名に、弱いのです。 手にとって、読んでみたくなる、キーワードのようです。 はじめから、遺影専門の写真館という、不可思議な場所があることで、物語にグイッと引きこまれます。 けれど、その後しばらくは、女子高校生の、夏休みの何気ない、ちょっと甘酸っぱいドキドキの話が続いて、安...続きを読む心してしまうのです。 物語は、ダレかが投げた小石のように、はじめはただゆっくりと飛びはじめ、だんだんと風を集めてぐんぐんスピードをあげ、最後にストンと落ちていきます。 第一章を読んで、なんとなく話が上手くまとまって終わったので、第二章はべつの話かと思ったくらいなのです。 第二章から第三章へと、謎を追う加速度が増していきます。 謎が、広がっているようでもあり、ある一点に向かっているようでもあり。 偶然が絡まりあった結果のできごとは、最終的にそれぞれの人生に影響をあたえたという事なのか。 ミステリーかもしれないけれど、殺人や刑事事件の謎を解くわけではない。人が生きていたら、もしかしたらあるかもしれないような、偶然の重なりあいをときあかす、そんな話です。 少しだけ、そこまでの偶然は、あるものなの?と思わないでもないのです。 第二章の話、嘘をつくことがどういった事なのかを考えさせる内容で、そこだけでも十分という気がすることを考えると。 ここまで積みかさねる必要があったのか? 風神を題名にするのは、少しムリがあるのではないか? と、思うこともあるのですが、きっと、コレはコレで良いのでしょうね。
人が殺されるだけがミステリーではない。 様々な伏線が回収されていく爽快感。 ミステリーだけど嫌な気持ちが一切生まれない良きミステリー。 道尾秀介ならではの語彙力にも圧巻する。 西取川が流れる町を舞台に、様々な嘘が絡み合い、謎が生まれては謎が解ける。 短編集となってるが、登場人物が複雑に絡み合い、何...続きを読む度も出てくる人物や少しわからない出来事も最後には綺麗に回収されていく。 もはや美しいといいようがない。 恥ずかしながら読みながら笑ってしまってる自分がいた。 人と人ってほんの僅かなすれ違いや出会いで決まっていくんだろうな。 誰かがこうしなければ、こうならなかった。 そして私は存在しなかった。 常日頃感じてることをこの本が体現してくれた。 もし過去の過ちがあれば、この考えをすれば後悔だけではなく、少しは前向きになれるんじゃないかな。
普段なにげなく生きている毎日でもめぐりあわせってものが存在していて、ある意味その1分1秒に人生を左右されながら生きてるんだなと思いました。
人生は色々な運と縁と偶然から出来てるな〜と改めて思った。読み進めていくうちに、色んなところで繋がりがあって、段々と伏線を回収していくところが良かった。
残ページが少なくなってくるほどに読む手が止まらなくなってきた。段々回収されていくのが気持ちよかった。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
風神の手(新潮文庫)
新刊情報をお知らせします。
道尾秀介
フォロー機能について
「新潮文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
I
いけない
向日葵の咲かない夏
背の眼(上)[新装版]
N
背の眼 (1)
カラスの親指 by rule of CROW’s thumb
「カラスの親指」シリーズ 合本版
「道尾秀介」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲風神の手(新潮文庫) ページトップヘ