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少年が解き明かそうとする姉の秘密、曼珠沙華が物語る夫の過去、製鏡所の娘が願う亡き人との再会……。「大切なものが喪われた、もう一つの世界」を生きる人々。それぞれの世界がやがて繋がり合い、強く美しい光で、彼らと読者を包み込む。生きることの真実を鮮やかに描き出すことに成功した、今までにない物語の形。ベストセラー『光媒の花』に連なり、著者の新しい挑戦が輝く連作小説。
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Posted by ブクログ
この本全体が一本の大きな木のように思えた。あちこちに伸びていく枝葉のように、物語は違った方向へ進んでいく。 最後はたくさんの物語と思いを乗せながら一本の木として光に向かって伸びていく様を思わせた。
『光媒の花』と同じくリンクしていく連作短編集。各章共通する登場人物達なのだけれど、全く違う道を歩んでいるお話。生と死と、昏く重みある先に、光を見出すような最終章のまとめかたが相変わらず凄い。 あの時ああしていれば、そんな生きていく上で思わずにはいられない幾つもの「もしも」。分岐の世界の中にも更なる「...続きを読むもしも」に捉えられていく。 最終章に到達するまでとんでもなく各章、やりきれない思いが胸を打つ。苦しく、悲しく、後悔と絶望、罪として責めるほどの喪失。 この思わず頭を抱え唸りたくなるような悲劇の書かれ方が道尾先生作品だーっとなる。そこにきちんと温かさも存在する。でも重い。でも一筋の光がある。まるっとスッキリではない、これからどうなっていくのだろうと考えてしまう締めが何とも言語化難しい余韻に浸されます。 やっぱり大好きな作家さん。全作読みたい。
あの行動をとらなければ、あの時ほんの少し違ったら、別の世界になる。 これは家族を失う喪失の物語だ。 だが次の章になると家族の中の生者と死者が入れ替わり、残された家族の人生が全く違ったものになる。その時、家族の別の一面が明らかになる。 そしてある家族の喪失の物語が別の家族の物語へと繋がっていく。 なん...続きを読むて哀しくて不思議な物語だろう。 中表紙にある挿し絵のように、一輪の百合を角度を変えた鏡で写していくと、少しづつ違った百合の姿を写しながら無限に広がっていく。目眩を感じる世界。幻想的で怖く、美しい。
【花シリーズ2】 「光媒の花」と強い繋がりはない…世界観が似ている。6話の連作短篇集、そしてパラレルワールドのプロットが秀逸! どの話も近しい人の死にまつわる。 残された家族にいつまでもまとわりつく「なぜ?」と「後悔」…ああしておけば、言葉にすれば——。 花鳥風月も物語に絡み美しく切ない。 3...続きを読む話『きえない花の声』、4話『たゆたう海の月』が特に胸に迫り哀しい。 パラレルワールドにホッとする気持ちが救いとなってくれる。 《洗ったような月》《名前のわからない鳥が鳴いている。土の匂いがする》文章が好きなんだよね、たまらなく♡
面白かった。4.5くらいかなぁ 読書YouTuberがおすすめしていたので読んでみました。 短編集で、1章でなくなってた人物が、第2章では死ぬきっかけとなった事象を回避して生き残っ手いたならばというパラレルワールドのような世界観で各章進んていく 事前のあらすじ説明を知らずに読んでたらたぶん混乱して...続きを読むただろう(笑) 人は誰でもあの時こうすればよかった、そうしなきゃよかったという行動が誰しもあるかと思う、それが家族を失う行動であったら尚更である。 ある章では病気や事故等によりその人物はなくなっている話で展開されているが、次の章ではその人物がその危機を脱して生きていたならば?という話で物語が進んでいく。 あのときの行動をとらずにいたならば大切な人を守れたかもという自責にかられあのとき戻れるならと思う登場人物もいるが、 「逆に大切な家族はなくすものの、悲しみを乗り越え、新しい人との出会いも当然あると思う。 その人たちとの新たな関係や思い出が構築されていけばいくほど、この人達との関係をすべてなくしてまであの瞬間に戻ろうとは思わない この人達を忘れたくはないという」描写もあり 色々考えさせられる作品だった。
光媒の花と同じように、それぞれの短編 がパラレル的な繋がりを持つ構成。 同じキャラクターが、違う形で現れたり と混乱気味だったが、ラストを読むこと で、この本の主張が分かったような気が した。 花シリーズでは、光媒の方が読みやすい と感じた。
いわゆる連作短編の構成なのだけど、それぞれの短編の関係性はかなり不思議です。こっちの短編では生きていた人が、次の短編に行くと死んでいたり、逆に死んでいたはずの人が、違う短編では生きて成長している姿を見せたり。 それぞれの短編を単独で見ても、あるいは連作長編として見ても、道尾さんらしさを感じます。ミ...続きを読むステリ的な仕掛けから明らかになる真実は、喪われた人に対する罪悪感であったり、哀しみであったりと少しほろ苦く、寂しさや切なさの残るもの。 ただ一流の作家さんの場合は、こうした感覚が味わい深くもあります。そして道尾さんも自分の中ではそんな作家さんの一人。言っていることは矛盾しているかも知れませんが各短編の結末は、寂寥感が穏やかに心に根を下ろすような、不思議な感覚を覚えます。 各短編、登場人物は同一人物なのに、生者と死者が入れ替わることで、一種のパラレルワールドのように様々な展開が生まれます。それによって見えてくるのは、前の短編では語られなかった登場人物の側面と、生者としての思い。 まるで、一見同じ姿なのに、実はあべこべに物事を映している鏡のように、話はつながっていきます。一応短編集の最終話で、鏡と物語の関連について言及らしきことがされるのですが、個人的にはこの本一冊が、道尾さんの技巧によって鏡の世界に変えられ、読者である自分はそれぞれの鏡写しのような物語世界を、一編、一編辿っているような感覚を覚えました。 大切な者の喪失を、ミステリの技法と繊細な文章力、そして鏡のような世界で表現した道尾さん。そして、それを包み込む最終話。様々な喪失と、それにともなう人の思いの揺れを読んできたからこそ、最終話の展開、そして最後に待つ光景の美しさはより心に刻まれます。 道尾さんの小説家としての技巧と文章力が合わさって生まれた、少し不思議で少し寂しくて切ない、そして美しい作品でした。
パラレルワールド系はあまり得意ではないけれど、 これは連作短編集なので読みやすかった。 あのときこうしていれば…、人の死は変えることができたのだろうか? ”たられば”は語ると止めどないが、残された者にとっては死を受け入れるための必要な行為なのかもしれない。 「光媒の花」と姉妹作と言われているが、内容...続きを読むは別人格で雰囲気姉妹という感じ。
おもしろかった。 6章からなる短編集だが、連作になっている。 6章全体で一つの長編とも受け止められる。 第1章を読むと普通の文芸作品であるが、2章の冒頭で多少混乱する。 3章で作者の意図が見えてくる。 6章でなんとも言えない、じんわりとしてくるといった感じである。 ファンタジーとも言えるしそうで...続きを読むないとも、 SFとも言えるしそうでないとも 普通の文芸作とも言えるしそうでないとも いろいろ受け止められる不思議な構成になっている。 解説を見るのは最後にしたほうがいいと思います。
短編なのにパラレルだったり、脇役と主人公のリンクだったり読んでて話が凄い広がる。 身近な人と死に対する救いなんて何一つないし、生きててもうまくいかない事ばかりなリアルさ
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道尾秀介
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