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Posted by ブクログ
『N』に続いて読んだ道尾秀介さんの作品。読み始めはサスペンス色が強く、どこか不穏で緊張感のある物語が続くのだが、読み進めるほどに、それぞれ独立しているように見えた人生が少しずつつながっていく。その構成が本当に見事だった。
特に印象的だったのは、登場人物たちが意図せず誰かの人生の「媒介者」になっていること。ある人物の何気ない行動や出会いが、別の人物の人生に影響を与え、それがまた次の物語へと受け渡されていく。読み終えて振り返ると、すべての人生が静かに連鎖していたことに気づかされる。
前半のサスペンスから、後半に向かうにつれて人間の優しさや温かさが浮かび上がり、最後の「遠い光」では、まさにタイトル通りの光を感じた。この着地がとても好き。
『N』の大胆な仕掛けも面白かったが、個人的にはこちらのほうが好み。『向日葵の咲かない夏』のような大どんでん返しを描ける作家が、こんなにも丁寧に一人ひとりの人生を紡げることに、ただただ感服。道尾秀介さん、人間を描くのが本当にうまい。
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