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中島さおりは“影”に憑依された幼児に襲いかかられる。堀江果歩のマンガには、描いた覚えがない黒髪の女が現れる。中村悟堂が移り住んだ西暁町の家の屋根裏部屋には、闇の穴が黒々と開いている。「俺は君を食べるし、今も食べてるよ」。真っ暗坊主――それはあなたの眼前にもきっと現れる。日常を浸食する魔、そして狂気。作家・舞城王太郎の集大成、恐ろしくて、切ない、傑作ホラー長篇。
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Posted by ブクログ
どうしてなのか自分でもよく分からないけど、読み終わった後しばらく心に居座り続ける本がある。これもそうだった。 話は3つに分かれていて、それぞれの主人公を見守る『何か(もしくは誰か)』が物語を語る珍しい二人称の小説。 色々な解釈の仕方があるだろう。こういう不思議な掴みどころのない話は。 『これはこ...続きを読むうだからこうなのだ』というほとんどの人が辿り着くような明確な結論はなく、悪意の近くに吸い寄せられるように現れるブラックホールのようなものの正体も、そしてその空間をいったりきたりする裸の男が誰なのかも分からない。 文章なのにそれらはわたしの頭の中でビジョンとして居座り続けるから、ついついそのことについて考え続けてしまう。 自分のやりたい道を迷わずに、ずんずん進んでいく人の物語を読むのは、とっても気持ちのいいもんだ。例えそれが、ところどころ身震いするような恐ろしい話だったとしても。
twitter文学賞受賞作ってことで。舞城作品は、だいぶ前に『煙か~』を読んで以来。それなりに楽しめたものの、読書巧者がこぞって誉めそやすほどには入れ込むことが出来ず、数作品買ってはみたものの、どうにも手が伸びず、今まで距離を置いてきてしまっていた。自分も読書キャリアを経てきたし、作者もどんどん円熟...続きを読む度を増しきてるだろうし、っていう風に双方の良い条件が重なったおかげもあってか、本作は上記作品よりも遥かに楽しめました。内容は、珍しい(そして難しいであろう)二人称で描かれる、中編×3編から成るもの。各主人公の背後霊的な”淵の王”目線で、ちょっとホラー寄りの物語が語られる。登場人物の造形やら、ホラーの味付けやらがそれぞれに絶妙で、あまり長くない作品の中に、それぞれの人生が濃縮されてつまっているのも良い。俄然、彼の他作品にも興味が沸いてきました。
名前のない二人称は主人公を愛し、慈しみ、彼らの魔と悪への対峙を見守る。二人称のその無力さが、読む者が必然的にもつ無力さとシンクロするため、読後に不思議な余韻を残すのだと思う。 ストーリーにわかりやすい対立構造をもつ「さおり」と、インパクトのある強敵と格闘する「悟堂」に比べて、「果歩」には明確に対立す...続きを読むる敵や実体化した敵が登場しない。広瀬や絵の少女がそうかというと違う気がする。強いて言えば自分自身の意識下にある何か、または健全な外観からは見えない悪なるものである。それに気づかない者は、恐らく生涯気づかない。また気づいたときには「怖いことを考えることそのものが、悪い影響を持つ」というテーゼのもと、すでに手遅れになっているのである。 つまり「深夜百太郎」を完成させた舞城は、もういろいろと手遅れなのかもしれない。でもきっと、「果歩」のラストで二人称が消えかけたときのような執念をもって復讐のチャンスをうかがっている。
どう評価すべきか迷う小説はだいたい良い小説だ。傑出したリーダビリティ、その速度から突如脱線する筋の奇妙さ、ロジカルな会話、などなど舞城らしさを感じずにはいられない。登場人物たちは何と闘っていたのか?僕は物語そのもの、想像力そのものだと思う。彼らを葬るのはだれか。作者か読者か、それとも。
舞城王太郎やっぱしんど〜おもいながら読んでいたけどさいごの怒涛の展開で気づいたらちょっと泣いてたしやっぱりええわ〜っていうのが読後一番の感想 ゾッとする感情も、愛も、あったよ今回も
不気味なだけでオチが! 正体ハッキリしない系オチ! 世界設定ハッキリして欲しい派だからスッキリしなかった。
『ディスコ探偵〜』に、続き舞城マイジョー作品三作目。一体これは何を読まされているのだろう?不思議な感覚だ。まず語り手が不明で、話も『ディスコ〜』並みにぶっ飛んでるし。帯の五次元突入!!は正解だと思う。
投げっぱなしで不条理だけど、読んでる間の不快感がすごい。ホラーは理屈じゃないので、ホラーとしては良作なのかもやけど、ミステリ好きにはしんどい構成‥
舞城王太郎『淵の王』新潮文庫。 おしなべて評価の高い作品なのだが、個人的にはイマイチだった。疲れる構成となかなか見えないストーリーに途中で嫌になった。
これはいち舞城ファンの感想なんですけど、舞城作品って物理攻撃に近い気がする。読んでいる間中ずっと、胸倉を掴まれてブンブン引きずり回されてる感じ。この感覚は短編であるほど強いような。 じゃあ「ホラー長編」であるところの本作はどうだったかと言うと、やはり何か恐ろしく強いものに首根っこを押さえられているよ...続きを読むうで、早い話が途中で読むのを止める事ができませんでした。 影、暗闇、真っ黒坊主――……。 突如現れる黒々とした穴が、主人公たちの日常を侵食する。 主人公?主人公かあ。うーん難しい。 3つのパートは「中島さおり」「堀江果歩」「中村悟堂」という人名を冠してはいるんだけど、それぞれの物語を語るのは名前の人物自身ではなく彼らにぴったりと寄り添う「誰か」で、でもそれは何でも知っている神様みたいな存在って訳でもなくて割と普通の人間っぽくて、だからこそその「誰か」が用いる二人称に愛を感じて切ないのです。 それはさておき、その「誰か」が次のパートにバトンタッチされて行ってるくさいので、やっぱり主人公ということでいいのかな。とにかくこの構造がすごく面白いなーと思いました。 他の作品でも繰り返し扱われる「怖い想像が悪い影響を持つ」っていうテーマも本当に怖い。生理的に怖い。でも読んじゃう。怖いもの見たさって怖いなあ。もう「怖い」しか言ってないけど。 今まで自分の中で舞城王太郎と云えば『煙か土か食い物』が一番好きだったんですけど、そのランキングがちょっと変動するかもしれない。それくらい面白かったです。
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短篇七芒星
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ID:INVADED(1) #BRAKE-BROKEN
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