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Posted by ブクログ
神秘が色濃く残る古代エジプトという舞台が面白かった。死にきれずに冥界から舞い戻った主人公が自分の殺人事件を調査するなんてこの世界観だからこそという感じで良い。死者の黄泉返りや大きくなる太陽とかファンタジー要素も強いのに、殺人事件が起きたらちゃんと取り調べ等の調査もするんだという秩序が並び立っているのも良かった。
個人的にはミステリ要素よりもこうした舞台と人間模様が興味深かった。ミステリ要素については密室の移動の謎よりも石運びで最下位になる謎の解明の方が分かりやすくなるほどなと思った。ピラミッド造りがしっかりとした公共事業だったという話は聞いている。国はきちんと報酬も出しているのに、中抜きがあったり現場責任者の横暴があったり、いざ運営されてみると国が想定していたように立ち行かないのはいつの時代も同じなのかなあという一抹の虚しさを覚えた。カリはかわいそうだったが、希望が見えるラストで良かった。犬も一昔前の作品なら主人の言っていた通りになっていただろうから、救いがあって本当に良かった。
セティの事情はそれこそフィクションあるいはファンタジーならではというところもあり、現代人の感覚では推し量れない部分も多くて何とも言い難い。ただ父親と腹を割って話せただけでも黄泉返りに意味があったと思えるのが救いだろうか。
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