海外小説作品一覧

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  • REBEL MOON パート1 : 炎の子 [1]
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    これはヒーローではない、〈反乱者(レベルズ)たち〉の物語 神話は滅びることはない、伝説の少女が世界を救う── 2023年12月22日配信開始! 『ジャスティス・リーグ』のザック・スナイダー監督! NETFLIX超大作SF映画 公式小説 2023年12月22日よりNETFLIXにて全世界一斉配信される壮大なSFファンタジー超大作「REBEL MOON  炎の子」を完全小説化。 製作・監督・脚本を務めるのは『300』『マン・オブ・スティール』『ウォッチメン』『アーミー・オブ・ザ・デッド』などで知られるザック・スナイダー監督。 同監督が数十年に亘って温めてきた企画が遂に映像化。黒澤明監督の名作『七人の侍』とジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ』を彷彿とさせる世界観に全世界が注目している。 映像では描かれきれなかった、登場人物の内面や世界観を是非〈小説版〉で体験していただきたい。 〈あらすじ〉 宇宙の最果てにある小さな星。その片隅には人々が平和に暮らす集落があった。ある日、暴君バリサリウス率いる軍隊が侵攻し、人々を恐怖のどん底に落とし込む。この危機を救える唯一の希望は、村人たちにまぎれ秘かに暮らすある女性。彼女の名はコラ──謎の異邦人である。コラは圧政に立ち向かうべく共に戦う戦士を集めるため未知なる星へ旅立つ──。そこで出会ったのは、〝悲しい過去を持つ燃え上がる剣を振るう剣士〟〝巨大な獣を手懐ける戦士〟〝絶望を胸に闘技場に立つ荒くれ将軍〟などなど、〈団結〉とは無縁のクセだらけの問題児たち。果たして彼らは、それぞれの暗い過去を払拭し、銀河の自由を勝ち取れるのか?
  • 遠い声、遠い部屋
    4.2
    新鮮な言語感覚と幻想に満ちた華麗な文体で構成された本作は、1948年に刊行されるやいなや、アメリカ中で大きな波紋を呼び起こした。父親を探してアメリカ南部の小さな町を訪れたジョエル少年の、近づきつつある大人の世界に怯え屈折する心理と、脆くもうつろいやすい感情とを描いた半自伝的なデビュー長編。
  • 無垢なる聖人
    3.0
    農園主とその労働者たちの生きる姿を圧倒的な筆致で描き出す名作! 舞台は1960年代スペイン。荘園制の残り香かおるスペイン南西エストレマドゥーラの大農園で、還暦を過ぎ、認知症を患ったアサリアスは暇を出され、義弟の家へやっかいになる。 義弟はすぐれた嗅覚をもち、主人の狩りのお供にと重宝されていたが、ある日、事故で足を骨折してしまう。義弟のかわりにアサリアスがお供をするも、いつもどおりとはいかない。 狩りの調子は振るわず、苛立った主人が怒りをぶつけた先は……
  • ブラッディ・カンザス
    -
    グルリエ、フリーマントル、シャーペンの三家族がカンザスのコー・ヴァレーにやってきたのは、1855年のことだった。それ以来、三つの一族は隣人として生活してきた。ある時は奴隷解放に抗う者たちの襲撃を受け、またある時は疫病や旱魃といった大自然の猛威にさらされながらも、大地とともに、愛憎を紡ぎながら。歳月が過ぎ、フリーマントル家の屋敷は当主を失って無人になった。シャーペン、グルリエの両家は信教をめぐって対立を続ける。そして、激動の現代において、農場を営む人々といえども、世界と無縁ではいられない。親子の断絶、男女平等、イラク戦争、マスコミ、インターネット……フリーマントル屋敷にニューヨークから新しい住人が引っ越してきたことをきっかけに、人びとの生活に巨大な波紋が起きてゆく……。V・I・ウォーショースキー・シリーズの著者が自らの故郷を舞台に、現代社会でのさまざまな問題を折りこみ、大地に生きようとする人々を重厚かつ華麗に描く野心作。
  • 天国への電話
    3.0
    イタリア人作家が、東日本大震災の喪失の傷から立ち直る人々を描く感動作! もうこの世にいない大切な人と心が通じ合えるという「風の電話」。東日本大震災で母と娘を失ったゆいは、最愛の人に話しかけるため電話ボックスを訪れるが言葉が見つからない。そこで、妻を亡くした男性と出会い、親交を深めていくが――。希望と奇跡の感動作
  • カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ
    3.6
    フランシスは作家志望の21歳の大学生。かつての恋人のボビーと共にダブリンでポエトリー・パフォーマンスを行っている。二人の才能に目をつけたジャーナリストのメリッサと親しくなるが、フランシスはメリッサの俳優の夫に惹かれていく……。BBCドラマ化決定
  • レイラの最後の10分38秒
    4.2
    1990年、トルコ。イスタンブルの路地裏にあるごみ箱の中で、娼婦が息絶えようとしていた。死後も続く10分38秒間の意識の中で、彼女は、5人の友人とひとりの最愛の人と過ごした日々を思い出す。居場所のない街の片隅でみつけた、汚れなき瞬間を映し出した物語
  • 余生と厭世
    3.5
    七十二歳の誕生日で引退することを決めた精神科医のもとに、最後の新患が現れる。希死念慮と自殺の衝動に苦しむ彼女とカウンセリングを重ねるなかで、精神科医は自らの人生と老いや死へのおそれを見つめなおす。デンマーク人心理学者が静謐な筆致で描く小説
  • イエスの学校時代
    3.3
    少年ダビードはシモンとイネスの庇護のもと、言葉を学び、友を作った。犬のボリバルも健在だ。やがて少年は七歳になり、バレエスクールへ入学する。ダンスシューズを履いた彼は、徐々に大人の世界の裏を知る――成長とは? 親とは? クッツェーの新境地!
  • 何があってもおかしくない
    4.3
    生まれ育った田舎町を離れて、都会で作家として名をなしたルーシー・バートン。17年ぶりに帰郷することになった彼女と、その周囲の人々を描いた短篇9篇を収録。卓越した短篇集に与えられるストーリー賞を受賞した、ピュリッツァー賞作家ストラウトの最新作!
  • 昏い水
    3.5
    知的で辛辣、自由を重んじ、七十代のいまも仕事のため遠方まで車を走らせるフランチェスカ、病床にあるどこか憎めない元夫、高級老人ホームで悠々自適の女友だち、恋人を突然亡くした息子が身を寄せるカナリア諸島のゲイの老カップル……。いかにも英国的なユーモアをちりばめながら、人生の終盤を生きる人々を描く長篇小説。
  • ぼくらが漁師だったころ
    4.0
    ロサンゼルス・タイムズ文学賞受賞。デビュー作にしてブッカー賞最終候補に選出された傑作長篇。ナイジェリアの小さい町に暮らす四人兄弟。厳しい父が不在の隙に兄弟は学校をさぼって魚を釣りに行く。しかし川のほとりで出会った狂人は、長男が兄弟の誰かによって殺されると予言した――九歳の少年の視点で生き生きと語られる、闇と笑いに満ちた悲劇の物語
  • 神秘大通り(上)
    3.5
    メキシコ・オアハカのゴミ捨て場育ちの作家が、雪のNYからマニラへと、古い約束を果たす旅に出た。いつしかそれが過去への旅に。娼婦にして教会の掃除婦だった母。サーカスのライオンに殺された妹。宣教師とトランスヴェスタイトの愛情深い養父母。怪しい美人母娘を道連れに、作家の感傷旅行はどこへ向かうのか。上巻。
  • ビリー・リンの永遠の一日
    3.6
    イラク戦争のさなか、一時帰国して戦意昂揚のためのショーに駆り出された兵士たち。過酷な戦場の現実と、政治やメディアの滑稽な狂騒の、その途方もない隔絶。テロや戦争の絶えない現代アメリカの姿を、若き兵士の視点から描く傑作長篇。全米批評家協会賞受賞。
  • エドワードへの手紙
    4.5
    旅客機墜落事故の唯一の生存者である12歳の少年エドワード。両親と兄を失い、生きる気力を失っていた少年の6年に及ぶ成長の日々が、事故が起きる直前の機内の状況と交互に語られる。
  • トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー
    4.6
    セイディはMITの学生。ある冬、彼女は幼い頃一緒にマリオで遊んだ仲のサムに再会する。二人はゲームを共同開発し、成功を収め一躍ゲーム界の寵児となる。だが行き違いでゲーム制作でも友情でも次第に溝が深まっていき――。本屋大賞受賞作家による最新長篇
  • 滅ぼす 上
    3.5
    謎の国際テロが多発するなか、2027年フランス大統領選が行われ、経済大臣ブリュノと秘書官ポールはテレビタレントを擁立する。社会の分断と個人の幸福。フランス発の大ベストセラー。
  • インヴェンション・オブ・サウンド
    3.9
    「全世界の人々が同時に発する悲鳴」の録音を目指すハリウッドの音響技師ミッツィ、児童ポルノサイトで行方不明の娘を探し続けるフォスター。2人の狂妄が陰謀の国アメリカに最悪の事件を起こす――『ファイト・クラブ』の著者が2020年代の世界へと捧げる爆弾
  • 場所
    4.7
    父は労働者階級出身だった。 十二歳で学校を辞めさせられてから、農場で雇われ、その後は工場に勤務、母と結婚してからは小さな町で店をもった。フランス語の綴りもままならず、ずっと知識階級に引け目を感じていた人生だった。一人娘が学校で優秀な成績を収め、特に国語に秀でていることが分かってからも、娘が図書館に行ったり、家で本を読むのを嫌がった。そんな父も、娘がエリート出身の男と結婚して孫が産まれてからは、少しずつ娘が仲間入りを果たした知識階級へのコンプレックスとうまく折り合いをつけていったが――。 フランス人女性として初めてノーベル文学賞を受賞した著者が、自分よりも上の階級に行こうとする娘へのわだかまりを抱える父を見つめる自伝的小説。1984年、ルノードー賞受賞。
  • タワー
    4.0
    674階建巨大タワー国家――。地上からの脅威が迫り、下層階を軍隊、上層階を富裕層が占める〈ビーンスターク〉の人々は、不完全で、優しい。 犬の俳優Pの謎、愛国の低所恐怖症、デモ隊vs.インド象、大陸間弾道ミサイル、テロリストの葛藤…… チョン・セラン、パク・チャヌク激賞!! 韓国SFの金字塔にして、笑いと涙の摩天楼エンタテインメントが、ついに日本上陸!
  • 「幸せの列車」に乗せられた少年
    4.1
    南部の困窮家庭の子を、一時受入れ先の北部の裕福な家庭へと連れていく列車。故郷の母への思いと新しい家族との生活で揺れ動く7歳の少年時代の物語と大人になってからの視点が心を打つ。
  • 足に敷かれた花
    -
    まだまだ重厚な小説の受けがよかった二十世紀前半において薄っぺらい登場人物たちを活躍させ、軽薄な文体を用い、ちょっぴりグロテスクでコミカルなコメディを描いた異色の作家ロナルド・ファーバンク。 代表作「足に敷かれた花」(“The Flower Beneath the Foot”)を、同じくファーバンクの世界観が魅力たっぷりに描かれた「見かけ倒しのお姫さま」(“The Artificial Princess”)とともに収録。 ファーバンクは戦前の日本で西脇順三郎や春山行夫、近藤東らによって初めて紹介され、堀辰雄、伊藤整、瀧口修造、田村泰次郎らの著作集に名前を見出すことが出来、戦後には塚本邦雄、由良君美、生田耕作、柳瀬尚紀らもファーバンクについて記し、中でも由良と柳瀬は短編を訳出するなど、かねてより国内で関心を持たれつづけた作家である。 その作風は難解でありながらも、本国においてファーバンクを追慕する作家はあとを絶たず、同時代のE・M・フォースター、アーサー・ウェイリーを始め、イヴリン・ウォー、オルダス・ハックスリーなどなど、ファーバンクを賞賛、影響を広言する英国の小説家・文筆家は多い。 【表題作「足に敷かれた花」のあらすじ】 架空の王国ピスエルガに仕えるラウラ・デ・ナジアンジは疲倦宮(つかれうみのみや)ユーセフ親王と恋仲だった。宮中ではさまざまな悪謀が渦巻き、ゴシップが囁かれる。そこにユーセフとエルジー姫の結婚の話が持ち上がってくる。同時にユーセフの女ったらしぶりも明らかとなり、ラウラは遊ばれていただけであることがはっきりする。裏切られたと感じたローラは、宮廷から身を引き、修道院へ向かうことになるが……。
  • ラヴ
    4.0
    貧しい生まれのヒードとホテル王の孫クリスティンは幼なじみ。ヒードがホテル王の妻となった時から、二人の運命は狂い出し、やがて遺産をめぐって争うが......ノーベル文学賞受賞作家の新たな傑作。
  • 夜の少年
    3.9
    フランスの本屋大賞最終候補作! 父と息子の不器用な愛の物語 フランス北東部。妻亡き後、わたしは息子二人を男手一つで育ててきた。長男のフスは小さい頃は素直だったのに、反抗期を迎え地元の不良とつるむようになったが、いつかは分かり合えると思っていた。あの日、あの事件を起こすまでは――。不器用な父子の感動物語
  • 亡国の鉤十字(ハーケンクロイツ) 【上下合本版】
    -
    ロマノフ王朝の最後の秘宝が アドルフ・ヒトラーを終わらせる 一九四一年十二月、ヒトラーとムッソリーニ--ふたりの独裁者を狙った暗殺計画が発動。その混乱に乗じて、トリスタンはヒトラーが肌身離さず身に着けていた古代アーリア人の秘宝<スワスティカ>の奪取に成功。ヴェネツィアの【潟@ルビ:ラグーナ】に沈めた。ヨーロッパに地獄絵図を描く男が、その加護を失う日がついに訪れたのだ。 だが、一つ目のスワスティカはいまだドイツにある。ヨーロッパ大陸も依然としてナチスの制圧下に置かれままだ。何千何万というユダヤ人の血が流れ、ナチス・ドイツによる野蛮なユダヤ人絶滅政策は人類史上類を見ない悪魔の所業と化している。二つ目のスワスティカの力を得たイギリスが侵略の危機を脱した一方で、ソ連は@ドイツ国防軍【ヴェアマハト】から猛攻を受け、劣勢に立たされていた。 四つ目のスワスティカが戦局の行方を決めることは明らかだ。その行方を追うトリスタンはパリの市街地地下に蜘蛛の巣を張り巡らすように広がる採石場で、手がかりを【掴@正字】む。第四の秘宝はかつてロシアに君臨した【皇帝@ルビ:ツァーリ】に代々受け継がれていた。だが、ロマノフ王朝最後の皇帝ニコライ二世が国外に隠し場所を移したため、帝政ロシアは崩壊し、スワスティカの行方も失われてしまっていた……。 古代アーリア人の叡智が秘められし四つのスワスティカをかけて、第二次世界大戦の舞台裏で繰り広げられる聖遺物争奪戦はいよいよ最終局面を迎える。 世界大戦の命運を握るロマノフ王朝最後の秘宝――、その存在を巡り英独米の争奪戦が始まる!!
  • 理由のない場所
    3.8
    母親の「私」と自殺してまもない16歳の息子との会話で進められる物語。著者の実体験をもとに書かれた本書からは、母親の深い悲しみが伝わり、強く心を打つ。他に類をみない秀逸な一冊。
  • 短編回廊 アートから生まれた17の物語
    4.3
    その芸術はいま、語りはじめる――。 ゴッホ、ルノワール、葛飾北斎ら 美の巨匠に捧げる短編集。 名だたる作家17人による文豪ギャラリー第2弾! 作家ローレンス・ブロックは頭を悩ませていた――エドワード・ホッパーの絵から紡いだアンソロジー『短編画廊』の第2弾を計画しているのだが、いったい今度は誰の絵をモチーフにするべきか。思い悩んだ末、ブロックはある考えにたどり着く。何もひとりの画家でなくていい。今度は作家たちに、好きに名画を選んでもらおう。かくして、ジェフリー・ディーヴァーはラスコー洞窟壁画を。S・J・ローザンは葛飾北斎を。リー・チャイルドはルノワール、ジョイス・キャロル・オーツはバルテュス……といった具合に、今回も個性豊かなアートから物語が生まれ、新たなる〈芸術×文学〉の短編集が完成する。ここに文豪ギャラリー第2弾が幕を開けた――。 ○収録作品 「安全のためのルール」ジル・D・ブロック/田口俊樹 訳 「ピエール、ルシアン、そしてわたし」リー・チャイルド/小林宏明 訳 「扇を持つ娘」ニコラス・クリストファー/芹澤 恵 訳 「第三のパネル」マイクル・コナリー/古沢嘉通 訳 「意味深い発見」ジェフリー・ディーヴァー/池田真紀子 訳 「理髪師チャーリー」ジョー・R・ランズデール/鎌田三平 訳 「ジョージア・オキーフの花のあと」ゲイル・レヴィン/田口俊樹 訳 「アンプルダン」ウォーレン・ムーア/芹澤 恵 訳 「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」デイヴィッド・マレル/浅倉久志 訳 「美しい日々」ジョイス・キャロル・オーツ/芹澤 恵 訳 「真実は井戸よりいでて人類を恥じ入らせる」トマス・プラック/田口俊樹 訳 「グレートウェーブ」S・J・ローザン/直良和美 訳 「考える人たち」クリスティン・K・ラッシュ/田口俊樹 訳 「ガス燈」ジョナサン・サントロファー/芹澤 恵 訳 「陽だまりの中の血」ジャスティン・スコット/田口俊樹 訳 「ビッグタウン」サラ・ワインマン/芹澤 恵 訳 「ダヴィデを探して」ローレンス・ブロック/田口俊樹 訳 ○収録アート一例 ※全18点をフルカラーで挿入 Cypresses―「糸杉」フィンセント・ファン・ゴッホ The Empire of Light―「光の帝国」ルネ・マグリット Greatwave―「神奈川沖浪裏」葛飾北斎 Bouquet of Chrysanthemums―「菊の花束」ピエール=オーギュスト・ルノワール The Thinker―「考える人」オーギュスト・ロダン David―「ダヴィデ像」ミケランジェロ・ブオナローティ
  • 消失の惑星【ほし】
    4.3
    カムチャツカの街で幼い姉妹が行方不明になった。事件は半島中に影を落とす。2人の母親、目撃者、恋人に監視される大学生、自身も失踪した娘をもつ先住民の母親……女性たちの語りを通し、事件、そして日々の見えない暴力を描き出す、米国作家のデビュー長篇
  • エレホン
    3.9
    羊飼いの青年が迷い込んだ謎の国「エレホン」。人びとはみな優しく、健康的で美しく――。でも、それには“しかるべき理由”があった。自己責任、優生思想、経済至上主義、そしてシンギュラリティ……。社会の幸福とはいったい何なのか? ディストピア小説の源流とされる幻の長篇が、現代人の心の底に潜む宿痾をあぶり出す。
  • サンセット・パーク
    4.0
    大不況下のブルックリン。名門大を中退したマイルズは、霊園そばの廃屋に不法居住する個性豊かな仲間に加わる。デブで偏屈なドラマーのビング、性的妄想が止まらない画家志望のエレン、高学歴プアの大学院生アリス。それぞれ苦悩を抱えつつ、不確かな未来へと歩み出す若者たちのリアルを描く、愛と葛藤と再生の物語。
  • ビール・ストリートの恋人たち
    4.4
    冤罪で収監された恋人ファニーを救うため、彼との子を妊娠中のティッシュは奔走するが……若き恋人たちを描いたボールドウィンの名作が新訳で登場。アカデミー賞受賞作「ムーンライト」のB・ジェンキンズ監督により映画化。2019年初頭全国公開予定の映画化原作!
  • 最初の悪い男
    4.2
    43歳独身のシェリルは職場の年上男に片思いしながら快適生活を謳歌。運命の赤ん坊との再会を夢みる妄想がちな日々は、衛生観念ゼロ、美人で巨乳で足の臭い上司の娘、クリーが転がりこんできて一変。水と油のふたりの共同生活が臨界点をむかえたとき――。幾重にもからみあった人々の網の目がこの世に紡ぎだした奇跡。待望の初長篇。
  • おばあちゃんのごめんねリスト
    3.6
    唯一の味方だった破天荒な祖母を亡くした、七歳の少女エルサ。遺言にしたがって祖母の謝罪の手紙を持ちさまざまな人々を訪ねるうちに、エルサは知らなかった祖母の姿と、自分を取り巻く強い絆を知る。『幸せなひとりぼっち』の著者がおくる、少女の心温まる物語
  • 2084 世界の終わり
    3.7
    2084年、核爆弾が世界を滅ぼした後、偉大な神への服従を強いられる国で、役人アティは様々な人と出会い謎の国境を目指す。アカデミーフランセーズ大賞受賞のディストピア長篇。
  • あたらしい名前
    3.8
    【PEN/ヘミングウェイ賞受賞】ジンバブエからアメリカへ――。グァバを盗んだり、ごっこ遊びをしたり、天真爛漫に遊ぶジンバブエでの日々を経て、少女ダーリンはアメリカに移り住む。しかし豊かで物があふれる国での暮らしは、予想外に戸惑うものだった。笑いをまじえながら生々しい現実を軽やかに描き、ジュノ・ディアスに絶賛されたデビュー作。
  • 僕の違和感 上
    3.0
    1~2巻2,420円 (税込)
    我らが主人公メヴルト・カラタシュは、12歳のときに故郷の村からイスタンブルに移り住む。昼間は学校に通い、夜は父とともにトルコの伝統的飲料ボザを売り歩く日々を重ねて、彼は次第に大都会になじんでいく。そしてある日、彼はいとこの結婚披露宴で運命の恋をした――ノーベル文学賞作家が描く、ある男の半生と恋と夢、そして変わりゆく時代。『わたしの名は赤』でノーベル文学賞を受賞した著者の新たな代表作となる傑作長篇。
  • わたしが降らせた雪
    3.6
    十歳のジュディスは、小さな町に、信仰に篤い父とふたりで暮らしている。学校でいじめられるジュディスの心のよりどころは、自分の部屋に作った模型の世界、〈最も美しい土地〉だった。 ある日、ジュディスは〈最も美しい土地〉に雪を降らせた。次の日めざめると、窓の外は一面の銀世界だった。これは神の奇跡なのだろうか? しかし、それは数々の予想もしなかった災難をもたらして……。聡明で孤独な少女の闘いを繊細にあざやかに描き出したデビュー作。
  • マナートの娘たち
    3.7
    姉が弟の遺体を浄める。本来これは同性の仕事なのだが、姉は自分がやると主張した――。亡き弟の思い出を情感豊かに紡ぐ「浄め(グスル)」。アメリカの女の子として成長してきたアラブ系移民2世の“わたし”と、波乱の人生をおくった伯母の物語に、窓から飛び降りた女が女神と邂逅する幻想的な光景を織り込んだ「マナートの娘たち」。#MeToo運動以前の映画産業で、あるインターンの女性が受けたハラスメントを描き、問題提起する「懸命に努力するものだけが成功する」。新聞記事や手紙、メールの文章、リアリティー番組の台本やSNS投稿など虚実取り交ぜた多彩な媒体のコラージュで、フロリダで実際に起こったシリア・レバノン系移民夫婦のリンチ事件を核に、アメリカという国家に潜む暴力性や異質なものを排除しようとする人間の本質を浮かび上がらせる野心的な傑作「アリゲーター」。過酷な現実を生きる人々に寄り添い、多様な声を届けようとする全9篇。現代アメリカ文学の新鋭による鮮烈なデビュー短篇集!/【目次】浄め(グスル)/マナートの娘たち/失踪/懸命に努力するものだけが成功する/カナンの地で/アリゲーター/サメの夏/わたしたちはかつてシリア人だった/三幕構成による、ある女の子の物語/謝辞/訳者あとがき
  • あの図書館の彼女たち
    4.0
    1939年パリ。20歳のオディールは、アメリカ図書館の司書に採用された。本好きな彼女は水を得た魚のように熱心に仕事に取り組み、女性館長や同僚、そして個性豊かな図書館利用者たちとの絆を深めていく。やがてドイツとの戦争が始まり、図書館は病院や戦地にいる兵士に本を送るプロジェクトに取り組み始める。しかしドイツ軍がやってきてパリを占領し、ユダヤ人の利用者に危機が訪れ……。1983年アメリカ、モンタナ州フロイド。12歳の少女リリーは、“戦争花嫁”と呼ばれる孤独な隣人、オディールと知り合いになる。リリーはオディールの家に出入りしてフランス語を教わるようになり、二人の間には世代を超えた友情が芽生えていく。だがリリーは、しだいにオディールの謎めいた過去が気になりはじめ……。人々にかけがえのない本を届け続けた、図書館員たちの勇気と絆を描く感動作!
  • 地中のディナー
    3.5
    2014年、イスラエルのネゲブ砂漠。秘密軍事施設には“将軍”の命令により、ただ一人の囚人Zが長年監禁されており、一人だけの看守に見張られている。ユダヤ系アメリカ人の学生からイスラエルの諜報員になり、自国の権力者に監禁されるに至った囚人Zの数奇な人生とは──。Zの存在を隠したまま何年も意識不明でベッドに横たわる将軍の回想、パレスチナ難民の青年の受難、パリで恋に落ちたZとウエイトレスのかつての逃避行。幾つかの物語が循環しつつ重なり合い、悲哀、諦観、希望を繰り返しもたらす不条理なパレスチナ紛争と、それに翻弄されながら生きる人々の姿を描き上げる。『アンネ・フランクについて語るときに僕たちの語ること』がフランク・オコナー国際短編賞受賞、ピュリッツアー賞最終候補となった著者による傑作長編!
  • バグダードのフランケンシュタイン
    3.8
    連日自爆テロの続く2005年のバグダード。古物商ハーディーは町で拾ってきた遺体のパーツを縫い繋ぎ、一人分の遺体を作り上げた。しかし翌朝遺体は忽然と消え、代わりに奇怪な殺人事件が次々と起こるようになる。そして恐怖に慄くハーディーのもとへ、ある夜「彼」が現れた。自らの創造主を殺しに……!!
  • 父の革命日誌
    4.5
    パルチザンとして闘争に身を捧げた父の突然の死。喪主として帰郷した娘だが、その葬儀には思いもよらない弔問客たちが次々と訪れる。人生の複雑さをユーモラスにたたえた、傑作長篇。
  • 別れの色彩
    3.6
    年齢を重ねた今だからわかる、あの日の別れへの後悔、そしてその本当の意味を――。男と女、親と子、友だち、隣人。『朗読者』で世界中の読者を魅了したドイツの人気作家が、「人生の秋」を迎えた自らの心象風景にも重ねて、さまざまな人々のあの日への思いを綴る。色調豊かな紅葉の山々を渡り歩くかのような味わいに包まれる短篇集。
  • 僕は美しいひとを食べた
    4.3
    人を喰うことは、常に神を喰うこと  私たちは神への深き愛ゆえに、神との融合を求めて聖餐を催し、その血肉に見立てたパンと葡萄酒を体内に取り込んで恍惚とする。だとすれば、兄弟たる人間へのフィリアゆえにその肉体を貪る行為も、貴き愛と呼べるだろう......  なぜ男は「美しいひと」を食べたのか。全篇にちりばめられた、古今東西の食人にまつわる膨大な逸話の引用から浮かび上がる、「真実の愛の行為」としての食人の姿とは。この、妖しい輝きを発する告白体の小説こそ、カニバリズム文学のイデアへの最接近を果たした奇書と呼んでも過言ではない。
  • ある女
    4.0
    母が死んだ。 十二歳で学校を辞めて工場で働き、父と結婚した後は、共に店を切り盛りしていた母の人生。自分の子供に少しでも良い教育をと子どもの数は一人にし、教育にお金をかけてくれた母。そんな母の誇りは、一人娘が教員免許をとり、知識階級の仲間入りを果たしたことだった。やがて忍び寄る病魔の影。母はアルツハイマー病になっていた。母を引き取り介護に明け暮れるが、自分一人では母の面倒を見切れず、養老院に預けることに――。 フランス人女性として初めてノーベル文学賞を受賞した著者が、自らの母親の人生と、母が娘に託したものを綴る、自伝的小説。
  • ひとりの双子
    3.5
    アメリカ南部。小さな村を飛び出し、都会をめざす16歳の双子。より多くを望んだ姉は挫折とともに実家に出戻り、妹は出自の秘密に怯えながら裕福に暮らす。もう交わらないはずの2人の運命だったが――。アメリカで125万部突破、オバマ前大統領が薦める一冊
  • タフィー
    4.2
    父さんの暴力から逃れ,家を飛びだしたアリソン.古い家の納屋に身を隠すが,家主のマーラという老女に見つかってしまう.認知症のマーラは,彼女を昔の友人・タフィーと間違えているようで――.孤独を抱えたふたりが出会い,思いがけない同居生活がはじまる.カーネギー賞作家が詩でつむぐ,友情と再生の物語.

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  • 花の子ども
    3.9
    母が遺した珍しいバラを持って、僕は出発する。めざすは、外国の庭園。でも旅はトラブル続き。機内で腹痛にもだえ、森でさ迷う。当の庭園は荒れ果て、意外な客が現れる。僕と一夜だけ関係をもった女性が、赤ん坊を預けにきたのだ。父親ってどうなればいいの?
  • 30年目の待ち合わせ
    3.3
    1989年パリ。20歳のアメリはヴァンサンに恋をする。だが待ち合わせの日、二人はすれ違ってしまう。再会は10年後、彼は結婚していた。彼女も家庭を築くが、人生を間違えたのではないかという思いが消えず、20歳の記憶は輝きを増す。そんな彼女の前に彼が現れ……
  • 理不尽ゲーム
    4.1
    欧州最後の独裁国家ベラルーシ。その内実を、小説の力で暴く。群集事故によって昏睡状態に陥った高校生ツィスク。老いた祖母だけがその回復を信じ、病室で永遠のような時を過ごす一方、隣の大国に依存していた国家は、民が慕ったはずの大統領の手によって、少しずつ病んでいく。10年後の2009年、奇跡的に目覚めたツィスクが見たものは、ひとりの大統領にすべてを掌握された祖国、そして理不尽な状況に疑問をもつことも許されぬ人々の姿だった。時間制限付きのWi-Fi。嘘を吐く国営放送。生活の困窮による、女性の愛人ビジネス。荒唐無稽な大統領令と「理不尽ゲーム」。ジャーナリストの不審死。5年ごとの大統領選では、現職が異常な高得票率で再選される……。緊迫の続く、現在のベラルーシの姿へとつながる物語。
  • 黒魚【クロウオ】都市
    3.0
    感染症〈ブレイクス〉が流行している北極圏の街クアナークでは、さまざまな事情を抱えた人々が暮らしていた。そこでなかば伝説として語り継がれるのは、シャチやホッキョクグマといった動物と意識を共有し一体になれる女の物語だった。キャンベル記念賞受賞作
  • リラとわたし ナポリの物語1
    4.5
    本好きで真面目なエレナと、天才的な頭脳を持つ反抗児リラ。十歳で出会ったふたりは、惹かれあい、反発しあいながらも、変わりゆく1950年代のナポリで成長していく。ジュンパ・ラヒリをはじめとする多数の有名作家・書評家を熱狂させた波瀾万丈な友情の物語!
  • 妻への家路
    -
    自分勝手に生きた男と寄り添う妻。文化大革命で逮捕された男が特赦で妻のもとに帰ると、妻は男の記憶だけ失くしていた。妻は夫を目の前に、ひたすら夫を待ち続ける……。2011年中国ランキング1位の感動巨編!
  • イエロー・バード
    3.5
    その春、戦争は自分らを殺そうとした。イラク、アル‐タファル。21歳の三年兵バートルは、18歳の初年兵マーフィーを無事に故郷に連れ帰ると約束していた。しかし、凄惨を極める戦闘を次々と経験していくうちに、二人は予期せぬ運命をたどることになる。イラクで戦うとはどういうことだったのか。元兵士が戦争に直面した若者たちの感情を、痛切に、瑞々しく描いたデビュー作。 兵士の鮮烈な成長譚でもあり、イラクの戦場で生き残ろうとする二人の青年の友情の物語でもあり、無垢の喪失と記憶の意味を語る哲学的な寓話でもある。並外れた作品だ。――ミチコ・カクタニ(《ニューヨーク・タイムズ》紙) 必読の書だ。イラク戦争をリアルに描いているからというだけではない。その不名誉と理解しがたい暴力から、弱々しくはあるが確かに生きている人間性の証を紡ぎだしているからだ。――《ガーディアン》紙
  • 兵士たちの肉体
    -
    アフガニスタンに派兵されたイタリアの若者たちの孤独、性、葛藤を瑞々しい筆致で描きながら、現代の矛盾に鋭く迫る二十一世紀の戦争小説。世界的ベストセラー『素数たちの孤独』著者の最新長篇。 灼熱の大地の真ん中、アフガニスタンの紛争地域に派兵されたイタリア軍の若き兵士たち。危険ではあるが、たった数カ月の任務のはずだった。故郷から逃げだしてきた者、ひとりぼっちの母親を残してきた者、妊娠した女を残してきた者、オンライン上の仮想恋人に依存する者……それぞれの事情を抱え、孤独を噛みしめ、性をもてあます彼らの中には、愛情と憎しみが芽生えつつあった。そして、ようやく任地に慣れてきた頃、その後の人生を大きく変えることになる、忘れえぬ出来事が起こった――。 砂漠への強行軍にのぞんだ若者たちは、何を見たのか? 世界的ベストセラー『素数たちの孤独』の著者が紡ぐ、21世紀の新しい戦争文学。
  • ツイート・ウォーズ~キュートでチーズな二人の関係~
    -
    1巻2,277円 (税込)
    米Amazon 2020年Best YA選出作品! チグハグなふたりが惹かれあっていく、という王道のラブストーリーに、とっておきの隠し味がいくつも加わって、出会ったことのない胸のときめきと爽快感! ――南沢奈央さん(女優) 顔を合わせれば皮肉を飛ばし合う、優等生のペッパーとクラスのお調子者のジャック。 そんな正反対の二人は、家業の飲食店のTwitterを運営しているという互いに知らない共通点を持っていた。 ある日、ペッパーの母親が経営するハンバーガーチェーンが起こした“レシピ盗難事件”をきっかけに、 二人はやがて全米を揺るがす、激しいリプライ戦争を繰り広げることに! その一方、二人は学校で流行りの匿名チャットアプリで親密な関係になっていた……。 お互いの正体を知ったとき、二人の関係はどうなるのか?
  • 三階 あの日テルアビブのアパートで起きたこと
    -
    舞台はテルアビブ郊外にある瀟洒な三階建てのアパート。一階の若夫婦は、同階の高齢夫婦に子守りを頼み、良いご近所付き合いをしているつもりでいた。しかし認知症を発症した老人と彼らの九歳の娘に不幸な出来事が襲いかかり、傷ついた夫は一線を超えてしまう――。二階では、不在がちな夫を頼りにできない、若い母親が二人の子どもの育児に追われている。疲労から幻聴や幻覚に悩まされる彼女の前に、義理の弟が現れ、彼女と子どもたちに新しい風を吹き込む。しかし彼は詐欺事件の容疑者として警察に追われていた――。三階には元地方判事の女性が住んでいる。一年前に夫と死別し、若者の市民運動に身を投じるようになった彼女には、人には言えない、断絶してしまった息子との苦い思いがあった――。交わることのなかった一階から三階までの住民が、ある出来事をきっかけに、互いに作用しながら現代イスラエルの大きな変化の波に飲み込まれていく。イスラエルのベストセラー作家が描く、サスペンスフルで、最後には登場人物を解放の光で満たす、感動の物語。
  • すべての愛しい幽霊たち
    3.5
    心臓移植手術を受けながら、生物学者はどんな夢を見たのか(「デニス・ノーブルの心臓」)。ダイアナ妃に憧れた少女が語る、プリンセスの結婚から死去までの日々とは(「ダイアナを夢見て:十二フレーム」)。“聖戦”に参加するためリクルーターの電話を待つイスラム教徒の青年たちは、観光地で何を思うのか(「ラディカル・フィッシュを褒めたたえて」)。芸術家の老女が、家のあちこちにいる幽霊たちへ向ける想いとは(「すべての愛しい幽霊たち」)。幅広い分野の著名人たち、そして世間に名前の知られていない市井の人々。彼らの人生がさりげない語り口で描かれ、浮かび上がる鮮烈なイメージが、わたしたちの心を奪う。ブッカー賞候補作家が贈る、切なさと愛おしさに満ちた12編。カナダ総督文学賞最終候補作。/【収録作】「雪解け」/「ソロで、アカペラで」/「デニス・ノーブルの心臓」/「シルヴィアはあの世でピンクの服を着る」/「大切なものがある」/「オシレイト・ワイルドリー」/「ダイアナを夢見て:十二フレーム」/「ラディカル・フィッシュを褒めたたえて」/「チェーホフを思いながら」/「市民による逮捕の方法」/「わたしたちはメソジスト教徒だ」/「すべての愛しい幽霊たち」
  • 謀略監獄
    -
    犯罪のサポートと情報の売買。それがカーラの仕事だった。だが今回持ち込まれた依頼は危険きわまりない――〈プログラム〉への潜入の手配である。頻発する刑務所の暴動に手を焼いたイギリス政府が導入した矯正施設、〈プログラム〉。ゴーストタウンとなった住宅街を接収、二重の壁で囲み、そこで受刑者たちによる「自治」が行われている。依頼人は元狙撃兵の殺し屋ジョハンセン。カーラの手配でジョハンセンは施設に潜入するが……。  依頼の背景を調べはじめたカーラは、次々に不可解で不穏な事実にぶちあたる。かつて彼女とジョハンセンが関わったギャングの抗争。元MI5の老スパイの死。謎の失踪を遂げた女性医師。警察、MI5、犯罪者たち……この一件の裏側で何か秘められた謀略が動いている。そして〈プログラム〉の中では、ジョハンセンに怨みを抱く大物ギャングが待ち受けていた……。  ジョン・ル・カレばりの陰謀の迷宮。スタイリッシュなクライム・ノワールの語り口。最高にクールな女性ヒーローと巧妙なプロットでイギリス出版界を揺るがせた新人のデビュー作。
  • 感情を引き出す小説の技巧
    3.0
    「彼は悲しんだ」と書いても、読者は悲しまない―― 感情は「語る」ものでも「見せる」ものでもなく、「引き出す」ものだ! 年間150冊以上の小説を売り込む敏腕文芸エージェントが、読者の心を揺さぶるテクニックを徹底伝授。 感情を「見せるか、語るか」。小説指南書でたびたび取り上げられるトピックです。ハリウッドの脚本の世界に「語るな、見せろ」という格言があるように、一般的には感情を登場人物に語らせるのではなく、アクションで見せるほうがよいとされています。 しかし本書は「見せること」も「語ること」も、読者の感情には直接的にはほとんど影響を及ぼさないと説きます。 読者は、登場人物とともにストーリーの世界を生きているのだと思われがちですが、実際にはそうではありません。読者は、小説を読みながら自分自身の経験を重ねているのであって、ストーリーはそのきっかけにすぎません。同じ小説でも、読む人によって受け止め方や感想がまったく異なるのは、読者の経験やそれによって引き出される感情が異なるからなのです。 必要なのは、感情を向ける対象となるものを作り出すことではなく、読者の感情を引き出すこと。読者は小説を読むというより、むしろ反応しています。めざすべきは、「体験」と評されるほど強烈で印象深い感情を引き起こすことです。 本書では、年間150冊以上の小説を売り込むベテラン文芸エージェントの著者が、数多くの小説作品を引用しながら、感情面での鮮烈な経験を読者にもたらすための効果的な見せ方、語り方、その他数多くのテクニックを徹底解説しています。「感情を引き出す技巧」が身につく34の演習問題も収録した、豊富な経験と知識に裏打ちされたきわめて実践的な一冊です。
  • 《ドラキュラ紀元》われはドラキュラ――ジョニー・アルカード〈上〉
    -
    実在・架空の人物・事件が入り乱れて展開する、壮大な物語! 《ドラキュラ紀元》シリーズ完全版第4弾、 本邦初訳の中短編集が上下巻で登場! 時は70年代、 コッポラがマーロン・ブランドを迎えて、 ブラム・ストーカーの“歴史改変”小説 『吸血鬼ドラキュラ』を映画化しようとしていた―― ドラキュラにより転化した少年、ジョニーが コッポラやウォーホルらと繰り広げる、めくるめく物語! ====== 貢ぎ物として送り出され、 ドラキュラにより転化された少年、イオン。 コッポラの映画『ドラキュラ』のルーマニア撮影現場において 彼はケイトに、ジョンと名を変えてアメリカ人となる野心を語る。 「アメリカは若い国で、生命にあふれてるじゃないか。血だって新しいし。 あそこに行けば、なんだって自分の選んだものになれるんだ。 ヴァンパイアが生きていける国ってアメリカだけだろ」 ドラキュラが実在し支配力をふるった世界において “歴史改変”映画『ドラキュラ』制作の行方は? そしてその渦中でジョニーは何を企むのか――? 電子版は、本文と登場人物事典との間をジャンプして参照することができます。
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域
    4.2
    16歳の少女たちの生死をかけた通過儀礼がいま、はじまる ガーナー郡に住む16歳のすべての少女は、危険な魔力を持つとされ、森の奥のキャンプへ一年間追放される。少女ティアニーが、謎に包まれた通過儀礼〈グレイス・イヤー〉でのサバイバルの果てに見た真実。『侍女の物語』×『蠅の王』のポスト・ディストピア小説
  • フローリングのお手入れ法
    3.5
    部屋はただの空間ではなく、精神の表出、知性の産物でもある……われわれは部屋をつくり、部屋はわれわれをつくる。それがオスカーの信念だった。神経質で完璧主義の音楽家である友人オスカー宅で、二匹の猫を預かり留守番をすることになったぼく。スタイリッシュなフラットでの気ままな日々が待っているはずだったが、思いもかけない展開に……。そこここで見つかる友人の細かい注意書き。フローリングには万全の注意を払ってほしい、コースターなしで床に飲み物を置かないこと。猫をソファには絶対上がらせないこと。ピアノで遊ばないでほしい……等々。次第に追い詰められていくぼく。恐ろしくもおかしいカフカ的不条理世界。悪夢のような八日間の果てにオスカーから聞かされたのは? ベティ・トラスク賞受賞作。
  • その昔、N市では
    4.1
    兄は船旅に出る妹を見送ったが、それは彼女が乗る予定の船ではなかった。ひと月後、妹から手紙が届く。彼女は、その船では日付も時刻も現在位置も確認できないと書いていた。手紙を読み進めるにつれ、内容はさらに常軌を逸していき……(「船の話」)。ある日突然、部屋の中に謎の大きな鳥が現れる。“わたし”は、なぜか外に出ていかない鳥の正体を突き止めようとするが……(「ロック鳥」)。旅行から帰ったら、自分が死んだとアパートの住人に触れまわった女がいたという奇妙な話を聞かされて……(「六月半ばの真昼どき」)。大都会N市では、死体から蘇生させられた“灰色の者”たちが、清掃や介護などの労働を人間の代わりに行っていた。彼らに生前の記憶は一切なく、恐怖も希望も憎悪も持ち合わせていない。しかしある時、“灰色の者”たちにすさまじい変化が訪れ……(「その昔、N市では」)。日常に忍びこむ奇妙な幻想。背筋を震わせる人間心理の闇。懸命に生きる人々の切なさ。戦後ドイツを代表する女性作家の粋を集めた、全15作の日本オリジナル傑作選!/【目次】白熊/ジェニファーの夢/精霊トゥンシュ/船の話/ロック鳥/幽霊/六月半ばの真昼どき/ルピナス/長い影/長距離電話/その昔、N市では/四月/見知らぬ土地/いいですよ、わたしの天使/人間という謎/訳者あとがき
  • 被疑者アンデルセンの逃亡 合本版
    -
    デンマーク屈指の小説家ユニットと「ガラスの鍵賞」受賞作家が 「童話作家アンデルセン」の誕生に秘められた謎に挑む デンマーク発のノワール・ミステリ 一八三四年、デンマーク--。路地に娼婦がたむろする退廃の街コペンハーゲンで、無残な水死体が引き揚げられた。被害者は貧しい娼婦のアナであることが判明し、ほどなくして、被疑者も特定される。“最後の客”がアナの部屋に入るところを、妹のモーリーが目撃していたのだ。 その男の名はハンス・クリスチャン・アンデルセン。名もなき詩人だ。 殺人犯として投獄されたアンデルセンだったが、唯一の伝手を使い、期限付きで釈放される。与えられた猶予はたったの三日。その間に無実を証明できなければ、断頭台行きは免れない。限られた時間の中で、アンデルセンは真犯人を見つけ出すことができるのか?
  • [新版]O・ヘンリー ラブ・ストーリーズ 恋人たちのいる風景
    4.5
    1巻2,200円 (税込)
    こんな時代には心あたたまる本を読みたい。 珠玉の古典作品 ハッピーエンドの恋物語7篇。でも、O・ヘンリーだから、ひと味ちがう。 O・ヘンリー生誕160年におくる名翻訳者・常盤新平最後の翻訳書。 本邦初訳「牧場のマダム・ボーピープ」収載。 O・ヘンリーというアメリカの作家を知ったのは、私が高校二年の三学期でした。英語の教科書に「賢者の贈り物」が載っていたのです/のちに私が翻訳を職業に選んだのも、O・ヘンリーのおかげです/私は長いこと翻訳の仕事をしてきましたが、最後に行きついたのがO・ヘンリーであったことは幸運なことでした。 ―――常盤新平(「訳者あとがき」より)
  • ペンギンの憂鬱
    4.0
    恋人に去られ孤独なヴィクトルは売れない短篇小説家。ソ連崩壊後、経営困難に陥った動物園から憂鬱症のペンギンを貰い受け、ミーシャと名づけて一緒に暮らしている。生活のために新聞の死亡記事を書く仕事を始めたヴィクトルだが、身辺に不穏な影がちらつく。他人の死が自分自身に迫ってくる。ウクライナはキーウ在住のロシア語作家による傑作長編小説。
  • グレゴワールと老書店主
    3.9
    老いた元老書店主は朗読を通して青年を読書へと誘う。老人の読書案内は、そのまま人生の道案内でもあった! 本と友情、本と愛情……本は人と人を結び合わせる。老人介護施設で働き始めた18歳の落ちこぼれ青年グレゴワールは、本だらけの居室で本に埋もれるように暮らす元書店主のピキエ老人に出会い、まったく無縁だった本の世界に足を踏み入れる。体も目も不自由になってきているピキエ老人に朗読をするのが日課となり、それは他の入居者たちにも波及する。ある日はサリンジャー、ある日はラブレー、ある日はアレッサンドロ・バリッコ……。そして、二人は下水管を通して発禁本の朗読を希望者にこっそり聞かせるイベントまで企画する! 青年は本のソムリエのような老人の案内に従って様々な本に出会い、その魅力に取り憑かれていく。
  • ニッケル・ボーイズ
    4.3
    1960年代アメリカ。アフリカ系アメリカ人の真面目な少年エルウッドは、無実の罪により少年院ニッケル校に送られる。しかし校内には信じがたい暴力や虐待が蔓延していた――。実在した少年院をモデルに描かれた長篇小説。ニューヨークタイムズ・ベストセラー。
  • オルガ
    4.4
    女は手が届く確かな幸せを願い、男は国家の繁栄を求めて旅に出た。貧富の差や数々の苦難を乗り越え、激動の20世紀ドイツを生きた女性オルガ。彼女が言えなかった秘密、そして人生の最期にとった途方もない選択の意味が、最果ての町に眠る手紙で解き明かされる――。ひとりの女性の毅然とした生き方を描いて話題となった長篇。
  • 邪神(メシア)の覚醒 【上下合本版】
    -
    史上最悪の独裁者・ヒトラーの覚醒により、覇者の秘宝<鉤十字>を巡る戦いは苛烈を極めていく。メタ戦記ミステリ、シリーズ第二弾!
  • 国語教師
    4.2
    十六年ぶりに偶然再会した、元恋人同士の男女。ふたりはかつてのように物語を創作して披露し合う。作家のクサヴァーは、自らの祖父をモデルにした一代記を語った。国語教師のマティルダは、若い男を軟禁する女の話を語った。しかしこの戯れこそが、あの暗い過去の事件へふたりを誘ってゆく…。物語に魅了された彼らの人生を問う、ドイツ推理作家協会賞受賞作。
  • 雪降る夏空にきみと眠る 【上下合本版】
    -
    過酷な冬を越すために人間が冬眠する世界での物語。 ふとした偶然からチャーリーは冬季取締官に志願する。 冬季取締官は眠らずに盗賊(ヴィラン)や冬の魔物(ウィンターフォルク)に対処する過酷な仕事だ。 無事取締官になったチャーリーは、冬眠に失敗しナイトウォーカーになった女性を別の地区まで送り届けることに。 ナイトウォーカーは普段はおとなしいが、 空腹になるとひとを襲うちょっぴり危険な存在だ。 途中で思わぬ事件に巻き込まれながらも、ようやく〈セクター12〉にたどり着いたチャーリーは、 夢の中の夏の楽園(サマートピア)で、美しいベルギッタと出逢うことになるのだった。 二度と還らぬあの夏の砂浜で。
  • 荒野にて
    3.4
    孤独な15歳の少年は、殺処分が決まった老競走馬をひそかに連れ出し、遠くに住む伯母のもとへ荒野を行く旅に出る。胸を打つ物語。アンドリュー・ヘイ(「さざなみ」)監督映画原作。4月12日(金)公開! ヒューマントラストシネマ渋谷他、全国順次ロードショー
  • 小型哺乳類館
    4.0
    息子が連れ帰ったクローン再生マンモスを裏庭で飼うことになった母親、夢の中にだけ存在する夫への愛を語る妻と動揺する現実の夫……突飛かつ壮大なスケールの想像力を通して、家族の拠り所を見つめ直す、新鋭のアメリカ人作家による笑えて泣ける十二の短篇。
  • ザ・ガールズ
    4.5
    14歳の少女イーヴィーは、自由に生きる19歳のスザンヌに出会い、憧れた。やがてスザンヌたちのコミュニティで、束縛されない生き方を知った。だが、そこには誰も逆らえないカリスマがいて、殺人すら強制されるのだった。世界中が注目する新鋭の傑作長篇!
  • THE HUNTERS アレクサンダー大王の墓を発掘せよ【上下合本版】
    -
    その墓に近づく者に禍あれ―― 火星に行くほうがまだ簡単! ? 今回の財宝探しは最高難易度! ! 地下遺跡で未知なる敵が待ち受ける ! 映画化進行中の歴史ミステリ×アクション! ! 歴史に埋もれた財宝の謎を追うチーム〈ハンターズ〉――最強の指揮官コッブと4人のプロフェッショナルたちの新たなミッションは、アレクサンダー大王の墓を発掘すること。世界の歴史上、もっとも偉大な征服者と評されるアレクサンダー大王の墓の在り処は考古学史上最大の謎のひとつとされている。エジプトに乗り込んだコッブたちは、手がかりを追ってアレクサンドリアの地下に広がる貯水施設の調査を行ない、西暦365年に起きた津波が関係しているらしいことをつかむ。だが、地元の裏社会のボスとのトラブルに巻き込まれたばかりか、謎の暗殺集団からも襲撃され、仲間を拉致されてしまう。コッブたちは仲間を取り戻し、墓を発見できるのか! ? 最強のチームが歴史上最大の謎に挑む!
  • 太陽と痛み
    3.5
    渇いた大地。いつ、どこなのかはわからない。長いあいだ雨は降らず、降り注ぐ強い日光が人々の肌を焼く。ある理由から村を脱走した少年は、逃亡の途上で無愛想なヤギ飼いの老人に出会う。過酷な旅路をともにするうちに、次第に心通わせていく二人。だが、村から彼らに追っ手が迫り……この道の先に救いはあるのか。世界に衝撃と深い感動を与えたスペイン発のベストセラー小説。
  • メランコリイの妙薬
    4.7
    生まれながらの夢想家にして、怪異の耽美家、叙情溢れる感傷家にして、詩人。根強く圧倒的な人気を誇るブラッドベリの魅力を余すところなく紹介する傑作集。珠玉の二十二篇収録。
  • 今日、僕らの命が終わるまで
    4.0
    マテオとルーファス。 〈デス=キャスト〉によって死を宣告された少年たちは、残された1日を懸命に生き抜きます。 自分だったら、最後の1日をどう過ごすだろう。誰に会いたくなるだろう。 けれど、〈デス=キャスト〉のないこの世界では、その日がいつ訪れるのかはわかりません。 だからこそ、今日が最後かもしれないという気持ちを持って、毎日を生きなければなりませんね。 また、何気ない会話や描写の中に、はっとするようなフレーズがちりばめられているのが印象的。それらを栞のように、大切に心にしまいました。 彼らのエンド・デーがどんな結末を迎えるのか。 ぜひ皆さまご自身の目でお確かめくださいませ。 ――斉藤壮馬さん(声優) この小説を大人になる前に読むことができるのは、どれだけ幸せなことでしょうか。明日も生きよう、精いっぱい生き抜いてやろうと誓える物語でした。 ――けんご@小説紹介さん(TikTokクリエイター) ★全米100万部突破! ★2021年米国で最も売れたYA小説! ★NY Times ベストセラーリスト15カ月連続1位! 真夜中0時過ぎに、その日死ぬことを予告するサービス「デス=キャスト」が普及した世界。死を告げられた二人の少年、マテオとルーファスは、最後の時を共に過ごす相手を見つけるアプリ「ラストフレンド」を通じて出会う。内気な性格から、今まで友人をほとんど作れず、自分の殻に閉じこもってしまったマテオ。家族を失い、とある出来事から最後の一日に里親家族からも引き離されてしまったルーファス。克服したい過去や、後悔、叶えたかった夢――様々な想いを胸に、二人は最後の一日をどう生きるのか? ラストがわかっているのに読めば必ず涙する、二人の儚い物語。
  • 氷の木の森
    4.0
    その華やかで美しい旋律は、凄惨な死を引き寄せる。 音楽の都で出会った孤高の天才バイオリニストと、純真無垢なピアニスト。 相反する彼らを待ち受ける悲しき運命とは……。 音楽×ミステリ×ファンタジーの傑作、待望の邦訳。 すべての音楽家の故郷であり聖地であるエダン。 この平和な都市のはずれで惨たらしい殺人が起きた。 その中心にいたのは孤高の天才バイオリニスト、アナトーゼ・バイエル。 そして、数多の音楽家を魅了し、その命を奪ってきた罪深きバイオリン〈黎明(れいめい)〉。 稀代の音楽家と伝説の名器、そして、導かれた者しかたどり着けない『氷の木の森』。 数奇な運命がもたらすのは世にも美しい旋律か、残酷な死の呪いか―― 世代を超えて愛される韓国ファンタジーの名作!
  • アウシュヴィッツの図書係
    4.5
    アウシュヴィッツ強制収容所に、囚人たちによってひっそりと作られた“学校”。ここには8冊だけの秘密の“図書館”がある。図書係に指名されたのは14歳の少女ディタ。本の所持が禁じられているなか、少女は命の危険も顧みず、服の下に本を隠し持つ。収容所という地獄にあって、ディタは屈しない。本を愛する少女の生きる強さ、彼女をめぐるユダヤ人の人々の生き様を、モデルとなった実在の人物へのインタビューと取材から描いた、事実に基づく物語。感涙必至の大作!
  • 年年歳歳
    4.4
    日本語で「従順な子」という意味の名で育った母の哀しみの向こうがわに広がる、それでしかありえなかった歴史の残酷と。韓国最高峰の作家が描く母と娘たちの物語。
  • クネレルのサマーキャンプ
    3.3
    自殺者が集まる世界でかつての恋人を探して旅する表題作のほか、ホロコースト体験と政治的緊張を抱えて生きる人々の感覚を、軽やかな想像力でユーモラスに描く中短篇31本を精選。
  • 海の乙女の惜しみなさ
    3.7
    2017年に没した著者が死の直前に脱稿した、26年ぶりの短篇集。『ジーザス・サン』の流れを汲みつつ、どん底から救済を夢見る人々の姿を通して、アメリカ的精神のゆくえを冷徹に見つめる5篇を収録。 「海の乙女の惜しみなさ」 広告代理店に長年勤務した60代前半のビル・ウィットマンの人生の瞬間をめぐる断片的な物語。老境に差しかかった語り手にのしかかる「老い」と「死」という主題が全体を貫く。 「首絞めボブ」 1967年、主人公はささいな非行により刑務所に収監される。そこで目にしたのは、無秩序の寸前で保たれている秩序、それぞれの受刑者が語る虚構すれすれの体験談だった。 「ドッペルゲンガー、ポルターガイスト」 詩人である大学教師ケヴィンが、才能豊かな教え子マークのエルヴィス・プレスリーに対する強迫観念を振り返る。マークはエルヴィスに関する陰謀説を証明しようとしていた。 「老い」と「死」という主題と、老いつつある「アメリカ」そのものを視野に入れた描写が、どの短篇にも色濃く現われている。生前、「現在においてもっとも影響力のある作家」と呼ばれた著者の集大成と呼ぶにふさわしい作品。
  • 冬の物語
    4.3
    北欧の春は華やかに押し寄せ、美しい夏が駆け抜けると、長く厳しい冬がひたすらつづく。ナチス・ドイツ占領下にあった冬の時代、デンマークの人びとの生の営みを、大自然のなかに灯された命の輝きとして描きだす。『アフリカの日々』の作家が物語る力を存分に発揮した作品集。〈イサク・ディネセン生誕一三〇周年〉
  • マルセロ・イン・ザ・リアルワールド
    4.1
    「リアルな世界」を経験してほしいという父親の望みに応え,ひと夏の間,法律事務所で働くことになった,マルセロ.心を揺さぶられる日々のなかで,次第に自らの進むべき道を見いだしていきます.社会に出ていく若者が経験する不安や成長を,発達障害をもつ17歳の少年の内面から描いた,さわやかな青春小説.

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  • 空腹ねずみと満腹ねずみ 上
    -
    『帰ってきたヒトラー』の著者が6年の沈黙を破ってついに発表した小説。数年後の欧州を舞台に、押し寄せる難民と国境を閉じるドイツ。何が、なぜ起こるのか、満を持して問う問題作。
  • セヘルが見なかった夜明け
    3.8
    工場の同僚に恋をし、デートに出かけた女性と、その家族の悲劇「セヘル」。刑務所の屋根に巣をかけた雀の妻の勇ましさと夫の情けなさをコミカルに描いた「我々の内なる男」。スポーツカーが大好きな掃除婦が通勤中にデモに出くわす「掃除婦ナっち」。1冊の傑作小説を通して、都会で暮らす娘が疎遠になっていた父の秘密に触れる「歴史のごとく孤独」。中東の伝統的価値観や情勢に翻弄されながらも日々の生活を営み、夢や思い出を抱きつづける人びとの美しさを、 政治犯として勾留中の著者が紡ぎだす短篇集
  • 白い悪魔
    3.0
    私は二度結婚した。そして、夫は二人とも死んでしまった──。故郷アメリカを離れ、ローマで暮らす若手女優とその兄。彼らは名門出身の政治家と有名女優の夫妻に惹かれて近づくが……。ルネサンス期の戯曲をもとに、エドガー賞受賞作家が描きだす傑作ノワール。解説/吉野仁(ミステリ評論家)
  • いちばんここに似合う人
    3.8
    水が一滴もない土地で、老人たちに洗面器一つで水泳を教える娘。英国のウィリアム王子をめぐる妄想で、頭がはちきれそうな中年女。会ったこともない友人の妹に、本気で恋焦がれる老人――。強烈な個性と奇妙な優しさに満ちた16の短篇を、物語の声にぴったりと寄り添う岸本佐知子訳で。フランク・オコナー国際短篇賞受賞。
  • ミッテランの帽子
    3.9
    舞台は1980年代。時の大統領ミッテランがブラッスリーに置き忘れた帽子は、持ち主が変わるたびに彼らの人生に幸運をもたらしてゆく。うだつの上がらない会計士、不倫を断ち切れない女、スランプ中の天才調香師、退屈なブルジョワ男。まだ携帯もインターネットもなく、フランスが最も輝いていた時代の、洒脱な大人のおとぎ話。
  • 舞踏会へ向かう三人の農夫 上下合本版
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    それは1914年のうららかな春、プロイセンで撮られた一枚の写真から時空を超えてはじまった―物語の愉しみ、思索の緻密さの絡み合い。20世紀全体を、アメリカ、戦争と死、陰謀と謎を描ききった、現代アメリカ文学における最重要作家、パワーズの驚異のデビュー作。 ※本電子書籍は、「舞踏会へ向かう三人の農夫 上・下」の合本版です。
  • ふたつの海のあいだで
    3.5
    ティレニア海とイオニア海を見下ろす場所に、かつて存在した《いちじくの館》。焼失したこの宿の再建を目指す祖父と孫を中心とする数世代にわたる旅は、時に交差し、時に分かれて、荒々しくも美しい軌跡を描いてゆく――。豊饒なイメージと響き渡るポリフォニー。イタリアの注目作家による、土地に深く根差した強靱な物語。
  • オープン・シティ
    3.8
    マンハッタンを日ごと彷徨する、若き精神科医。彼が街路で目にした風景は、屈託に満ちたナイジェリアでの幼い日々、ブリュッセルで移民たちに聞いた苦難の物語と共鳴しながら、時代や場所を超えた大きな物語を描き始める――。PEN/ヘミングウェイ賞ほか数々の賞に輝き「ゼーバルトの再来」と讃えられたデビュー長篇。
  • さよなら、ママ
    3.5
    コリーナはワシントン郊外に住む13歳の女の子。いたって普通のはずだったのに、コリーナの世界はある夏を境に突然崩れてしまった―そう、ママがガンで亡くなってから。悲しみで抜け殻みたいになったパパ。何事もなかったようにふるまう友だちもいれば、無神経な言葉を投げつけるクラスメートもいる。がんばって普段の生活を続けようとするけれど、ふとした瞬間にママを思い出して、涙が止まらなくなったりする。恋だってしたいし、おしゃれだってしたいのに、「ママがいない」ことが、コリーナの生活を変えてしまった……。母親を亡くしたひとりの少女が、心の痛みを受け止め、恋や日本への旅を通して悲しみを乗り越えていく姿を四季を通して追った、心せまる小説。対象年齢、10歳以上。
  • パリで待ち合わせ
    4.0
    スランプに陥ったアメリカのベストセラー作家ジャックと、孤独なイギリスの読者イヴ。たまたま文通をはじめた二人は、料理好きという点で意気投合し、次第にまだ見ぬ互いを心の支えにするようになる。寂しさを抱える大人たちを描いた、さわやかで心温まる物語。
  • わたしのペンは鳥の翼
    4.6
    アフガンの女性作家たちによる23の短篇集。 書くことがこんなにも強靭な抵抗になるなんて。 この炎のような短篇集を読み、語り合うことで、彼女たちの命懸けの戦いにくわわろう。――柚木麻子 早急に、世界に届けられなければならない声がある。 そしてその声は、物語の力を借りて、何より強いものとなる。――西加奈子 どんなに過酷な現実が目の前にあっても私たちは描く。 ペンを持っている間だけ心は自由に空を飛べるから。――窪美澄  抑圧・蹂躙され口を塞がれた女性たちがペンを執り、鳥の翼のように自由に紡ぎ出した言葉の数々。女性嫌悪、家父長制、暴力、貧困、テロ、戦争、死。一日一日を生き抜くことに精一杯の彼女たちが、身の危険に晒されても表現したかった自分たちの居る残酷な世界と胸のなかで羽ばたく美しい世界。  アフガニスタンの女性作家18人が紡ぎ出す、心揺さぶる23の短篇集。
  • 陪審員C-2の情事
    3.5
    1巻2,079円 (税込)
    米女性作家によるリアルで残酷な法廷と恋愛。  フロリダ州で起きた乳児焼死事件。放火の疑いをかけられた裁判の被告は、乳児の義理の姉である十代の少女だった。陪審員として7名の男女が集められるが、裁判期間中は郊外のモーテルに隔離、名前も伏せられ番号で呼ばれる。陪審員同士の個人的交流も固く禁じられていた。そんな中、老齢の夫を持つ50代のカメラマンC-2は、年下の解剖医と禁断の情事に身を投じていく。被告の運命を握る重責と正義に対する思い、女性としての焦燥や欲望の間で揺れるC-2の運命の歯車が狂い出す…。  M・フリーマン、D・キートン主演のヒット映画『眺めのいい部屋売ります』の原作著者が乾いた筆致で描く、リアルな法廷小説にして残酷な恋愛小説。
  • 魔の山(上下)合本版(新潮文庫)
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    第一次大戦前、ハンブルク生れの青年ハンス・カストルプはスイス高原ダヴォスのサナトリウムで療養生活を送る。無垢な青年が、ロシア婦人ショーシャを愛し、理性と道徳に絶対の信頼を置く民主主義者セテムブリーニ、独裁によって神の国をうち樹てようとする虚無主義者ナフタ等と知り合い自己を形成してゆく過程を描き、“人間”と“人生”の真相を追究したドイツ教養小説の大作。 ※当電子版は新潮文庫版『魔の山』上下巻をまとめた合本版です。

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