マナートの娘たち

マナートの娘たち

姉が弟の遺体を浄める。本来これは同性の仕事なのだが、姉は自分がやると主張した――。亡き弟の思い出を情感豊かに紡ぐ「浄め(グスル)」。アメリカの女の子として成長してきたアラブ系移民2世の“わたし”と、波乱の人生をおくった伯母の物語に、窓から飛び降りた女が女神と邂逅する幻想的な光景を織り込んだ「マナートの娘たち」。#MeToo運動以前の映画産業で、あるインターンの女性が受けたハラスメントを描き、問題提起する「懸命に努力するものだけが成功する」。新聞記事や手紙、メールの文章、リアリティー番組の台本やSNS投稿など虚実取り交ぜた多彩な媒体のコラージュで、フロリダで実際に起こったシリア・レバノン系移民夫婦のリンチ事件を核に、アメリカという国家に潜む暴力性や異質なものを排除しようとする人間の本質を浮かび上がらせる野心的な傑作「アリゲーター」。過酷な現実を生きる人々に寄り添い、多様な声を届けようとする全9篇。現代アメリカ文学の新鋭による鮮烈なデビュー短篇集!/【目次】浄め(グスル)/マナートの娘たち/失踪/懸命に努力するものだけが成功する/カナンの地で/アリゲーター/サメの夏/わたしたちはかつてシリア人だった/三幕構成による、ある女の子の物語/謝辞/訳者あとがき

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マナートの娘たち のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2023年06月19日

    知らないこともわからないこともあるけれど、ぐいぐい読まされる。1本目『浄め(グスル)の悲しみが鮮烈で強烈だった。『失踪』は何故かマラマッドあたりを連想したり。『アリゲーター』は複雑な構成で最初戸惑ったが、この構成こそが、重さやリアリティを生んでいると気づく。
    力のある作品集。

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    Posted by ブクログ 2023年08月08日

    社会問題を扱った作品は興味があってよく読むものの、なんとなくリズム感が合わなくて、しっくりくる本ではなかったというのが正直なところではあるが、まざまざと苦悩や不条理を訴える内容ではないけれど、確実に存在するそれらが持つ重いものが詰め込まれている本だと感じた。

    「懸命に努力するものだけが成功する」 ...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2023年07月07日

    シリアから子供の頃アメリカへ移住してきた著者による、シリア系移民を書く短編集。アメリカ社会において白人でも黒人でもないアラブ人の寄る辺なさが印象的だが、単純な構造の差別を書くのではない(ので出版社がなかなか見つからなかったらしい)のが面白いと思った。
    静かな文章の中に静電気のように漂う怒りを感じるが...続きを読む

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