作品一覧

  • 戦場の希望の図書館 瓦礫から取り出した本で図書館を作った人々
    5.0
    2015年、シリアの首都近郊の町ダラヤでは、市民が政府軍に抵抗して籠城していた。政府軍に空爆されるなか、人々は瓦礫(がれき)から本を取り出し、地下に「秘密の図書館」を作った。ジャーナリストの著者は、図書館から彼らが得た希望を記録していく。図書館に安らぎを、本に希望を見出した人々を描く感動のノンフィクション!
  • グレゴワールと老書店主
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    老いた元老書店主は朗読を通して青年を読書へと誘う。老人の読書案内は、そのまま人生の道案内でもあった! 本と友情、本と愛情……本は人と人を結び合わせる。老人介護施設で働き始めた18歳の落ちこぼれ青年グレゴワールは、本だらけの居室で本に埋もれるように暮らす元書店主のピキエ老人に出会い、まったく無縁だった本の世界に足を踏み入れる。体も目も不自由になってきているピキエ老人に朗読をするのが日課となり、それは他の入居者たちにも波及する。ある日はサリンジャー、ある日はラブレー、ある日はアレッサンドロ・バリッコ……。そして、二人は下水管を通して発禁本の朗読を希望者にこっそり聞かせるイベントまで企画する! 青年は本のソムリエのような老人の案内に従って様々な本に出会い、その魅力に取り憑かれていく。
  • 本当の人生
    4.5
    1巻1,699円 (税込)
    家には四つ部屋があった。両親の部屋、私の部屋、弟ジルの部屋、そして死体の部屋……。それは狩猟が趣味の父親が戦利品をしまう剥製の部屋だった。暴力的な父親と、その顔色をうかがうだけのアメーバのような母親。そんな両親との暮らしだったが、十歳の少女は四歳年下の無邪気な弟と楽しい日々を送っていた。しかしある日、アイスクリーム売りを見舞った事故を目撃した時から、弟は変わってしまった。無邪気な笑みは消え、剥製の部屋にこもるようになり、虫や動物をいじめるように……。なんとかしてあの無邪気な笑顔を取り戻したい! 現実をリセットしたい! 利発な少女の試みは? Fnac小説大賞、高校生が選ぶルノードー賞、ELLE読者賞他14の文学賞を受賞。

ユーザーレビュー

  • グレゴワールと老書店主

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    短文でテンポよいけど同時に文学的。映像がうかんでくる。物語は予想以上に色んなことがおきた。本に接していなかった青年が本にふれるようになる、それを通した成長というきれいごとばかりではなくて、老書店主のムッシュピキエの葛藤や辛さや、それをどう人生の中で消化して(消化できないで)きたかみたいなところもまた味わい深かった。人生辛いよね、ということを噛み締められる小説で、だけど同じくらい、いいこともあるね、ということもパッケージされてる小説で、面白かった。

    0
    2024年12月15日
  • 戦場の希望の図書館 瓦礫から取り出した本で図書館を作った人々

    Posted by ブクログ

    その場所に住んでいる、というだけでテロリストとして認識される、そんなことがあっていいのでしょうか。国籍、住所、性別、宗教、その他いろんな立場を一括りにして、レッテルをはることに何の意味があるのでしょう。
    後半に向かうにつれ、切なく苦しくなりますが、でもこの本に出会えてよかったと心から思います。まずは知ること、そして、行動を起こすこと。
    今の状況だからこそ、読んで良かったと思います。

    0
    2023年11月05日
  • グレゴワールと老書店主

    Posted by ブクログ

    『人を惹きつける朗読力・本のソムリエと共に…』

    元書店主で老人ホームに入居中のムッシュー・ピキエと、ホームに勤める若者グレゴワールは、本と朗読を通じて交流を深めていく。老人の読書案内、チャレンジしてみようかな…


    ・サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』
    ・モーパッサン『装い』『トワーヌ』『ベロム師の獣』『売りもの』『メゾン・テリエ』『脂肪の塊』
    ・ナジャ『青い犬』
    ・ユゴー『徒刑場を訪ねて』
    ・アレッサンドロ・バリッコ『海の上のピアニスト』
    ・ルイ・アラゴン『イレーヌのコン』
    ・ギョーム・アポリネール『一万一千本の鞭』
    ・ベルナール・ノエル『聖餐城』
    ・モーリス・ジュヌヴォワ『十四年の人々

    0
    2021年11月09日
  • グレゴワールと老書店主

    Posted by ブクログ

    本とは縁のなかったグレゴワールが、老人施設でムッシュー・ピキエと出会い、本とも出会っていく。
    ムッシュー・ピキエのための朗読会は、広がりたくさんの人々に喜びを与え、何よりもグレゴワールが変わっていく。
    人生を重ねた人がそれまでの得たものを若い人に手渡していく、そんな繋がりが好きだ。
    ムッシュー・ピキエが聖人君子ではないのがまたいい。一人の人間のありのままの姿を見せるからこそ、グレゴワールと友情が芽生えたのだろう。

    ムッシュー・ピキエの最後の願いを叶えるためグレゴワールは、フォントヴロー修道院までの旅をする。
    そこには、王妃アリエノールが両手に開いた本を持った永眠の姿勢が刻まれている。
    それは

    0
    2021年08月11日
  • 本当の人生

    Posted by ブクログ

    もしもあの日に戻れたら。
    誰しもそう考えたことはあるのではないだろうか。しかし主人公の少女の願いは切実すぎて苦しい。

    グロテスク。恐怖。絶望。怒り。
    短い文節で綴られる表現がリアルだ。DVの父親が恐ろしい。
    少女の成長と強さがわずかな希望をくれる。
    続きが気になって読むのをやめられなかった。

    最後は結構衝撃だった。あぁそうくるのか、と。

    決して明るいほのぼのした話ではない。
    でも読後感は悪くない。
    この本は数々の賞を受賞しているらしいが、それも納得。

    0
    2020年01月02日

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