藤田真利子のレビュー一覧
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その場所に住んでいる、というだけでテロリストとして認識される、そんなことがあっていいのでしょうか。国籍、住所、性別、宗教、その他いろんな立場を一括りにして、レッテルをはることに何の意味があるのでしょう。
後半に向かうにつれ、切なく苦しくなりますが、でもこの本に出会えてよかったと心から思います。まずは...続きを読むPosted by ブクログ -
『人を惹きつける朗読力・本のソムリエと共に…』
元書店主で老人ホームに入居中のムッシュー・ピキエと、ホームに勤める若者グレゴワールは、本と朗読を通じて交流を深めていく。老人の読書案内、チャレンジしてみようかな…
・サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』
・モーパッサン『装い』『トワーヌ』『ベロム...続きを読むPosted by ブクログ -
本とは縁のなかったグレゴワールが、老人施設でムッシュー・ピキエと出会い、本とも出会っていく。
ムッシュー・ピキエのための朗読会は、広がりたくさんの人々に喜びを与え、何よりもグレゴワールが変わっていく。
人生を重ねた人がそれまでの得たものを若い人に手渡していく、そんな繋がりが好きだ。
ムッシュー・ピキ...続きを読むPosted by ブクログ -
もしもあの日に戻れたら。
誰しもそう考えたことはあるのではないだろうか。しかし主人公の少女の願いは切実すぎて苦しい。
グロテスク。恐怖。絶望。怒り。
短い文節で綴られる表現がリアルだ。DVの父親が恐ろしい。
少女の成長と強さがわずかな希望をくれる。
続きが気になって読むのをやめられなかった。
最...続きを読むPosted by ブクログ -
面白かった。好きなものは好きでいい。生きていれば、それなりの苦しさや物悲しさはあるけれど、それでも人は生きていくし、好きなものが支えになる。人と人とのつながり、然り。まだまだ読んでいない本、知らない世界がたくさんあることを改めて知らされる。とても良い作品に出会えたなぁと思う。読んで良かった!Posted by ブクログ
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老いた書店主が朗読を通して人生を教えた若者に
自分がやりたかった旅を依頼する。
老人は自分の死が近い事を知っていた。
落ちこぼれの若者が成長していく物語。
老人の骨が本の中に、、、。Posted by ブクログ -
グレゴワールはバカロレア(高校卒業資格)も取れず、コネで入った老人ホームで調理場の下働きとして働いている。そのホームに三千冊の本と一緒に入居している元書店主のムッシュー・ピキエ、体も眼も不自由になって本を読むことができないピキエのために、グレゴワールは本を読んであげるようになる。老書店主は、グレゴワ...続きを読むPosted by ブクログ
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面白くて読みやすい。4歳違いの弟がいる女子。父親や狩猟が趣味でスパンが空くとイライラしてくる。何の疑問も持たずに妻に暴行する。近所の人に通報されるので買い物にも出れず宅配を使っている。ある日アイスクリーム売りが販売車の事故で亡くなり、陰惨な場面を姉弟は目撃してしまう。天真爛漫だった弟が塞ぎ込み、次第...続きを読むPosted by ブクログ
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高校を卒業したもののバカロレアに落ち、母の伝手で老人ホームの厨房の職を得たグレゴワール。入居者の元書店主ピキエと親しくなり、病気のため本が読めない彼のために本を朗読することになる。本書がデビュー作の著者は朗読家と紹介されている。職業なのかボランティアなのかわからないが、そうした経歴が本書の下敷きにな...続きを読むPosted by ブクログ
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軽い調子で書かれている(翻訳されている)が、意外と高齢者施設の本質を描いているのではないかと思わせる作品でした。
高齢者施設で働く本を全く読まない少年が、本好きの老人と大人になっていくお話。
そんなにハッピーでもそんなに暗いわけでもない、あり得そうであり得なそうな不思議な気持ちで読み終わりました...続きを読むPosted by ブクログ