作品一覧
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4.0老いた元老書店主は朗読を通して青年を読書へと誘う。老人の読書案内は、そのまま人生の道案内でもあった! 本と友情、本と愛情……本は人と人を結び合わせる。老人介護施設で働き始めた18歳の落ちこぼれ青年グレゴワールは、本だらけの居室で本に埋もれるように暮らす元書店主のピキエ老人に出会い、まったく無縁だった本の世界に足を踏み入れる。体も目も不自由になってきているピキエ老人に朗読をするのが日課となり、それは他の入居者たちにも波及する。ある日はサリンジャー、ある日はラブレー、ある日はアレッサンドロ・バリッコ……。そして、二人は下水管を通して発禁本の朗読を希望者にこっそり聞かせるイベントまで企画する! 青年は本のソムリエのような老人の案内に従って様々な本に出会い、その魅力に取り憑かれていく。
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
『人を惹きつける朗読力・本のソムリエと共に…』
元書店主で老人ホームに入居中のムッシュー・ピキエと、ホームに勤める若者グレゴワールは、本と朗読を通じて交流を深めていく。老人の読書案内、チャレンジしてみようかな…
・サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』
・モーパッサン『装い』『トワーヌ』『ベロム師の獣』『売りもの』『メゾン・テリエ』『脂肪の塊』
・ナジャ『青い犬』
・ユゴー『徒刑場を訪ねて』
・アレッサンドロ・バリッコ『海の上のピアニスト』
・ルイ・アラゴン『イレーヌのコン』
・ギョーム・アポリネール『一万一千本の鞭』
・ベルナール・ノエル『聖餐城』
・モーリス・ジュヌヴォワ『十四年の人々 -
Posted by ブクログ
本とは縁のなかったグレゴワールが、老人施設でムッシュー・ピキエと出会い、本とも出会っていく。
ムッシュー・ピキエのための朗読会は、広がりたくさんの人々に喜びを与え、何よりもグレゴワールが変わっていく。
人生を重ねた人がそれまでの得たものを若い人に手渡していく、そんな繋がりが好きだ。
ムッシュー・ピキエが聖人君子ではないのがまたいい。一人の人間のありのままの姿を見せるからこそ、グレゴワールと友情が芽生えたのだろう。
ムッシュー・ピキエの最後の願いを叶えるためグレゴワールは、フォントヴロー修道院までの旅をする。
そこには、王妃アリエノールが両手に開いた本を持った永眠の姿勢が刻まれている。
それは