本とは縁のなかったグレゴワールが、老人施設でムッシュー・ピキエと出会い、本とも出会っていく。
ムッシュー・ピキエのための朗読会は、広がりたくさんの人々に喜びを与え、何よりもグレゴワールが変わっていく。
人生を重ねた人がそれまでの得たものを若い人に手渡していく、そんな繋がりが好きだ。
ムッシュー・ピキ
...続きを読むエが聖人君子ではないのがまたいい。一人の人間のありのままの姿を見せるからこそ、グレゴワールと友情が芽生えたのだろう。
ムッシュー・ピキエの最後の願いを叶えるためグレゴワールは、フォントヴロー修道院までの旅をする。
そこには、王妃アリエノールが両手に開いた本を持った永眠の姿勢が刻まれている。
それは、本を愛する者であれば願う永遠の姿だ。
本から得るもの、本を通して繋がること、本と共に成長すること、本好きに喜びを与えてくれる良い話だった。
そんな好きな本もいつか読めなくなるのだろう。その時、グレゴワールのような人が身近にいたら、朗読会が身近にあったらいいな。
ラストがなんとも素敵!