橋本智保の作品一覧

「橋本智保」の「詩と散策」「小さな町」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 小さな町
    -
    1巻1,870円 (税込)
    過去をすべて消しても生きていけるだろうか? 私だけが知らなかった、私のもう一つの物語 幼い頃の記憶。火事に見舞われた小さな町で、亡くなった悲しみに犬を飼う人々。死んだ兄。森の中に隠れて暮らす女性。いなくなった父。母の秘密。夫のスクラップブックと、消えた女優。現在と過去が交錯し、思わぬ真実が立ち上がってくる。 <あらすじ> 病床の母から繰り返し聞かされた、幼少期をすごしたあの小さな町の記憶。そこでは火事で多くの人が亡くなり、私の兄もそのとき死んだのだという。ある日、家出してたどり着いた森の中の家には、女性が隠れ住んでいた。それを機に母と親しくしはじめた彼女が起こした騒動をきっかけに、私の家族は壊れてしまう。 最期まで語られなかった母の秘密。記憶をたどる中、父との再会で告げられた思いもよらない真実とは……。 【目次】 一 反作用 二 至上命令 三 無神論者 四 交換 五 また別の女 六 ステキなしきもの 七 僕たちは失敗したんだ 八 死人に口なし 訳者あとがき 【著者】 ソン・ボミ 1980年生まれ。2009年に21世紀文学新人賞を受賞、2011年に東亜日報の新春文藝に短編小説「毛布」が当選する。短編集に『彼らにリンディ・ホップを』『優雅な夜と猫たち』『愛の夢』、長編小説に『ディア・ラルフ・ローレン』『小さな町』『消えた森の子どもたち』などがある。若い作家賞、大山文学賞、李箱文学賞などを受賞。 橋本智保 1972年生まれ。東京外国語大学朝鮮語科を経て、ソウル大学国語国文学科修士課程修了。 訳書に、鄭智我(チョンジア)『歳月』(新幹社)、キム・ヨンス『夜は歌う』『ぼくは幽霊作家です』(新泉社)、チョン・イヒョン『きみは知らない』(同)、ソン・ホンギュ『イスラーム精肉店』(同)、ウン・ヒギョン『鳥のおくりもの』(段々社)、クォン・ヨソン『レモン』(河出書房新社)『春の宵』(書肆侃侃房)、チェ・ウンミ『第九の波』(同)、ハン・ジョンウォン『詩と散策』(同)など多数。
  • 父の革命日誌
    4.5
    1巻2,310円 (税込)
    パルチザンとして闘争に身を捧げた父の突然の死。喪主として帰郷した娘だが、その葬儀には思いもよらない弔問客たちが次々と訪れる。人生の複雑さをユーモラスにたたえた、傑作長篇。
  • 詩と散策
    -
    1巻1,650円 (税込)
    散歩を愛し、猫と一緒に暮らす詩人ハン・ジョンウォンが綴るエッセイ 雪の降る日や澄んだ明け方に、ひとり静かに読みたい珠玉の25編 オクタビオ・パス、フェルナンド・ペソア、ローベルト・ヴァルザー、シモーヌ・ヴェイユ、パウル・ツェラン、エミリー・ディキンソン、ライナー・マリア・リルケ、シルヴィア・プラス、金子みすゞ、ボルヘス…… 著者のハン・ジョンウォンがひとり詩を読み、ひとり散歩にでかけ、日々の生活の中で感じたことを記している、澄みきった水晶のようなエッセイ集。読者は、彼女の愛した詩人たちとともに、彼女が時折口ずさむ詩とともに、ゆっくりと散歩に出かける。 【出版社:書肆侃侃房】 【目次】 宇宙よりもっと大きな 寒い季節の始まりを信じてみよう 散歩が詩になるとき 幸福を信じますか? 11月のフーガ 悲しみ、咳をする存在 果物がまるいのは 夏に似た愛 心のかぎりを尽くして来たから 永遠のなかの一日 海から海のあいだに なにも知りません よく歩き、よく転びます 国境を越えること みんなきれいなのに、わたしだけカンガルー ひと晩のうちにも冬はやってくる 夢とおなじ材料でできている 夕暮れただけ 窓が一つあれば十分 灰色の力 真実はゆっくりとまぶしくなければ 猫は花の中に いくつかの丘と、一点の雲 今日はわたしに、明日はあなたに 彼女の歩く姿は美しい(送らない手紙) 日本の読者のみなさんへ 訳者あとがき 【著者】 ハン・ジョンウォン 大学で詩と映画を学んだ。 修道者としての人生を歩みたかったが叶わず、今は老いた猫と静かに暮らしている。 エッセイ集『詩と散策』と詩集『愛する少年が氷の下で暮らしているから』(近刊)を書き、いくつかの絵本と詩集を翻訳した。 橋本智保 1972年生まれ。東京外国語大学朝鮮語科を経て、ソウル大学国語国文学科修士課程修了。 訳書に、キム・ヨンス『夜は歌う』『ぼくは幽霊作家です』(新泉社)、チョン・イヒョン『きみは知らない』(同)、ソン・ホンギュ『イスラーム精肉店』(同)、ウン・ヒギョン『鳥のおくりもの』(段々社)、クォン・ヨソン『レモン』(河出書房新社)『春の宵』(書肆侃侃房)、チェ・ウンミ『第九の波』(同)ユン・ソンヒほか『私のおばあちゃんへ』(同)など多数。
  • 私のおばあちゃんへ
    -
    1巻1,650円 (税込)
    6人の女性作家が描く“おばあちゃん”アンソロジー 年老いた女になるつもりはなかった。 その日その日を生きているうちに、いまにたどり着いただけ。 いまという日は、自分とはまったく関係のない他人のものでなければならなかった。 【目次】 きのう見た夢 ユン・ソンヒ 黒糖キャンディー ペク・スリン サンベッド カン・ファギル 偉大なる遺産 ソン・ボミ 十一月旅行 チェ・ウンミ アリアドネーの庭園 ソン・ウォンピョン 訳者あとがき 【著者】 ユン・ソンヒ 1973年生まれ。短編小説「レゴでつくった家」(1999年東亜日報新春文藝)でデビュー。短編集に『レゴでつくった家』『そこに、あなた?』『風邪』『笑うあいだ』『枕をする』『日々、エイプリルフール』、中編小説に『やさしい人』、長編小説に『見物人たち』などがある。 ペク・スリン 1982年生まれ。短編小説「嘘の練習」(2011年京郷新聞新春文藝)でデビュー。短編集に『ポール・イン・ポール』『惨憺たる光』『夏のヴィラ』、中編小説に『親愛なる、親愛なる』などがある。 カン・ファギル 1986年生まれ。 2012年に京郷新聞新春文藝に短編小説「部屋」が当選する。短編集に『大丈夫な人』『ホワイト・ホース』、長編小説に『別の人』などがある。 ソン・ボミ 1980年生まれ。2011年、東亜日報新春文藝に短編小説「毛布」が当選する。短編集に『彼らにリンディ・ホップを』『優雅な夜と猫たち』『マンハッタンの蛍』、長編小説に『ディア・ラルフ・ローレン』『小さな町』などがある。 チェ・ウンミ 1978年生まれ。2008年『現代文学』の新人推薦に短編小説「泣いて行く」が当選する。短編集に『あまりに美しい夢』『目連正伝』『雪で作った人』、中編小説に『昨日は春』、長編小説に『第九の波』などがある。 ソン・ウォンピョン 1979年生まれ。2016年、長編小説『アーモンド』で第十回チャンビ青少年文学賞を受賞。短編集に『他人の家』、長編小説に『三十の反撃』『プリズム』がある。現在、映画監督、シナリオ作家としても活躍している。 橋本智保 1972年生まれ。東京外国語大学朝鮮語科を経て、ソウル大学国語国文学科修士課程修了。訳書に、鄭智我『歳月』、千雲寧『生姜』、李炳注『関釜連絡船(上・下)』、朴婉緒『あの山は、本当にそこにあったのだろうか』、ウン・ヒギョン『鳥のおくりもの』、クォン・ヨソン『春の宵』『レモン』、キム・ヨンス『夜は歌う』『ぼくは幽霊作家です』、チョン・イヒョン『きみは知らない』、チェ・ウンミ『第九の波』など。

ユーザーレビュー

  • 父の革命日誌

    Posted by ブクログ

    父親がパルチザンであることによって父親との関係がよそよしくなった娘が父の死、葬儀をきっかけとしていろんな人びとと出会う、もしくは再会する。その人間たちを通して、娘が自分の知らない父親のよい人柄を知り、謙虚になって父親との和解を果たしていく。その過程がわたしの心に染み渡った。主人公は父親がパルチザンであることに父との葛藤の要因を見ていた。しかし、後世よりも人間が情熱的だったパルチザンと彼らをめぐる韓国の現代史なしでもリアルに、そして普遍的に意味をもつ父と娘との誤解を描くその筆致には見事だと言うほかない。

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    2025年10月30日
  • 父の革命日誌

    Posted by ブクログ

    “死んでもおしまいではないらしい、と私は思った。生は死によって、誰かの記憶の中によみがえるものなのだと。ということは、和解や赦しもまた可能なのかもしれなかった。”(p.220)

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    2024年11月30日
  • 父の革命日誌

    Posted by ブクログ

    父親の友人知人と話しているうちに、こどもがそれまで反発していた父親の知らなかった一面を知って受け入れていく、というのは、映画『ビッグフィッシュ』に少し似ている。両親は元パルチザンなので、断片的に語られる過去の出来事は辛いことも多いが(特に父親の弟の身に起きたことは本当にひどくて悲しい)、おおむね軽い語り口でユーモラスに書かれている。そのせいか、特異な経歴の特別な家族のはずが、よくある親子の反発と和解の物語のように思えてきてすんなり読めてしまう。そして、じんわりと温かい気持ちになった後で、日本も大いに関係している朝鮮戦争やパルチザンについて、もっとちゃんと知っていなくては、と思った。

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    2024年08月18日
  • 父の革命日誌

    Posted by ブクログ

    父が亡くなった。パルチザンだった父が電信柱に頭を打って亡くなった。一人娘のアリは喪主を務めないといけない。弔問客が来ると喪主が相手をする。この三日間で会ったことの無い人たちと会い、知らなかった父の話を聞いた。それはパルチザンとして闘争に入って、朝鮮戦争後も独裁政権のために牢獄に長いこと囚われていた父を知ることだった。その当時「連座制」といって本人以外の家族や親戚にまで法の統制を行った。そのために父の弟の人生は苦難に満ちたものになった。それを叔父は許せなく、父とは犬猿の仲となった。葬儀の期間、親戚一同、パルチザン時代を共に生きた人たち、両親と縁のある地域の人たちが次々に登場して父との思い出を語る

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    2024年11月15日
  • 父の革命日誌

    Posted by ブクログ

    読んでみてお隣の国のことなのにいままで何にも知らなかったな・・というのが第一印象。考えてみれば南北の休戦が成立するまで当然北でも南でも内部で激しい闘いがあっただろうし、北はともかく南で元パルチザンとして戦後を生きていくことは大変だっただろうと思います。もちろん本人たち以外の親戚や実の”娘”にとっても自由に未来を選択できない状況に追い込まれたわけで、過酷な体験だったのでしょう。正直、軍事政権下ではまず出版できなかっただろうな、というテーマです。
    頑固な元パルチザンの両親と”娘”の間にはどうしても溝ができてしまいますが、父の葬儀に集まった人々の話を聞くうちに溝は埋まっていき、娘は父を受け入れていき

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    2024年07月23日

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