【感想・ネタバレ】父の革命日誌のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年03月03日

発禁作家チョン・ジアの韓国32万部超えの作品
敗北した革命家の両親の一人娘のアリ
彼女は苦労して大学院を出て講師をしているが、
電信柱にアタマをぶつけて突然死んだ父の喪主をすることに。

葬儀(韓国では3日間)に弔問に続々とくる人たちは多彩
彼らのほうがインテリの娘よりもずっと父を知っていたことに初...続きを読むめて気づく
社会主義者で唯物論一点ばりで騙されてばかりの元パルチザンというだけではなかった
「ただ私が知らなかっただけだ」
「人間には千の顔がある」

ひややかにブラックユーモアを混じえて父を見ていたアリだが、彼女はまぎれもなくあの父の娘だった
あとがきで本書をチョンジアは亡き父のに捧げている、ありがとうの言葉とともに。

過酷な朝鮮半島の歴史にさらされた人びとを端正に静謐に書いた「歳月」と同じ著者とは思えないくらいのチェーホフ的ユーモアに満ちていた。



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Posted by ブクログ 2024年04月29日

最近、韓国文学にハマっていて、手に取った一冊。
パルチザンやその親族への連座制など、これまで自分が触れてこなかった負の歴史を垣間見た。現代から遠い実態は、ほんの数十年前のことであり、影響はまだ今も続くことに驚かされる。
筆者はパルチザンだった父の死で、これまでの父に対する嫌悪とは別に、弔問者の親戚や...続きを読む友人等から父の知らざる面や父らしい言動を聞き、改めて父への思いをはせる。
家族に嫌気がさしたり、田舎町の小さなコミュニティで面倒な関係がある反面、それを介して得られるものもある。筆者の実話を交えた語り口が、時には壮絶であった人生を達観している感じがあり、ふと自身や親の人生をなぞってみたくなった。

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