本のグループでもかなり話題になってたこの作品。気になりつつ、文庫待ちして、やっと読みました。いやあ〜〜すごい!圧倒的な作品でした。素晴らしい!
著者が69歳で初めて書いた小説だというから驚きです。でも、豊かに流れるような自然描写を読んでいて、動物学者だというのが納得です。
映画化されてるのは知ってた
...続きを読むけど、読んでから観る方がいいと思って控えていて・・・読みながら、もうすぐにでも映像が観たい!と密かに興奮しています。ちなみに、翻訳物でありながら、登場人物表を、ほとんど見ないでスイスイ読めました。これはちょっと珍しい。それだけ、キャラクターが際立っていていたのかも。
いろいろな意味で辛いお話だけど、どうしようもなく最悪な状況でも、やっぱり人は人に頼ったり、助けてもらったりしないと生きていけない。
そして『人生は長い』のだ。
信じられないような裏切りも、差別も偏見も暴力も、はたまた、知らなかった見えていなかった、優しさや、愛情や友情や、そういった全てのことが、時を経ていくことによって、形や色が変わっていく。
どうしても、カイアの目線・気持ちで読み進めてしまう。しかし、テイト、ジャンピン、メイベル、サラ、そういった人たちの心に、さりげない言葉に泣けてしまう。カイアが大人になってからのジョディとのシーンは特に泣けてしまいました。ああ〜〜〜人生というのは、後になって気づくことが、なんて多いことだろう。
印象に残ったところ少し…
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湿地は、彼女の母親になった。
これは人生の教訓よ。私たちはぬかるみにはまったわ。でもそんなときに女の私たちはどうした?楽しんで、笑ったでしょう。これそが姉妹や女の仲間がするべきことなの。泥のなかでも、いえ、泥のなかでこそ、そばにいて団結するのよ。
本物の男とは、恥ずかしがらずに涙を見せ、詩を心で味わい、オペラを魂で感じ、必要なときには女性を護る行動ができる者のことを言うのだと。
死ぬこと自体はさほど気にならなかった。この影のような人生がおわるからといって、何を恐れる必要があるだろう。ただ、他人によって自分の死が決定され、日程が組まれ、殺されるというのはあまりにも理解し難い状況で、想像するだけで息が止まりそうになるのだった。
心を
軽く見てはならない
頭では想像もつかぬことを
人はできてしまうのだ
たとえ自分の異質な振る舞いのせいでいまがあるのだとしても、それは、生き物としての本能に従った結果でもあった。
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ああ〜映画、早く観たいなあ!