友廣純のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ザリガニの鳴くところ
著者:ディーリア・オーエンズ
2019年・2020年アメリカでいちばん売れた本という肩書が気になり手に取った小説。
とにかく物語の重厚感に圧倒された。
ノースカロライナ州の湿地で発見された死体を巡る法廷ミステリーが主軸であるものの、
湿地に1人残された主人公の成長譚や、貧乏白人を描く社会差別、DV、三角関係の恋愛小説と、色々な切り口で物語を楽しめた。
また、野生動物学者である著者の自然描写が美しい。
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潟湖には、生命と死のにおいが同時に漂っていた。成長する有機体と、腐敗する有機体が交じり合ったにおい。カエルが嗄れた声で鳴いていた。カイアは -
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。カイアにあまりにも感情移入をしてしまい、家族が全員去っていったとき苦しくなり、テイトに恋をし、失望し…チェイスに関してはだめだー!だめだよカイアー!と思いながら結局こういう男にハマってしまうんだよ…という気持ちにもなり(カイアが私ではない誰かが彼を待ち望んでいるような気がする、みたいなことを言っていたけど孤独に晒され続け愛されたい少女だけが一人歩きしてしまったみたいですごく理解できて苦しかった)、ただ最後まで結末がわからずに読んでいたので虚を突かれた。
だが、性暴力をされ、鍵なんてない小屋のような家に暮らしている女の子が、これからも襲われるのかもしれないという恐怖に晒され続けたら生 -
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Posted by ブクログ
ネタバレカイアと言う一人の女性の人生譚、成長譚であり、湿地帯の美しさを描き、ミステリとしても上質。どこを切り取ってもハイレベルなすごい一冊だった。
社会からも家族からも見捨てられサバイバルさながらに独りで生きてきたカイアがチェイスを殺すと言う結末は、迫害され最底辺に位置するものによるその最上位に位置するものに対する下剋上であり、それを助けたのは唯一の味方であった自然とそれにまつわる知識であったと言う構図がとても良い。
しかし、テイトと幸せなその後を過ごしつつもそれを最期まで隠し続けたカイアの心情を思うと結局彼女は孤独であり続けたのではないかと、果たして幸せだったのか、報われたのかと勘繰ってしまう。
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Posted by ブクログ
素晴らしい本との出会いをありがとうございました。自然描写が繊細、細やかでカイアと一緒に湿地や沼地や歩いたりボートに乗っている気分にさせられました。
ミステリー小説としてだけてはなく、差別、偏見、人権問題、自然破壊等の社会問題にも切込み、学ぶべきことが多い小説でした。
また、人間と自然界の比較において後尾や優劣表現等の多くの行動の中で似ているところがあまりにも多く、生物として大きく捉えた視点に興味を寄せられました。
最後の結末は、ショックでしたが、自然界の摂理であり、生き物としての本能なのかもしれません。湿地の少女よ、安らかに眠って下さい。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレで、本作も面白かったですねー。
訳者の友廣氏が『この作品のジャンルを特定することは難しい。フーダニットのミステリであると同時に、ひとりの少女の成長譚とも、差別や環境問題を扱う社会は小説とも、南部の自然の風土を描いた文学ともとらえることが出来る』(P.605)と語っていましたが、確かに奥行のある作品でした。
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私は生物学系の本としてとらえました。
湖沼のほとりに打ち捨てられた少女・カイヤですが、実地と図書から学んだ知識は教授顔負けというところでしょう。そこでの観察を人間社会や人間関係へ適用しつつ考察するのを見て、私はかつて読んだコンラート・ローレンツの作品だったり、長谷川眞理子氏の作 -