友廣純のレビュー一覧

  • ザリガニの鳴くところ
    なんというか、主人公の女の子の人生に吸い込まれる感覚を味わった。
    この女の子ほど、「生」と向き合うことがあるだろうか。
    結末は、女の子が自分の住む場所をどれだけ詳細にいたることまで熟知していたかを示すものだと思う。
    殺人事件など法を犯すことはもちろん許されないが、彼女の人間らしさはとても美しく感じる...続きを読む
  • ザリガニの鳴くところ
    本当の孤独に出会った一冊。湿地帯に生息する動植物の描写が緻密で、情景が目にまざまざと浮かびました。作者がアメリカの有名な動物学者と知り納得。69歳で執筆した初めての小説が驚愕の2200万部ベストセラー。美しく素晴らしい翻訳。原文と読み比べしたいけど、長編小説なので難しいかなぁ。

    湿地帯で発見された...続きを読む
  • ザリガニの鳴くところ
    分厚い本なので読み切れるかと思ったが、読み始めたら止まらなくなった。
    主人公の少女がとっても魅力的。
    風景を想像しながら読むのは、本ならではの楽しさ。
  • ザリガニの鳴くところ
    本のグループでもかなり話題になってたこの作品。気になりつつ、文庫待ちして、やっと読みました。いやあ〜〜すごい!圧倒的な作品でした。素晴らしい!
    著者が69歳で初めて書いた小説だというから驚きです。でも、豊かに流れるような自然描写を読んでいて、動物学者だというのが納得です。
    映画化されてるのは知ってた...続きを読む
  • ザリガニの鳴くところ
    母親、兄妹、父親にもさられ1人で生活する少女、学校にも馴染めす、いかず、湿地でかもめや鳥たち自然とともに生きていく。一人ぼっちの暮らしの中でのさびしさ、人恋しさ、心の機微の表現にひきこまれていった。
    そして、衝撃のラスト!
    これって、サスペンスの要素もあるんですかね!
    人間関係、環境、愛情、色んな要...続きを読む
  • ザリガニの鳴くところ
    2024のベスト3の一冊はもう決まりました。
    評判通り、いや評判以上に良かったです。
    あまり外国文学を読まないのと、本の分厚さ、はじめに登場人物の紹介があったところから(これはややこしいのではという印象を持ってしまった)、本当に楽しめるかな…とびびってしまったが、どなたかのレビューにもあった通り、一...続きを読む
  • ザリガニの鳴くところ
    とても面白かった。最初は結構読むのに時間がかかっていたが、途中から少女の成長を感じて面白かった。最後の一文まで見逃せない作品に初めて出会えた。
    途中で出てくる差別や偏見など、考えさせられるものも沢山あって読んでよかったと思った。
  • ザリガニの鳴くところ
    ラスト衝撃!
    中盤まではカイアの孤独な湿地での日々をゆっくり時間をかけて読んでいたが、後半一気読み。
    知識がないから全然違うかもしれないけど、湿地とか川とか想像しながら読んだ。面白かったー
  • ザリガニの鳴くところ
    すべてに見放され、沼地に取り残された少女の一生を追った超話題作。差別や環境問題を扱う社会派小説、あるいは一人の少女の成長物語として極めて優れた作品だと感じました。

    貧富の差、性別の違い、人種の違いによる差別という問題。それを直接読者に見せつけるのではなく、この作品の根底にある「動物行動学」になぞら...続きを読む
  • ザリガニの鳴くところ
    生態学であり家族譚でありラブストーリーでありミステリーであり差別の物語でもある。
    湿地に暮らし、湿地に育てられた少女の成長はたくましさを感じさせました。でも同時に、沼地のように見抜けない少女の奥底が、常に正体を掴ませない不気味さを漂わせる作品でした。
  • ザリガニの鳴くところ
    アメリカでベストセラーになり映画化もされたミステリー小説。日本では2021年本屋大賞の翻訳部門で第1位に輝いた。主人公の少女カイヤは家族に見捨てられ、湿地の小屋でひとり生きている。学校にも通えないカイヤの楽しみは、湿地の大自然、ザリガニの鳴くところできれいな鳥の羽を集めたり、生き物をスケッチすること...続きを読む
  • ザリガニの鳴くところ
    もう心の中で整理できない気持ちがどんどん湧き出てきて途中で自分の体力を回復させないと物語に飲み込まれてしまいそうになって読み進めることが難しくなるほど強い作品だった。最後の最後までぎっっっしりつまっていて読み終えた今、静かに感想を語れる日は来ない気がする。だってね、ってここから何時間でも語ってしまい...続きを読む
  • ザリガニの鳴くところ
    素晴らしい。ストーリーとしても文章としても読むに値する内容。頭の中で生き生きとした自然が映像化される。その中で繰り広げられるみずみずしい恋愛の尊さと、生き物のグロテスクな面が見事な対比で描かれている。自然界では善悪はなく、ただ遺伝子を残そうとする行動が脈々と受け継がれている。交尾の相手を食べてしまう...続きを読む
  • ザリガニの鳴くところ

    静かな波が立つ作品

    なんでしょうね。波は立たないストーリーなのに、読後、ココロが揺さぶられてしまいました。ジャケ買いっぽく買いましたが、正解でした。
  • ザリガニの鳴くところ

    そこは自然を感じられるところ

    どうやら映画化されているようなのですが、できれば先に小説を読んで欲しいです。
    自分なりに主人公や登場人物、風景なとの想像が膨らむ美しさのある作品でしたので。
    映像で先に観る前に自分なりの世界を築く楽しさのある叙情の美しさが際立つ作品かと思います。

    生活に非常に苦労のある基本的には暗い内容なのですが...続きを読む
  • ザリガニの鳴くところ

    美しくて切ない映画のような物語

    私はミステリーを読む時、いつも作者の気持ちになって、誰がどういう行動をしてどんな展開になったら面白いし納得できるか考えながら読んでいます。この本でも、人間社会の対極にいる少女カイアのことだから、彼女のとった行動はきっと自然に則したものに違いない…そう思いながら読んでいました。そして最後まで読み終えた...続きを読む
  • ひとりの双子
    「色の薄い黒人たちが暮らす町」で生まれ育った双子の少女。
    自由を求め家出同然に都会に出る。
    「白人」として生きる2人の道はやがて分かれ、全く別の生き方を始めるー。
    黒人差別があまりにも染み付いてしまっているアメリカ。差別があらゆる場面で顔を出す。
    『ビラヴド』と比肩する傑作。
  • ザリガニの鳴くところ

    秀逸なミステリー!

    主人公の大自然やそこに生きる小動物への敬意、愛情を強く感じながら読み進んだ。最後の最後に謎が解けミステリーの醍醐味が味わえた。
  • ザリガニの鳴くところ
    主人公カイヤが6歳の頃の1952年と1969年を行きつ戻りつしながら進んでいくストーリー。多層的な構成になっていますが、メインはカイヤと関りのあったチェイスの死の真相に迫るミステリ部分なのだと思います。米国でベストセラーなのが頷けます。とても引き込まれます。
  • ザリガニの鳴くところ
    鳴くをsingとしていたり最後の詩であったり主人公のメタファーであると思わせられる。自然とは何か思い知らされる。とても良い。