友廣純のレビュー一覧

  • ひとりの双子

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    「色の薄い黒人たちが暮らす町」で生まれ育った双子の少女。
    自由を求め家出同然に都会に出る。
    「白人」として生きる2人の道はやがて分かれ、全く別の生き方を始めるー。
    黒人差別があまりにも染み付いてしまっているアメリカ。差別があらゆる場面で顔を出す。
    『ビラヴド』と比肩する傑作。

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    2022年04月07日
  • ザリガニの鳴くところ

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    かなりの長編小説なのに、終始ドキドキしながら一気読みした。最初から最後まで感情が揺れっぱなし。
    まず、家族に置いていかれたあとも、健気に帰りを待つ幼児カイアに胸が締め付けれる。時折り挟まれる母との回想シーンは毎回涙が出てしまった。
    そんなときに現れたテイトの存在に、ほっとすると同時に、別れの予感に苦しくなる。
    そしてチェイスへの怒り。「わたしを邪魔すんなー!」
    裁判のシーンでは、テイト、ジャンピン夫妻や弁護士のトムへのあたたかい感謝の気持ちと、それに応えきれないカイアの強情さに腹立たった。
    そして望んだ生活を手に入れて、こちらも幸せな気分になったあと、最後の真相を知り深淵をのぞいた気持ちになる

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    2025年11月16日
  • ザリガニの鳴くところ

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    犯人はコイツかな、、、アイツかな、、、と考えながら、一気に読み進めるがなかなか分からず、、、ラスト。そういう事ね。となる。

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    2025年11月10日
  • ザリガニの鳴くところ

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    原文は美しいし翻訳も素晴らしい。沼地や自然が生きているように描かれる。カイアの幸せを願わずにいられない。心の平穏は訪れたのか。でもラストは納得いかない。読んだ人と話したくなる作品

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    2025年10月12日
  • ザリガニの鳴くところ

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    ノース・カロライナの湿地で村の青年チェイスの死体が発見された。
    人々は真っ先に湿地の少女と呼ばれるカイアに疑いの目を向ける。
    6歳で家族に見捨てられ、生き延びてきたカイア。
    村の人々に蔑まれながらも、
    生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へ
    思いを馳せ暮らしていた彼女は果たして犯人なのか……

    読み終え、脱力感の様な不思議な感覚に襲われている。
    前半がとにかく重く辛い。
    カイアの人生が想像を絶するほどに過酷すぎるのだ。
    数えきれない別れ、そして偏見、決めつけ、差別。
    そういった負の感情が次々と描写されている。
    だが胸を張って酷いとどれぐらいの人が言えるのだろう。
    立場が違えば、自

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    2025年09月26日
  • ザリガニの鳴くところ

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    1960年代の湿地帯に住む孤独な少女の生涯の話。
    話は過去編と現代編が交互に展開され、過去編では少女の幼少期が、現代編では湿地帯で起こった殺人事件の捜査に焦点が当たり、やがて少女が被疑者として捉えられてしまい、、、といった話。
    全米でトップヒットした小説としてハードルが上がっていたが非常に楽しめました。

    湿地帯での生活の描写が生々しく、差別があまりない日本では感情移入がしにくい場面もありましたが勉強になりました。

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    2025年08月16日
  • ひとりの双子

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    ネタバレ

     数十年前のアメリカで、肌の色が薄い黒人という境涯に生きる双子の姉デジレーと妹のステラの人生の物語。
     薄い色の肌にこだわる母や周りの人々に嫌気がさして、外の世界に憧れるデジレーと、貧しさのために大学に行く夢を絶たれたステラは16歳の時に2人で家を出て行った。

     どんな思いや考えをもち、どんな人と出会い、どんな選択をするかで、いつも一緒にいた二人の人生がこんなにも別々の方向に向かい離れていく。

     白人として生き、裕福に暮らすが、自分を守るためにつく嘘が嘘をよび、自分というものがわからなくなり、その上、娘を傷つけ苦しむステラの心境が痛いほど伝わってきた。
     また、真っ黒な肌で生まれたデジレー

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    2025年08月09日
  • ザリガニの鳴くところ

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    家族に見捨てられた少女カイア

    一人で湿地と共に生きてきたカイアに訪れる
    ある日湿地で遺体で見つかった青年に対する犯人疑惑の日々

    村の人々には疎まれ
    カイアには頼れる人もなく
    湿地でその自然と共に生きているカイアは
    何を思い、何を感じて生きたのか

    結末にはひとそれぞれ感じることはあるだろうけど
    私は
    全てから解放されて自由になった
    ステキな笑顔のカイアが頭に浮かんだ

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    2025年08月03日
  • ザリガニの鳴くところ

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    某インフルエンサーさんがおすすめしていて、普段は翻訳ものは苦手なのですが、なんだか気になって購入。

    わたしが思う読書の魅力のひとつに、日本語の文章の流れが好き、という点があって、
    翻訳ものが苦手なのは、そんな日本の文章の魅力が削がれてしまいがちで読みづらいからっていうのがあるんだけど、

    にもかかわらず、この本はグイグイ読めてしまった。
    おそらく、そんな苦手ポイント以上に、自然の描写の美しさが勝っていたんだと思う。

    主人公の心の揺れ動きにも胸がツーンとなって、共感できた。あれもこれもフレーズをメモ。

    あと翻訳ものってなぜか、この先とても怖いことが起きるんじゃ…?っていう恐怖感があるってい

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    2025年09月17日
  • ひとりの双子

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    ルイジアナの小さな町マラードで黒人夫婦の家で生まれたクリーム色の肌と、はしばみ色の目と、緩やかに波打つ髪を持った双子のステラとデジレーとその娘の物語。父親がリンチで殺されるのを目撃したステラとデジレーは16 歳で母親のアデルを一人残してマラードを去り、ニューオリンズで新しい生活を始める。10年後、デジレーは不幸な結婚生活から逃れる為、黒い肌の娘ジュードを連れて実家に戻り、ステラは母親とデジレーとの家族の絆を断ち、白人と結婚して白い肌の娘ケネディと白人として暮らす。外見が白人でも黒人の血が一滴でも混ざっている者は全て差別の対象とする血の一滴の掟(one-drop rule)。デジレーはありのまま

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    2025年03月27日
  • ザリガニの鳴くところ

    購入済み

    危うい美しさ

    殺人事件から物語が始まり、ミステリーのつもりで読んでいました。
    確かに殺人事件の捜査が物語の中で進んでいきますが、一旦過去に戻り、親にも家族にも置き去りにされた少女の物語も進行していきます。
    その少女の物語が、孤独と沼地の自然の中で進んでいくのが、なんとも美しく寂しい物語でした。
    映像化されているということなので、配信を探してみたいと思っています。

    #切ない #エモい #深い

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    2025年02月12日
  • ひとりの双子

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    読んでよかった。
    大学で学んでなんとなく知ったつもりになっていたけれど、当事者の暮らしは想像できていなかった。
    解説もわかりやすく改めて勉強しようと思いました。

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    2025年02月11日
  • ひとりの双子

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    同じ人種・民族の中にもある「カラリズム」、人種差別、DV、性的マイノリティ、母娘関係など、複雑なテーマが盛りだくさんの作品だった。結局、差別やいじめをなくすのは不可能なことだと思うけど、なくす努力は必要だと思う。

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    2024年11月29日
  • ひとりの双子

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    『ザリガニの鳴くところに』の友廣純さんの翻訳が気に入り、本作も読んでみた。やっぱり日本語が綺麗で読みやすい。
    話が面白かったかと言われると微妙なところだが、平成生まれの日本に住んでいる私には想像できない人種差別について知ることができて読んでよかったと思う。
    双子妹のパッシングがバレたり、最後は親子4人が揃うなど、勝手に安易な想像をしていたが、そういう大衆小説のような作品ではない。

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    2024年10月05日
  • ひとりの双子

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    これまで知らなかった世界!
    差別が根深い以上
    白人でいられるならいたいのね…
    切ないけどアメリカの現実。

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    2024年02月25日
  • ひとりの双子

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    色の薄い黒人。
    ほとんど白人にしか見えない双子。
    しかし、当時のアメリカはまだまだ白人と黒人の差別がある時代。
    デジレーが子供を連れて帰ってきた。
    本当は大学へ行きたかったステラ。大学に行くために高校は卒業したかったのに、働かなければならず、中退。悔しい。
    2人で逃げ出す。
    生まれ育った故郷から逃げだした双子は、始めは一緒に生活をしていたが、
    ステラは突然いなくなる。
    大人になり子供(ジュード)をれて、デレジーは、マラードへ戻ってくる。
    ジュードとリースの恋
    トランスセクシャル→性転換症→ 身体的性と性自認が一致しておらず、性別適合手術やホルモン療法などの施術を望む状態、もしくは、そういった手

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    2022年10月04日
  • ひとりの双子

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    小さな町を出ていった双子のふたりの半生と、それぞれの娘たちの生きざまを静かな筆致で描いた物語です。彼女たちのその生きた旅路には、派手な事件やどんでん返しがあるわけではありません。ただ、目の前にあるさまざまな差別や偏見と対峙し、ひたすらに自分らしさをつかみとって、握りしめて、生きていこうとする姿だけが描かれています。そしてそれが、静かに確かに、胸を打つのです。

    今もなお黒人への差別はアメリカに根強く存在していることは遠い日本でもよく伝わるほどです。けれど時代を遡れば、それはむしろ区別とでもいうような、同じひととしてすらみなさないようなむごさを伴うものでした。そんな時代を生きぬいた彼女たち一人ひ

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    2022年09月19日
  • ひとりの双子

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    双子とその周りの人々の人生が描かれている。

    時代をいくつかまたぎ、舞台となる場所もまたぎ、さまざまなキャラクターが登場して、深みのある豊かな作品

    ちょっとミステリー的な要素もあって読み進めやすい作品になっている。

    全てが簡単につながるものではなく、うまくつながらないシーンが心地よい

    アメリカの人種社会の実態についても多少理解が深まる。

    双子という設定がまた絶妙で、当たり前だが違う人生を送る部分にリアリティーを感じた。

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    2022年09月03日
  • ひとりの双子

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    アメリカの人種差別は複雑だ。混血ではなく一滴でも黒人の血が入っていたらいくら白人に見えても黒人となる。そして白人に見える双子の選びとって別れた運命を大河小説のように描いた本作、全ての人々が生き生きして読ませます。特に黒い上にも黒いデジレーの娘ジュードの強さ優しさが魅力的です。
    重ねた嘘を守り抜いて魂の平安を失ったように見えるステラにいつか平穏な日々が訪れることを祈ります。

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    2022年08月11日
  • ひとりの双子

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    行方不明の叔母ステラにジュードが出会う確率は出会わない確率と同じである。そのことに数学が専門のステラは気づいている。努力をしても結果が自分の思うようにならないことはよくあること、でも運命に逆い空回りしてしまう。

    リースがジュードに「ときどききみは、いまだに向こうにいるような態度をとるだろ」と言う。肌の色に劣等感のあるジュードは白人と偽るステラと似ている。その逆で、デジレーはケネディと演じる女性という点で似ている。遺伝がクロスしている。

    この小説の中で世間によくいる男たち(ステラとデジレーの夫)は完全に脇役です。

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    2022年08月08日