友廣純のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
海外作品の独特な言い回しなどもあり、何を言ってるのか分からない部分もあったし、過去と現在が交互に出てきて混乱した部分はあるが、どんどん時間が交わると、面白くなって一気に読めた。
1人も手を差し伸べてあげなかったのに、悪い評判だけが先に植え付けられてしまったカイアの長い長い復讐の話だったのかなと思った。
今はそんなことは少ないと思うが、両親も出て行ってしまって1人の女の子が生き抜くというのはすごい努力も必要だし、同時に少女が女性になった際には色んな危険も伴うが、カイアの探究心がお金になったのはとても良かったなと思った。
それにしても、最後はなかなか胸がすく終わり方だったと思った。
出てくる男にクズが多すぎた。 -
Posted by ブクログ
2026/10/5
湿地に暮らす少女カイア。
一緒に暮らしていた家族は、みな父親の暴力から逃れるために次々に家を出て行った。
そしてその父までも帰ってこなくなり、カイアは「湿地の少女」と呼ばれ、生き延びてきた。
湿地の自然と暮らす彼女と、湿地で起きた不審死事件が交差する。
家族が、誰も小さなカイアを連れて行ってくれないのがとにかく悲しくて辛かった。
燃料を売る店の店主であるジャンピンとその妻になんとか支えられて生きてきたカイア。
かわいい服をもらって喜ぶ様子は普通の女の子そのものだったけれど、自然の中で、そこに生きる生き物たちと共に生活する彼女のことは、きっと理解できないんだろうと、ラストを読んで思った。
長いお話だけれど、先が気になってその長さはあまり気にならなかった。
少し物悲しい余韻が残った作品。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「湿地は、彼女の母親になった」
この言葉で感情移入できたように思います。とても悲しい感情ですが…。
ひとりで生きていくカイアに胸を打たれながらも、並行して事件の捜査が進みますが、全く誰が犯人かはわかりません。(ジャンピンかなとか思っていました)
法廷部分はとても面白く、弁護士のトムが巧みさが光りました。
最終的には犯人はカイアだとわかるのですが、いわゆるトリックのようなものはなく、ミステリーとは言い切れない部分がありました。
しかし、この犯罪はひとりで湿地で暮らして来たカイアが、生命の法則に従って起こしたのであり、そこに善悪はないのだと締めくくられているようでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ数十年前のアメリカで、肌の色が薄い黒人という境涯に生きる双子の姉デジレーと妹のステラの人生の物語。
薄い色の肌にこだわる母や周りの人々に嫌気がさして、外の世界に憧れるデジレーと、貧しさのために大学に行く夢を絶たれたステラは16歳の時に2人で家を出て行った。
どんな思いや考えをもち、どんな人と出会い、どんな選択をするかで、いつも一緒にいた二人の人生がこんなにも別々の方向に向かい離れていく。
白人として生き、裕福に暮らすが、自分を守るためにつく嘘が嘘をよび、自分というものがわからなくなり、その上、娘を傷つけ苦しむステラの心境が痛いほど伝わってきた。
また、真っ黒な肌で生まれたデジレーの娘のジュードは、困難がありながらも自分に正直に生きてとても輝いて見えた。母を愛する彼女が、母の望みを知りながら応えられないことに苦しみ、本当のことを言えない辛さもすごく伝わってきた。
責任を伴いながら、大人になるにつれて本当のことが言えないことも出てくるし、本当のことは外から見えないこともある、と実感を含めて思った。
デジレーとステラが離れても、二人の娘ジュードとケネディが巡り合うという運命に、縁や味わいが感じられる物語だった。
また、今なお根深いアメリカの人種問題を知る機会にもなった。
人はそれぞれの境涯の上に人生を歩む。人種、性別、貧富、社会的地位…それらの問題を自分のものとしてしっかり考えていけるようにしたい。 -
Posted by ブクログ
ルイジアナの小さな町マラードで黒人夫婦の家で生まれたクリーム色の肌と、はしばみ色の目と、緩やかに波打つ髪を持った双子のステラとデジレーとその娘の物語。父親がリンチで殺されるのを目撃したステラとデジレーは16 歳で母親のアデルを一人残してマラードを去り、ニューオリンズで新しい生活を始める。10年後、デジレーは不幸な結婚生活から逃れる為、黒い肌の娘ジュードを連れて実家に戻り、ステラは母親とデジレーとの家族の絆を断ち、白人と結婚して白い肌の娘ケネディと白人として暮らす。外見が白人でも黒人の血が一滴でも混ざっている者は全て差別の対象とする血の一滴の掟(one-drop rule)。デジレーはありのままの自分をアイデンティティとして受け入れ、ステラは出自を伏せ白人になりすますPassingとして生きることを選択する。ステラはその選択の代償に母親やデジレーとの絆を失い、ペルソナとアイデンティティの葛藤に苦しみ、秘密が暴かれることに脅かされる日々をおくる。タールベイビー “tar baby”とイジメを受けながらも未来に向かい着実に進むジュードと、母親の秘密を知らされアイデンティティの一部が剥離するケネディの二人の従姉妹の物語も切ない。
有色人種の日本人でありながら「美白」とか「色の白いは七難隠す」とか白人の美の基準によるカラリズム(Colorism)に汚染された社会に気付かされたり、あらゆる属性の共存を目指す「ダイバーシティ」を宣伝用に虚しく叫ぶ企業や政治家を思い浮かべたり、その実、自分自身はそれらを非難する資格もない傍観者であることを自嘲するなど色々と啓発させられる一冊でした。
「私に言い訳する必要はないわ」彼女が言う。「あなたの人生なんだから」「でも、私の人生じゃない」ステラは言う。「私のものなんてひとつもないの」「あなたが選んだんじゃない」ロレッタが告げる。「だったら、あなたのものなのよ」 “You don’t have to explain anything to me,” she would say. “It’s your life.” “But it’s not,” Stella would say. “None of it belongs to me.” “Well, you chose it,” Loretta would tell her. “So that makes it yours.”
初めのうちは、なりすましはとても単純な行為に思え、なぜ両親がその道を選ばなかったのか理解できなかった。だが、当時のステラはまだ若かった。自分ではない人間になるのはどれほど時間のかかることか、自分の居場所ではない世界で生きるのがどれほど孤独なものか、まだ気づいていなかったのだ。At first, passing seemed so simple, she couldn’t understand why her parents hadn’t done it. But she was young then. She hadn’t realized how long it takes to become somebody else, or how lonely it can be living in a world not meant for you.