友廣純のレビュー一覧

  • ザリガニの鳴くところ
    主人公カイヤが6歳の頃の1952年と1969年を行きつ戻りつしながら進んでいくストーリー。多層的な構成になっていますが、メインはカイヤと関りのあったチェイスの死の真相に迫るミステリ部分なのだと思います。米国でベストセラーなのが頷けます。とても引き込まれます。
  • ザリガニの鳴くところ
    タイトルが気になり手に取った作品。
    カイアの幼少期(冒頭)から読んでいて辛くなった。自然と共に生きるカイアを見て、読んでいるこちらも、自然について学ぶ事ができた作品。
    「ザリガニの鳴くところ」はどこにあるのか…
    つい考えてしまいました。
  • ザリガニの鳴くところ
     2021年本屋大賞翻訳小説部門第1位。ノースカロライナ州の湿地で、若い男性の死体が発見される。事件か事故か? 疑いの目は、「湿地の少女」と呼ばれるカイアへ向けられる。

     彼女は6歳で家族に見捨てられ、たった一人で湿地の小屋で生き抜いてきたのだ。学校にも通わない彼女に読み書きを教えてくれた少年テイ...続きを読む
  • ザリガニの鳴くところ
    過去と現在が交錯され進む物語。ミステリー要素を含みつつ、雄大な自然とそこで一人ぼっちで生きていく女性カイア。貧困と差別、様々な要素が含まれており、湿地に住む動物たちの描写も素晴らしかった。
  • ザリガニの鳴くところ
    その舞台となるのは、ノースカロライナの湿地帯。
    多くの生物達が生息しており、豊かな自然の中。
    人が生きてゆくのは厳しい。

    主人公カイアが7歳の時母親が家を出て行く。
    兄姉達も次々家を出る。
    残された父も酒に溺れ、カイアの面倒は見ないのに、10歳の時、出て行ってしまう。
    「湿地の少女」と呼ばれ差別さ...続きを読む
  • ザリガニの鳴くところ
    鳴くをsingとしていたり最後の詩であったり主人公のメタファーであると思わせられる。自然とは何か思い知らされる。とても良い。
  • ザリガニの鳴くところ
    湿地で1人生きるカイアの人生が自然とともに綴られており、かなり読み応えがあった。
    途中の詩のところは飛ばして読んでたけど、最後の詩は2度見した。
    全体的に暗い雰囲気ではあるけれど、洒落感のある文章で惹きつけられる話だった。
  • ザリガニの鳴くところ
    文庫版の帯に文章を寄せている三浦しをんさんからの問いにまず答えると、特殊な環境の元で生まれ育ち、周囲の人々とほとんど関わらず孤独な生活を営んでいた主人公が、ある出会いをきっかけにして徐々に心を開いていく様子を描いた成長小説・青春小説として私は読んだ。
    もちろんミステリとしても読めるんだけど、途中から...続きを読む
  • ザリガニの鳴くところ
    殺人事件の容疑者となった沼地の少女の話。
    時系列を行き来したがら少しずつ真実が明らかになってゆく。最後までハラハラしながら読んだ。
  • ザリガニの鳴くところ
    著者が動物学者だからか生き物の表現が繊細で豊かで素晴らしかった。こんな文章描けるようになりたいな。
    小学生の時、ハリーポッター読んだ時に感じていた自分が本の中にいるような没入感を久しぶりに味わえて楽しかった。
  • ザリガニの鳴くところ
    “なぜ傷つけられた側が、いまだに血を流している側が、許す責任まで背負わされるのだろう?“

    湿地で青年の遺体が見つかり、容疑は6歳で家族から見放され1人で暮らしていた女性に疑いがかかることから始まるフーダニットミステリー。

    作者が動物学者ということもあり、湿地とそこに生息している動物たちの描写が詳...続きを読む
  • ザリガニの鳴くところ
    良いとか悪いとか単純な言葉で終われないくらい一冊の本を通して色んな感情が生まれた。
    結末に向かうにつれて少しずつ闇が迫ってくるような感覚。貝殻が見つからないといいな、このまま真相は闇のまま読者にお任せします、カイアはずっと孤独で不幸だったけど最後は満たされてましたで終わってと思いながら読み進めたけど...続きを読む
  • ザリガニの鳴くところ
    ノース・カロライナの湿地で一人暮らす少女カイア。1969年、村の青年チェイスの死体が発見され、カイアはその容疑者となる。

    本作は600pほどの長めな翻訳小説となっている。あとがきにも書かれているが、本作のジャンルは非常に難しい。チェイスの死をめぐるサスペンス。6歳から一人で貧乏白人〈ホワイトトラッ...続きを読む
  • ひとりの双子
    これまで知らなかった世界!
    差別が根深い以上
    白人でいられるならいたいのね…
    切ないけどアメリカの現実。
  • ひとりの双子
    色の薄い黒人。
    ほとんど白人にしか見えない双子。
    しかし、当時のアメリカはまだまだ白人と黒人の差別がある時代。
    デジレーが子供を連れて帰ってきた。
    本当は大学へ行きたかったステラ。大学に行くために高校は卒業したかったのに、働かなければならず、中退。悔しい。
    2人で逃げ出す。
    生まれ育った故郷から逃げ...続きを読む
  • ひとりの双子
    小さな町を出ていった双子のふたりの半生と、それぞれの娘たちの生きざまを静かな筆致で描いた物語です。彼女たちのその生きた旅路には、派手な事件やどんでん返しがあるわけではありません。ただ、目の前にあるさまざまな差別や偏見と対峙し、ひたすらに自分らしさをつかみとって、握りしめて、生きていこうとする姿だけが...続きを読む
  • ひとりの双子
    双子とその周りの人々の人生が描かれている。

    時代をいくつかまたぎ、舞台となる場所もまたぎ、さまざまなキャラクターが登場して、深みのある豊かな作品

    ちょっとミステリー的な要素もあって読み進めやすい作品になっている。

    全てが簡単につながるものではなく、うまくつながらないシーンが心地よい

    アメリカ...続きを読む
  • ひとりの双子
    アメリカの人種差別は複雑だ。混血ではなく一滴でも黒人の血が入っていたらいくら白人に見えても黒人となる。そして白人に見える双子の選びとって別れた運命を大河小説のように描いた本作、全ての人々が生き生きして読ませます。特に黒い上にも黒いデジレーの娘ジュードの強さ優しさが魅力的です。
    重ねた嘘を守り抜いて魂...続きを読む
  • ひとりの双子
    行方不明の叔母ステラにジュードが出会う確率は出会わない確率と同じである。そのことに数学が専門のステラは気づいている。努力をしても結果が自分の思うようにならないことはよくあること、でも運命に逆い空回りしてしまう。

    リースがジュードに「ときどききみは、いまだに向こうにいるような態度をとるだろ」と言う。...続きを読む
  • 転位宇宙  アトランティス・ジーン3
    前半は「動」。後半は「静」。
    まるでジュラシックパークのようなワクワク感ある前半に比べ、後半は壮大な歴史や遺伝子についての説明が続く。これらの説明はもちろん重要(そして面白い)なんだけど、長いのです。
    それよりデヴィッドはどうなってるの!と気になったけど、ちゃんと話は着地してくれました。

    このシリ...続きを読む