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工場の同僚に恋をし、デートに出かけた女性と、その家族の悲劇「セヘル」。刑務所の屋根に巣をかけた雀の妻の勇ましさと夫の情けなさをコミカルに描いた「我々の内なる男」。スポーツカーが大好きな掃除婦が通勤中にデモに出くわす「掃除婦ナっち」。1冊の傑作小説を通して、都会で暮らす娘が疎遠になっていた父の秘密に触れる「歴史のごとく孤独」。中東の伝統的価値観や情勢に翻弄されながらも日々の生活を営み、夢や思い出を抱きつづける人びとの美しさを、 政治犯として勾留中の著者が紡ぎだす短篇集
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Posted by ブクログ
服役中のトルコの政治家が獄中で執筆したという作品集なのですが、社会の弱者によりそって、しかし、彼らが直面する理不尽な現実を真正面から描くような作品が多かったです。割と読みやすいライトな語り口で、哀しい終わり方の話も多いしテーマは重いけど、社会派で硬派すぎる感じでもなく読みやすい1冊でした。 一つ一...続きを読むつがかなり短いのだけど、ずっしり心に残る作品が多かったな。気に入った作品は「セヘル」「掃除婦ナッち」「黒い瞳によろしく」。
政治家が刑務所から出した本、と聞いて、この本の内容は予想外だった。 女性によりそい、弱者によりそい、ユーモアもあり、しかし残酷さを直視している。 こういう本を読んで損はないと思う。
トルコという国はヨーロッパ地方(イスタンブール含む)とアジア地方とあって、アジアの人(アナトリア)らしい。クルド人で政治家で服役中。こりゃーとんでもねー本借りちまったぜと思ったけんども、ちいとも難しくない短編10個。書かれてるのことは物騒。好きな女子ストーカーしてたら、その兄さんに射殺される。舟で逃...続きを読むげる時丸ごと沈没。こういった状況なのにふんわりメルヘンテイスト。レイプされた娘が家族に射殺されるのも「歩くべきだった将来の夢を失った」ということに。命に対しての意識を国民に考えて欲しいというメッセージなのかな。
解釈が難しいところもあったし、読んでてただただつらい描写もあった。これが刑務所の中で書かれたなんて。
牢獄から羽ばたく短編はケバブ風味。 表題作に“掃除婦ナッち”、そして“アレッポ挽歌”と“歴史のごとき孤独”が特に秀逸。
表題作はイスラム圏における女性の悲痛な物語。 冒頭数作が慣習となった差別的事象で重苦しいまま1冊続くのか、と心配になったが、 後半はもう少し明るいトーンの物語へとすすんでいきます。 「歴史の如き孤独」が好きかな。 この父親のような晩年を過ごしたい。
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鈴木麻矢
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