新潮社作品一覧

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  • VR浮遊館の謎―探偵AIのリアル・ディープラーニング―(新潮文庫nex)
    3.3
    人工知能探偵・相以(あい)と助手の輔(たすく)は、世界初のフルダイブ型VRに挑戦! あらゆるものが浮遊する館で、相以は魔法使いに変身! 早速、犯人当てゲームの最速クリア法を提案する。「一人ずつ殺していけばいいと思います!」ゲームとは思えない生々しい死体の出現、迫りくる殺人鬼の魔の手。はたして二人は浮遊館の謎を解き、無事に脱出できるのか。急転直下の推理バトル、新感覚ミステリ。
  • 約束の海
    4.0
    海上自衛隊の潜水艦「くにしお」と釣り船が衝突、多数の犠牲者が出る惨事に。マスコミの批判、遺族対応、海難審判……若き乗組員・花巻朔太郎二尉は苛酷な試練に直面する。真珠湾攻撃時に米軍の捕虜第一号となった旧帝国海軍少尉を父に持つ花巻。時代に翻弄され、抗う父子百年の物語が幕を開ける。自衛隊とは、平和とは、戦争とは。構想三十年、国民作家が遺した最後の傑作長篇小説。
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    4.2
    好色な医師フリントの奴隷となった美少女、リンダ。卑劣な虐待に苦しむ彼女は決意した。自由を掴むため、他の白人男性の子を身籠ることを――。奴隷制の真実を知的な文章で綴った本書は、小説と誤認され一度は忘れ去られる。しかし126年後、実話と証明されるやいなや米国でベストセラーに。人間の残虐性に不屈の精神で抗い続け、現代を遥かに凌ぐ〈格差〉の闇を打ち破った究極の魂の物語。
  • か「」く「」し「」ご「」と「(新潮文庫)
    4.0
    みんなには隠している、少しだけ特別な力を持った高校生5人。別に何の役にも立たないけれど、そのせいで、クラスメイトのあの子のことが気になって仕方ない――。彼女がシャンプーを変えたのはなぜ? 彼が持っていた“恋の鈴”は誰のもの? それぞれの「かくしごと」が照らし出す、お互いへのもどかしい想い。甘酸っぱくも爽やかな男女5人の日常を鮮やかに切り取った、共感必至の青春小説。
  • 探偵AIのリアル・ディープラーニング(新潮文庫nex)
    3.4
    人工知能の研究者だった父が、密室で謎の死を遂げた。「探偵」と「犯人」、双子のAIを遺して――。高校生の息子・輔(たすく)は、探偵のAI・相以(あい)とともに父を殺した真犯人を追う過程で、犯人のAI・以相(いあ)を奪い悪用するテロリスト集団「オクタコア」の陰謀を知る。次々と襲いかかる難事件、母の死の真相、そして以相の真の目的とは!? 大胆な奇想と緻密なロジックが発火する新感覚・推理バトル。
  • 落日燃ゆ
    4.5
    東京裁判で絞首刑を宣告された七人のA級戦犯のうち、ただ一人の文官であった元総理、外相広田弘毅。戦争防止に努めながら、その努力に水をさし続けた軍人たちと共に処刑されるという運命に直面させられた広田。そしてそれを従容として受け入れ一切の弁解をしなかった広田の生涯を、激動の昭和史と重ねながら抑制した筆致で克明にたどる。毎日出版文化賞・吉川英治文学賞受賞。

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  • 黒革の手帖(上)
    4.2
    1~2巻616円 (税込)
    7500万円の横領金を資本に、銀座のママに転身したベテラン女子行員、原口元子。店のホステス波子のパトロンである産婦人科病院長楢林に目をつけた元子は、元愛人の婦長を抱きこんで隠し預金を調べあげ、5000万円を出させるのに成功する。次に彼女は、医大専門予備校の理事長橋田を利用するため、その誘いに応じるが……。夜の紳士たちを獲物に、彼女の欲望はさらにひろがってゆく。

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  • 全裸監督 村西とおる伝 1巻
    完結
    -
    おまたせいたしました! おまたせしすぎたかもしれません! 2週間で1億円豪遊、撮影した女性は3000人・抱いた女性は7000人、2度の離婚、借金の総額50億円、前科7犯、米国司法当局からは懲役370年を求刑――この男は実在する!! Netflixドラマ化でも大評判!伝説のAV監督村西とおるの半生を描いたベストセラーがついに漫画化! 電子コミックの読者への特典として、ナイス(!)なページが美麗カラーになって増量収録!
  • 妖精配給会社
    3.6
    1巻616円 (税込)
    他の星から流れ着いた《妖精》は従順で遠慮深く、なぐさめ上手でほめ上手、ペットとしては最適だった。半官半民の配給会社もでき、たちまち普及した。しかし、会社がその使命を終え、社史編集の仕事を残すだけとなった時、過去の記録を調べていた老社員の頭を一つの疑念がよぎった……諷刺と戦慄の表題作など、ショート・ショートの傑作35編を収録した夢と笑いの楽しい宝石箱。
  • みずうみ
    3.6
    美しい少女を見ると、憑かれたように後をつけてしまう男、桃井銀平。教え子と恋愛事件を起こして教職の座を失ってもなお、異常な執着は消えることを知らない。つけられることに快感を覚える女の魔性と、罪悪の意識のない男の欲望の交差――現代でいうストーカーを扱った異色の変態小説でありながら、ノーベル賞作家ならではの圧倒的筆力により共感すら呼び起こす不朽の名作である。

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  • 天授の子
    -
    川端康成は、2歳から14歳までに、両親と姉と祖父母とを亡くし、天涯の孤児の感情を知った。養女を迎える話に、著者の孤独な少年時代を回顧する「故園」、上洛する古人の旅の心情を描く「東海道」、養女の民子への慈しみと戦後まもないペンクラブの活動を綴る「天授の子」など4編を収録する。1968年、日本で最初のノーベル文学賞を受賞した著者の、魂の奥の奥にふれる貴重な作品集。

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  • あやまちは夜にしか起こらないから(新潮文庫)
    4.8
    1巻605円 (税込)
    私の二番目の恋人(セカンダリー)になってください――自由な校風の私立学園の新任教師・佐竹は妖艶な音楽教師・万輝と一夜の関係を持つが、彼女の一言で運命が狂っていく。癒し系の家庭科教師・雪乃の性戯を愉しみながらも、万輝が忘れられない佐竹。やがてその学園にはポリアモリーという性愛が横行することが判明。その渦に巻き込まれていくが、快楽の極みは悲劇の幕開けだった。官能ロマンの衝撃作!
  • 生きるとか死ぬとか父親とか(新潮文庫)
    3.9
    母を亡くして約二十年。私にとって七十代の父はただ一人の肉親だ。だが私は父のことを何も知らない。そこで私は、父について書こうと決めた。母との馴れ初め、戦時中の体験、事業の成功と失敗。人たらしの父に振り回されつつ、見えてきた父という人、呼び起される記憶。そして私は目を背けてきた事実に向き合うーー。誰もが家族を思い浮かべずにはいられない、愛憎混じる、父と娘の本当の物語。(解説・中江有里)
  • 死者の奢り・飼育
    4.0
    死体処理室の水槽に浮沈する死骸群に託した屈折ある抒情「死者の奢り」、療養所の厚い壁に閉じこめられた脊椎カリエスの少年たちの哀歌「他人の足」、黒人兵と寒村の子供たちとの無残な悲劇「飼育」、傍観者への嫌悪と侮蔑をこめた「人間の羊」など6編を収める。“閉ざされた壁のなかに生きている状態”を論理的な骨格と動的なうねりをもつ文体で描いた、芥川賞受賞当時の輝ける作品集。
  • 常設展示室―Permanent Collection―(新潮文庫)
    3.9
    いつか終わる恋をしていた私。不意の病で人生の選択を迫られた娘。忘れられないあの人の記憶を胸に秘めてきた彼女。運命に悩みながら美術館を訪れた人々の未来を、一枚の絵が切り開いてくれた――足を運べばいつでも会える常設展は、今日もあなたを待っている。ピカソ、フェルメール、ラファエロ、ゴッホ、マティス、東山魁夷……実在する6枚の絵画が物語を豊かに彩る、極上のアート短編集。(解説・上白石萌音)
  • 犯人IAのインテリジェンス・アンプリファー―探偵AI 2―(新潮文庫nex)
    3.5
    人工知能探偵・相以(あい)の驚異的な推理力に大敗を喫した以相(いあ)。復讐に燃える彼女は、人間の知能を増幅させ(Intelligence Amplification)完璧な共犯者を造り、相以に挑戦状を叩きつけた。ゴムボートで漂着した死体、密室で殺された漁協長、首相公邸内殺人事件。連鎖する不可解な事象を読み解く一筋の推理の紐は、なんと以相の仕掛けた恐るべきトリックの導火線だった!? 奇想とロジックが宙を舞う超絶推理バトル再燃。
  • ピーター・パンとウェンディ
    3.9
    星がきれいなある夜、突然ウェンディの部屋に現れたピーター・パン。彼らは妖精ティンカー・ベルの魔法の粉を身体にふりかけ、ネバーランドへと飛び立ちます。行き方は、二つ目を右に曲がったら、そのまま朝までまっすぐ! さあ、海賊のフック船長、人魚、人食いワニが待つ大冒険の始まりです。永遠に年を取らない少年と、やがて大人になってしまう少女の、切なくも楽しい物語。
  • 古くてあたらしい仕事(新潮文庫)
    4.3
    「本をつくり、とどける」ことに真摯に向き合い続けるひとり出版社、夏葉社(なつはしゃ)。従兄の死をきっかけに会社を立ち上げたぼくは、大量生産・大量消費ではないビジネスの在り方を知る。庄野潤三小説撰集を通して出会った家族たち、装丁デザインをお願いした和田誠さん、全国の書店で働く人々。一対一の関係をつないだ先で本は「だれか」の手に届く。その原点と未来を語った、心しみいるエッセイ。(解説・津村記久子)
  • 来春まで―お鳥見女房―
    4.5
    将軍の鷹狩りの下準備を担うお鳥見役の矢島家。あるじの伴之助と妻・珠世の周りには嬉しい知らせが続いていた。次女の初産、嫁の懐妊、幼い頃から親しくしてきた石塚家長女の結婚――。幾多の苦難と辛い別れを乗り越え、やっと訪れた穏やかな日々。だが「来る者は拒まず」が信条の珠世のもとには、またも次々と難題が降りかかり……。新しい命が絆を強める、大好評シリーズ第七弾。
  • 拉致と決断
    4.3
    恋人と語らう柏崎の浜辺で、声をかけてきた見知らぬ男。「煙草の火を貸してくれませんか」。この言葉が、〈拉致〉のはじまりだった――。言動・思想の自由を奪われた生活、脱出への希望と挫折、子どもについた大きな嘘……。夢と絆を断たれながらも必死で生き抜いた、北朝鮮での24年間とは。帰国から10年を経て初めて綴られた、衝撃の手記。拉致の当日を記した原稿を新たに収録。
  • ご依頼の件
    3.8
    1巻671円 (税込)
    若いころの事件をたねに、金をゆすられているあなた! 殺してもあきたらないほど、憎らしい人がいるきみ! おもいきって、“殺し”はいかがですか? ご依頼の件は必ずやりとげ、絶対安全。あなたには決してご迷惑をおかけいたしません。常識的で、ありふれた世界に安住している人々の意識を痛撃し、人間の心の奥にひそむ願望をユーモアと諷刺で描いたショートショート40編。
  • フィリピンパブ嬢の社会学(新潮新書)
    3.8
    「アイシテルヨ~」の笑顔のかげに、凄まじい人生があった。フィリピンパブを研究するうちに、あるパブ嬢と付き合うようになった筆者は、その奴隷同然の暮らしを目の当たりにする。月給6万円、偽装結婚、ゴキブリ部屋に監視付、休みは月に2回だけ……そしてある日、彼女に懇願されて、雇い主のヤクザのところに、なぜか乗り込む羽目に! 前代未聞、ノンフィクション系社会学。
  • なまみこ物語
    3.8
    たぐいなきみやびの陰に、摂関政治の忌わしい相剋を露呈した平安朝。一条帝のもとに中宮として入内し、帝の狂おしいばかりの愛を得ながら、なお悲運の生涯を辿らねばならなかった定子。その、はかない宿命を物語りつつ、関白・道長の野望実現のため、策動させられる生神子姉妹の、あやなす悲劇を鮮明に描き上げた「なまみこ物語」。ほかに「歌のふるさと」「ますらお」を併録する。
  • クイズ!正義の選択 1巻
    完結
    3.3
    幸福と道徳の相違点。生を彩る、究極の二者択一。動画配信サービス『ジャスティス』が贈る、人気バラエティ番組『クイズ! 正義の選択』に、今宵も新たな挑戦者たちが挑む! “起業資金500万円”を得るか、“左腕”を失うか。正解なき問題で試される、それぞれの決断。
  • 検察―破綻した捜査モデル―
    3.3
    なぜ検察の不祥事はかくも続いているのか。その背後には、属人的な問題では片付かない「構造問題」が隠れている。司法取引などの手段を擁さないまま、自白を引き出すための「取り調べ」に全力を傾けるという捜査モデルが時代に合わなくなってきたのだ。特捜検事の犯罪が生まれる理由、メディアとの関係、「国策捜査」が行われる事情まで、検察取材経験三十年以上の第一人者が徹底解説。

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  • 拷問迷宮 1巻
    -
    1~2巻594~693円 (税込)
    「爪だ。爪を剥ぐ」痛みを可視化する、密室自傷ゲーム。目覚めると、そこは無骨で無機質な空間。あるのは、扉と拷問器具のみ。状況を把握出来ないまま、右手の甲に浮かび上がるアラビア数字。“君の痛みを僕は知る”痛みと扉が連動していることを知った青年の行動はただ一つ、耐えること。
  • 邦画の昭和史―スターで選ぶDVD100本―
    4.0
    テレビが天下を制する前、闇の銀幕に輝いて観る者の魂を捉えた不滅のスーパースターたち――。三船敏郎、石原裕次郎、小林旭、高倉健、鶴田浩二、渥美清。さらに気品と演技力を兼ね備えた不世出の大女優・原節子、田中絹代、高峰秀子……等々。時代とともに大衆が求め憧れてきたものは何だったのか。直木賞作家で映画批評家の著者が、極め付きのDVD100本を選んで、「スター」を軸に描き出す画期的な戦後日本映画史。

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  • 霊と金―スピリチュアル・ビジネスの構造―
    3.3
    信じる者は救われぬ。スピリチュアリティ(神霊・心霊)を騙れば簡単に金儲けはできる。ほんの少しだけ「不安」を煽り、安易な「癒し」を差し出せば判断能力は歪められ、人は喜んで搾取され続けるのだ。その危険性について現代人はあまりに無防備である。神世界、統一教会、テレビ霊能者から仏教、神道、キリスト教など既存の宗教まで、霊と金、宗教と経済の関係を対応させながら現代社会を鋭く読み解く意欲作。

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  • コールドゲーム
    値引きあり
    3.4
    高3の夏、復讐は突然はじまった。中2時代のクラスメートが、一人また一人と襲われていく……。犯行予告からトロ吉が浮び上がる。4年前、クラス中のイジメの標的だったトロ吉こと廣吉。だが、転校したトロ吉の行方は誰も知らなかった。光也たち有志は、「北中防衛隊」をつくり、トロ吉を捜しはじめるのだが――。やるせない真実、驚愕の結末。高3の終らない夏休みを描く青春ミステリ。

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  • 愛なんて嘘(新潮文庫)
    4.3
    恋人の家に転がり込んできたのは、とっくの昔に離婚したはずの彼の元妻だった。ひとつの場所にとどまることのできない女の存在が二人の関係を変える(「夜を想う人」)。一度は別れを選び、それぞれが新しい伴侶を見つけ、子供も授かった元夫婦の約束とは(「二人のプール」)。裏切りに満ちたこの世界で、信じられるのは私だけ? 平穏で幸福な愛の“嘘”に気づいてしまった男女を繊細な筆致で描く六篇。
  • アクセス
    3.6
    親友の死から立ち直るまもなく、可奈子の携帯が着信した。電源を切っても聞こえる押し殺した笑い声――「おまえが殺した」。毎日はフツーだった。そう、「2mb.net」を知るまでは。誰かを勧誘すればネットも携帯も無料というプロバイダに登録した高校生たちを、奇怪な事件が次々襲う。自殺、失踪、連続殺人……。仮想現実に巣くう「極限の悪意」相手の、壮絶なサバイバルが始まった!

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  • あしながおじさん(新潮文庫)
    4.5
    孤児院で育ったジュディの人生に、とびきりのチャンスと幸せが舞い込んできた。名を名乗らない裕福な紳士が、奨学金を出して彼女を大学に通わせてくれるという。ただし条件がひとつ。毎月、手紙を書いて送ること。ジュディは謎の紳士を「あしながおじさん」と呼び、持ち前のユーモアがあふれた手紙を書き続けるのだが――。最高に素敵なハッピーエンドが待ち受ける、エバーグリーンな名作。
  • 男振
    4.4
    若くして頭髪が抜け落ちる奇病を主君の嗣子・千代之助に、侮蔑された17歳の源太郎は、乱暴をはたらき監禁される。別人の小太郎を名のって生きることを許されるが、実は主君の血筋をひいていたことから、お家騒動にまきこまれることになる。しかし、源太郎は、宿命的なコンプレックスを強力なエネルギーに変えて、市井の人として生きる道を拓いていく。清々しく爽やかな男の生涯。
  • カーテンコール!(新潮文庫)
    4.3
    閉校が決まった私立萌木女学園。単位不足の生徒たちをなんとか卒業させるべく、半年間の特別補講合宿が始まった。集まったのは、コミュ障、寝坊魔、腐女子、食いしん坊……と個性豊かな“落ちこぼれ”たち。寝食を共にする寮生活の中で、彼女たちが抱えていたコンプレックスや、学業不振に陥った意外な原因が明らかになっていく。生きるのに不器用な女の子たちの成長に励まされる青春連作短編集。(解説・岩田徹)
  • 計算する生命(新潮文庫)
    3.0
    「計算」は私たちの生活のそこかしこに現れる。では、指やペンを使う足し算や筆算と、膨大な電力を消費する巨大コンピュータによる計算は、何が異なるのだろうか。機械が人間の能力を遥かに超越し、日夜無言で計算し続けるいま、私たちには一体何が残されるのだろうか――。気鋭の独立研究者が数学史を遡り、いつしか生命の根源まで辿り着いた果てに提示する新たな地平。河合隼雄学芸賞受賞作。(解説・下西風澄)
  • ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―
    4.0
    1~7巻693~1,716円 (税込)
    見たい、知りたい、わかりたいという欲望の爆発、それがルネサンスだった――フィレンツェ、ローマ、ヴェネツィアと、ルネサンスが花開いた三都市を順に辿り、レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、フリードリッヒ二世や聖フランチェスコ、チェーザレ・ボルジアなど、時代を彩った人々の魅力を対話形式でわかりやすく説く。40年にわたるルネサンスへの情熱が込められた最高の入門書。 ※当電子版は新潮文庫『ルネサンスとは何であったのか』を元に制作しています。地図・年表なども含みます。新潮文庫版に収録の「対談 塩野七生×三浦雅士」も掲載しています。
  • 師弟の祈り 旅路の果てに―僕僕先生―(新潮文庫)
    完結
    3.6
    全1巻737円 (税込)
    時空を越えた王弁が辿りついたのは、現代日本だった。そこで出会ったのは、妻が消えた男とあの殺し屋……。一方、長安では、王方平がとある女神を復活させ、人間と神仙の戦いを始めようとしていた。王弁は、元の世界に戻れるのか。姿を消した僕僕先生の目的は。人間を滅ぼそうとする神仙と祈りを武器に神仙に抗おうとする人間、そして僕僕たちの最後の旅と戦いがここに決着。感動の最終巻!(解説・小谷真理)
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)
    3.9
    神々がシーシュポスに科した刑罰は大岩を山頂に押しあげる仕事だった。だが、やっと難所を越したと思うと大岩は突然はね返り、まっさかさまに転がり落ちてしまう。――本書はこのギリシア神話に寓してその根本思想である“不条理の哲学”を理論的に展開追究したもので、カミュの他の作品ならびに彼の自由の証人としてのさまざまな発言を根底的に支えている立場が明らかにされている。
  • 仙丹の契り―僕僕先生―(新潮文庫)
    3.8
    長らくの仲間と別れ、新たな旅路へ出発した僕僕一行。国境を守る街で、王弁は吐蕃(チベット)の医師ドルマと再会した。どうやら同地の城の主ダー・バサンが病に倒れ、医師と薬師を募集しているらしい。二人はタッグを組んでチャレンジするが、患者に触れずに診断してみろと妙な条件を出され……。奇怪なおねえキャラも登場し、王弁と僕僕の仲も進展、か? 「僕僕先生」シリーズ、ドキドキの第八弾!
  • 創作する遺伝子―僕が愛したMEMEたち―(新潮文庫)
    4.0
    「メタルギアソリッド」シリーズ、『DEATH STRANDING』等を生んだ天才ゲームクリエイターの創作力は、本、映画、音楽への深い尊敬と情熱によって焚きつけられていた――。散文集『僕が愛したMEME(ミーム)たち いま必要なのは、人にエネルギーを与える物語(ミーム)』を再構成し改題。会社独立後から現在にいたるまでの想い、新作への意欲を新たに書き下ろした熱烈なる偏愛エッセイ。特別対談:星野源。
  • 地球星人(新潮文庫)
    3.9
    恋愛や生殖を強制する世間になじめず、ネットで見つけた夫と性行為なしの婚姻生活を送る34歳の奈月。夫とともに田舎の親戚の家を訪れた彼女は、いとこの由宇に再会する。小学生の頃、自らを魔法少女と宇宙人だと信じていた二人は秘密の恋人同士だった。だが大人になった由宇は「地球星人」の常識に洗脳されかけていて……。芥川賞受賞作『コンビニ人間』を超える驚愕をもたらす衝撃的傑作。(解説・小林エリカ)
  • 箱男(新潮文庫)
    4.0
    ダンボール箱を頭からすっぽりとかぶり、都市を彷徨する箱男は、覗き窓から何を見つめるのだろう。一切の帰属を捨て去り、存在証明を放棄することで彼が求め、そして得たものは? 贋箱男との錯綜した関係、看護婦との絶望的な愛。輝かしいイメージの連鎖と目まぐるしく転換する場面(シーン)。読者を幻惑する幾つものトリックを仕掛けながら記述されてゆく、実験的精神溢れる書下ろし長編。(解説・平岡篤頼)
  • バルサの食卓
    4.1
    バルサとチャグムが熱々をかきこんだ〈ノギ屋の鳥飯〉、タンダが腕によりをかけた〈山菜鍋〉、寒い夜に小夜と小春丸が食べた〈胡桃餅〉、エリンが母と最後に食べた猪肉料理……上橋作品に登場する料理は、どれもメチャクチャおいしそうです。いずれも達人の「チーム北海道」が、手近な食材と人一倍の熱意をもって、物語の味の再現を試みました。夢のレシピを、さあ、どうぞ召し上がれ。
  • 豆の上で眠る(新潮文庫)
    3.7
    小学校一年生の時、結衣子(ゆいこ)の二歳上の姉・万佑子(まゆこ)が失踪した。スーパーに残された帽子、不審な白い車の目撃証言、そして変質者の噂。必死に捜す結衣子たちの前に、二年後、姉を名乗る見知らぬ少女が帰ってきた。喜ぶ家族の中で、しかし自分だけが、大学生になった今も微(かす)かな違和感を抱き続けている。――お姉ちゃん、あなたは本物なの? 辿り着いた真実に足元から頽(くずお)れる衝撃の姉妹ミステリー。(解説・宇田川拓也)
  • 57歳で婚活したらすごかった(新潮新書)
    3.6
    やっぱり結婚したい。57歳で強くそう思った著者は、婚活アプリ、結婚相談所、婚活パーティーを駆使した怒濤の婚活ライフに突入する。その目の前に現れたのは個性豊かな女性たちだった。「クソ老人」と罵倒してくる女性、セクシーな写真を次々送りつける女性、衝撃的な量の食事を奢らせる女性等々。リアルかつコミカルに中高年の婚活を徹底レポートする。切実な人のための超実用的「婚活次の一歩」攻略マニュアル付!
  • シャーロック・ホームズの帰還
    4.1
    自ら歴史小説家と称していたドイルは『最後の事件』をもってホームズ物語を終了しようとした。しかし読者からの強い要望に応え、巧妙なトリックを用いて、滝壺に転落死したはずのホームズを“帰還”させたのである。本編はホームズ物語の第三短編集で、帰還後第一の事件を取上げた「空家の冒険」をはじめ、「六つのナポレオン」「金縁の鼻眼鏡」など、いよいよ円熟した筆で読者を魅了する。
  • 誰が「道徳」を殺すのか―徹底検証「特別の教科 道徳」―(新潮新書)
    -
    戦後七十数年を経て、道徳は「特別の教科」として教科化された。その狙いは? 新しい教科書の中身は? 先進各国が教えるモラルは? 道徳教育こそ国民性を表すと考える著者が、修身にはじまる歴史を辿りながら、日教組の影響、様々な提言が封じられてきた経緯、教科書の盲点等、幅広い視野から問題点を炙り出していく。道徳は一部の政治家や官僚、教師に任せるべきものではない。国民が逃げずに向き合うべき課題なのだ。
  • 恥ずかしい人たち(新潮新書)
    3.9
    今日もまた「恥ずかしい人」が増殖中。態度がエラそう過ぎるオッサン、成功者なのに不満ばかりのコメンテーター、言い訳する能力も欠けた政治家、勝手な“義憤”に駆られた「リベラル」と「保守」。その醜態はネットで拡散され、一般市民は日々呆れ、タメ息をつく。それでも反省しない、恥ずかしさに気づけない者どもをどう考えればいいか。時に実名を挙げ、時に自らを省みながら綴った「壮絶にダメな大人」図鑑。
  • ひとつむぎの手(新潮文庫)
    4.3
    大学病院で激務に耐えている平良祐介は、医局の最高権力者・赤石教授に、三人の研修医の指導を指示される。彼らを入局させれば、念願の心臓外科医への道が開けるが、失敗すれば……。キャリアの不安が膨らむなかで疼く、致命的な古傷。そして緊急オペ、患者に寄り添う日々。心臓外科医の真の使命とは、原点とは何か。リアルな現場で、命を縫い、患者の人生を紡ぐ熱いドラマ。傑作医療小説。
  • 葬送 第一部(上)
    4.0
    1~4巻583~704円 (税込)
    ロマン主義の全盛期、十九世紀パリ社交界に現れたポーランドの音楽家ショパン。その流麗な調べ、その物憂げな佇まいは、瞬く間に彼を寵児とした。高貴な婦人たちの注視の中、女流作家ジョルジュ・サンドが彼を射止める。彼の繊細に過ぎる精神は、ある孤高の画家をその支えとして選んでいた。近代絵画を確立した巨人ドラクロワとショパンの交流を軸に荘厳華麗な芸術の時代を描く雄編。

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  • だれかさんの悪夢
    3.9
    1巻583円 (税込)
    大金持ちになりたい。魅力的な女と結婚したい。おもしろおかしく毎日をすごしたい。超能力を身につけたい。国家元首になりたい。宇宙を征服したい。早く刑務所から出たい。――平凡なことから途方もないことまで、ああもしたい、こうもしたいと限りなく広がる人間の夢。だが、その夢が実現してみると……。欲望多き人間たちがひきおこす悲劇喜劇を軽妙に描く傑作ショートショート集。
  • 三成さんは京都を許さない―琵琶湖ノ水ヲ止メヨ― 1巻
    完結
    4.0
    近江を制するものは天下を制す!!かつてそう言われた地、滋賀県。しかし現代では魅力度ランキングは下位争い、地味な県、琵琶湖だけ、と散々の評判…。そんな滋賀を立て直すべく、県知事特別秘書を任命されたのは、あの戦国武将・石田三成――!?滋賀繁栄の為、愛する知事の為、あの「京都」を仇敵と見据えた三成さんの無謀極まりない下剋上が今始まる!!
  • 絶対に挫折しない日本史(新潮新書)
    3.7
    大河ドラマや歴史小説は好きだけど、古代から現代までの日本の通史となるとちょっと自信がない……そんな人は少なくない。覚える用語が多すぎるうえ、ヤマもオチもない歴史教科書に挫折してしまうのだ。だが、思い切って固有名詞を減らしてしまい、流れを超俯瞰で捉えれば、日本史は、ここまでわかりやすくて面白くなる! 歴史学者ではない著者だからこそ書けた、全く新しい日本史入門。
  • GANGSTA.―オリジナルノベル―(新潮文庫nex)
    3.3
    マフィアの支配する街エルガストルムで、宅配から殺しまで、何でも請け負う便利屋を営むニコラスとウォリック。少女ソフィアは死にゆく身と知りながら、彼らに不思議な依頼をした――“あと3年、匿って”。やがて、見慣れない二人組ダリオとヨハンが現れ、親しくなるウォリック。だがソフィアの真の願いに気づいた時、衝撃の闘いが幕を開ける! 人気コミック、オリジナルノベライズ。
  • アッコちゃんの時代
    3.5
    金と力のある男の欲望を受け止めてやるのは、若く美しい女の義務なのだ。私はそれに忠実だっただけ――。「地上げの帝王」と呼ばれた不動産会社社長の愛人を経て、女優を妻に持つ有名レストランの御曹司を虜にし、狂乱のバブル期の伝説となった女性、アッコ。彼女は本当に「魔性の女」だったのか。時代を大胆に謳歌し、また時代に翻弄された女性を描く、煌びやかで蠱惑的な恋愛長編。

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  • 神の子どもたちはみな踊る(新潮文庫)
    3.9
    1995年1月、地震はすべてを一瞬のうちに壊滅させた。そして2月、流木が燃える冬の海岸で、あるいは、小箱を携えた男が向かった釧路で、かえるくんが地底でみみずくんと闘う東京で、世界はしずかに共振をはじめる……。大地は裂けた。神は、いないのかもしれない。でも、おそらく、あの震災のずっと前から、ぼくたちは内なる廃墟を抱えていた――。深い闇の中に光を放つ6つの黙示録。
  • ごんぎつね でんでんむしのかなしみ―新美南吉傑作選―(新潮文庫)
    -
    わずか29歳で夭逝した新美南吉は、美智子上皇后の胸に刻まれた「でんでんむしのかなしみ」や「手袋を買いに」など、多くの心優しい童話と詩を残した。不遇な幼年時代だったが18歳で「ごんぎつね」を発表。その後結核に苦しみながらも、創作の情熱は最期まで衰えなかった。生きることの淋しさを抱えつつ、それでも歩もうとする勇気を、繊細な感性で描いた傑作童話11編と数編の詩を収録した。
  • 天皇陛下の私生活―1945年の昭和天皇―(新潮文庫)
    3.3
    太平洋戦争の敗色濃い昭和20年、大日本帝国の国家元首だった昭和天皇は、どのような日常生活を送っていたのか。正月、空襲警報発令後の宮中祭祀「四方拝」から、終戦時のクーデター未遂、翌年始に発せられた「人間宣言」の署名まで、皇室存亡の危機にあった1年間に焦点を絞り、『昭和天皇実録』をはじめ膨大な資料を読み解き、日々の暮らしや人間関係を鮮やかに甦らせたノンフィクション。(解説・門井慶喜)
  • 東京奇譚集(新潮文庫)
    4.0
    肉親の失踪、理不尽な死別、名前の忘却……。大切なものを突然に奪われた人々が、都会の片隅で迷い込んだのは、偶然と驚きにみちた世界だった。孤独なピアノ調律師の心に兆した微かな光の行方を追う「偶然の旅人」。サーファーの息子を喪くした母の人生を描く「ハナレイ・ベイ」など、見慣れた世界の一瞬の盲点にかき消えたものたちの不可思議な運命を辿る5つの物語。
  • 春の嵐
    4.1
    少年時代の淡い恋が、そりの事故を機に過ぎ去り、身体障害者となったクーンは音楽を志した。魂の叫びを綴った彼の歌曲は、オペラの名歌手ムオトの眼にとまり、二人の間に不思議な友情が生れる。やがて彼らの前に出現した永遠の女性ゲルトルートをムオトに奪われるが、彼は静かに諦観する境地に達する……。精神的な世界を志向する詩人が、幸福の意義を求めて描いた孤独者の悲歌。
  • パニック・裸の王様
    4.0
    1巻572円 (税込)
    とつじょ大繁殖して野に街にあふれでたネズミの大群がまき起す大恐慌を描く「パニック」。打算と偽善と虚栄に満ちた社会でほとんど圧殺されかかっている幼い生命の救出を描く芥川賞受賞作「裸の王様」。ほかに「巨人と玩具」「流亡記」。工業社会において人間の自律性をすべて咬み砕きつつ進む巨大なメカニズムが内蔵する物理的エネルギーのものすごさを、恐れと驚嘆と感動とで語る。
  • 1998年の宇多田ヒカル
    3.8
    1998年。史上最もCDが売れた年。宇多田ヒカル、椎名林檎、aiko、浜崎あゆみがデビューした年。偉大な才能がそろって出現した奇跡の年と、四人それぞれの歩みや関係性を、「革新・逆襲・天才・孤独」をキーワードに読み解く。はたして彼女たちは何を願い、歌い続けてきたのか? なぜ今もなお特別な存在であり続けているのか? 苦境の音楽シーンに奮起を促す、注目の音楽ジャーナリスト、渾身のデビュー作!
  • 状況曲線(上)
    3.7
    1~2巻704円 (税込)
    建設会社専務の味岡は、高級官僚に顔が利く“先生”を中心にした談合組織に入り、工事の情報を得ていた。彼が仲間と“先生”に会っていた日、同じビルの屋上で他殺死体が見つかる。偶然、後に犯人と疑われるような行動を取ってしまった味岡は、芸者との逢引き先でも、“先生”の女性秘書の遺体にぶつかってしまう……。巧妙なワナに追いつめられていく味岡! 長編サスペンスの傑作。

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  • 官邸は今日も間違える(新潮新書)
    3.8
    コロナ禍の日本政治は迷走が続いた。突然発表された全国一斉休校に、閣議決定をやり直した一律給付金、アベノマスクと揶揄された布マスクの配布……。現場に混乱を生み、国民の信頼を損なう政策はなぜ生まれたのか。原因は「官僚主導」から「官邸主導」への変化に、政治の仕組みが対応できていないことにある。元厚労省キャリアが、もつれた糸を解きほぐし、政治と官僚、国民のあるべき姿を提示する。
  • おとぎ奉り《新装版》 1巻
    完結
    3.3
    神社の祠を壊したことから神器「朱雀の弓」を偶然左手に宿した高校生・駿河妖介。この神器は古都・宮古野市に復活した“眷族”というあやかしを退治するため、四神のひとつ朱雀から自分の未来と引き替えに授かった特別な能力だった。妖介に残された寿命は残り1年。あらがえない宿命を背負うことになった妖介は“見鬼”の能力を持つ巫女・因幡よもぎ、神器「青龍の槍」を操る蝦夷教諭らと出会い、眷族との闘いに身を投じていく……!!!
  • ドナー法―ある臓器移植コーディネーターの記録― 1巻
    完結
    4.3
    「臓器は鮮度が命。」医療AI・通称“プロフェッサー”の発明により医療技術が飛躍的に発達した近代日本では、大規模な医療改革が行われ、新・臓器移植法=通称“ドナー法”の名のもと、全国民に死亡時臓器提供の義務が課せられた。 それから15年。 医療保険省に勤務する隻眼の臓器移植コーディネーター・立浪は、1人の死が7人の生を紡ぐ世界で今日も“臓器”をめぐるさまざまなドラマに立ち会い――。(医療監修:吉開俊一)
  • 人は見た目が9割
    3.4
    喋りはうまいのに信用できない人と、無口でも説得力にあふれた人の差はどこにあるのか。女性の嘘を見破りにくい理由とは何か。すべてを左右しているのは「見た目」だった! 顔つき、仕草、目つき、匂い、色、温度、距離等々、私たちを取り巻く言葉以外の膨大な情報が持つ意味を考える。心理学、社会学からマンガ、演劇まであらゆるジャンルの知識を駆使した日本人のための「非言語コミュニケーション」入門。

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  • 真っ向勝負のスローカーブ
    4.0
    遅い直球とスローカーブとフォーク。この三種の持ち球だけで、歴代16位、2041の奪三振を記録した細腕左腕、星野伸之。その緻密な組み立て、勝負術を大公開。球種論、投球論、配球論、そして、門田、落合、清原、松井、高橋ら強打者・好打者との名勝負、福本、山田、村田ら伝説の名選手から学んだこと……。元野球小僧だった、すべての大人のための、最上級の野球講座。

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  • ワインと外交
    3.7
    饗宴のテーブルは時に、表向きの言葉よりも雄弁に「本当の外交関係」を物語ることがある。ブッシュが食べたフレンチフライ、「海の幸だけ」が出された独仏首脳の会食、天皇主催の晩餐会で飲まれなかった高級ワイン、日韓首脳会談における盧武鉉の驚くべき発言……。真の政治的メッセージは、そうした饗宴の細部に宿るのだ。ワインとメニューから読み解く国際政治の現実。

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  • 人間失格
    4.1
    1巻308円 (税込)
    「恥の多い生涯を送って来ました」。そんな身もふたもない告白から男の手記は始まる。男は自分を偽り、ひとを欺き、取り返しようのない過ちを犯し、「失格」の判定を自らにくだす。でも、男が不在になると、彼を懐かしんで、ある女性は語るのだ。「とても素直で、よく気がきいて(中略)神様みたいないい子でした」と。だれもが自分のことだと思わせられる、太宰治、捨て身の問題作。

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  • うちの子が結婚しないので(新潮文庫)
    4.0
    老後の準備を考え始めた千賀子は、ふと一人娘の将来が心配になる。 28歳独身、彼氏の気配なし。自分たち親の死後、娘こそ孤独な老後を送るんじゃ……? 不安を抱えた千賀子は、親同士が子供の代わりに見合いをする「親婚活」を知り参加することに。しかし嫁を家政婦扱いする年配の親、家の格の差で見下すセレブ親など、現実は厳しい。果たして娘の良縁は見つかるか。親婚活サバイバル小説!
  • 駅路
    3.5
    平凡な永い人生を歩き、終点に近い駅路に到着した時、耐え忍んだ人生からこの辺で解放してもらいたいと願い、停年後の人生を愛人と過ごそうとして失踪した男の悲しい終末を描く「駅路」。邪馬台国の謎を追究する郷土史家を描きながら、“邪馬台国論争”に関する著者の独創的見解を織り込んだ力作「陸行水行」。他に「ある小官僚の抹殺」「万葉翡翠」など全10編を収めた傑作短編集。

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  • 考える障害者(新潮新書)
    3.9
    往々にして世間は障害者を汚れなき存在のように扱う。一方で、表には出てこないが、「厄介者」扱いする人もいる。そんな両極端の捉え方ってなんかヘンじゃないか――身体障害者芸人として20余年活動してきた著者は、偽善と建前を痛烈に嗤い、矛盾と盲点を鋭く衝く。「24時間テレビ」「バリバラ」「乙武氏」「パラリンピック」から「やまゆり園事件」まで、本音度100パーセントで書き尽くした、前代未聞の障害者論。
  • 神仙の告白 旅路の果てに―僕僕先生―(新潮文庫)
    3.6
    劉欣を失った僕僕一行は、長安で静かな時を過ごしていた。だが突然、王弁が眠りに落ちてしまう。僕僕は王弁を助けるため、天馬の吉良と薬丹の材を探しに行く。一方、神仙たちは僕僕捕獲のため始動し、孫悟空、猪八戒、沙悟浄、関羽までもが行く手を阻む。動きを封じられた僕僕は何を企むか。師弟の完結とは何なのか。二人の最後の旅が今始まる。人界大ピンチのクライマックス直前第十弾!(解説・堀川アサコ)
  • それでも俺は、妻としたい(新潮文庫)
    2.9
    1巻693円 (税込)
    同棲から始まった結婚。あの頃はチカと毎晩抱き合っていた――。40歳を迎えたのにいまだに売れない脚本家の俺。家事や息子の保育園への送り迎えをこなしているのに、働きに出ている妻にゴミ扱いされ、セックスは「ヤダ」の一言で拒否される始末。だが俺はチカの巨乳に触れたいのだ。いじましい欲望。ちっぽけなプライド。そして、愛。男と女を笑いの渦に叩き込んだ傑作夫婦小説(ほぼ実録)。(解説・北上次郎)
  • 日蝕・一月物語
    3.7
    錬金術の秘蹟、金色に輝く両性具有者(アンドロギュノス)、崩れゆく中世キリスト教世界を貫く異界の光……。華麗な筆致と壮大な文学的探求で、芥川賞を当時最年少受賞した衝撃のデビュー作「日蝕」。明治三十年の奈良十津川村。蛇毒を逃れ、運命の女に魅入られた青年詩人の胡蝶の夢の如き一瞬を、典雅な文体で描く「一月物語」。閉塞する現代文学を揺るがした二作品を収録し、平成の文学的事件を刻む。
  • ほのぼのお徒歩日記(新潮文庫)
    3.5
    わたくし宮部みゆきの初めての小説以外の本であります――。著者初の散文集は、江戸を、日本を「歩く」ことから始まった。赤穂浪士討ち入り後の道のり。市中引廻しのルート。そして、島流しの行き着く先。担当編集とともに歩き、食べ、語り尽くした珍道中。ひとたび読み始めれば、あなたもきっと、ミヤベと「町」を歩いてみたくなる。『平成お徒歩日記』に書き下ろし一編を加えた新装完全版。
  • 四元館の殺人―探偵AIのリアル・ディープラーニング―(新潮文庫nex)
    3.8
    「犯罪オークションへようこそ!」 犯人のAI・以相(いあ)が電脳空間で開催した闇オークション、落札したのは従姉を殺され復讐を誓う少女!? 以相の企みを阻止すべく、探偵のAI・相以(あい)と助手の輔(たすく)が辿り着いた先は、奇怪な館、四元館(よんげんかん)だった。連鎖する不可思議な殺人事件。人工知能の推理が解き明かす前代未聞の「犯人」とは!? 本格ミステリの奇才が“館ミステリ”の新たなる地平を鮮烈に切り開く!
  • シャーロック・ホームズの思い出
    4.1
    逞しく男らしい生涯を送った老人の暗い過去を、その刺青に読みとったホームズ……。探偵を生涯の仕事と決する機縁となった「グロリア・スコット号」事件をはじめとして、名馬の失踪とその調教師の死のからくりを解明する「白銀号事件」、もっとも危険な犯罪王と時代にぬきんでた大探偵との決死の対決を描く「最後の事件」など、ホームズの魅力を遺憾なく伝える第二短編集。
  • 謎の毒親(新潮文庫)
    4.3
    命の危険はなかった。けれどいちばん恐ろしい場所は〈我が家〉でした――。母の一周忌があった週末、光世は数十年ぶりに文容堂書店を訪れた。大学時代に通ったその書店には、当時と同じ店番の男性が。帰宅後、光世は店にいつも貼られていた「城北新報」宛に手紙を書く。幼い頃から繰り返された、両親の理解不能な罵倒、無視、接触について――。親という難題を抱える全ての人へ贈る相談小説。
  • カゲロボ(新潮文庫)
    3.4
    1巻649円 (税込)
    人間そっくりのロボット「カゲロボ」が学校や会社、家庭に入り込み、いじめや虐待を監視している――そんな都市伝説に沸く教室で、カゲロボと噂される女子がいた。彼女に話しかけた冬は、ある秘密を打ち明けられ……(「はだ」)。何者でもない自分の人生を、誰かが見守ってくれているのだとしたら。共に怒ってくれるとしたら。押し潰されそうな心に、刺さって抜けない感動が寄り添う、連作短編集。
  • 昭和少女探偵團(新潮文庫nex)
    3.5
    和洋折衷文化が花開く昭和6年。女学校に通う花村茜と級友たちに怪文書が届いた。疑われた親友を庇う茜の耳に凛とした声が響く。――「やれ、アリバイがないのは僕も同じだぞ」。謎めいた才女・夏我目潮だった。鮮やかに事件を解決する彼女に惚れ込んだ茜は、天才で変人の丸川環も誘い、探偵團を結成するのだが。乙女の園で繰り広げられる昭和本格レトロ青春ミステリーここに登場!
  • じゃじゃ馬ならし・空騒ぎ
    3.7
    美人だが、手におえないじゃじゃ馬むすめカタリーナが、男らしいペトルーキオーの機知と勇気にかかって、ついに可愛い世話女房に変身──。陽気な恋のかけひきを展開する『じゃじゃ馬ならし』。青年貴族クローディオーと知事の娘ヒーローのめでたい婚礼の前夜、彼女に横恋慕するドン・ジョンの奸計(かんけい)から大騒動がまきおこる『空騒ぎ』。明るい情熱と機知の横溢する喜劇の傑作2編を収録。
  • 成功は一日で捨て去れ(新潮文庫)
    3.6
    「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」新たな信念のもと、フリース、スキニージーンズ、ヒートテック、ブラトップなど数々のヒット商品を生み出し、グローバルな挑戦を続けるユニクロ。しかしその背後には大企業病の阻止、後継者の育成、海外展開、社内構造改革等への弛まぬ努力の連続があった。世界一を目指す組織はいかにして作られたのか――経営トップが明かす変革の記録。
  • 魂でもいいから、そばにいて―3・11後の霊体験を聞く―(新潮文庫)
    4.1
    未曾有の災害で愛する者に突然死なれ、絶望の淵に立たされた人々の心を救ったのは、奇跡としかいいようのない体験だった。布団に入ってきた夫を「抱いてあげればよかった」と悔いる妻。階上の息子の足音を聞く母。死亡届を書いている時に兄からメールを受け取った妹。それは夢だったのか、幻なのか――。再会を願う痛切な声と奇跡を丹念に拾い集めた感動のドキュメンタリー、待望の文庫化。
  • 断片のアリス(新潮文庫nex)
    4.3
    雪と氷に閉ざされた現実世界から離れ、人々は生活のほとんどをVRシステム―ALiS―の中で過ごしていた。傷つくことのない穏やかで平和な仮想空間で。しかし突如、椎葉羽留は囚われた。痛覚も“死”も存在する恐怖のVRクラスタに。ログアウト不能の狂気の館で、連鎖する殺人。そしてたどりつく、この創られた世界の真相と、彼女の正体とは !? 衝撃の結末に驚愕するVR脱出ミステリ。
  • 東京湾景(新潮文庫)
    4.1
    品川の貨物倉庫で働く亮介は25歳の誕生日、出会いサイトでOLの〈涼子〉と知り合った。どんな愛にも終わりは来るとうそぶく亮介と、愛の力を疑いながら、でもどこかで信じたい〈涼子〉。嘘と不安を隠し、身体を重ねるふたりは、やがて押し寄せる淋しさと愛おしさに戸惑う……。東京湾に向きあった、品川埠頭とお台場に展開する愛の名作に、その後を描く短編「東京湾景・立夏」を増補した新装新版。(解説・朝井リョウ・陣野俊史)
  • ワインズバーグ、オハイオ(新潮文庫)
    4.0
    オハイオ州の架空の町ワインズバーグ。そこは発展から取り残された寂しき人々が暮らすうらぶれた町。地元紙の若き記者ジョージ・ウィラードのもとには、住人の奇妙な噂話が次々と寄せられる。僕はこのままこの町にいていいのだろうか……。両大戦に翻弄された「失われた世代」の登場を先取りし、トウェイン的土着文学から脱却、ヘミングウェイらモダニズム文学への道を拓いた先駆的傑作。(解説・川本三郎)
  • アメリカン・スクール
    4.2
    占領下の時代に、アメリカ人の学校を参観しに出かけた日本の中学校教員の、貧しく、それゆえにも滑稽な姿を描いて、芥川賞を受賞した「アメリカン・スクール」。ほかに、現代の複雑な世相を、批評精神に貫かれた知的感覚で捉え、人間ドラマを深味のあるユーモアと鋭く深く屈折した諷刺で描いた小島文学初期の傑作「汽車の中」「燕京大学部隊」「小銃」「星」「微笑」「馬」「鬼」を収める。
  • 日本亭主図鑑
    -
    亭主図鑑といいながら、女性のことしか書いてないのは、詐術か奇略か謎々か……? 機知縦横の井上ひさしが、男が一生連れ添わねばならぬ女という不気味な同志へ贈る痛快痛恨のメッセージ。女性の生態について怒り心頭に発し、ありとあらゆる口舌筆法を使って、亭主の置かれている悲劇的状況を明らかにする。大笑いして読むか、神妙に自己反省するかは、読み手のあなた次第!
  • 毒親の日本史(新潮新書)
    3.8
    親子関係は一筋縄ではいかない。古代天皇に平安貴族、戦国武将から僧侶まで、あっちもこっちも「毒親」「毒子」だらけ。子捨て、子殺しや性虐待は勿論のこと、きょうだいの殺し合いを招いたり、子の恋文を世間にさらしたり。父親に見殺しにされたヤマトタケル、子を母に殺された建礼門院徳子、実家にいびられ続けた小林一茶等々、系図上では、はかなく頼りない親子の縦一本線に込められた愛憎が、日本史に与えた影響を読む。
  • ストックホルムの密使(上)
    値引きあり
    3.9
    1~2巻546~693円 (税込)
    イタリアは降伏、ベルリンも陥落した第二次大戦末期、孤立無援の日本では、米軍による本土空襲が激化し、戦局は絶望への道を辿る一方だった。日本政府はソ連仲介の終戦工作を模索するが、スウェーデンに駐在する海軍武官・大和田市郎は、瀕死の日本にとどめを刺す連合国側の極秘情報を入手した。日本が滅亡する前に、その情報を軍上層部に伝えるべく、いま二人の密使が放たれた……。
  • クレイジーフードトラック 1巻
    完結
    4.6
    砂に埋もれた世界でフードトラックを走らせる、無愛想な中年・ゴードン。ある日、砂漠の真ん中で眠っていた全裸の少女・アリサと出会う。腹を空かせているアリサに料理を食ベさせていると、彼女を狙う謎の武装集団に襲われて──。中年料理人と奔放な少女の旅路を描く、暴力と暴食のロードストーリー!!
  • 絶唱(新潮文庫)
    3.7
    五歳のとき双子の妹・毬絵は死んだ。生き残ったのは姉の雪絵――。奪われた人生を取り戻すため、わたしは今、あの場所に向かう(「楽園」)。思い出すのはいつも、最後に見たあの人の顔、取り消せない自分の言葉、守れなかった小さな命。あの日に今も、囚われている(「約束」)。誰にも言えない秘密を抱え、四人が辿り着いた南洋の島。ここからまた、物語は動き始める。喪失と再生を描く号泣ミステリー。(解説・中江有里)
  • 化生の海
    値引きあり
    4.2
    加賀の海から水死体で発見された男。北海道・余市の自宅には、底に「卯」の字のある一体の古い素焼き人形が残されていた。事件から五年、かすかに残った男の足跡を辿る浅見光彦は、北九州・北陸・北海道を結ぶ長大なラインに行き当たる。それは江戸から明治期に栄華を極めた、北前船の航路と重なっていた。列島を縦断し歴史を遡る光彦の推理。ついに驚愕の真実が、日本海から姿を現す。
  • せんせい。
    4.3
    1巻539円 (税込)
    先生、あのときは、すみませんでした──。授業そっちのけで夢を追いかけた先生。一人の生徒を好きになれなかった先生。厳しくすることでしか教え子に向き合えなかった先生。そして、そんな彼らに反発した生徒たち。けれど、オトナになればきっとわかる、あのとき、先生が教えてくれたこと。ほろ苦さとともに深く胸に染みいる、教師と生徒をめぐる六つの物語。『気をつけ、礼。』改題。
  • 他者という病(新潮文庫)
    3.5
    原因不明の難病で入院中、三度も死にかけた私。さらに薬の副作用で人格まで変容し、自分を見失ってしまう。やがて仕事もなくし、鬱状態に陥り、ついに自殺未遂を起こすまでに……。激動の渦中に文章をつづり、当時の自分を客観的な目で振り返って考えた、「生」とは、「言葉」とは、そして「私」とは。極限体験に際した人間の脆さを凝視し、思いがけない強さを発見する、特異で壮絶な魂の手記。
  • なりそこない王子
    4.0
    1巻539円 (税込)
    乞食王子、白雪姫と七人の小人、はだかの王さま、赤頭巾ちゃん、シンデレラ、そしてピーターパン……。おとぎ話の主人公たち総出演の愉快なパロディ「なりそこない王子」をはじめ、深夜の道路を走る霊柩車が拾った死体をめぐるてんやわんやの騒動を描く「死体ばんざい」など、時間と空間を超えて、現実と非現実のはざまでくりひろげられる12編の不思議なショートショートを収録。
  • 秘花
    3.7
    そこには花と幽玄が絡みあい解けあった濃密な夜の舞があった――。『風姿花伝』『花鏡』などの芸論や数々の能作品を著した能の大成者・世阿弥。彼が身に覚えのない咎により佐渡へ流されたのは、齢七十二の時だった。それから八十過ぎまでの歳月の中、どのように逆境を受け止め、迫り来る老いと向かい合い、そして謎の死を迎えたのか……。世阿弥、波瀾の生涯を描いた瀬戸内文学の金字塔。
  • 夜ごとの闇の奥底で
    値引きあり
    3.9
    誤って恋人の脚本家を射殺してしまった妹をかばうため、凶器の拳銃を捨てようと山梨方面に車を走らせていたフリーライター、世良祐介。ところが車を木にぶつけ立ち往生してしまった。偶然通りかかった亜美という若い女に助けられ、彼女のペンションに連れて行かれる……雪の降りしきる山奥のペンション、蠱惑的な女、サイコパセティックなその父親。やがて狂気が全てを……。

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