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「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」新たな信念のもと、フリース、スキニージーンズ、ヒートテック、ブラトップなど数々のヒット商品を生み出し、グローバルな挑戦を続けるユニクロ。しかしその背後には大企業病の阻止、後継者の育成、海外展開、社内構造改革等への弛まぬ努力の連続があった。世界一を目指す組織はいかにして作られたのか――経営トップが明かす変革の記録。
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Posted by ブクログ
新年の抱負が述べられるなどより、今のユニクロを経営している生の中身にフォーカスしているように感じた。一勝九敗より読みやすかった印象。安定思考は愚の骨頂。
良書 SPAの雄として日本の流通界をリードしてきた著者が放つ強烈なメッセージが本書です。前書「一勝九敗」後、会長から社長に復帰した氏の苦闘、GUの980円ジーンズ、ヒートテックなどの検討が描かれています。 ちなみに、SPAとは、Speciality Store Retailer of Privat...続きを読むe Label Apparel の頭文字をとったもので、GAPの会長の言葉から派生しています。柳井氏は、アパレルSPAといっています。 文庫版のあとがきにあった言葉、ぼくがこの本で伝えたかったのは、「現状維持は愚の骨頂」である、安定志向こそが会社を滅ぼす。まさに、「成功は一日で捨て去れ」です。 結論は、経営は常に、「砂上の楼閣」と同じである。油断して自己点検、自己変革しなくなったら、その時点で終わるです。 気になったことばは次です。 ・7&IHDとミレニアムリテイリング(西武・そごう)の統合の記事、日本で初めての、GMSと百貨店との統合、さらにコンビニとの統合は日本の流通業界にも、業態を超えた本格的な再編が来たと感じています。 ・世界一のユニクロとファーストリテイリングを実現する上での基盤は、現場、現物、現実。 ・再ベンチャー化、グローバル化、グループ化をめざすための施策。それは、持株会社化と、執行役員制。 ・急成長している会社は悪者扱いをされ、何か裏でごまかしをしているのではないかとの目でみられる。急成長がとまったときは、思い知ったか、ざまを見ろと言われているような気さえした。 ・海外展開するためには、第1段階 個店ベースの黒字化、第2段階 自力で徐々に店舗数を増やす、第3段階、大量出店のノウハウを掴んで一気に資金投入して成長 ・日本の普通の会社では、職位が上がれば上がるほど仕事をしなくなる。 ・(製造業者との取引で)最初に取引を始めたころには、お互いにパートナーであるという人間関係がしっかりできていたはずなのに、何年か経つうちにそれが薄れていった。取引量が増えていってわが社の影響力が強まったことに気がつかず、会社全体が傲慢になっていったということかもしれない。 ・世界で1位になるためには、日本で断トツの1位にならなければいけないということ。それには、世界に評価される商品をもっと磨かないといけない。 ・繊維業界は非常に保守的で、業界の常識にとらわれて産業構造そのものを変革しようともせず、どの会社も年功序列で、まったく実力主義とは程遠い。そのなかで急成長してきた我が社は、完全実力主義で、欧米企業のように感じて中途入社してきてくれた人は多い。 ・「ぜんぜん売れない」という経験をしないと、商品は陳列しておけば勝手に売れていくものと錯覚する。 ・(ロッテと組んで韓国に進出したことについて)韓国にはまだまだ反日感情が残っているので、我々が単独で出て行っても急速に店舗展開は難しい。どこか韓国の有力資本と組んでやるべきだと考えた。 ・シンガポール市場は小さいとはいえ、華僑がつくった事実上一党独裁の国家だが、中国系、マレーシア系、インド系、白人系と国民の人種は多様な多民族国家である。鄧小平が国家運営の方法をぜひ全部教えてくださいと教えを乞うた。結果、中国の開放政策は新嘉坡を模範にしていて、現在でも中国で政治の中枢部に座る人は、模範であるシンガポールに研修に来るという。 ・第5章に、柳井氏が尊敬してやまない人が2人紹介されています。 松下幸之助 主観的な目で独自の理論を作り出し経営を実践した。 ドラッカー 客観的な目で企業や組織を見続け、そこから経営は何かを発見した。 ・ドラッカーの現代の経営の有名な言葉がつづられています。「企業の目的として有効な定義は1つしかない。すなわち、顧客の創造である」 ・また、付加価値をつけるというのは、具体的にどういうことかというと、今までになかったものを作るということである。 目次は、以下の通りです。 はじめに 第1章 安定志向という病 第2章 「第二創業」の悪戦苦闘 第3章 「成功」は捨て去れ 第4章 世界を相手に戦うために 第5章 次世代の経営者へ おわりに 文庫版あとがき 巻末資料
「働くとは何か?」を再考させられる。 至極当たり前のことだが、ユニクロは本当に良い服をお客様に届けること以外の仕事に必要性はない。 本質を見誤るな。
何回か読み返したい本。日本人が本当にグローバル企業を作れるか?という挑戦の途中経過を垣間見できます。
柳井さんの「全員経営」「アンチ現状維持」の意思が強く感じられます。ファーストリテイリングの経営に関してこれほど飛躍的な成長を遂げているにも関わらず、無数の課題が述べられています。むしろ、常に課題形成と解消を徹底し続けたからこそ飛躍的な成長が持続しているとも言えます。 唯一、解決の目処が立っていない後...続きを読む継者問題にも近々答えを出してくれることを期待します。
ファーストリテイリングが非常に高い目標を達成するため、柳井さんは社員に対して求めるレベルが高いのが分かる。現状に満足せず、向上心を持って仕事してほしいという思いを告げていると思うし、柳井さん自身もそう自分に言い聞かし経営していると思う。まさに、成功は一日で捨て去れ、と。 自分の仕事や人生が上手くいっ...続きを読むているときに、本書を読むと、自分や組織の成長の足を止めていることを認識し、危機感を持ち、変革と挑戦の大切さを改めて教えてくれるはずだ。
自叙伝であるので自画自賛が含まれていなくもない。 しかし氏の理念とビジョンは明確である。今の日本の経営者で、これだけ明確なビジョンをもっている人はどれほどいるだろうかと思う。 一方で、氏のビジョンを実践するには、動く側にも相当の意識と働きが求められる。ユニクロにまつわるさまざまな評はこういうとこ...続きを読むろからもきているのだろう。もっとも、これくらいやらなければグローバル競争を勝ち抜くことなど到底できないだろうが。 本書を読んでどう感じるかは人それぞれだろうが、少なくとも自分はまだまだやらねばダメだなと感じた。
「自分が置かれている状況を客観的に見てどうか冷静に判断し、次にどんな手を打つべきかを考えて実行しなさい、悩むのではなく考えて実行するべきだ」 プロトタイピングもこのコンテクストだな。 柳井さんが語るSpaの強みは、デザインシンキングと相性がとても良さそうだな。 2010年段階だダイバーシティと言...続きを読むっていて素晴らしいな。今や、どの企業がBLMに関するステートメントを出したかファクトチェックされる時代。単純に見栄えの問題ではなく、経営上利点があることを柳井さんはしっかり認識してる。 「売れないなぁ…」ではなく、どうしたら売れるのかを考える。常にソリューション思考、エグゼキューション思考であるべし。 商売人が流行を作り出す事はない、重要なのはお客様の心理状態に合わせて商品を作る、と言っている。プロダクトアウトも実は潜在意識の実現に他ならない、ということだろうか。 お客様に驚きを与えることが重要、と言っている。 世界中から、新しい出店候補地の情報はどうやって集めているのだろうか。
ファーストリテイリングの戦略が垣間見られて面白いと思った。お客様のために本当に良い服をつくる、という「価値の創造」のために製造小売業としてどんな目的・目標で活動してきたか、がわかる。FR WAYなどはとても良いことを言っているし、現場を大切にしているという記述もあるけれど、実行には相当なタフさが要求...続きを読むされることは間違いない。
成功はそう呼ばれた瞬間から陳腐化していくものである。タイトルである「成功は一日で捨て去れ」の所以である。 現状維持は愚の骨頂、安定志向こそが会社を滅ぼす。と言い、自分の失敗も未熟さも客観的に判断し、自己革新へと繋げてゆく。経営者の本としてこれほどまで感情的で、具体的で、メッセージ性の強い作品もあまり...続きを読むない。 特に年始の挨拶として社員へ送るメッセージには柳井社長の強い思い、リーダーシップと革新へと導く強い意志を、感じられる。 若干、繰り返しや回りくどさを感じた。堅苦しくない言い回しで読み易くはあるが、感情的な面も。3.5くらいの評価だが、一応4に。 良本です。
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成功は一日で捨て去れ(新潮文庫)
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柳井正
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