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Posted by ブクログ
本書には…日常の様々なケースに出現する『壮絶にダメな大人』が次々と登場する。
徹底的に敬語使用を避け尊大な態度が過ぎるおっさん、端から公平な立場にいない『紐付き』第三者委員会、生活に窮していないにもかかわらず格差や貧困を嘆き、挙げ句に『抜本的対策が必要です』で仕事完了の上級国民コメンテーター、言い訳も役人が書いた作文棒読みの厚顔無恥な政治家、『ネトウヨ言説』を真に受け、FBに差別的な書き込み大炎上する『ネットde真実』に毒された中高年、インスタ映えを意識しすぎるあまり眼前の料理がひからびても撮影に勤む人、とにかく何かあると『アベのせいだ』と言い、それに対して『お前は隣国の回し者だ』と言い返し、SNSで広角泡飛ばし大ゲンカする人…登場。
そこに共通するのは、一向に反省すらしない人たち。著者は『あゝ恥ずかしい〜』と嘆息し、返す刀でそれに気づけない人たちを取っ捕まえ、事例や実名を挙げ、時に自己省察も重ね、ではどうすれば良かったのかを提示。この提示、結果からの意見具申ではない。冷静に考えればできたこと、感情の発露を抑えればもっとマシな対応ができたことが大半である。
かつて『飲み屋では政治とプロ野球と宗教の話は避けよ』と言われた。昨今、それはネットに舞台を移し、日夜自身の正義を信じて疑わない者同士の不毛な戦いが繰り広げられている。
『恥ずかしい人』の増加は『大人の幼稚化』の増加を物語る。人は齢を重ねるにつれ、知識と知恵を蓄え、そこに社会経験が加わる。そう、熟成していく。今風に言えばエイジング。ウイスキーが木樽の中で透明から琥珀色に変えていくようにそれが『真っ当な大人』への道程である。
昨今の大人はまどろっこしいのか『考えること』を放逐、ネット上の玉石混交の話を玉なのか石なのかを見極めようともせず、小気味良い蛮勇な意見に我が意を得たりと追従。大人の熟成はスキンケアではない。断じてアンチエイジングに疾ったらあかんのです。
70年余り前、『恥の多い生涯を送って来ました』…と太宰は『人間失格』に綴った。サントリーBossのCM風に言えば、『この国には太宰以上に恥ずかしい大人が増えているようだ』トホホ…。こんな大人にはなりたくないと咆哮するおっさん。
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