春の嵐

春の嵐

少年時代の淡い恋が、そりの事故を機に過ぎ去り、身体障害者となったクーンは音楽を志した。魂の叫びを綴った彼の歌曲は、オペラの名歌手ムオトの眼にとまり、二人の間に不思議な友情が生れる。やがて彼らの前に出現した永遠の女性ゲルトルートをムオトに奪われるが、彼は静かに諦観する境地に達する……。精神的な世界を志向する詩人が、幸福の意義を求めて描いた孤独者の悲歌。

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春の嵐 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    『車輪の下』より断然こちらの方が好きと思えるのは歳のせいでしょうか。また、いい作品に出会うことができました。

    あらすじ:
    「それは私の愚かしい青年時代のもっとも愚かしい日だった」……幼い頃、クーンは音楽に惹かれていたこともあり、父の反対をよそに首府の音楽学校に進学します。しかし、学業の壁に阻まれ、

    0
    2025年03月03日

    Posted by ブクログ

    何十年ぶりかで再読。実らぬ恋のものがたり、との記憶はとても浅いものだった。
    「自分の人生を幸か不幸かと問うのは愚かなことで、「私」には不幸な記憶こそ捨てられない」と言う趣旨の巻頭言に共感するのは老年になったからか。
    消えぬ恋情と戦いながら、不幸な結婚に心身を病む女性を節度を保ちながら労る「私」。敬愛

    0
    2024年09月29日

    Posted by ブクログ

    ヘッセと言えば「車輪の下」をおすすめ本として登場する。
    数冊しか読んでいない彼の作品中では、この本が最も素晴らしさを感じる。
    高橋健二訳!この方の訳しかないのではと。

    原題「ゲルムート」が一番しっくりくると思う。
    もっとも人生を四季でなぞらえると当作の思惟の乱流ぶりは真に「春の嵐」
    日本語が素晴ら

    0
    2024年09月07日

    Posted by ブクログ

    春の美しい描写、切ない心を表す文体に惹かれました。
    愛は切なく苦しいものだと、改めて思わされました。

    0
    2024年06月02日

    Posted by ブクログ

    不慮の事故で片足が不自由になってしまったクーンという男の話。不運を嘆きながらも、作曲の喜びに目覚め、人生を必死に切り拓いていこうとするクーン。また、彼と親友との間に現れた女性を巡っての複雑な人間関係も描かれている。“最も不幸なことを捨ててしまうことは楽しかったことを捨てることよりもつらい。避けがたい

    0
    2021年08月12日

    Posted by ブクログ

    青春時代の淡い、されど激しい想い。
    届かぬともそれは青春時代が生み出す1つの生き物ではなかろうか。

    妙によそよそしく感じるそれは、その時代特有のものであろう。

    揺さぶられる心。そして、そこに諦めを見出してしまう心。様々な想いが錯綜する。

    それが青春であろう。

    0
    2015年12月23日

    Posted by ブクログ

    絶え間なく変わり続ける時に人の心は抗える。
    並木道の砂埃とともに舞い上がるゲルトルートの幻を心に抱くシーンが印象的。

    0
    2015年06月29日

    Posted by ブクログ

    ゲルトルートは、直感に素直に生きている人じゃないかという印象を受けた。芸術と恋愛等々、古典的なテーマでいい小説だった。愛が修行と呼ばれる所以は...どのような考えを持った人が破壊せず、精神的にも負けず愛を成就できるのか。小説をまたもっと読まなくちゃと思いました。

    0
    2012年09月07日

    Posted by ブクログ

    報われるあてのない努力でも、心から離れない限り無力に終わることはない。

    クーフの作詞家は「ハンス・H」。「車輪の下」のハンスを救済した?そうだといいな。

    0
    2012年07月12日

    Posted by ブクログ

    たまたまトニオグレーゲル、ヴェニスに死すを読んだ後にまた芸術家をテーマにした作品。ストーリーがどうと言ったことはないけれど、たっぷりと情景、心理描写を丁寧に描いてるのはせかせかした現代の作品にはない次元を感じます。こう言った作品を読むと、立ち止まる時間ができて嬉しい。

    0
    2025年09月05日

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