新潮社作品一覧

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  • VR浮遊館の謎―探偵AIのリアル・ディープラーニング―(新潮文庫nex)
    3.5
    人工知能探偵・相以(あい)と助手の輔(たすく)は、世界初のフルダイブ型VRに挑戦! あらゆるものが浮遊する館で、相以は魔法使いに変身! 早速、犯人当てゲームの最速クリア法を提案する。「一人ずつ殺していけばいいと思います!」ゲームとは思えない生々しい死体の出現、迫りくる殺人鬼の魔の手。はたして二人は浮遊館の謎を解き、無事に脱出できるのか。急転直下の推理バトル、新感覚ミステリ。
  • 「三島由紀夫」とはなにものだったのか(新潮文庫)
    4.3
    “同性愛”を書いた作家ではなく、“同性愛”を書かなかった作家。恋ではなく、「恋の不可能」にしか欲望を機能させることが出来ない人――。諸作品の驚嘆すべき精緻な読み込みから浮かび上がる、天才作家への新しい視点。「私の中で、三島由紀夫はとうの昔に終わっている」と語って憚らない著者が、「それなのになぜ、私は三島が気になるのか?」と自問を重ね綴る。小林秀雄賞受賞作。
  • わたしが出会った殺人者たち
    3.5
    犯罪事件を取材して半世紀。幾多の殺人の真相を書き続けてきた作家が、古希を越えた今、これまでの取材を振り返り、殺人者との交流を回想する。拘置監で大粒の涙を見せた無期懲役囚、「自分を小説に書いてくれ」と資料を寄越した家族殺害犯、著者が喪主を務めた前科十犯の男――。昭和・平成を震撼させた凶悪犯18人の知られざる肉声や人間臭い横顔を描く、著者の集大成的な犯罪回顧録。
  • 海の史劇
    4.2
    祖国の荒廃をこの一戦に賭けて、世界注視のうちに歴史が決定される。ロジェストヴェンスキー提督が、ロシアの大艦隊を率いて長征に向かう圧倒的な場面に始まり、連合艦隊司令長官東郷平八郎の死で終わる、名高い〈日本海海戦〉の劇的な全貌。ロシア側の秘匿資料を初めて採り入れ、七ヶ月に及ぶ大回航の苦心と、迎え撃つ日本側の態度、海戦の詳細等々を克明に描いた空前の記録文学。

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  • 天国はまだ遠く
    4.1
    加藤ローサ、徳井義実(チュートリアル)主演の映画原作。もう、これ以上あの日々を続けることには耐えられない。上司のお小言。同僚の嫌味。毎日の生活。これを飲めば、あの日々から解放されるのだ。それを思えば、死ぬことなんて怖くない。そう言い聞かせ、睡眠薬を飲んだ私は、布団に入り固く眼を閉じた――。が、目覚めは爽快。やばい。すごくやばい。しくじってしまった。自殺は失敗だ!! どうすればいいんだろう……!? 無器用にしか生きられないあなたに贈る清爽な旅立ちの物語。

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  • 死役所 24巻 公式アンソロジーコミック付き特装版
    -
    お客様は仏様です。此岸と彼岸の境界に存在する、死役所。ここには、自殺、他殺、病死、事故死……すべての死者が訪れる。罪無き者は、天国へ。罪深き者は、地獄へ。あるいは――。“寂しがらせてはいけませんよね。ごめんなさい。すぐそちらへ行きます”不確かな愛に、溺れていませんか? 魂抉る死者との対話、激情の第24巻。 【公式アンソロジーコミック付き特装版内容】 シリーズ初となる特装版には、豪華作家陣による描き下ろしコミックを全20編収録!! アキヤマ香、朝霧ユウキ、アビディ井上、石原まこちん、一ノ瀬かおる 魚乃目三太、大島千春、おおのこうすけ、掛丸翔、カラスヤサトシ、クール教信者 コースケ、駒魔子、清水ユウ、肥谷圭介、文野紋、本田優貴、宮尾行巳、安田佳澄、夢弥 ※本作品の本編は、通常版『死役所 24巻』と同じ内容です。また、公式アンソロジーコミックは、『月刊コミックバンチ 2023年11月号 [雑誌]』に収録されている特別付録と同じ内容です。重複購入にご注意ください。
  • 笑福亭鶴瓶論(新潮新書)
    4.1
    鶴瓶こそが“最強”の芸人である――。大物と対等にわたりあう一方で、後輩にはボロクソにイジられる。全国を訪ねて地元の人々と交流した翌日には、大ホールで落語を一席。かくも老若男女に愛される「国民的芸人」の原動力とは何か。生い立ちから結婚、反骨の若手時代、「BIG3」との交遊、人気番組「家族に乾杯」秘話まで、その長く曲がりくねった芸人人生をたどり、運と縁を引き寄せるスケベで奥深い人生哲学に迫る。
  • ドナウの旅人(上)
    3.6
    1~2巻715~770円 (税込)
    夫を捨てて、突如出奔した母・絹子。「ドナウ河に沿って旅をしたい」という母からの手紙を受け取った麻沙子は、かつて五年の歳月を過ごした西ドイツへと飛ぶ。その思い出の地で、彼女は母が若い男と一緒であることを知った。再会したドイツの青年・シギィと共に、麻沙子は二人を追うのだが……。東西ヨーロッパを横切るドナウの流れに沿って、母と娘それぞれの愛と再生の旅が始まる。
  • のボルダ 1巻
    完結
    4.4
    全4巻616~715円 (税込)
    23歳の会社員、森下藤子の楽しみは2日に1回のボルダリング。壁に向き合い、設けられた課題を登ることで、一手ずつゆっくりと成長していく?? 笑いあり、学びあり、恋愛もあり!? あらゆる角度から「ボルダリング」の魅力に迫るのは、『ぼくらの』『のりりん』の鬼頭莫宏。読めばボルダリングジムに通いたくなること間違いなし!
  • 人間の経済
    4.4
    富を求めるのは、道を聞くため――それが、経済学者として終生変わらない姿勢だった。「自由」と「利益」を求めて暴走する市場原理主義の歴史的背景をひもとき、人間社会の営みに不可欠な医療や教育から、都市と農村、自然環境にいたるまで、「社会的共通資本」をめぐって縦横に語る。人間と経済のあるべき関係を追求し続けた経済思想の巨人が、自らの軌跡とともに語った、未来へのラスト・メッセージ。
  • 左京・遼太郎・安二郎 見果てぬ日本(新潮文庫)
    -
    「大破局」を描いた作家小松左京は、夢の大阪万博に何を見たのか。 モンゴルの草原に憧れた司馬遼太郎のロマンと、本質的悲劇とは。笠智衆を選んだ名匠小津安二郎。その静かなる戦いと、いつかくる「最後の五分」に込めた知られざる覚悟とは……。鮮やかな着眼で巨匠たちの思考を読み解きつつ、日本の過去・現在・未来を浮かび上がらせていく。この国の大きな断面を明らかにする画期的評論!(解説・先崎彰容)
  • 正義の味方が苦手です(新潮新書)
    3.7
    正しすぎる社会は息苦しい――。失言をくり返す政治家も、ポリコレを掲げて暴走する人も、自分は常識的だと思っている人たちも、誰もが自分の色眼鏡で世界を見ているものだ。それらがすれ違い、時にぶつかり合うのは当然だけれど、他人の考え自体を受け入れられず、現実社会の歪みを許容できない「正義の味方」は何だか怖い。自分にも他人にも自由を認め、ままならない世界を柔軟に生きるための思考法。
  • 裏庭(新潮文庫)
    4.0
    昔、英国人一家の別荘だった、今では荒れ放題の洋館。高い塀で囲まれた洋館の庭は、近所の子供たちにとって絶好の遊び場だ。その庭に、苦すぎる想い出があり、塀の穴をくぐらなくなって久しい少女、照美は、ある出来事がきっかけとなって、洋館の秘密の「裏庭」へと入りこみ、声を聞いた――教えよう、君に、と。少女の孤独な魂は、こうして冒険の旅に出た。少女自身に出会う旅に。(解説・河合隼雄)
  • 室町は今日もハードボイルド―日本中世のアナーキーな世界―(新潮文庫)
    4.3
    日本人は昔から温和なんて大嘘! 僧侶はデスノートで武士を呪い殺し、ゲス不倫には襲撃で報復。暗殺、切腹、えげつない悪口……。私たちが思い描く「日本人像」を根底から覆す、荒々しく図太く、自由に生きる室町人たち。現代の倫理観とは程遠い中世という“異世界”を知り、常識に囚われがちな私たちの心を解放する! 「室町ブーム」の火付け役による痛快・日本史エンタメ! 対談:ヤマザキマリ。
  • 結婚首輪の交換です 1巻
    完結
    -
    全2巻638~660円 (税込)
    倉敷美子は社内でも評判の良い同僚、朝日佳主馬と社内恋愛中。ところが、佳主馬はいわゆる“オレ様系”のモラハラ気質で、美子は二人の関係に思い悩んでいた。そんな時、ふと立ち寄ったお店が、なんとSMバー! そこで出会ったマスターの織江に、恋愛指南、ならぬSM指南をうけることに――!?
  • インスマスの影―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)
    3.8
    ラヴクラフトは不遇のままその生涯を閉じた。だが、彼の創造したクトゥルー神話は没後高く評価され、時代を越えて世界の読者を虜にしている――。頽廃した港町インスマスを訪れた私は、魚類を思わせる人々の容貌の恐るべき秘密を知る(表題作)。漂流船で唯一生き残った男が握りしめていた奇怪な石像とは(「クトゥルーの呼び声」)。英文学者にして小説家、南條竹則が選び抜いた、七篇の傑作小説。
  • 方舟さくら丸(新潮文庫)
    4.1
    地下採石場跡の巨大な洞窟に、核シェルターの設備を造り上げた元カメラマン「モグラ」。[生きのびるための切符]を手に入れた三人の男女とモグラとの奇妙な共同生活が始まった。だが、洞窟に侵入者が現れた時、モグラの計画は崩れ始める。その上、便器に片足を吸い込まれ、身動きがとれなくなってしまったモグラは――。核時代の方舟に乗ることができる者は、誰なのか。現代文学の金字塔。(解説・J・W・カーペンター)
  • 不発弾(新潮文庫)
    3.6
    大手電機企業が発表した巨額の「不適切会計」。捜査二課の小堀秀明は、背後に一人の金融コンサルタントの存在を掴む。男の名は、古賀遼。貧しい炭鉱街の暮らしから妹を救うため、体力頼みの場立ち要員として証券会社に就職。狂乱のバブルを己の才覚のみでのし上がった古賀は、ある事件をきっかけに復讐を始めるのだった――。欲望に踊らされた男たちの終わらない闘いを描く経済サスペンス。(解説・磯山友幸)
  • 炎の岳―南アルプス山岳救助隊K-9―(新潮文庫)
    3.9
    “幻の名峰”として人気の新羅山。その日も登山客で賑わうなか突如、群発地震が襲う。不穏な空気が漂い火山学者は警告を発するが、行政に黙殺される。やがて噴火が始まり、逃げ遅れた人々を救うべく、救助隊員の静奈と夏実は相棒の犬と共に山頂へ向う。だが山中には凶悪な殺人者も潜んでいた。荒れ狂う山、襲いかかる魔手。決死の救出に挑む彼女たちにタイムリミットが……。『火竜の山』改題。
  • 燃えつきた地図(新潮文庫)
    4.2
    失踪した男の調査を依頼された興信所員は、追跡を進めるうちに、手がかりとなるものを次々と失い、大都会という他人だけの砂漠の中で次第に自分を見失っていく。追う者が、追われる者となり……。おのれの地図を焼き捨てて、他人しかいない砂漠の中に歩き出す以外には、もはやどんな出発もありえない、現代の都会人の孤独と不安を鮮明に描いて、読者を強烈な不安に誘う傑作書下ろし長編小説。(解説・ドナルド・キーン)
  • (霊媒の話より)題未定―安部公房初期短編集―(新潮文庫)
    -
    太平洋戦争末期、満州で激動の日日を過ごした青年は、その時何を思い、何を未来に残したのか――。漂泊民の少年が定住を切望する19歳の処女作「(霊媒の話より)題未定」、2012年新たに原稿が発見された、精神病棟から抜け出した男を描く「天使」、「壁―S・カルマ氏の犯罪」に繋がる「キンドル氏とねこ」。やがて世界に名を馳せる安部文学、その揺籃にふさわしい清新な思想を示す初期短編11編。(解説・ヤマザキマリ)
  • 木(新潮文庫)
    4.2
    樹木を愛でるは心の養い、何よりの財産。父露伴のそんな思いから著者は樹木を感じる大人へと成長した。その木の来し方、行く末に思いを馳せる著者の透徹した眼は、木々の存在の向こうに、人間の業や生死の淵源まで見通す。倒木に着床発芽するえぞ松の倒木更新、娘に買ってやらなかった鉢植えの藤、様相を一変させる縄紋杉の風格……。北は北海道、南は屋久島まで、生命の手触りを写す名随筆。(解説・佐伯一麦)
  • うさぎとトランペット
    3.6
    宇佐子は、転校生のミキちゃんを仲間はずれにするクラスの雰囲気に傷ついて、学校へ行けなくなった。微熱が続く夜明け、宇佐子は公園から響いてくるトランペットの音色に心惹かれる。ミキちゃんに誘われて町のウィンド・オーケストラでトランペットを習うことになった宇佐子は、きらめく音、ブラスの楽しさ、演奏する喜びを知る。音楽に解き放たれて、伸びやかな心が育っていく……。
  • 近親殺人―家族が家族を殺すとき―(新潮文庫)
    3.4
    日本の殺人事件の半数が、家族を主とした親族間で起きている。「まじ消えてほしいわ」と罵倒し、同居していた病弱な母親を放置、餓死させた姉妹。夫の愛情を独占すると憎しみをつのらせ、我が子をマンションの高層階から突き落とした母親。人はどんな理由から最も大切な存在であった家族を殺すのか。事件が起こる家庭とそうでない家庭とでは何が違うのか。7つの事件が炙り出す、家族の真実。
  • 近鉄特急殺人事件(新潮文庫)
    4.0
    京都発賢島行近鉄特急ビスタEX(エックス)の車内で大学准教授が殺された。彼はテレビ番組の過激な司会者として知られ、番組で伊勢神宮を貶める自説を主張する予定だった。一方、東京では歴史雑誌編集者が殺され、同棲していた同僚の女が姿を消した。二つの殺人に関連を感じ伊勢神宮に向かった十津川警部が内宮門前町〈おかげ横丁〉で発見したのは、容疑者の意外な姿だった。長編トラベルミステリー。
  • 決壊(上)
    4.0
    1~2巻693~737円 (税込)
    地方都市で妻子と平凡な暮らしを送るサラリーマン沢野良介は、東京に住むエリート公務員の兄・崇と、自分の人生への違和感をネットの匿名日記に残していた。一方、いじめに苦しむ中学生・北崎友哉は、殺人の夢想を孤独に膨らませていた。ある日、良介は忽然と姿を消した。無関係だった二つの人生に、何かが起こっている。許されぬ罪を巡り息づまる物語が幕を開く。衝撃の長編小説。

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  • 玄鳥さりて(新潮文庫)
    3.8
    富商の娘を娶り、藩の有力派閥の後継者として出世を遂げる三浦圭吾。その陰には、遠島になってまで彼を守ろうとした剣客・樋口六郎兵衛の献身と犠牲があった。十年後、島から戻った六郎兵衛。だが、二人は敵同士として剣を交えざるを得なくなる……。派閥争いに巻き込まれ、運命に翻弄されていく男たち。彼らは、何を守るために刀を振るうのか。真に大切なものを問う、葉室文学の円熟作。(解説・島内景二)
  • 死ぬことと見つけたり(上)
    4.5
    常住坐臥、死と隣合せに生きる葉隠武士たち。佐賀鍋島藩の斎藤杢之助は、「死人」として生きる典型的な「葉隠」武士である。「死人」ゆえに奔放苛烈な「いくさ人」であり、島原の乱では、莫逆の友、中野求馬と敵陣一番乗りを果たす。だが、鍋島藩を天領としたい老中松平信綱は、彼らの武功を抜駆けとみなし、鍋島藩弾圧を策す。杢之助ら葉隠武士三人衆の己の威信を賭けた闘いが始まった。

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  • 制服捜査
    3.8
    札幌の刑事だった川久保篤は、道警不祥事を受けた大異動により、志茂別駐在所に単身赴任してきた。十勝平野に所在する農村。ここでは重大犯罪など起きない、はずだった。だが、町の荒廃を宿す幾つかの事案に関わり、それが偽りであることを実感する。やがて、川久保は、十三年前、夏祭の夜に起きた少女失踪事件に、足を踏み入れてゆく――。警察小説に新たな地平を拓いた連作集。

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  • 日日平安
    4.5
    織田裕二主演の映画『椿三十郎』の原作「日日平安」を収録。無一文の浪人・菅田は、“切腹のマネ”をして通りすがりの男に飯を乞うがあえなく失敗……。しかし、この通りすがりの男、なにやら騒動を抱えている。聞くと、仲間9人で悪徳政治を行う家老らへの斬り込みを企てていた。これはいいツルだ……!! 菅田は仲間入りを志願。狙うはもちろん礼金! だったのだが……。無一文の空腹浪人の活躍をユーモラスに描く表題作をはじめ、ヒューマニズムあふれる名作全11編。「粋」が伝わってくる、時代小説初心者にもオススメの一冊!

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  • 女系家族(上)
    4.0
    1~2巻693円 (税込)
    大阪・船場の老舗矢島家は代々跡継ぎ娘に養子婿をとる女系の家筋。その四代目嘉蔵が亡くなって、出もどりの長女藤代、養子婿をむかえた次女千寿、料理教室にかよう三女雛子をはじめ親戚一同の前で、番頭の宇市が遺言書を読み上げる。そこには莫大な遺産の配分方法ばかりでなく、嘉蔵の隠し女の事まで認められていた。……遺産相続争いを通し人間のエゴと欲望を赤裸々に抉る長編小説。

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  • バルサの食卓
    4.1
    バルサとチャグムが熱々をかきこんだ〈ノギ屋の鳥飯〉、タンダが腕によりをかけた〈山菜鍋〉、寒い夜に小夜と小春丸が食べた〈胡桃餅〉、エリンが母と最後に食べた猪肉料理……上橋作品に登場する料理は、どれもメチャクチャおいしそうです。いずれも達人の「チーム北海道」が、手近な食材と人一倍の熱意をもって、物語の味の再現を試みました。夢のレシピを、さあ、どうぞ召し上がれ。
  • 氷原・非情のブリザード
    -
    明治45年、木造帆船で南緯80度を越えた白瀬隊長の英雄物語「氷原」、昭和35年、昭和基地で遭難した福島隊員の悲劇「非情のブリザード」等の極地小説。地震の前日に現われる発光現象と地震の関係を調査する学者と、虹と地震の関連性を研究する在野の篤学者との相克「虹の人」、イタイイタイ病をはじめカドミウムによる公害病を告発した「神通川」他、「火山群」「三つの石の物語」「風の墓場」「春紫苑物語」「高原の憂鬱」の、自然に挑む人間を捉えた全9編。

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  • プリズムの咲く庭 海島千本短編集
    完結
    4.7
    今注目の新鋭漫画家、海島千本の初単行本! 「ゴーゴーバンチ」「くらげバンチ」「週刊少年チャンピオン」に掲載された9作品を収録。圧倒的な筆致で描かれる、珠玉の物語をご堪能あれ。
  • 豆の上で眠る(新潮文庫)
    3.7
    小学校一年生の時、結衣子(ゆいこ)の二歳上の姉・万佑子(まゆこ)が失踪した。スーパーに残された帽子、不審な白い車の目撃証言、そして変質者の噂。必死に捜す結衣子たちの前に、二年後、姉を名乗る見知らぬ少女が帰ってきた。喜ぶ家族の中で、しかし自分だけが、大学生になった今も微(かす)かな違和感を抱き続けている。――お姉ちゃん、あなたは本物なの? 辿り着いた真実に足元から頽(くずお)れる衝撃の姉妹ミステリー。(解説・宇田川拓也)
  • パラダイスバード
    完結
    5.0
    月の出モール街で古書店を経営する美野さんの元に集まってくる奇妙な人々。さらにそのモール街には謎の「裏側」があって!? 阿佐ヶ谷の商店街を舞台に、美女や妖怪、ネコたちが入り乱れ、やがて異界への「扉」が開く!! 伝説のSF漫画家・佐藤明機がついに動き出す!! 「@バンチ」連載分に加え、「ピアニッシモ」連載の第1部、さらに幻の作品だった「家出王国」も収録した完全版。同じく未収録の短編や描き下ろし外伝、4コマ「日本気配」も収録します!!
  • 山奥ビジネス―一流の田舎を創造する―(新潮新書)
    4.0
    人口減? 地方消滅? 悲観する必要はない。日本には「山奥」という豊かなフロンティアがある。「なにもない田舎」も、地域資源を再発見し、角度を変えて眺めれば、宝の山に変わるのだ。ハイバリュー・ローインパクト(高付加価値で環境負荷が低い)なビジネスを山奥で営む事例や、明快なコンセプトで若い世代やユニークな事業を呼び込んでいる自治体事例を紹介し、「一流の田舎」を創るストラテジーを提示する。
  • つるまき町 夏時間
    完結
    4.6
    終業式の日、教室に忘れられたホテイアオイの精を助けたことをきっかけに植物と話せるようになった小学生のみつる君。それ以来、つるまき町ではちょっとヘンテコな事件が起こるようになって……。ノスタルジックであたたかな世界観が魅力の俊英が描く、夏休みの物語。
  • 少年たちのいるところ
    4.4
    ただ普通の高校生活を送りたいだけの少年・佐野霧は、友人依存症の南野竜と、色々と謎が多い奈良崎すばる二人と出会うことによって、平穏なはずの毎日がちょっと普通ではない高校生活になっていく――。作品が続々と舞台化・映画化され、注目度が急上昇の漫画家・古屋兎丸が満を持して挑戦する「高校生の青春物語」。
  • ご依頼の件
    3.8
    1巻671円 (税込)
    若いころの事件をたねに、金をゆすられているあなた! 殺してもあきたらないほど、憎らしい人がいるきみ! おもいきって、“殺し”はいかがですか? ご依頼の件は必ずやりとげ、絶対安全。あなたには決してご迷惑をおかけいたしません。常識的で、ありふれた世界に安住している人々の意識を痛撃し、人間の心の奥にひそむ願望をユーモアと諷刺で描いたショートショート40編。
  • 情事
    3.2
    若い女性と燃えあがるような情交を愉しむ。妻の体の奥底まで追求する。男は会社を退き、都市と故郷を往復する気ままな暮しをおくっていた。或る日、河内亜紀と出会う。どこか謎めく女。その躯に惹かれ、逢瀬を重ねた。自宅には、ビジネスの世界で活躍する妻・治子が待つ。彼女も、夫に応じ、開かれてゆく。田園と都会、愛人と妻の間を揺れ動く日々。そして、一片の疑惑。渾身の長編小説。
  • 謎と殺意の田沢湖線
    5.0
    国立市の豪邸で殺害された夫妻は、秋田県・田沢湖近くの出身だった。彼らの生家は、すでにダムの底に沈んでいる。故郷を喪失した村人をめぐる悲劇に、十津川警部は何を感じたのか(表題作)。「かおりを見つけ出せ。さもないと東北本線を爆破する」脅迫状が警視庁に届く。犯人の真の目的とは(謎と絶望の東北本線)。大自然に抱かれた四つの鉄路を辿る傑作トラベルミステリー集。
  • 皇室はなぜ世界で尊敬されるのか(新潮新書)
    3.6
    現在、世界にある君主国は二十八。その中で最古の歴史を誇る皇室は、他の王室、そしてすでに王室を失ってしまった国々からも、深い敬意を向けられている。それは長い歴史に加え、先の天皇をはじめとする皇族の人間力によるものであり、日本外交にも大きく寄与してきた。皇室という外交資産は、新たな令和の時代にどう生かされるのか。これまでの歩みはどう受け継がれていくのか。歴史的エピソードに照らして考える。
  • アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)
    3.5
    心を病んだ恋人との生活に耐えきれず、ストロングゼロに頼る女。年下彼氏の若さに当てられ、整形へ走る女。夫からの逃げ道だった、不倫相手に振り回される女。推しのライブ中止で心折れ、彼氏を心中に誘う女。恋人と会えない孤独な日々で、性欲や激辛欲が荒ぶる女――。絶望に溺れて掴んだものが間違っていたとしても、それは、今を生き抜くための希望だった。女性たちの疾走を描く鮮烈な五編。(解説・朝井リョウ)
  • エナメル―その謎は彼女の暇つぶし―(新潮文庫nex)
    3.5
    事故で寝たきりとなった、美少女で高飛車で大金持ちで天才探偵の甘宮メル(属性盛りすぎ!)と、メルに献身的に付き従う、寡黙で結構かっこよくて彼女の前ではちょっとだけ気障(きざ)な彼氏兼助手の江名(エナ)。都市伝説や日常の謎を気まぐれに解決していく二人。一見すれば誰もがうらやむカップルに思えるのだが、実は彼らには、絶望的な秘密があった――。異色の青春全否定暗黒恋愛ミステリ。
  • 砂の器(上)
    4.1
    1~2巻693~737円 (税込)
    東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。被害者の東北訛りと“カメダ”という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の今西は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。今西の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する…。 映画でもドラマでも大ヒットした社会派ミステリー。

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  • 他人の顔(新潮文庫)
    3.7
    液体空気の爆発で受けた顔一面の蛭のようなケロイド瘢痕によって自分の顔を喪失してしまった男……失われた妻の愛をとりもどすために“他人の顔”をプラスチック製の仮面に仕立てて、妻を誘惑する男の自己回復のあがき……。特異な着想の中に執拗なまでに精緻な科学的記載をも交えて、“顔”というものに関わって生きている人間という存在の不安定さ、あいまいさを描く長編。(解説・大江健三郎)
  • 第四間氷期(新潮文庫)
    4.2
    現在にとって未来とは何か? 文明の行きつく先にあらわれる未来は天国か地獄か? 万能の電子頭脳に平凡な中年男の未来を予言させようとしたことに端を発して事態は急転直下、つぎつぎと意外な方向へ展開してゆき、やがて機械は人類の苛酷な未来を語りだすのであった……。薔薇色の未来を盲信して現在に安住しているものを痛烈に告発し、衝撃へと投げやる異色のSF長編。(解説・磯田光一)
  • 破天荒(新潮文庫)
    5.0
    1巻737円 (税込)
    スクープ連発の若き業界紙記者がいた! 高校中退ながら、石油化学新聞社に入社した杉田亮平は、生意気といわれようが、言いたいことを言うのが信条。その圧倒的な取材力に、大手経済紙も高級官僚も驚愕した。企業トップと堂々と渡り合い、誰よりも早く情報を掴み、ダイナミックな経済の現場に立って、亮平は日本経済の真ん中を駆け抜ける。人間ドラマを見つめてきた著者の自伝的経済小説。(解説・加藤正文)
  • 疫病神
    4.0
    建設コンサルタント・二宮啓之が、産業廃棄物処理場をめぐるトラブルに巻き込まれた。依頼人の失踪。たび重なる妨害。事件を追う中で見えてきたのは、数十億もの利権に群がる金の亡者たちだ。なりゆきでコンビを組むことになったのは、桑原保彦。だが、二宮の〈相棒〉は、一筋縄でいく男ではなかった――。関西を舞台に、欲望と暴力が蠢く世界を描く、圧倒的長編エンターテインメント!
  • 宇宙のあいさつ
    3.8
    1巻660円 (税込)
    植民地獲得のために地球から派遣されてきた宇宙船はすてきな惑星を占領することができた。温和な気候、豊富な食料、従順な住民たち、200歳の平均寿命――疲れた地球人のための保養地として申し分なかった。しかし、喜びもつかの間、おそるべき事実が……無気味なイロニーのあふれる表題作など、奔放なアイデアと洒脱なエスプリでスマートに描くショート・ショートの傑作35編。
  • 恐山―死者のいる場所―
    4.0
    死者は実在する。懐かしいあの人、別れも言えず旅立った友、かけがえのない父や母――。たとえ肉体は滅んでも、彼らはそこにいる。日本一有名な霊場は、生者が死者を想うという、人類普遍の感情によって支えられてきた。イタコの前で身も世もなく泣き崩れる母、息子の死の理由を問い続ける父……。恐山は、死者への想いを預かり、魂のゆくえを決める場所なのだ。無常を生きる人々へ、「恐山の禅僧」が弔いの意義を問う。

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  • 黄金の日本史
    3.7
    歴史の主人公は黄金である。これを手中にするための覇権争いこそが日本史なのだ――金という覗き窓から定点観測すると、歴史教科書の生ぬるい嘘が見えてくる。ジパング伝説がどんな災厄を招いたのか、秀衡や秀吉の金はどこへ消えたのか、なぜ現代日本の金保有量は唖然とするほど低いのか――。歴史時代小説界のエースであり金融エキスパートでもある著者が、為政者への批判を込めて綴った比類なき日本通史。

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  • クジラアタマの王様(新潮文庫)
    3.9
    記憶の片隅に残る、しかし、覚えていない「夢」。自分は何かと戦っている?――製菓会社の広報部署で働く岸は、商品への異物混入問い合わせを先輩から引き継いだことを皮切りに様々なトラブルに見舞われる。悪意、非難、罵倒。感情をぶつけられ、疲れ果てる岸だったが、とある議員の登場で状況が変わる。そして、そこには思いもよらぬ「繋がり」があり……。伊坂マジック、鮮やかなる新境地。(解説・川原礫)
  • 黒幕
    3.8
    徳川家康のめぐらす謀りごとを実現すべく働き抜いた山口新五郎は、江戸開府後、六十歳を過ぎて初めて女体に接した。そして二度も十代の嫁を娶ることになる、この男の生涯を描いた「黒幕」。夫の仇と襲った相手が従容として、己れの左腕を斬り落とさせる姿に心を打たれ、その男の妻となる戦国の女を描いた「猛婦」。他に「勘兵衛奉公記」「槍の大蔵」など、初収録4編を含む11編を収録。

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  • 公安は誰をマークしているか
    3.4
    盗撮、盗聴、徹底監視。必要なら身内さえ尾行する。決して公にしない捜査手法で、公安警察は誰を追っているのか。共産党や過激派が失速し、オウム事件から十六年が経った現在、何と闘っているのか。潜在右翼の増殖、シー・シェパードの横暴、サラリーマンを狙うロシアスパイ、北朝鮮工作員を支援する「土台人」……。特高警察のDNAを受け継ぐ公安最強の組織・警視庁公安部の事件簿から、その実態と実力を描き出す。

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  • 「心の傷」は言ったもん勝ち
    3.6
    「心に傷を受けた」と宣言したら、あとはやりたい放題。詳しい検証もなく、一方的に相手を加害者と断罪する――そんな「エセ被害者」がのさばっている現代日本。PTSD、適応・パニック障害から、セクハラ、痴漢冤罪、医療訴訟まで、あらゆる場面で「傷ついた」という言い分が絶対視されている。そう、「被害者帝国主義の時代」が到来したのだ。過剰な被害者意識はもうたくさん! 現役精神科医が示す処方箋。

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  • 勝負論
    3.5
    “「勝ちたい」というプレッシャーが自分を強くする”“壁にぶち当たった時こそチャンス”“失敗を喜べ”。五十年闘ってきたプロ中のプロが、負けない術、「自分本位に考える」法、良い流れのつかみ方などを惜し気もなく明かす。一流と二流の差は? 稼げる条件は? スランプから立ち直るには? 真のライバルとは? 競争心、闘争心、挑戦心、好奇心を原動力に今も挑戦を止めない「世界のアオキ」が語り尽くした勝負の核心。
  • 「新型うつ病」のデタラメ
    3.8
    「上司に叱られ、やる気ゼロ」「彼女に浮気されたので休職したい」……。この十年、そんな理由で精神科を訪れる人が急増。従来のうつ病とは明らかに異なる病態をもつそれは、「新型うつ病」と総称されるようになった。診断書を手に堂々と会社を休む人々、手厚すぎる社会保障、肥大化する自己愛と精神力の低下。はたして「新型うつ病」は本当に“病気”なのだろうか。もはや社会問題。そのまやかしを、現役精神科医が暴く。

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  • フランス革命の女たち―激動の時代を生きた11人の物語―(新潮文庫)
    4.2
    永遠の名作『ベルサイユのばら』から50年を越え、今、新たな真実の歴史が詳らかになる――。ロココの薔薇マリー・アントワネット、美貌の画家ヴィジェ=ルブラン、暗殺の天使シャルロット・コルデー……。美貌と愛によって、才気と知性によって、歴史の表舞台へと躍り出た女たちに寄り添い、その激しい人生を豊富な絵画と共に活写する。マンガでは語り尽くせなかったフランス革命の物語。(解説・鹿島茂)
  • 名探偵のはらわた(新潮文庫)
    3.7
    「亘(わたる)君、君は真実を語るべきだ」農薬コーラ毒殺魔、局部切断女、そして恐怖の三十人殺し! 昭和史に残る極悪犯罪者たちが地獄の淵から甦(よみがえ)り、現代日本で殺戮の限りを尽くす。空前絶後の惨劇に立ち上がった伝説の名探偵は、推理の力でこの悪夢を止められるのか。「疑え――そして真実を見抜け」二度読み必至の鮮やかな伏線回収、緻密な論理(ロジック)による美しき多重解決。本格ミステリの神髄、ここにあり。(解説・若林踏)
  • メタモルフォセス群島
    -
    足のはえてくる果実。木の枝に寄生している小動物。人間を食べて首に似た果実をつける植物。放射能の影響であらゆる生物が突然変異体(ミュータント)と化した不気味な世界を描いた『メタモルフォセス群島』。妻子を脱獄囚に人質にとられたサラリーマンが、脱獄囚の家にのり込んで脅迫のエスカレーションを企てる『毟りあい』。ほかに『五郎八航空』『定年食』など幻想と恐怖の突然変異的作品群。
  • ナニワ・モンスター(新潮文庫)【電子特典付き】
    3.5
    1巻1,100円 (税込)
    浪速府で発生した新型インフルエンザ「キャメル」。致死率の低いウイルスにもかかわらず、報道は過熱の一途を辿り、政府はナニワの経済封鎖を決定する。壊滅的な打撃を受ける関西圏。その裏には霞が関が仕掛けた巨大な陰謀が蠢いていた――。風雲児・村雨弘毅(ドラゴン)府知事、特捜部のエース・鎌形雅史(カマイタチ)、大法螺吹き(スカラムーシュ)・彦根新吾。怪物達は、この事態にどう動く……。海堂サーガ、新章開幕。※【電子版あとがき】をはじめ、ストーリー上の出来事が一目でわかる【桜宮年表】や【作品相関図】、小説・ノンフィクション作品の【海堂尊・全著作リスト】、小説作品の【「桜宮サーガ」年代順リスト】など数々の電子版特典を巻末に収録!
  • 看守眼
    3.8
    刑事になるという夢破れ、留置管理係として職業人生を閉じようとしている、近藤。彼が証拠不十分で釈放された男を追う理由とは(表題作)。自叙伝執筆を請け負ったライター。家裁調停委員を務める主婦。県警ホームページを管理する警部。地方紙整理部に身を置く元記者。県知事の知恵袋を自任する秘書。あなたの隣人たちの暮らしに楔のごとく打ち込まれた、謎。渾身のミステリ短篇集。
  • 君と漕ぐ3―ながとろ高校カヌー部と孤高の女王―(新潮文庫nex)
    4.5
    うちとペアを組んで、オリンピック目指さへん? 突如ながとろ高校にやってきた、孤高の女王こと蘭子の誘いに戸惑う恵梨香。パートナーの希衣の思いも複雑だ。葛藤を抱えた彼女は一人、コーチの芦田のもとを訪れる。そしていよいよ八月。インターハイ会場・長良川にやってきたカヌー部四人。恵梨香はシングルで蘭子に勝てるのか。そして希衣とのペアで、優勝をもぎ取れるのか――。
  • 君と漕ぐ4―ながとろ高校カヌー部の栄光―(新潮文庫nex)
    4.5
    スター選手、蘭子にスカウトされてペアを組むことになった恵梨香。二人は圧倒的な記録を叩き出し、日本代表選手と目される。努力を重ねる希衣もまた、親友でライバルでもある千帆の実力に迫りつつあった。一方、初心者だった舞奈もいよいよ大会デビュー。ついにカヌー部女子四人揃ってフォア競技に挑むことに! 新入生も加入、新たなステージを迎える熱く切ない青春部活小説第四弾。
  • 殺人者はいかに誕生したか―「十大凶悪事件」を獄中対話で読み解く―
    3.8
    世間を震撼させた凶悪事件の殺人者たち――。臨床心理士として刑事事件の心理鑑定を数多く手掛けてきた著者が、犯人たちの「心の闇」に肉薄する。勾留施設を訪ねて面会を重ね、幾度も書簡をやりとりするうちに、これまで決して明かされなかった閉ざされし幼少期の記憶や凄絶な家庭環境が浮かび上がる。彼らが語った人格形成の過程をたどることで、事件の真相が初めて解き明かされる。
  • センス・オブ・ワンダー(新潮文庫)
    4.4
    雨のそぼ降る森、嵐の去ったあとの海辺、晴れた夜の岬。そこは鳥や虫や植物が歓喜の声をあげ、生命なきものさえ生を祝福し、子どもたちへの大切な贈り物を用意して待っている場所……。未知なる神秘に目をみはる感性を取り戻し、発見の喜びに浸ろう。環境保護に先鞭をつけた女性生物学者が遺した世界的ベストセラー。川内倫子の美しい写真と新たに寄稿された豪華な解説エッセイとともに贈る。(解説・福岡伸一、若松英輔、大隅典子、角野栄子)
  • 太陽の季節(新潮文庫)
    3.5
    女とは肉体の歓び以外のものではない。友とは取引の相手でしかない……退屈で窮屈な既成の価値や倫理にのびやかに反逆し、若き戦後世代の肉体と性を真正面から描いた「太陽の季節」。最年少で芥川賞を受賞したデビュー作は戦後社会に新鮮な衝撃を与えた。人生の真相を虚無の底に見つめた「灰色の教室」、死に隣接する限界状況を捉えた「処刑の部屋」他、挑戦し挑発する全5編。(解説・奥野健男)
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)
    4.0
    第二次大戦下のニューヨークで、居並ぶセレブの求愛をさらりとかわし、社交界を自在に泳ぐ新人女優ホリー・ゴライトリー。気まぐれで可憐、そして天真爛漫な階下の住人に近づきたい、駆け出し小説家の僕の部屋の呼び鈴を、夜更けに鳴らしたのは他ならぬホリーだった……。表題作ほか、端正な文体と魅力あふれる人物造形で著者の名声を不動のものにした作品集を、清新な新訳でおくる。
  • 眠れぬ真珠
    4.0
    出会いは運命だった。17も年下の彼に、こんなにも惹かれてゆく――。孤高の魂を持つ、版画家の咲世子。人生の後半に訪れた素樹との恋は、大人の彼女を、無防備で傷つきやすい少女に変えた。愛しあう歓びと別離の予感が、咲世子の中で激しくせめぎあう。けれども若く美しいライバル、ノアの出現に咲世子は……。一瞬を永遠に変える恋の奇蹟。情熱と抒情に彩られた、最高の恋愛小説。
  • 陽だまりの彼女(新潮文庫)
    4.1
    幼馴染みと十年ぶりに再会した僕。かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、モテ系の出来る女へと驚異の大変身を遂げていた。でも彼女、僕には計り知れない過去を抱えているようで──その秘密を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへと走りはじめる! 誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさも、すべてつまった完全無欠の恋愛小説。
  • ひとにぎりの未来
    4.0
    1巻649円 (税込)
    脳波を調べ、食べたい料理を作る自動調理機、眠っている間に会社に着く人間用コンテナなど、未来社会をのぞくショートショート集。
  • 夜のかくれんぼ
    3.8
    宇宙からきた意味ありげな電波、壁からはえた人間の手、神からテレポートの能力をさずけられた男etc。信じられないほど、異常な出来事が、次から次へと起るこの世の中。科学もふきとび、理屈も引っこむ摩訶不思議な世界に、あなたもまきこまれるかもしれません。ひと足さきに、活字の世界で奇妙な体験をしてみませんか。ミステリアスな世界にあなたを誘うショートショート28編。
  • 殿さまの日
    3.8
    ああ、殿さまなんかにはなりたくない。誤解によって義賊になった。泣く子も黙る隠密様のお通りだい。どんなかたきの首でも調達します。お犬さまが吠えればお金が儲かる。医は仁術、毒とハサミは使いよう。時は江戸、そして世界にたぐいなき封建制度。定められた階級の中で生きた殿さまから庶民までの、命を賭けた生活の知恵の数々。――新鮮な眼で綴る、異色時代小説12編を収録。※文庫版に掲載の挿画は、電子版には収録しておりません。
  • 知っている人は得をしている 宝石の価値(新潮新書)
    -
    かつて大枚はたいた婚約指輪、祖母から譲られた貴石つきのペンダント――タンスの引き出しに眠っていませんか? 宝石商の3代目にして海外ハイブランドとも協業した名店SUWAを経営、国立科学博物館では特別展の監修も務めた斯界のレジェンドが、宝石全般の楽しみ方から資産価値、店で買うときの基準までわかりやすく伝授。その本当の〈価値〉を知らない多くの日本人へ向けて、知っていれば得をする宝石の話。
  • 壁(新潮文庫)
    4.2
    ある朝、突然自分の名前を喪失してしまった男。以来彼は慣習に塗り固められた現実での存在権を失った。自らの帰属すべき場所を持たぬ彼の眼には、現実が奇怪な不条理の塊とうつる。他人との接触に支障を来たし、マネキン人形やラクダに奇妙な愛情を抱く。そして……。独特の寓意とユーモアで、孤独な人間の実存的体験を描き、その底に価値逆転の方向を探った野心作。(解説・佐々木基一)
  • けものたちは故郷をめざす(新潮文庫)
    4.0
    ソ連軍が侵攻し、国府・八路軍が跳梁する敗戦前夜の満州。敵か味方か、国籍さえも判然とせぬ男とともに、久木久三は南をめざす。氷雪に閉ざされた満州からの逃走は困難を極めた。日本という故郷から根を断ち切られ、抗いがたい政治の渦に巻き込まれた人間にとっての、“自由”とは何なのか? 牧歌的神話は地に堕ち、峻厳たる現実が裸形の姿を顕現する。人間の生の尊厳を描ききった傑作長編。(解説・磯田光一)
  • 恍惚の人
    4.3
    文明の発達と医学の進歩がもたらした人口の高齢化は、やがて恐るべき老人国が出現することを予告している。老いて永生きすることは果して幸福か? 日本の老人福祉政策はこれでよいのか? 老齢化するにつれて幼児退行現象をおこす人間の生命の不可思議を凝視し、誰もがいずれは直面しなければならない《老い》の問題に光を投げかける。空前の大ベストセラーとなった書下ろし長編。
  • 少女葬(新潮文庫)
    3.9
    一人の少女が壮絶なリンチの果てに殺害された。その死体画像を見つめるのは、彼女と共に生活したことのあるかつての家出少女だった。劣悪なシェアハウスでの生活、芽生えたはずの友情、そして別離。なぜ、心優しいあの少女はここまで酷く死ななければならなかったのか? 些細なきっかけで醜悪な貧困ビジネスへ巻き込まれ、運命を歪められた少女たちの友情と抗いを描く衝撃作。『FEED』改題。(解説・大矢博子)
  • つぎはぎプラネット
    3.8
    同人誌、PR誌に書かれて以来、書籍に収録されないままとなっていた知られざる名ショートショート。日本人 火星へ行けば 火星人……「笑兎(ショート)」の雅号で作られた、奇想天外でシニカルなSF川柳・都々逸。子供のために書かれた、理系出身ならではのセンスが光る短編。入手困難な作品や書籍、文庫未収録の作品を集めた、ショートショートの神様のすべてが分かる、幻の作品集。
  • 友喰い―鬼食役人のあやかし退治帖―(新潮文庫nex)
    5.0
    しくじれば、喰われる――。富士のふもとの山廻役人・坂下と加当の務めは、無断で山の樹木を伐る不届き者の見張り。だが真の任務は、林奉行・小野寺の指令のもと、山に棲むあやかしを退治すること。目玉を抉られ、四肢を奪われ、いつも犠牲になる加当と、なんでも喰らう化け物喰いの坂下は山の怪を次々と解決に導くが、実は壮絶な過去があり……。最強の役人バディが暴れまわる伝奇エンタメ!
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)
    4.0
    憂鬱な不採用通知、幼い娘を抱える母子家庭、契約社員の葛藤……。うまく喋れなくても否定されても、僕は耳を澄ませていたい――地球の中心に静かに降り積もる銀色の雪に。深海に響くザトウクジラの歌に。磁場を見ているハトの目に。珪藻の精緻で完璧な美しさに。高度一万メートルに吹き続ける偏西風の永遠に。表題作の他「海へ還る日」「アルノーと檸檬」「玻璃を拾う」「十万年の西風」の五編。(解説・橋本麻里)
  • ホワイトラビット(新潮文庫)
    4.3
    兎田孝則は焦っていた。新妻が誘拐され、今にも殺されそうで、だから銃を持った。母子は怯えていた。眼前に銃を突き付けられ、自由を奪われ、さらに家族には秘密があった。連鎖は止まらない。ある男は夜空のオリオン座の神秘を語り、警察は特殊部隊SITを突入させる。軽やかに、鮮やかに。「白兎事件」は加速する。誰も知らない結末に向けて。驚きとスリルに満ちた、伊坂マジックの最先端!(解説・小島秀夫) ※本作品は、単行本版『ホワイトラビット』を文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。
  • 密会(新潮文庫)
    3.9
    ある夏の未明、突然やって来た救急車が妻を連れ去った。男は妻を捜して病院に辿りつくが、彼の行動は逐一盗聴マイクによって監視されている……。二本のペニスを持つ馬人間、出自が試験管の秘書、溶骨症の少女、〈仮面女〉など奇怪な人物とのかかわりに困惑する男の姿を通じて、巨大な病院の迷路に息づく絶望的な愛と快楽の光景を描き、野心的構成で出口のない現代人の地獄を浮き彫りにする。(解説・平岡篤頼)
  • イノセント・デイズ(新潮文庫)
    4.2
    田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか。産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がる世論の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。幼なじみの弁護士たちが再審を求めて奔走するが、彼女は……筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。
  • 大いなる遺産(上)(新潮文庫)
    3.4
    優しい鍛冶屋の義兄ジョーに育てられている少年ピップは、あるクリスマス・イヴの晩、脱獄囚の男と出会う。脅されて足枷を切るヤスリを家から盗んで与えた記憶は彼の脳裏に強く残った――。長じたある日、ロンドンからやってきた弁護士から、さる人物の莫大な遺産を相続することを示唆されると、貧しいながらも人間味ある生活を捨て去り、ピップは大都市ロンドンへと旅立つのだった……。
  • 掲載禁止 撮影現場(新潮文庫)
    4.1
    不気味な廃墟で言い合いをする二人の男の衝撃的結末「例の支店」、自分が犯人だと自首してきた男を問い詰めていくなかで進行する奇妙な議論「哲学的ゾンビの殺人」、カリスマ映画監督の作品に出演した役者が見た、とんでもない光景「撮影現場」、仕掛けが冴える著者の真骨頂特別書下ろし「カガヤワタルの恋人」……。怖いのに、読むのが止められない傑作八編。心臓の弱い方は、ご注意ください。(解説・真梨幸子)
  • ここに物語が(新潮文庫)
    NEW
    -
    人は人生のそのときどき、大小様様な物語に付き添われ、支えられしながら一生をまっとうする――。『二十歳の原点』『木かげの家の小人たち』『あらしの前』『百年の孤独』。作家・梨木香歩は、どんな本に出会い、どんなことに想いを馳(は)せ、物語を紡いできたのか。過去二十年に亘(わた)り綴られた、数多(あまた)の書評や解説、そして本や映画にまつわるエッセイを通してその思考を追う、たまらなく贅沢な一冊。(解説・長田育恵)
  • ごんぎつねの夢(新潮文庫)
    3.5
    1巻781円 (税込)
    15年ぶりのクラス会にキツネ面の男が乱入し、散弾銃を発砲した。SATにより射殺された犯人は、なんと恩師だった。幹事の有馬に託されたメッセージは「ごんぎつねの夢を広めてくれ」。次第に見えてくる恩師の過去、名作「ごんぎつね」にまつわる哀しい史実、消えたかつての同級生の秘密……。探索の果て、周到な計画と謎の原稿に隠された真相が明らかになる。切なさと希望に満ちたミステリー。(解説・伊与原新)
  • 出版禁止 死刑囚の歌(新潮文庫)
    4.1
    千葉県柏市で6歳と4歳の姉弟が誘拐され、無惨な姿で発見された。犯人は死刑判決を受け、やがて刑は執行されたが、最後まで動機は不明だった。事件から22年後。東京都向島で凄惨な一家三人殺傷事件が発生する。殺害されたのはなんと柏の事件の……。共通する手口、戦慄の短歌、消えたM子。本当の鬼畜は誰なのか。虚実が複雑に絡みあい、逆転また逆転そして絶句。あなたは今度も騙される!(解説・前川裕)
  • 用心棒日月抄
    4.3
    用心棒が赴くところにドラマがある――。故あって人を斬り脱藩。己れの命を危険にさらし、様々な人の楯となって生きる浪人青江又八郎の苛烈な青春。江戸は元禄、巷間を騒がす赤穂浪人の隠れた動きが活発になるにつれ、請け負う仕事はなぜか浅野・吉良両家の争いの周辺に……。凄まじい殺陣の迫力と市井の哀歓あふれる十話。
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    4.3
    好色な医師フリントの奴隷となった美少女、リンダ。卑劣な虐待に苦しむ彼女は決意した。自由を掴むため、他の白人男性の子を身籠ることを――。奴隷制の真実を知的な文章で綴った本書は、小説と誤認され一度は忘れ去られる。しかし126年後、実話と証明されるやいなや米国でベストセラーに。人間の残虐性に不屈の精神で抗い続け、現代を遥かに凌ぐ〈格差〉の闇を打ち破った究極の魂の物語。
  • 噂の女
    3.6
    「侮(あなど)ったら、それが恐ろしい女で」。高校までは、ごく地味。短大時代に潜在能力を開花させる。手練手管と肉体を使い、事務員を振り出しに玉の輿婚をなしとげ、高級クラブのママにまでのし上がった、糸井美幸。彼女の道行きにはいつも黒い噂がつきまとい――。その街では毎夜、男女の愛と欲望が渦巻いていた。ダークネスと悲哀、笑いが弾ける、ノンストップ・エンタテインメント!
  • 細雪(上中下) 合本版
    -
    大阪船場に古いのれんを誇る蒔岡家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子が織りなす人間模様のなかに、昭和十年代の関西の上流社会の生活のありさまを四季折々に描き込んだ絢爛たる小説絵巻。三女の雪子は姉妹のうちで一番の美人なのだが、縁談がまとまらず、三十をすぎていまだに独身でいる。幸子夫婦は心配して奔走するが、無口な雪子はどの男にも賛成せず、月日がたってゆく。 ※当電子版は『細雪』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • 暗幕のゲルニカ(新潮文庫)
    4.2
    ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。MoMAのキュレーター八神瑤子はピカソの名画を巡る陰謀に巻き込まれていく。故国スペイン内戦下に創造した衝撃作に、世紀の画家は何を託したか。ピカソの恋人で写真家のドラ・マールが生きた過去と、瑤子が生きる現代との交錯の中で辿り着く一つの真実。怒濤のアートサスペンス!(解説・池上彰)
  • 亀裂
    5.0
    “現代”の象徴ともみられる、重く混沌とした“亀裂の世界”にその身を横たえようとしながら、にもかかわらず、決して“亀裂それ自体”にはなりえない青年作家・都築明を中心に、“亀裂の世界”に棲む人々――若い拳闘家・神島、女優・泉井涼子、少年テロリスト、右翼ボス・高倉、殺し屋・浅井といった面々の愛欲、権勢欲、物欲、殺人などを描き出して、挑戦にみちた問題作。
  • 妖精配給会社
    3.6
    1巻616円 (税込)
    他の星から流れ着いた《妖精》は従順で遠慮深く、なぐさめ上手でほめ上手、ペットとしては最適だった。半官半民の配給会社もでき、たちまち普及した。しかし、会社がその使命を終え、社史編集の仕事を残すだけとなった時、過去の記録を調べていた老社員の頭を一つの疑念がよぎった……諷刺と戦慄の表題作など、ショート・ショートの傑作35編を収録した夢と笑いの楽しい宝石箱。
  • 図書委員界
    4.0
    「どんな悩みでも解決します。放課後17時に日本文学の棚にお越しください。」少女の元に届いた、一通の招待状。おそるおそる図書室の扉を開くと、そこには悩みを解決してくれる「図書委員界」の面々がいた――。YouTubeチャンネルでのコラボ企画をきっかけに生まれた、生駒里奈&古屋兎丸、夢の狂宴!
  • 日本原爆開発秘録
    3.8
    戦時下で秘密裡に進められていた「ニ号研究」「F号研究」という日本の原爆製造計画。戦局の挽回を期し、軍部が命じて科学者の叡智を集めた研究の全貌とは……。昭和史研究の第一人者が、膨大な資料と関係者への貴重なインタビューをもとに、戦後、原発立国へと舵を切った日本の「原子力前史」を繙き、現代との因果を詳らかにする。『日本の原爆─その開発と挫折の道程』改題。

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