密会(新潮文庫)

密会(新潮文庫)

737円 (税込)

3pt

ある夏の未明、突然やって来た救急車が妻を連れ去った。男は妻を捜して病院に辿りつくが、彼の行動は逐一盗聴マイクによって監視されている……。二本のペニスを持つ馬人間、出自が試験管の秘書、溶骨症の少女、〈仮面女〉など奇怪な人物とのかかわりに困惑する男の姿を通じて、巨大な病院の迷路に息づく絶望的な愛と快楽の光景を描き、野心的構成で出口のない現代人の地獄を浮き彫りにする。(解説・平岡篤頼)

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密会(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    人間の歴史は逆進化の歴史。
    発情の衰退(進化とも言える)と、嘘と本当と、記録と(時には嘘がある明日の新聞)、また見る見られるの不思議な関係、そして盗聴ポルノテープ。
    何をしても明日には死んでる自分、手淫という行為という1人だけの密会。
    イカれた現代の性。をさらに進めた密会の中。
    全員が病気でこの世界

    0
    2024年09月08日

    Posted by ブクログ

    愛と快楽にまみれた出口のない現代人の地獄…
    虚無感、喪失感、絶望…なんとも言い難い感情を味わった。
    馬人間、女秘書、溶骨症の少女、奇怪な人物を通して描かれる。
    やはり安部公房先生の作品は衝撃的です。

    ⚫︎良き医者は良き患者

    ⚫︎動物の歴史が進化の歴史ならば、
    人間の歴史は逆進化の歴史

    ⚫︎明日

    0
    2024年01月06日

    Posted by ブクログ

     いやー、安部公房の作品の中でよもやこんなに理解できないとは。自分の感性が死んだのかと不安になる。
     ただ巻末の解説をよみ、「うわー!さすが安部先生!」となった。この小説は、分かりやすくてはいかん、順序立ててはだめなのだ。

     まず時系列が掴みにくい。「今」か回想かの境が判別しにくく、全部読んでも半

    0
    2024年01月13日

    Posted by ブクログ

    性描写のオンパレードの中に、グロテスクな描写あり。
    時代背景としては、売春を筆頭に性行為が軽視され始め、スポーツ化したというところからこういった内容になったようですが、登場人物がカオス過ぎて惹かれる。
    病院=社会、ということは混乱を意味しているよう。
    迷路のような想像できない病院内や地下道は、そのま

    0
    2020年11月08日

    Posted by ブクログ

    ぶっ飛んだカルト・ムービーのようでいて外れ過ぎないというか押さえているという稀有な作品。アングラっぽさが漂うもそこに逃げていない。この世界造形はさすが安部公房という感じ。小説表現の自由や可能性が感じさせる。巻末の平岡先生の解説もいい。

    0
    2017年12月18日

    Posted by ブクログ

    妻を救急車によって攫われた男がその行方を追うにつれ、組織としての病院と患者、そして医師に撹乱されていく話。「盗聴」という行為をもって、社会における性の統制と計画的な消費を断片的に描写しています。
    もっともらしい言葉を使って概要を述べるのは簡単なのですが、ではこの作品は何を示したかったのか?といった

    0
    2016年05月07日

    Posted by ブクログ

    ここまでドギツイ性的描写ができるのはさすがです。

    ややグロテスクな表現もあるので中々人にはお勧めできませんが、
    安部公房作品が好きな方にはたまらない一作かと思います。

    0
    2015年02月15日

    Posted by ブクログ

     小説内で登場する架空の病院内および市街地がとても精密に描写されていることに驚いた。作者は当初地図を描いて載せようとしたほど(全集26・構造主義的な思考形式)作品内の空間設定が練られていることがわかる。
     作品の冒頭は主人公の妻が連れ去られてから4日目の早朝、報告書というかたちで読者に提示される。そ

    0
    2012年07月12日

    Posted by ブクログ

    今回もなかなかの実験作。情景描写がとにかくわかりづらい。迷路のような病院を舞台にしてるだけあってか。それも作者の意図なのか。
    砂の女や箱男のように、わからないなりにも理屈があるような作品とは違い、わからないのをそのままに楽しむことを求められる作品、な気がした。

    0
    2025年06月26日

    Posted by ブクログ

    特殊な方法で失踪した妻を探して男は病院へと潜り込む。盗聴という監視ネットワーク、医者という要望の権力者会の縮図の内外を出入りし、男は存在すらも怪しい目的を求めて彷徨い続ける。

    0
    2025年05月30日

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