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盗撮、盗聴、徹底監視。必要なら身内さえ尾行する。決して公にしない捜査手法で、公安警察は誰を追っているのか。共産党や過激派が失速し、オウム事件から十六年が経った現在、何と闘っているのか。潜在右翼の増殖、シー・シェパードの横暴、サラリーマンを狙うロシアスパイ、北朝鮮工作員を支援する「土台人」……。特高警察のDNAを受け継ぐ公安最強の組織・警視庁公安部の事件簿から、その実態と実力を描き出す。
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Posted by ブクログ
【筆者が知る限りでは、公安警察に身を置く人たちには「誰かがやらなければ」という強い正義感を持っている人が多い。一方で、汚れ役を自任するあまり、国と国民を守るためには場合によって手段を選ばなくてもいいという独善に陥る危険性を孕んでいるようにも思う】(文中より引用) 外目からはなかなか何をやっているか...続きを読むわからない警察の公安部門。警視庁公安部を例に取り過去の担当事件も紹介しながら、その内実に迫った作品です。著者は、産経新聞で警視庁公安部・警備部の担当も務めた大島真生。 警察ドラマなどを見ていると役職に漢字がやたら並ぶキャラクターが出てきて「実際のところどんな役割を担っているんだろう」と思うこともあったのですが、その疑問の一端をすっきりと明らかにしてくれた一冊。取り上げるものの性質故に一部断片的と思われる箇所もありますが、公安の窓口としてオススメできます。 新書という手に取りやすい媒体だけど、一体どんな人がこれを読んでいるんだろう☆
著者は産経新聞入社後、警視庁公安部・警備部担当の記者になったキャリアの持ち主で、本書はその経験をもとに書かれたものです。 著者の手による後書きによれば、本書は 公安警察はテロやスパイ行為を防止するため様々な活動を行なっているが、その活動を国民の適切な管理下に留めるため、国民は公安警察に関する正確...続きを読むな情報を知る必要がある との観点から書かれており、警視庁公安部を中心とした警察庁、各都道府県の公安警察についての解説が載っています。 冒頭、公安という言葉の意味についての解説から始まり、序章で ・刑事警察は殺人犯、強盗犯などの一般的な刑事犯罪を専門とする一方、公安警察は国家体制防衛を目的に行動している。 ・第2次大戦敗戦後、GHQにより自治体ごとに分離させられた警察組織だがそれは刑事警察のみで、公安警察に関しては全国の公安警察が警察庁警備局から直接指揮を受けるシステムがある。 ・警視庁公安部門の人員は約2千数百名にのぼり、全国トップの陣容を誇り、その力ゆえ、警察庁も警視庁の意向を無視できない。 ・公安警察と刑事警察の仲の悪さは本物。 と言った公安警察に関する概説が行われています。 序章の後は、1章から8章まで警視庁公安部の各部門(公安総務部、公安一課、公安二課、公安三課等々)の組織とそれぞれの部門がどの様な相手(左翼、右翼、北朝鮮、中国、アルカイーダ等)を専門としているかを、公安部が検挙した事件の解説を通して読者に伝えています。 昭和の時代には日本共産党やそこから分離した過激派の取り締まりがメインだった公安部が、共産勢力の弱体化・高齢化に伴い、組織の存在意義の確保を目的に、調査範囲を公明党の情報、政治家のスキャンダル、NHKの次期会長候補の身辺調査、シーシェパードなど過激な抗議活動を行う民間団体等に広げて行っている事や 2003年に摘発された「征伐隊事件」の捜査において、現場の物証や目撃証言を下に捜査をすすめた刑事警察が犯人グループを逮捕した一方、既存の右翼団体などから集めた情報を下に捜査をすすめた公安警察は犯人逮捕が出来なかった事などが印象的な内容でした。 #ただし現在では、本書の8章でも取り上げられている公安機動捜査隊が拡充され、公安独自の鑑識活動を行なっているとの事。 尚、各章で取り上げている部門は以下のとおりです。 1章:公安総務部 相手:日本共産党、過激な抗議活動を行う民間団体、カルト教団等 2章:公安一課 相手:左翼過激派 3章:公安二課 相手:公安一課が扱っていない比較的小規模な過激派、メインは革マル派 4章:公安三課 相手:右翼 5章:外事一課 相手:非アジア圏内の外国スパイ、メインはロシアのスパイ 6章:外事二課 相手:アジア圏内の外国スパイ、メインは北朝鮮と中国 7章:外事三課 相手:アルカイーダなどのイスラム過激派 8章:公安機動捜査隊 相手:公安事件の初動対応及び公安専門の鑑識等、 理系の頭脳集団(2003年には天然痘ウイルス感染判別キットを開発) 9章:公安調査庁 相手:オウムなどのカルト教団、権限なし、実力なし。現状、ただの書類仕事専門の役所。 刑事ドラマの悪役として登場することが多い公安部。 彼らについて網羅的に書かれた邦書は現在、私の知っている範囲では本書のみです。 #まあ、公安に関する本を読みあさっている訳ではありませんが・・・ とは言え、新書形式で読みやすくまとまっているので、日本の公安について知りたければお勧めです。 興味のある方はぜひ。
公安部、警備部を担当した元新聞記者が書いている。公安と名がつく組織にも指揮系統によって、その下部は様々な役割が与えられている様だ。誰をマークしているか と言う表題通り、それぞれの相手に対してと言う事がわかり易く書いてあった。
文字通り公安というのがどういう組織で、どんな仕事をしてるかを綴った一冊。 国民から見えにくい公安の活動について知ることができた。
聞いたことはあるけど、知らなかった世界。 昔話かと思ってたけど、今もしっかり存在する団体。 「過激派」「赤軍」などの思想は今もあり、公安は密かに戦ってるんだなあ。 日本人として、も少し危機感持っていかないとなあ
公安組織とその実状がバランスよく記述されている。 逆に言えば,内容が表面的で深みがあまりない。 公安の導入本として読むといいと思う。 公安に関する本は,本書が初めてなので, 個人的には面白かった。
最近、警察小説をよく読むのだが、公安の組織が今ひとつよくわからず本書を購入する。非常に読みやすいが新書で二百頁余りなので深い内容は端から期待できない。但し『公安警察の入門書』としてならお勧め。一方、監視される側の組織については、立花隆氏の『共産党の研究』、『中核VS革マル』がお勧め。30年以上前に書...続きを読むかれたものなので情報の古さは否めないが、著者が気鋭のノンフィクション作家として一番脂が乗っていた時代の作。さて、本書に戻るが大満足とは言えないまでも、資料価値はあるので読書の友として手元の本棚に突っ込んでおく。
こういう抗生物質的存在の 果てしなき「索敵」活動はかすかな不穏を感じさせる。 たとえばこんな一文がある。 「共産党の活動が下火になったため、組織を維持するために対象範囲を広げざるを得ない」 縮小に向かう内部的な力はないであろうこの組織の手綱を 誰がどのように握るのかは、注視されるべきものだろう。...続きを読む この本自体はそれほどセンセーショナルでもないが、 あわせて野中広務を読んでいたので、なかなか楽しめた。
職場の近くの公園で某大学のセクトが、10人ぐらいで反原発東電決起集会をやってたが、周囲には背広でマスクをした異様な監視者達。官の肥大化、予算の適正配分について考えさせられた。今みたいに限りなくライフ0に近づきつつある共産党や弱小セクトなんかにターゲッティングしている時点で何かが間違っている。その一方...続きを読むでオウムについては惨事を招いた。あれから15年以上経っても大してかわってないのではと思わせる風景だった。 ゾルゲ間諜を見抜けず、共産党壊滅で自己満足していた特高警察の悪しき伝統再びみたいな予感
タイトルにひかれて購入。何とも怪しげ。 中身は思っていたよりも普通で、公安警察のことを分かりやすく解説している。 世の中にはこういう世界、仕事もあるんだね。
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公安は誰をマークしているか
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